KNOCK OUT 9.8 エディオンアリーナ大阪:駿太・高橋亮・小林愛三が判定勝ち。山口兄弟揃って勝利。健太×タップロン、ダウンの応酬の末ドロー
MARTIAL WORLD PRESENTS GYM VILLAGE
中野トイカツ道場
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KNOCK OUT 2018 OSAKA 2nd
2018年9月8日(土)エディオンアリーナ大阪(府立体育会館)第2競技場
レポート:井原芳徳
第7試合 58.5kg契約 3分5R
○駿太(谷山ジム/Bigbangキックルール・スーパーフェザー級王者)
×高橋聖人[きよと](真門ジム/NKBフェザー級王者)
判定3-0 (岡林50-48/北尻50-48/和田50-48)
メインを務める両者ともKNOCK OUT初参戦。聖人は既にKNOCK OUTで活躍する地元大阪の高橋三兄弟の三男で20歳。12戦10勝(4KO)1敗1分。駿太は55戦32勝(12KO)19敗4分のキャリアのある36歳のベテランだ。
1R、お互いミドル等の蹴りを打ち合った後、首相撲になる展開が繰り返される。膝の応酬では聖人の積極性とヒット数が目立つ。記者採点もジャッジ3名も10-10。
2Rも膝の応酬となるが、駿太が膝を上げたタイミングで、聖人が崩しを成功させ、巧さを印象付ける。終盤にはミドル、ローのヒットを増やし、最後は左ストレートも当てて好印象だ。記者採点は9-10で聖人だが、ジャッジ3名ともイーブンとする。
3Rも聖人がミドル、ローを多く当て続け、崩しも度々決める。駿太は時折右ロー、右ミドル、右肘を返し、パンチの連打をまとめる場面も。駿太が後手になる時間が長いが、少しずつ攻撃を増やしている。記者採点10-10。ジャッジ1名はイーブンだが、2名は10-9で駿太につける。
4R、ジャッジに差をつけられてしまった聖人は積極性を増し、駿太をロープに詰めパンチのヒットを増やす。中盤、駿太も手数を上げるが、聖人が左ハイをヒット。それでも駿太は前に出てパンチと首相撲からの膝を当てる。終盤はお互い消耗が大きいが、やや駿太の積極性が上回る。記者採点は10-9で駿太。
5R、聖人は疲れながらも左ハイを当てるが、駿太は前に出て細かくパンチや前蹴りを当て続ける。聖人は苦しい状況が続いたが、地元の応援団の声援に押され、終盤にパンチ、ハイを当て、ガムシャラに攻め続け、やや押し気味で終了する。記者採点は10-10。合計49-49でドロー。ジャッジは3者とも駿太を支持し、駿太の判定勝ちとなった。
激闘を制した駿太は「初参戦で初メインでありがたかったんですけど、思うような試合ができませんでした。36歳ですけどまだまだ高パフォーマンスで結果を出せるというのを見せたいと思って戦っています。上手くて強い選手はいますけど、熱くて強い選手を目指しています。これからも谷山ジムの駿太をよろしくお願いします」とアピールした。
第6試合 65kg契約 3分5R
△健太(E.S.G./WBCムエタイ日本ウェルター級王者)
△タップロン・ハーデスワークアウト(タイ/ハーデスワークアウトジム/SB世界スーパーライト級(65kg)2位、元WMC世界フェザー級王者)
判定0-1 (和田47-48/大村47-47/岡林48-48)
健太は2月のKNOCK OUTのスーパーライト級王座決定トーナメント1回戦で不可思に判定2-0で敗れたが、健太が勝っていたという評価も少なくない接戦だった。その後、不可思は8月の決勝で秀樹を破り優勝。健太は4月のKNOCK OUTで水落洋祐に1R KO勝ちし、5月のクンルンファイトでは地元中国の選手に判定1-2で惜敗したが、6月のNJKFの憂也戦、8月のREBELSのUMA戦も判定勝ち。不可思との再戦に向けて、5か月ぶりのKNOCK OUTで存在感を示したいところ。
対するタップロンはムエタイの元王者。広島のハーデスワークアウトジムのトレーナーで現在35歳。主戦場のシュートボクシングでは鈴木博昭に3度勝利している。今年2月に海人に4R KO負けしているが、3Rまで回ってかわしながらミドルとパンチを当て続けた。今回の試合もその老獪なテクニックで健太の浮上を阻むことに。
1R、両者ともフェイントや蹴り足すくいをうまく駆使しながら蹴りの打ち合い。やや健太が積極的だが、まだ有効打には至らない。記者採点10-10。
2Rは健太は圧力を強めるが、タップロンはうまくかわし続け、左右のミドルを着実に当てる。記者採点10-10。ジャッジ2名がタップロンを支持する。
3Rもタップロンが回りながらミドルを当て続ける。終盤、健太の右ローのタイミングでタップロンが右ストレートを当てると、健太が尻餅をつく。健太はダメージは無く、すぐ手を振ってダウンを否定するが、北尻レフェリーはダウンと判断する。ジャッジも記者採点も8-10でタップロン。
