KNOCK OUT 12.11 後楽園ホール(レポ):小笠原瑛作、ラジャダムナン同階級ランカー・チャーパヤックに肘で切られ逆転TKO負け。心直・古木誠也・久井大夢・クンタップが王座獲得
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MAROOMS presents KNOCK OUT 2022 vol.8
2022年12月11日(日)後楽園ホール
レポート:井原芳徳
第9試合 メインイベント RED フェザー級(57.5kg) 3分5R(延長1R)
×小笠原瑛作(クロスポイント吉祥寺/KNOCK OUT-REDフェザー級王者・元同スーパーバンタム級王者、WPMF世界同級王者、ISKA K-1ルール世界バンタム級王者)
○チャーパヤック・サクサトゥーン[Chartpayak Saksatun](タイ/ラジャダムナン認定フェザー級9位、BBTV同級7位)
3R 1’22” TKO (ドクターストップ:左肘打ちによるカット)
小笠原兄弟の弟・瑛作は9月大会でTAKERUをKOしKNOCK OUT-REDフェザー級王者となり、KNOCK OUT 2階級制覇を果たしてからの初戦。現在10連勝中だが、最後に黒星を喫したのが19年11月のKNOCK OUTでのラジャダムナン&ルンピニーランカーのサオエーク戦での2R KO負けだった。
今回はゲーオ、ゴンナパーら数多くの名選手を日本に呼んだウィラサクレック・ウォンパサー氏(ウィラサクレックジム会長)が選んだ同階級の現役ラジャランカーとの試合が組まれた。瑛作はこの3年間の成長を示し、来年3月5日、念願の代々木競技場第二体育館でのビッグイベントに向け弾みをつけたいところだったが、厳しい結果が待ち受ける。
チャーパヤックは戦績112戦80勝(16KO)29敗3分の24歳。昨年は4戦4勝(1KO)、今年は7戦5勝(2KO)2敗と好成績を残している。BBTVをはじめとする3R制のテレビマッチで人気を集め、ウィラサクレック氏も好戦的なファイトスタイルを見込んで推薦してきた。
1R、瑛作はサウスポーで構え、最初からプレッシャーを強め、オーソドックスのチャーパヤックに対し、奥足狙いの左ロー、ミドルキックを積極的に当て先手を取る。チャーパヤックはムエタイ流儀で1R目はまだ手数は控え目。瑛作のローでコカされてスリップする場面はあるものの、ダメージ自体はまだ小さい様子に見える。記者採点はイーブンだが瑛作につけるジャッジがいても不思議ではない。
2R、チャーパヤックも右ミドルを当てつつ、左ボディにもつなげるなど、1Rより積極的になる。だが瑛作がプレッシャーをかける構図自体は変わらず、左ミドル、ローのヒット数では上。チャーパヤックは下がる足取りがややぎこちなくなっている。終盤、瑛作の左ローをすくってから、チャーパヤックは首相撲に持ち込むようになるが、瑛作は対処し膝を打たせずブレイクがかかる。すると瑛作はロープに詰め、左右のボディを連打してからの左ローのコンビネーションを連続で出して、ローでダウンを奪う。瑛作は四つん這いになったチャーパヤックにパンチを当てたため、秋谷レフェリーから注意を受ける。チャーパヤックは笑顔を浮かべて両手を広げて立ち続行するが、その後も瑛作が攻め続けて終える、記者採点は10-8で瑛作。
完全に瑛作が仕留める流れかにも思われたが、3Rに事態が一変する。開始すぐ、瑛作はパンチと左ローのコンビネーションを繰り返し、右フックでダウンを奪う。チャーパヤックは前のめりで倒れ、苦しそうな表情を浮かべるが、レフェリーのカウントを聞きながら、すぐ笑顔に戻し立ち上がる。
瑛作は変わらず詰めてパンチと左ローを連打するが、チャーパヤックはブロックして耐えると、パンチを振り回す瑛作のガードが甘くなった隙を縫うように右肘をヒット。アゴにもらった瑛作も、思い出したように左肘を振うが、力が次第に抜け、組んできたチャーパヤックに押し倒されてしまう。瑛作は立ち上がったが、一転して表情は虚ろに。するとチャーパヤックはこのチャンスを逃さず前に出て、首相撲で捕まえながら右肘を当て、瑛作の背中に回り込んで崩しながら背中に膝を当て、ラジャダムナンのランカーの技術と底力を見せつける。瑛作は立って左ローを出すが力が入らず自らスリップ。チャーパヤックが組んで左右の肘を連打すると、瑛作も肘を振り回して応戦したが、的確に当てているのはチャーパヤックのほう。瑛作は右の眉とまぶたの2か所を深く切られて出血しドクターチェックが入るとストップ。チャーパヤックの逆転勝ちが決まると、チャーパヤックはセコンドのウィラサクレック会長らと抱き合って大喜びした。
