K-1 7.17 両国国技館(レポ/終盤戦):和島大海、ピケオーを2R KOし「海人選手、やりましょう」。1R KO勝ち競演の野杁正明「これから世界のトップとしかやりたくない」、KANA「メクセンと12月大阪で」
MARTIAL WORLD PRESENTS GYM VILLAGE
中野トイカツ道場
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AZABU PRESENTS K-1 WORLD GP 2023 ~スーパー・ウェルター級&女子フライ級ダブルタイトルマッチ~
2023年7月17日(月/祝)両国国技館
レポート&写真:井原芳徳
和島大海、ピケオーを2R KOし「海人選手、やりましょう」
第21試合 K-1 WORLD GPスーパー・ウェルター級(70kg)タイトルマッチ 3分3R(延長1R)
○和島大海[ひろみ](月心会チーム侍/王者)
×ジョーダン・ピケオー(オランダ/マイクスジム/挑戦者、Krush同級王者)
2R 2’17” KO (パンチ連打)
※和島が2度目の防衛
和島は21年12月に木村“フィリップ”ミノルをKOし第4代K-1スーパー・ウェルター級王者になる。6月のTHE MATCHではRISEのブラックパンサー・ベイノアに判定勝ち。9月のK-1ではヨーロッパの実力者・メレティス・カコウバヴァスをKOした。今年3月のK’FESTA.6ではタイの実力者・ジョムトーンをローキックで攻略し延長TKO勝ちし王座初防衛。7連勝(6KO)と快進撃を続ける。
ピケオーは15年に初来日し、K-1・Krushで活躍。20年3月に久保優太のK-1ウェルター級王座に挑戦して敗れて以降、コロナ禍と怪我の影響で参戦しなかったが、3月のK’FESTA.6でアビラル・ヒマラヤン・チーターをKOし健在ぶりをしめした。和島とは18年9月のKrushで対戦し、ピケオーが判定勝ちしている。
1R、和島はサウスポーで構え、右の前手で距離を取り、左ミドルを度々当てる。中盤からピケオーも右のミドルや膝を返すように。和島は変わらず左ミドル主体で攻めるが、まだピケオーももらいっぱなしになったり崩れない。記者採点はイーブン。
2R、開始すぐからピケオーはパンチラッシュで先手を取ろうとする。だが和島はブロックしてステップして防御すると、左の膝を効かせつつハイも当てる。するとこれが効き目を発揮し、ピケオーは勢いが落ちる。和島はその隙を逃さず、ロープに詰め、左フック、ローを何発も当て、ハイも絡め、猛ラッシュを仕掛ける。
ピケオーはブロックして耐え続けたが、ついに限界が来て、左ストレートをもらうと崩れ落ちてダウンとなる。ピケオーは立ったもののダメージが大きく、最後は和島がピケオーをコーナーに詰め、パンチを当て続けたところで梅木レフェリーがストップした。
マイクを持った「今日は海の日なんですけど今日は大海の日ってことで、大きな海のように優しくて強い人間になります。海つながりで、海人選手に勝てる日本人、僕しかいないでしょう。海斗選手、海外タイトルマッチ決まっていると思うんですけど、勝ってもらっていつか僕とやりましょう」とアピールし、最後は「3、2、1、ワジマックス」の掛け声で締めくくった
KANA、1R KO勝ち防衛「メクセンと12月大阪で」
第20試合 K-1 WORLD GP女子フライ級(52kg)タイトルマッチ 3分3R(延長1R)
○KANA(K-1ジム三軒茶屋シルバーウルフ/王者、元Krush同級王者)
×マッケンナ・ウェイド[McKenna Wade](イギリス/ミレニアム・マーシャルアーツ/挑戦者、WAKO K-1ルール世界選手権女子-52kg級優勝)
1R 0’52” KO (左三日月蹴り)
※KANAが3度目の防衛
KANAは昨年6月の代々木第二でのK-1初の女子大会でスーリ・マンフレディをKOし初防衛に成功。12月のK-1大阪大会ではオロール・ドス・サントスにもKO勝ちした。3月のK’FESTA.6ではフンダ・アルカイエスを2R KOし2度目の防衛を果たした。挑戦者のウェイドは11戦7勝(3KO)4敗の20歳。
