シュートボクシング 4.10 後楽園ホール(レポ):笠原弘希、1年半ぶり復帰の西岡蓮太をKOし日本ライト級王者に。THE MATCH派遣にシーザー会長前向き
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SHOOT BOXING 2022 act.2
2022年4月10日(日) 後楽園ホール
レポート&写真:井原芳徳
第8試合 メインイベント シュートボクシング日本ライト級(62.5kg)タイトルマッチ 3分5R(無制限延長R)
×西岡蓮太(龍生塾/王者、元KNOCK OUT-BLACK 64kg級王者)※初防衛戦
○笠原弘希(シーザージム/1位、元スーパーフェザー級(60kg)&フェザー級(57.5kg)王者)
2R 1’24” KO (左ボディフック)
※笠原が王者に
西岡は18年に村田聖明とのSB日本ライト級王座決定戦を制してベルトを獲得し、今回が初防衛戦。20年2月のKNOCK OUTでの無法島64kgトーナメントでは、小川翔、鈴木千裕、バズーカ巧樹を下して優勝し王者となる。同年10月のRISEのDoA 63kgトーナメント一回戦で原口健飛に敗れた。その後、左手首を2度手術し、1年半ぶりに復帰する。
弘希は笠原3兄弟の長男。昨年12月大会では重森陽太に打撃で攻め込まれるが、最後にジャーマンスープレックスでポイントを奪って逆転勝ちした。2月大会は新型コロナウイルス陽性と診断され欠場していた。
1R、笠原がプレッシャーをかけ、西岡が距離を取る構図。西岡は序盤こそ右ローを当て続けるが、中盤からはパンチを増やし、右ストレート、左フックを当てる。だが笠原も打ち合いで左フック、左ボディを当て、一歩も引かない。記者採点はイーブン。ジャッジは1名が西岡を支持し、2名はイーブン。
すると2R、圧をかける笠原が、右ローを当てると、西岡は少し嫌がり、さらに左ボディを当てると西岡が後退。すると笠原は西岡をロープに詰めてのパンチラッシュで、左ボディを効かせ、さらに右フックで押し倒すようにしてダウンを奪う。すると西岡は亀になってうずくまったまま立ち上がれず、笠原のKO勝ちとなった。
ベルトを巻いた笠原は「シュートボクシングで3階級を制覇したのは僕だけだと思います。この階級誰と戦っても一番と思っているので会長お願いします。僕はいつでも準備できています。シュートボクシング最強の笠原弘希を証明していきたいです」とアピールした。
笠原は「(去年笠原がKO勝ちした)スアレック選手のほうがパンチが重かったので問題なかったです」「他団体の名前のある人に負けてちゃ看板に泥を塗るので、シュートボクシング代表で引っ張っていきたいです。RIZINとかRISEとか大きい舞台でやりたいですけど、誰とやりたいとかはないです」と話した。
シーザー武志・SB協会会長は6月19日の那須川天心×武尊の行われるTHE MATCH東京ドーム大会への笠原の派遣について「(実行委員に)言ってみようと思います。(友希との)兄弟で出ても面白いと思います。ただRISEも(同階級で強い選手が)結構いるからね。負けてもまだ若いし、守りに入らず、どんどん上げたいです」と意欲を示した。
第7試合 セミファイナル シュートボクシング日本フェザー級(57.5kg)王座決定戦 3分5R(無制限延長R)
×魁斗[かいと](立志會館/1位、ホーストカップ日本&RKS同級王者)
○川上 叶[きょう](龍生塾/2位、元バンタム級王者)
6R 判定0-2 (茂木9-10/若林9-10/斉藤10-10)
5R 判定0-1 (茂木49-50/若林49-49/斉藤49-49)
※川上が王者に
魁斗は20年2月に笠原友希に惜敗するまではプロ8連勝を記録。20年11月のRKSで兼田将暉に、昨年10月のホーストカップで泰良拓也に勝利し、各団体のベルトを獲得している。現在20歳で、父の坂口立起氏もSBの王座戦線で活躍していた。
川上は19年11月のSB日本バンタム級王座決定戦で佐藤執斗をKO。階級を上げて臨んだ昨年12月の大森大会では山田彪太朗を下した。魁斗も川上も大阪出身で、吉鷹弘氏の元で一緒に練習していたこともある。元々、この王座決定戦は2月大会で組まれていたが、魁斗のコロナ陽性反応により延期となっていた。