第8試合 セミファイナル 第2代KNOCK OUT-REDスーパーフライ級(52kg)王座決定戦 3分5R(延長1R)
×乙津 陸[おつ りく](クロスポイント大泉)
○心直[しんた](REON Fighting Sports Gym/シュートボクシング日本バンタム級(52.5kg)1位)
判定0-3 (秋谷47-50/和田47-50/北尻46-50)
※心直が王者に
乙津は6戦6勝(3KO)の高校3年生・18歳。8月の新宿フェイス大会での谷津晴之戦では終了間際のラッシュでTKO勝ちし、10月の後楽園大会では、タフな酒井柚樹との激闘を、多様な攻撃と手数差で制し判定勝ちし、素質の高さを印象付けている。
心直は17戦7勝(1KO)8敗2分の21歳。昨年9月の初代KNOCK OUT-BLACKスーパーフライ級王座決定トーナメントの一回戦で濱田巧に1R KO負け。今年4月のシュートボクシングでは山田虎矢太と55kgで戦い1R KO負けしている。
今回、心直は52kgに戻っての戦いだが、やや減量が厳しくなってきたか?試合前日正午からの公式計量で1回目は600gオーバー。制限時間の14時の直前の13:50の再計量でも100gオーバーだったが、乙津陣営が14:20までの延長を認め、14:05の再々計量で52.0kgジャストとなりクリア扱いとなっていた。
試合は心直が経験の差を存分に発揮することに。1R、心直がサウスポーで構えてプレッシャーを掛けつつ随所で左ミドルを当て、終盤には組んで崩しも度々決め、スキル差を印象付ける。記者採点は心直だがまだイーブンもありうる。
2Rも心直が左ミドルを当てつつ、左ボディストレート、テンカオも絡め主導権。最後は右の前蹴りをボディと顔面に自在に当てる。記者採点は心直。
3R、乙津はスイッチを織り交ぜつつじわじわ圧をかけると、左ストレートをヒット。ようやく好印象の攻めを見せる。だがその先は続かず、心直が右の前蹴りで距離を保ち、左ミドルを随所で当て主導権を維持する。記者採点はイーブンだが心直につく可能性も高い。
4R、心直は度々組んで膝を当てつつ、崩しも決め続け、乙津を削りつつ主導権を維持する。終盤には心直が左ストレートもヒット。左ミドルの連打で乙津を下がらせる。記者採点は心直。初の5R制の乙津は疲れの色が濃く、減量で苦しんだ心直はまだ体力が十分ある様子だ。
5R、序盤こそ乙津はミドルの応酬を繰り広げるが、心直が左ミドル、膝を随所で当て付け、主導権を維持。最後も心直が左のパンチ、右の前蹴りを的確に当て続けて反撃を許さず終える。記者採点は心直。合計46-50で心直。ジャッジ3者も大差で心直を支持し、心直が王者となった。完敗の乙津は涙を流しながら退場した。
マイクを持った心直は「ブラボー!」と、開催中のサッカーワールドカップの日本代表のように第一声を放ち、「3連敗からのチャンピオン、これまでいますか?」と最初はアピールしたが、その後は「ぶっちゃけ体重が落ちなくて、再計量で迷惑をかけてしまったKNOCK OUT関係者の皆さん、乙津選手、クロスポイント大泉の外会長、本当にすみませんでした」と話して四方に頭を下げた。続けて「で、僕がチャンピオンです」と話し、通常運転に戻ると「スーパーフライ級にぶっちゃけ落ちないんで、宮田さん、バンタム級(53.5kg)で王座決定戦、組めますか?いや間違えた、宮田充、バンタム級タイトルマッチ、組めんの?」と、高田延彦氏の似ていない物まねでアピールした。宮田プロデューサーは苦笑しつつ「スーパーフライ級は返上するということでいいんですか?」と返すと、18戦目でようやく王者になれた心直は「考えなおします」と答え、観客を笑わせた。
第7試合 初代KNOCK OUT-BLACKスーパーバンタム級(55kg)王座決定戦 3分3R(延長1R)