1R、KANAは右のカーフを序盤から当てると、早くも効き目を発揮。KANAがサウスポーにスイッチすると、ウェイドが右のインローを放ってきたが、KANAはすぐさま左三日月蹴りをお返ししクリーンヒット。ダウンしたウェイドは動けず、KANAが無傷でKO勝ちした。
3度目の防衛戦も完勝のKANAは「K-1のチャンピオンはやっぱKOじゃなきゃダメでしょ。ずっとアニッサ・メクセンに滅茶苦茶ラブコールを送っているので、今年の12月、大阪で実現させたいと思っているので、みなさんパワーを下さい」とアピールした。
野杁正明、1R KO勝ち「これから世界のトップとしかやりたくない」
第19試合 69.5kg契約 3分3R(延長1R)
○野杁正明(K-1 GYM SAGAMI-ONO KREST/K-1ウェルター級(67.5kg)王者、元同スーパー・ライト級(65kg)王者、元Krushウェルター級(67kg)王者、元Nuit Des champions 66kg級王者、元WBCムエタイ日本スーパーライト級王者、K-1甲子園2009 -62kg優勝)
×アマンシオ・パラスキフ[Amansio Paraschiv](ルーマニア/アマンシオ・ファイトクラブ/SUPER KOMBAT&Fight Clubbing世界ミドル級王者、WAKO-PRO&GFCインターコンチネンタル・ライトミドル級王者、WKNインターコンチネンタル・スーパーウェルター級王者)
1R 1’33” KO (右ミドルキック)
野杁は21年9月に安保瑠輝也らを破りK-1ウェルター級王者になり、昨年6月のTHE MATCHでは階級が上の海人に延長判定1-2で惜敗。この試合で拳を負傷し、療養を経て、今年3月のK’FESTA.6で復帰すると、アンディ・サワー、佐藤嘉洋に勝利したことのあるジャバル・アスケロフを1R右ストレートでKOした。前回69kg契約で今回69.5kg契約と、少しずつスーパー・ウェルター級の70kgに近づいている。今回の相手・パラスキフはベラトールキックでペトロシアン兄弟、Enfusionでタイフン・オズカンと戦ったことがあり、55戦43勝(19KO)11敗1分の31歳。
1R、野杁がスイッチを織り交ぜつつ、オーソドックスからの右のカーフキックを的確に当てて主導権を握る。すると中盤、じわじわ詰めると、右のミドルを強打する。パラスキフは半身の体勢で腹にもらってダウンすると、うずくまったまま動けず、野杁のKO勝ちとなった。
マイクを持った野杁は「相手がなかなか決まらない中、アマンシオ選手、来日してくれてありがとうございます」と話した後、「これまで来る者拒まずでしたが、さすがに世界の強豪と戦わせてください。僕に選ばせてください。これから世界のトップとしかやりたくないんで、世界に挑戦する姿を応援して下さい」と珍しく自己主張した。
軍司泰斗、ダウサヤームをパンチで圧倒も倒しきれず
第18試合 フェザー級(57.5kg)(ノンタイトル戦) 3分3R(延長1R)
○軍司泰斗(K-1ジム総本部チームペガサス/K-1同級王者、同級世界最強決定トーナメント2022優勝、元Krushバンタム級王者、K-1甲子園2016 -55kg優勝)
×ダウサヤーム・ウォーワンチャイ(タイ/ウォーワンチャイプロモーション/元ラジャダムナン認定スーパーフライ級6位)
判定3-0 (西村30-27/豊永30-27/島村30-27)
軍司は昨年8月のフェザー級世界最強決定トーナメントで優勝。12月にはワン・ジュングァンに勝利し、2022年は5戦5勝(2KO)の好戦績を残し、「K-1 AWARDS 2022」ではMVPに選ばれた。3月のK’FESTA.6ではヴュー・ペッコウーソンに判定2-0で勝利し王座初防衛を果たした。
ダウサヤームは17年から日本の大会に上がり、20年のKNOCK OUTでは安本晴翔と肘有りルールで対戦し判定1-2で惜敗した。安本は3月のK’FESTA.6で斗麗に勝利しており、他団体のフェザー級トップ勢との対戦を熱望する軍司としてはインパクトを残したいところ。リングサイドではKNOCK OUTの同級王者の龍聖も観戦する。
