KNOCK OUT 10.16 後楽園ホール(レポ):復帰2戦目の西岡蓮太、キック復帰戦の鈴木宙樹に判定勝ち。42歳のクンタップ、中島弘貴に判定勝ち。高3の乙津陸、酒井柚樹との激闘制しプロ6連勝
MARTIAL WORLD PRESENTS GYM VILLAGE
中野トイカツ道場
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KNOCK OUT 2022 vol.6
2022年10月16日(日) 後楽園ホール
レポート&写真:井原芳徳
※REDルールは肘有りキックルール、BLACKルールは肘無し
西岡蓮太、キック復帰の鈴木宙樹に判定勝ちし約2年半ぶり勝利
第9試合 メインイベント BLACK 64kg契約 3分3R(延長1R)
×鈴木宙樹[ひろき](クロスポイント吉祥寺/元REBELS-BLACK -60kg級王者)※フレア山上から所属変更
○西岡蓮太(龍生塾/元KNOCK OUT-BLACK 64kg級王者、シュートボクシング日本ライト級(62.5kg)1位・元王者)
判定0-3 (北尻28-30/センチャイ28-30/少29-30)
宙樹はKNOCK OUT-BLACK スーパーライト級王者・鈴木千裕の兄で25歳。17年にKrushでプロデビューし、19年6月に葵拳士郎に判定勝ちしREBELS -60kg級王者に。20年2月にピラオ・サンタナに判定勝ちし初防衛に成功し、キック戦績13戦13勝(8KO)とした。たがその後ブランクが続き、昨年9月にプロボクシング転向を正式発表。12月のボクシングデビュー戦では1R KO勝ちしていたが、クロスポイントに戻って2年8か月ぶりにキックに復帰した。
西岡は20年2月のKNOCK OUT大田区総合体育館大会での無法島GP(BLACK 64kg王座決定トーナメント)で小川翔、鈴木千裕、バズーカ巧樹を破り優勝して以来2年8カ月ぶりのKNOCK OUT参戦。20年10月のRISEのDoA -63kgトーナメントに参戦し、優勝者の原口健飛に1回戦で判定負け。その後は左手首を2度手術し療養が続き、今年4月のSBでのSB王座防衛戦で復帰したが、笠原弘希にKO負けし、それから半年での試合となる。
1R、宙樹は圧力をかけつつ、序盤からミドル、ローも蹴り、キックルールに戻ったことを印象付ける攻めを見せる。西岡の右ローもある程度カットできている様子。だが中盤以降、西岡が左右のストレート、ボディ等を当て、やや押し気味に。蹴り足をつかんでからの攻撃でも宙樹を脅かす。記者採点はイーブンだが西岡につく可能性はある。
2Rも宙樹が圧をかける時間が長いが、ミドル、ローからその先になかなかつなげられない。久々のキックルールということもあってか、今一つ動きが硬い感もある。西岡も蹴り足をつかんでの右ストレートや、膝蹴り、ロー等を当て、中盤過ぎに宙樹を詰める場面を作るが、終盤には宙樹も圧をかけ返し、五分に近い状態に戻す。記者採点はイーブンだが西岡につく可能性はある。
3R、宙樹が左ボディ、ミドル、三日月蹴りを随所で当てるが、西岡も左膝、ローをお返しし、なかなか差がつかない。だが終盤、西岡が前に出て、コーナーに詰めて右ストレート等のパンチの手数を上げる。クリーンヒットまで至らないものの、やや押し気味で、宙樹は守勢が続いたまま終える。記者採点は西岡。合計29-30で西岡。ジャッジ3者とも1~2点差で西岡を支持し、西岡の判定勝ちとなった。西岡は怪我からの復帰2戦目で持ち味がかなり戻り、逆に宙樹はキック復帰初戦で持ち味が戻り切っておらず、その差が出た内容にも見えた。宙樹はキック14戦目で、ボクシングを入れればプロ15戦目で初黒星を喫したこととなる。
マイクを持った西岡は「KNOCK OUTのメインでノックアウト決着できず申し訳ないですけど、2連敗から勝ててうれしいです」と話すと、関係者に感謝の言葉を述べ、「KNOCK OUTもシュートボクシングも応援お願いします」とアピールした。