○古木誠也(G1 TEAM TAKAGI)
×工藤“red”玲央(TEAM TEPPEN)
1R 1’23” KO (パンチ連打)
※古木が王者に
工藤は4月の1年ぶりの復帰戦で加藤和也をKOし、7月大会では炎出丸に判定勝ち。10月大会ではダイナマイト柿崎を2R右のオーバーハンドフックでKOし、復帰後3連勝とすると「ダメージは無いんで、12月11日、タイトルマッチやりたいです」とアピールし、要望が通った。
古木は子供時代から極真空手を習い、100近い大会で優勝の実績がある。9月大会の第1試合で前田翔太の鼻をパンチで負傷させ1R TKO勝ちすると、11月19日の大会での王座挑戦者決定戦では、元KNOCK OUT-REDバンタム級王者の響波を右フック一撃で1R KOした。プロキック5戦4勝(3KO)1敗。
1R、工藤は開始すぐから前に出て左右のパンチを振って勝負を仕掛ける。古木はブロックして耐えつつ、パンチ狙いで重心が低くなっている工藤の前足に、左右のカーフキックを的確にヒットする。工藤の勢いを止めると、右フック、左ボディ、左ハイ、インローカーフを立て続けに当てて下がらせる。すると工藤をコーナーに詰めて左右のパンチを顔面に連打し、ダウンを奪う。工藤は立とうとするが腰が落ち、センチャイレフェリーがストップ。古木が今回も1R KO勝ちし、プロ6戦目で初のベルトを巻いた。
マイクを持った古木は「天国のお父さん、チャンピオンになれました。天国から見守ってくれてありがとうございます」と話し、仲間たちに感謝の言葉を述べた。さらに「4月に井熊選手にボコボコにされて負けたのでリベンジしたいです」とアピールした。
第6試合 初代KNOCK OUT-REDスーパーフェザー級(60kg)王座決定戦 3分5R(延長1R)
×新田[あらた]宗一朗(クロスポイント吉祥寺/INNOVATIONスーパーフェザー級王者)
○久井大夢[たいむ](TEAM TAIMU)
2R 1’55” KO (3ダウン:左フック)
※久井が王者に
新田は4月に櫻井健を破りINNOVATIONスーパーフェザー級王座を獲得。7月のRIZIN沖縄大会で大雅に判定負け。10月のKNOCK OUTではカミ シロに苦戦するも延長判定勝ちした。
久井は元INNOVATIONスーパーフェザー級王者・久井淳平の息子で、2戦2勝(2KO)の17歳、KNOCK OUTのアマチュアの3階級で優勝し、4月の後楽園でプロデビューし山崎尚英を2R KO。9月大会では向井貫太に3R TKO勝ちすると「ベルトを作って欲しいです」とマイクアピールし、3戦目で早くも王座挑戦のチャンスを得た。肘有り5Rは今回初挑戦となるが、そこまでの時間は必要なかった。
1R、久井がサウスポーで構えてプレッシャーをかけ続け、お互いミドル主体に攻める。均衡状態が続いたが、終盤、新田の右ミドルの直後に、久井が左のバックスピンキックを当て、新田をロープまで吹き飛ばす。最後も右ジャブを当てつつ左ハイも当て、好印象で終える。記者採点は久井。
2R、久井は序盤から右ローを当て、じわじわ圧を強める。すると新田が少し前に出て右ミドルを当てた後、右ストレートを放ったタイミングで久井は素早い左ストレートをクロスさせてダウンを奪う。久井はさらに右ジャブを強打すると、フラついた新田が背中を向けロープの外に上体が出てしまいダウンとなる。新田はダメージが大きく、最後は左フックを軽く当てただけで新田がダウンしKOとなった。
ベルトを巻いた久井は「これからの格闘技は久井大夢です。KNOCK OUTです。僕がKNOCK OUTを大きくして、久井大夢と戦いたいと思われる選手になります」とアピールした。
第5試合 第2代KNOCK OUT-REDスーパーウェルター級(70kg)王座決定戦 3分5R(延長1R)
×津崎善郎(LAILAPS東京北星ジム)
○クンタップ・チャロンチャイ(タイ/BTC GYM/元WMC世界・WMAF・M-1スーパーウェルター級王者)
判定0-3 (センチャイ48-49/少48-49/北尻48-49)
※クンタップが王者に
津崎は37歳、クンタップは42歳のベテラン対決。津崎は7月の後楽園でNJKFスーパーウェルター級王者でvic.YOSHIに右フックでダウンを奪われ判定負けしたが、今回ベルト挑戦のチャンスを得た。