1R、開始すぐから軍司がパンチラッシュを仕掛け、度々コーナーとロープに詰め、ボディと顔面に何発も当てる。ダウサヤームはステップを続け、中盤、前蹴りやミドルを返す。終盤、軍司は再び勢いを強め、パンチを何発も当てるが、ダウサヤームはブロックして耐える。記者採点は軍司。
2Rも軍司がパンチラッシュで倒そうとするが、カウンターでダウサヤームの左フックを被弾する場面も。ダウサヤームも右ローやバックハンドブローを時折返す。終盤、またも軍司はパンチラッシュを仕掛けるが、少し荒く軽くなってきた感があり、ダウサヤームは耐えて終える。記者採点は軍司。
3R、軍司は変わらずパンチを当てるが、ダウサヤームは耐え、膝蹴りやバックハンドブローを当ててどよめかせ、最後まで倒れず終了する。記者採点は軍司。合計30-27で軍司。ジャッジ3者も同じ採点で軍司が完勝したものの、倒せなかったせいか悔しそうだった。
菅原美優、王者初戦は判定勝ち
第17試合 女子アトム級(45kg)(ノンタイトル戦) 3分3R(延長1R)
○菅原美優(K-1ジム三軒茶屋シルバーウルフ/K-1&Krush同級王者)
×ディミトラ・アガサゲリドゥ[Dimitra Agathangelidou](ギリシャ/ファイトクラブ・ガラツィ/IFMA世界選手権女子-45kg級準優勝)
判定3-0 (箱崎30-29/梅木30-28/西村30-28)
菅原は3月のK’FESTA.6でパヤーフォンと接戦の末にリベンジし悲願のK-1王者になってからの初戦。対する初来日のアガサゲリドゥは12戦8勝4敗の26歳。
1R、中盤までアガサゲリドゥはパンチを振って前に出る場面もあったが、菅原が距離を取り左右のミドルを当てると、距離感をつかむように。終了間際には左のテンカオを効かせ、アガサゲリドゥは表情を歪める。記者採点は菅原だがまだイーブンもありうる。
すると2R、菅原はミドル、前蹴り、左ジャブ、右ストレート、左テンカオを自在に当て続け、アガサゲリドゥを圧倒するように。記者採点は菅原。
3R、ガムシャラにパンチを振るうアガサゲリドゥに対し、菅原はパンチ、膝、ローを当て続ける。右ローが効き目を発揮し、アガサゲリドゥがバランスを崩す場面もあったが、攻撃が分散しすぎてしまい、倒しきれず終了する。記者採点は菅原。合計30-27で菅原。ジャッジ3者も菅原を支持し、菅原が王者としての初戦を白星で飾った。
与座優貴、野杁先輩につなぐ秒殺KO勝ち
第16試合 63.5kg契約 3分3R(延長1R)
○与座優貴(K-1 GYM SAGAMI-ONO KREST/K-1ライト級(62.5kg)王者、極真会館2017世界ウェイト制軽量級優勝)
×エークモンコン・ガイヤーンハーダオ[Aikmongkol Gaiyanghadao](タイ/ウィラサクレック・フェアテックスジム/元ルンピニー認定フライ級王者、元プロムエタイ協会スーパーフライ級王者、元WMC世界バンタム級王者)
1R 0’43” KO (左三日月蹴り)
与座は3月のK’FESTA.6での朝久泰央との再戦で返り討ちを果たすとともにK-1ライト級王座を獲得。6月3日の横浜武道館大会ではアーロン・クラークを圧倒し判定勝ち。それから1か月半という短い間隔で次の試合に臨む。
エークモンコンはK-1初参戦の30歳で87戦61勝(11KO)22敗4分。上記のとおりムエタイの50kg台前半で3階級の王座を獲得した。現在ONEのトップ選手のスーパーボンとも戦ったことがあるという。
1R、与座が序盤から左の三日月蹴りを効かせ、ロープ際に詰め、左ハイも当てる。さらに再び左三日月蹴りを当てると、エークモンコンはダウンし、うずくまったまま動けず。与座がノーダメージであっけなく勝利した。
与座は「先月倒せなくて悔しくて、倒せてうれしいです。KOで(野杁)正明さんにつなげました。9月横浜アリーナなんですけど、自分も出たいです」とマイクアピールした。
K-1 7.17 両国国技館(レポ/序~中盤戦):斗麗、ヴューを終了間際KO。岩尾力、晃貴も1Rで粉砕。ラテスク&ブディオが1R KO勝ちしカリミアン戦熱望。松谷綺、パヤーフォンとの延長戦制す