42歳のベテラン・クンタップ、気迫ファイトで中島弘貴に判定勝ち
第8試合 セミファイナル BLACK スーパーウェルター級(705kg) 3分3R(延長1R)
×中島弘貴(LALA TOKYO/元Krushスーパー・ウェルター級(70kg)王者)
○クンタップ・チャロンチャイ(タイ/BTC GYM/元WMC世界・WMAF・M-1スーパーウェルター級王者)
判定0-2 (山根29-29/秋谷29-30/センチャイ28-29)
中島は昨年7月からKNOCK OUTに上がり、サッシス、平塚洋二郎、曽根修平、コーンリーチ、漁鬼相手に5連勝中。クンタップは42歳のベテランで、ウィラサクレックジム時代の20代には全日本キック、M-1ムエタイチャレンジを主戦場に活躍。コロナ禍突入以前の約3年間は巌流島で活躍し、菊野克紀、西浦ウィッキー聡生、伊藤澄哉らとも戦っていた。
1R、中島がプレッシャーをかけ続け、随所で右ストレート、右ミドルを当て、手数と積極性で上回る。クンタップは回り続け、時折左右のミドルを当てるが、中島の勢いを止めるほどにはならない。記者採点は中島だがイーブンの可能性もある。
2R、クンタップも前に出るようになり、組んでの膝、ミドル、ローを随所で強打する。中島が右ストレート、右ローを当てれば、クンタップは足や顔を自分で叩いて己を鼓舞するような動きを見せる。中島はクンタップの気迫に押され気味な感がある。記者採点はクンタップだがイーブンもありうるだろう。
3R、クンタップは首相撲で膝を当てるが、組み際にバッティングとなり、中島は左まぶたを切りドクターチェックを受ける。再開後、中島は前に詰めてパンチラッシュでクンタップを追い詰める。クンタップも組んで膝を連打する場面もあるが、終盤にも中島がパンチをまとめ、やや優位で終了する。記者採点は中島。合計29-28で中島。ジャッジは1者がイーブンだったが、2者はパンチが荒くなりがちな中島よりも、クンタップの膝、ミドルの的確性を評価した模様で、クンタップの判定勝ちとなった。採点を聞いた中島は首を傾げたが、仮に勝ちだったとしても「辛勝」と評価せざるをえない内容だった。
クンタップは「みなさんこんばんは。いっぱい来てくれてありがとうございます。また応援よろしくお願いします。コップンカー」と日本語主体でアピールした。
高3・乙津陸、TEPPEN酒井柚樹との激闘制しプロ6連勝
第5試合 BLACK スーパーフライ級(52kg) 3分3R(延長1R)
○乙津 陸[おつ りく](クロスポイント大泉)
×酒井柚樹(TEAM TEPPEN)
判定3-0 (センチャイ29-28/山根30-28/和田30-28)
乙津は8月の新宿フェイス大会で谷津晴之にTKO勝ちし、5戦5勝(3KO)の高校3年生・18歳。
1R、乙津が右のカーフキックを効かせつつ、随所で飛び膝も絡め、パンチもまとめて一気に攻めようとするが、酒井も左ボディ、顔面への左フックを随所で返し、どちらも譲らぬ激しい打ち合いとなる。記者採点はイーブン。
2R、乙津が左ボディ、三日月蹴りを当てると、酒井は少し下がり気味に。だが酒井も左フック、左ボディを返し、コーナーに詰め挽回する。ところが終盤、乙津は左のテンカオを度々当てて再び主導権。一進一退の攻防に場内が沸く。記者採点はヒットで上回った乙津。
3R、酒井は己を鼓舞しようと声を上げるが、乙津が終始前に出て、膝、パンチを当て続け圧倒する。酒井は度々コーナーやロープに詰められながらも、パンチを振るい抵抗を続ける。最後は乙津が膝を連打しダウン寸前まで追い込むが酒井は耐えて終了。若い乙津の攻撃の回転力、酒井の持ち前のタフさがうまくかみ合い、場内は大盛り上がりに。試合終了と同時に酒井のセコンドの那須川弘幸会長もリングに上がり、拍手で両者を称え、場内も拍手に包まれた。記者採点は乙津。合計30-28で乙津。ジャッジ3者も乙津を支持し判定勝ちし、乙津は6戦6勝(3KO)になった。
工藤“red”玲央&クボマサヤが豪快KO勝ち
第7試合 BLACK スーパーバンタム級(55kg) 3分3R(延長1R)