クンタップはウィラサクレック時代の20代には全日本キック、M-1ムエタイチャレンジを主戦場に活躍。津崎の師匠の石毛慎也とも09年のM-1スーパーウェルター級王座防衛戦で戦い引き分け防衛を果たしている。近年は巌流島に上がりで、菊野克紀、西浦ウィッキー聡生、伊藤澄哉とも戦った。10月のKNOCK OUTでは中島弘貴の攻撃を封じつつ膝、ミドルを駆使し僅差の判定勝ちした。
試合は肘有り5Rでクンタップの老獪さがより活きることに。1R、津崎が前に出る時間が長いが、攻撃は乏しく、クンタップも組んで膝を当てるが、まだ多く攻めようとはしない。2Rも同様で、津崎が最後に左右のパンチを当てるが、すぐ時間切れに。記者採点はここまでイーブン。
3Rも似た展開だが、クンタップはサウスポーからの左右のミドルのヒットを増やし、少し優勢に。記者採点はクンタップ。4Rもクンタップはミドルを当て続け、随所で崩しも絡め、津崎を翻弄する。記者採点はクンタップ。
5R、なんとか巻き返したい津崎は圧力を強め、顔面に何度か連続でパンチを当てて挽回するが、クンタップはクリンチで寸断し続けて難を逃れて時間切れ。記者採点は津崎。合計48-49でクンタップ。ジャッジ3者も同じ採点で、クンタップが逃げ切る形で判定勝ちしベルトを巻いた。
ベルトを巻いたクンタップは日本語で「ありがとうございました。いっぱい応援してくれてカッコいいベルト取って本当にうれしかったです。久しぶり5Rの試合なんで滅茶苦茶疲れました。また来年よろしくお願いします。何も言えねえ」と話した。
第4試合 BLACK 63kg契約 3分3R(延長1R)
○鈴木宙樹[ひろき](クロスポイント吉祥寺/元REBELS-BLACK -60kg級王者)
×モンダム・ウィラサクレック[Mondam Weerasakreck](タイ/ウィラサクレック・フェアテックス)
2R 2’23” KO (3ダウン:右フック)
鈴木千裕の兄・宙樹は10月のボクシングからキックへの復帰戦で西岡蓮太に敗れ、今回は復帰2戦目での勝利を目指す。
モンダムは96年12月10日生まれの26歳。戦績69戦48勝(7KO)16敗5分で構えはオーソドックス。今年来日し5月のHEAT名古屋大会での肘無しの試合では安川侑己に3R KO負けし、7月のKODO大分大会の肘有りの試合では提島知久に2R KO勝ちしている。
試合は宙樹が順当にレベルの違いを見せる。1R、宙樹が右のロー、カーフをコツコツと当て、終盤には詰めて左右のボディもヒット。終了間際、ロープ際のモンダムが右ハイを空振り少しバランスが崩れたところで、宙樹が右ストレートを当ててダウンを奪う。
2R、宙樹は右ローを当てつつ、詰めてまたも右ストレートを当ててダウンを奪う。モンダムは崩しで宙樹の攻撃を寸断するが、中盤にも宙樹が左ボディを当てて再びダウンを奪取。最後はパンチ連打から右フックで3ダウン目を奪いKO勝ちした。
マイクを持った宙樹は「来年、62.5kgでも65kgでもいいんで、トーナメントをやってもらって、KNOCK OUTのベルトをこの腰に巻きたいです」とアピールした。
第3試合 BLACK ライト級(62.5kg) 3分3R(延長1R)
○大谷翔司(スクランブル渋谷/INNOVATIONライト級王者)
×庄司啓馬(TEAM TEPPEN)
2R 1’24” KO (右ストレート)
大谷は4月のRIZIN TRIGGERでRIZINに初参戦し力也に1R TKO勝ち。7月のKNOCK OUTではRIZINでブレイクした梅野源治の肘有りルールの相手に抜てきされるも、3R終了間際に右肘で切られTKO負けした。今回は肘無しのBLACKでの戦いだが、梅野との激闘の経験が活きるだろう。庄司は8月の新宿大会でカミ シロに判定負けしたが、9月の後楽園では般若HASHIMOTOに判定勝ちしている。
試合は今年彼にとって大きな試合を経験した大谷が成長を見せる内容に。1R、庄司が前に出て来るが、大谷は右ローキック、カーフキック、左ジャブ、ボディフック、ミドル等を的確に当て続ける。終盤、庄司が右フックを当てると、大谷が少しフラつくが、すぐ持ち直す。記者採点はイーブン。