1R、サウスポーの川上が、細かく出入りし、左ボディストレートも散らしつつ、顔面へ時折左ストレートをヒットし若干優勢。だが魁斗ももらいっぱなしにならず、右ストレート、ローを時折返す。記者採点は迷ったがまだイーブン。オープンスコアリングでアナウンスされたジャッジの採点も3名ともイーブン。
2R、1R最後もあったが、川上の左インローがまたもローブローとなり一時中断。そのダメージも残っているか?魁斗は少ししんどそうで、パンチの連打を時折当てるが、力が入りきらない。川上は変わらず細かく動くが、1Rほど左ストレートを当てさせてもらえなくなる。記者採点もジャッジ3者もイーブン。
3Rも川上の手数が上だが、今一つ攻撃をまとめきれない。魁斗もパンチ、膝を返すが、なかなか流れを変えられない。記者採点もジャッジ3者もイーブン。
4R、魁斗が左インロー、膝を当て、度々組んでは投げを狙い、流れを引き寄せる。だが決定的な攻撃には川上同様つなげられない。記者採点はイーブン。ジャッジは2名が魁斗を支持し、1名はイーブン。ようやくポイントが動く。
5R、お互い攻めあぐねるが、中盤、川上がギロチンチョークを仕掛け、平レフェリーはキャッチを宣告し、川上に1ポイントが入る。打撃はイーブンの内容だ。記者採点は10-9で川上。合計49-50で川上。ジャッジは1者のみ川上を支持し、2者はイーブンで延長へ。
6R、パンチの打ち合いと、クリンチが繰り返される展開。平レフェリーは「組むな。打ち合え」と両者に再三指示する。疲れが溜まって組んで休もうとしている判断した模様で、両者にイエローカードを出す。とはいえ5Rのような、組んだ状態からの投げやキャッチでポイントを取る可能性を消してしまっている感も否めない。。打ち合いではやや川上の手数が上回る展開。終盤には魁斗に再びイエローカードが出される。記者採点はイーブン。ジャッジ1者もイーブンだが、本戦ではなかなか差をつけなかったジャッジ陣のうち2名が川上を支持し、川上の判定勝ちとなった。
なお、セミ前の休憩の前には、SBのメインイベンター、海人がリングイン。「(4月2日のRISEでの)ベイノア選手との試合ではレベルの差を見せられたと思います。もう6月19日(=那須川天心×武尊の行われるTHE MATCH東京ドーム大会)の試合を想定しています。ずっと名前を出している選手(=K-1ウェルター級王者・野杁正明)との試合を正式に決めてもらうだけですけど、正直、その試合も通過点やと思っています。自分は目指しているのは世界一だけです。RISEとK-1の選手の対抗戦が中心ですが、僕はシュートボクサーなんで、立ち技最強はシュートボクシングだと見せに行きます」とアピールした。
第6試合 スーパーライト級(65kg) 3分3R(無制限延長R)
○村田聖明(シーザージム/SB日本スーパーライト級1位、元SB日本スーパーフェザー級王者)
×リュウイチ(フリー/TENKAICHIスーパーライト級王者)
判定3-0 (北尻30-28/茂木30-28/若林30-28)
村田は昨年12月のSB日本スーパーライト級王座決定戦でイモト・ボルケーノに敗れ今回が再起戦。沖縄から参戦のリュウイチはアマチュアボクシングでインターハイにも出場した29歳でキック戦績15戦8勝6敗1分。
1R、サウスポーでパンチ狙いのリュウイチに、村田が右ミドルを随所で当てるが、まだ攻撃をまとめるほどにはならない。記者採点はイーブン。
2Rも村田が執拗に右ミドルを強打し続け、攻撃数で上回る。リュウイチは蹴りの防御ができない。リュウイチも時折ボディに散らしつつ顔面にパンチを当てるが、攻撃が長続きしない。記者採点は村田。
3R、村田が右ミドルを当て続け、中盤には右ストレートを効かせ、ひるませる。そのあとコーナーに詰めてパンチの連打をまとめるが、力が入りきらずダウンは奪えない。その後も蹴りとパンチで主導権を維持。記者採点は村田。合計30-28で村田。ジャッジ3者も同様で、村田の判定勝ちとなった
第5試合 スーパーバンタム級(55kg) 3分3R(無制限延長R)