○工藤“red”玲央(TEAM TEPPEN)
×ダイナマイト柿崎(DRAGON GYM秋田/RKA&DBSスーパーバンタム級王者)
2R 0’37” KO (右フック)
工藤は4月の1年ぶりの復帰戦で加藤和也をKOし、7月大会では炎出丸に判定勝ち。柿崎はKNOCK OUT初参戦。1R、工藤が開始すぐからプレッシャーをかけ続け、右ミドル、右フックを当てる。終盤、いったんしゃがんでフェイントをかけてから、右のオーバーハンドフックを当ててダウンを奪う。
すると2R序盤にも、工藤は再び右のオーバーハンドのフックを当ててダウンを奪う。柿崎はダメージが溜まっており、立とうとしたがフラつき、少レフェリーがストップ。工藤のKO勝ちとなった。工藤は「ダメージは無いんで、12月11日(後楽園大会で)、タイトルマッチやりたいです」とアピールした。
第6試合 RED スーパーフェザー級(60kg) 3分3R(延長1R)
○新田宗一朗(クロスポイント吉祥寺/INNOVATIONスーパーフェザー級王者)
×カミ シロ(PHOENIX)
4R 判定3-0 (少10-9/山根10-9/秋谷10-9)
3R 判定0-1 (少29-30/山根29-29/秋谷29-29)
1R、新田が右ロー、カーフキックを当て、組んで膝も当てる。カミ シロは蹴りを当てつつ時折右ストレートを当てる。新田の勢いがやや上だがまだ差は乏しい。記者採点はイーブン。
2R、お互い攻撃は出すがなかなか強打につなげられない上、どちらも体力消耗が進み、クリンチやスリップが増える。記者採点はイーブン。
3R、カミ シロがパンチを当てていると新田は鼻血を大量に出すように。それでも新田は左ミドル、膝を当て、終盤は巻き返すが詰め切れず。記者採点はイーブン。合計30-30でイーブン。ジャッジは1者がカミ シロを支持し、2者は29-29のイーブンで延長へ。
延長R、お互い消耗が激しく、クリンチが増えるが、その中で新田が左肘、右ストレートを当て、右のバックハンドブローでカミ シロをひるませる場面を作り好印象を残す。記者採点もジャッジ3者も新田。新田が判定勝ちした。
第4試合 BLACK 66.5kg契約 3分3R(延長1R)
○クボマサヤ(PHOENIX/WMCインターコンチネンタル・スーパーライト級王者)
×CAZ JANJIRA(JANJIRA GYM/元蹴拳ウェルター級王者)
2R 0’20” KO (右ストレート)
1R、両者サウスポーで構え、クボが左のカーフキック、スーパーマンパンチ、CAZが左ミドル、ストレート等を当てるが、均衡状態が続く。だが2R、開始すぐに試合が一気に動き、クボが右ストレートをクリーンヒット。ダウンしたCAZは立ち上がれず、クボがKO勝ちした。
第3試合 BLACK スーパーライト級(65kg) 3分3R(延長1R)
×YUYA(クロスポイント吉祥寺)
○Apollo中山(GOD SIDE GYM)
判定0-2 (秋谷28-29/センチャイ29-29/北尻29-30)
第2試合 RED バンタム級(53.5kg) 3分3R(延長1R)
×大﨑草志(STRUGGLE)
○ナカムランチャイ・ケンタ(team AKATSUKI)
4R 0’35” TKO (ドクターストップ:肘打ちによる額のカット)
3R 判定0-0 (和田29-29/秋谷29-29/北尻29-29)
第1試合 BLACK スーパーフェザー級(60kg) 3分3R
○智己(LARA TOKYO/スピリットジム仙台)
×佐藤拓也(クロスポイント吉祥寺)
1R 3’00” TKO (コーナーストップ:右飛び膝蹴りでダウン後)
プレリミナリーファイト第2試合 BLACK スーパーフライ級(52kg) 3分3R
○竹田哲紳(クレイン)
×剛大(Y’s glow)
判定2-0
プレリミナリーファイト第1試合 BLACK フェザー級(57.5kg) 3分3R
○福田拓海(クロスポイント大泉)
×大岩竜世[りゅうせ](KANALOA-GYM)
判定2-0