2R、最初は庄司も右ローを当てるが、大谷が右ローを返すと、右ストレート、左ミドル、左ジャブを立て続けに当ててペースを握る。庄司は詰めて右フックを振うが、今度はかわした大谷が右ストレートをヒット。庄司がひるむと、大谷は左右のパンチを連続で当て、右ストレートでダウンを奪う。庄司は立ち上がるがダメージが溜まっており、大谷はまず右のカーフを当ててから、パンチを連打し右ストレートを当てて再びダウンを奪ったところでセンチャイ・レフェリーがストップ。大谷がKO勝ちした。試合後のマイクでは「ちょっとYouTube始めようと思っているで」と話し、笑顔を浮かべた。
第2試合 RED スーパーバンタム級(55kg) 3分3R(延長1R)
×大野貴志(士道館新座ジム/元WMC日本&Bigbangスーパーバンタム級王者、元MA日本バンタム級王者)
○古村 光(FURUMURA-GYM)
1R 1’32” KO (右ストレート)
大野は過去にDyki、村越優汰、小笠原瑛作、良星、江幡塁に敗れているが、約55kg戦線で3本のベルトを取り、上位勢の好敵手として活躍してきた32歳。9月のKNOCK OUT-REDスーパーバンタム級王座決定トーナメントで壱・センチャイジムに判定負けしたが、3年ぶりの試合とは思えない動きを見せていた。
古村は約1年ぶりのKNOCK OUTで、最近は地元九州や愛知のホーストカップといった地方での試合が続いた。昨年12月には5R判定負けに終わったもののタイで活躍する強豪・福田海斗との試合も経験しており、久々のKNOCK OUTで成長を印象付ける
試合は古村のワンサイドゲームに。1R、長身のサウスポー・古村が前に出て、左ジャブ、ミドルを当て、さらに右ストレート、フックを立て続けに当てると、10秒足らずで大野の腰が落ち、さらに古村が追いかけ右ストレートを当てて早くもダウンを奪う。大野がすぐ立つが、古村はこのチャンスを逃さず前に出続け、パンチを当て続けると、最後も右ストレートを当て、ダウンを再び奪ったところで山根レフェリーがストップした。
マイクを持った古村は「やっとここで話すことができてうれしいです。KNOCK OUTで前に壱(センチャイジム)君に負けて、凄く悔しくて、ジムの仲間が練習に付き合ってくれてここに立てています」「REDスーパーバンタム級王者の壱君とやりたいんですけど、せっかくだから大舞台でやりましょう」とアピールした。
第1試合 BLACK スーパーバンタム級(55kg) 3分3R(延長1R)
○小倉尚也(スクランブル渋谷)
×加藤和也(ドージョーシャカリキ)
判定3-0 (30-27/30-28/30-28)
小倉は近年Krushを主戦場としているが、元々はKNOCK OUTの前身のREBELSとも並行参戦していた。現在、元K-1プロデューサーで現KNOCK OUTプロデューサーの宮田充氏がクロスポイント&スクランブル勢の選手の試合の交渉窓口を務めており、K-1 JAPAN GROUPも了承の元、今回KNOCK OUTに上がることになった。Krushで内田晶、晃貴、岩尾力相手に3連敗中で、再浮上のきっかけをつかみたいところ。対する加藤は4月のKNOCK OUTで工藤“red”玲央にKO負けしている。
試合は小倉がレベル差を見せつける内容に。1R、開始すぐから加藤が詰めて左右のパンチを連続で放つが、振りが荒く、小倉はブロックして対処。以降は加藤に圧力をかけ、前に出てパンチ、組めば膝を当て主導権を握る。2Rはパンチと膝の数を増やし、加藤をフラフラにして追い詰める。Krushでは禁止される、組んだ状態の膝も多様する。3R、加藤がガムシャラにパンチを振うが、小倉は防御して自分のパンチと膝を的確に当て続け、主導権を維持し完勝した。記者採点は30-27で小倉。
プレリミナリーファイト第2試合 BLACK フェザー級(57.5kg) 3分3R
×yu-ki(隆真GYM)
○雅治(レンジャージム)
3R 2’55” TKO
プレリミナリーファイト第1試合 アマチュア 65kg契約 2分2R
○柳澤翔太(クロスポイント吉祥寺)
×松本大輝(パラエストラ八王子)
判定2-0 (20-19/19-19/20-19)