○山田虎矢太[こやた](シーザージム/SB日本スーパーバンタム級2位)
×心直[しんた](REON Fighting Gym/SB日本バンタム級(52.5kg)1位)
1R 2’00” KO (右フック)
山田ツインズの弟・虎矢太は昨年12月大会でポーン・シリラックムエタイジムをKOしプロデビュー以来6連勝中の19歳。心直は昨年2月のSB初戦で当時のSB日本バンタム級1位・伏見和之から飛び膝蹴りでダウンを奪い判定勝ちしている。昨年9月のKNOCK OUTで濱田巧にKO負けして以来の試合だ。
1R、サウスポーの心直が、前に来た山田に合わせ右ストレートを当て先手を取る。だが山田は首投げでシュートポイント1を獲得。さらに圧をかけていると、パンチの打ち合いの展開で右フックをヒット。ダウンした心直は立ち上がれず、山田のKO勝ちとなった。
第4試合 53kg契約 3分3R(無制限延長R)
×内藤啓人(BELLWOOD FIGHT TEAM/SB日本バンタム級(52.5kg)4位)
○HIROYUKI(RIKIX/元新日本キック・バンタム級&フライ級王者)
4R 判定0-3 (斉藤9-10/平良9-10/茂木9-10)
3R 判定0-1 (斉藤28-28/平27-28/茂木28-28)
HIROYUKIは3月13日のINNOVATION岡山大会でのオープンフィンガールール着用ムエタイトーナメントで花岡竜に1ダウンを奪われ判定負け。1か月足らずの短い間隔での試合となる。内藤は内藤凌太・大樹の弟で、昨年10月の前戦では片島聡志に勝利している。
1R、内藤は時折サウスポーに切り替え、HIROYUKIはオーソドックスで構え続け、右ロー主体の攻防。終盤、HIROYUKIの右カーフが少し効き目を発揮するが、内藤はすぐ持ち直す。だがHIROYUKIが終盤に右ストレートを増やし、若干優位に。記者採点はまだイーブン。
2R、HIROYUKIが序盤から右ストレート、フックを再三効かし優位に。ダウン寸前まで追い込む場面も。中盤過ぎ、内藤も右のカーフキックを連打し、首投げでシュートポイント1を奪う。最後はHIROYUKIがパンチの連打で追い詰めるがダウンは奪えない。記者採点は9-9。
3R、内藤の執拗な右のカーフで、HIROYUKIは足が再三流れる。HIROYUKIはパンチで度々内藤を苦しめるが、パンチに力が乗り切らず、ダウンを奪えない。するとまたも内藤が首投げでシュートポイント1を奪う。最後はHIROYUKIのパンチラッシュを内藤が耐える。記者採点は9-9。合計28-28でイーブン。ジャッジも2者が同じ採点でイーブンとし延長へ。
4R、内藤も執拗な右のカーフで、内藤は足が流れピンチに陥る。だが中盤からHIROYUKIが右ストレートのヒットを増やし、最後は何発も当てダウン寸前まで追い込み、内藤の投げも封じる。記者採点もジャッジ3者もHIROYUKI支持。地力で勝るHIROYUKIが苦しみながらも判定勝ちした。
第3試合 ヘビー級 3分3R(無制限延長R)
○坂本優起(シーザージム/SB日本ヘビー級2位、元SB日本スーパーウェルター級王者)
×笹田勝俊(笹田ジム/RKSヘビー級王者)
判定3-0 (若林30-28/平30-28/茂木29-28)
※2R投げの防御でロープをつかむ反則で笹田に減点1
第2試合 スーパーライト級(65kg) 3分3R(無制限延長R)
○村田義光(シーザージム/SB日本ウェルター級4位)
×越智信平(フリー)
3R 1’45” KO (膝蹴り)
※2R越智に膝蹴りで2ダウン、越智にシュートポイント1
※越智は計量体重65.4kgとアナウンスされたがペナルティは無し
第1試合 53kg契約 2分3R(延長1R)
○遠藤凌夢[りょうむ](龍生塾ファントム道場)
×星 拓海(IDEAL GYM)
判定2-0 (若林28-27/北尻28-28/平30-28)
※2R星、遠藤に各シュートポイント1
※2Rはシュートポイントが1-1のイーブンとなるため、平ジャッジのみ反映させず10-9としているが、他の2者は反映させ、北尻ジャッジは9-9、若林ジャッジは9-8と採点している。