だが4R、健太は逆転を狙って圧力をかけ続けると、少し疲れてガードの下がってきたタップロンをロープに詰め、右ストレートを連打し、ダウンを奪い返すことに成功する。その後も健太が圧力をかけ続け攻勢をキープする。記者採点は10-8で健太。だがダウンを奪う前に、右ストレートでタップロンの腰が落ち、ロープに引っかかる場面があった。レフェリーによってはダウンを取っていた展開で、10-7になっていれば結果が違っていた。
5Rも健太が圧力をかけるが、回復したタップロンは随所で左ミドルを返し、組んで膝をヒット。健太も勢いが落ち、なかなか攻撃を当てられないが、右ハイ、右ボディを終盤にヒットする。記者採点は10-10。合計48-48でドロー。ジャッジ2者もドローとつけ、引き分けに終わった。
第5試合 64kg契約 3分5R
○山口裕人(山口道場/元WBCムエタイ日本統一スーパーライト級王者)
×マサ佐藤(名護ムエタイスクール/中国英雄伝説アジア64kgトーナメント2016優勝、蹴拳ムエタイライト級王者)
3R 1’24” TKO (レフェリーストップ:右肘打ちによる額のカット)
山口兄弟の兄・裕人は、4月のKNOCK OUTのスーパーライト級王座決定トーナメント1回戦で秀樹に2R KO負けして以来の試合。セコンドには弟の侑馬。侑馬は2つ前の試合でKO勝ちしており、兄も勢いに乗りたいところ。佐藤も同トーナメントに参戦し、2月の一回戦は水落洋祐に肘でTKO勝ちしたが、6月の準決勝で秀樹に敗れている。
1R、裕人が右フック、右ローを強打し、やや積極的な攻め。佐藤は距離を取り、時折ジャブやローを返す。記者採点もジャッジも10-10。
2Rも裕人がパンチ、肘で積極的に攻め、佐藤は鼻の上を少しカットする。裕人はバックブロー、バックスピンキックも駆使し、少し乗ってきたか。記者採点10-9で裕人。ジャッジ2名も裕人につける。
3R、裕人がパンチの連打で詰めた後、右の縦肘が炸裂し、佐藤は額をカットしドクターチェックを受ける。試合は続くが、佐藤の出血が止まらず、和田レフェリーがストップ。裕人の勝利となった。
第4試合 55.5kg契約(=スーパーバンタム級相当) 3分5R
○高橋 亮(真門ジム/NKBバンタム級王者)
×瀧澤博人(ビクトリージム/新日本キック日本バンタム級1位・元王者)
判定3-0 (和田49-47/大村49-47/北尻49-47)
高橋三兄弟の次男・亮は5月の大阪大会で宮元啓介に判定勝ちしている。瀧澤は初参戦。
亮はサウスポー、瀧澤はオーソドックス。1R、亮が中央に構える時間が長いが、瀧澤はうまくかわす。お互いミドルとローを蹴り合うが、まだ均衡状態だ。記者採点もジャッジも10-10。
2Rも同様の構図だが、亮の左インローが少し目立つようになり、瀧澤の動きが止まったりバランスが悪くなる場面も増える。瀧澤は右の蹴りの勢いが落ち当てられなくなる。記者採点10-9で亮で、ジャッジ3者も同じだ。
3R、瀧澤は右ミドルを少しずつ増やし、亮はローが減ってしまう。終盤、亮は手数を上げようと右ストレートを放つが、カウンターで瀧澤が右ハイを首元に叩き込み、亮をぐらつかせる。記者採点もジャッジも9-10で瀧澤で、合計で29-29の五分になる。
4R、亮は回復した様子で、序盤から積極的に攻撃を出し、左インローを当てて少し瀧澤をぐらつかせる。中盤以降、瀧澤は持ち直して右ミドルを返すようになるが、亮も左インローを当て続け、終了間際には左ストレートの連打で瀧澤をのけぞらせる。記者採点は10-9で高橋。
5Rも亮が左ミドル、左ハイをヒット。瀧澤は鼻血を出して苦しそうだが、右肘で起死回生を狙う。亮はパンチと蹴りを上下に打ち分け、着実に瀧澤を追い詰め、左肘も駆使し優勢をキープする。記者採点10-9で亮。合計49-47。ジャッジ3者も同じ採点で、亮の勝利となった。
亮は新日本キックの瀧澤を下したことで、同じ新日本所属の江幡塁との12月9日の両国国技館大会での対戦を希望した。
第3試合 64kg契約 3分5R
○山口侑馬(山口道場/元INNOVATIONライト級王者)
×杉本卓也(ウィラサクレック・フェアテックスジム/J-NETWORKスーパーライト級王者)
4R 1’39” TKO (レフェリーストップ:パンチ連打)
山口兄弟の弟・侑馬は、5月の大阪大会のメインで大月晴明と激闘を繰り広げるも2R KO負け。初参戦の杉本は6月のREBELSでREBELS-MUAYTHAIスーパーライト級王者のスアレックに挑戦したが、打ち合いで被弾し2R KO負けしている。
1R、杉本が左右のミドル、右ローを着実に当て、左の前蹴りでも侑馬を吹き飛ばす。まだ差は小さく、記者採点もジャッジも10-10。
2Rも杉本が左ミドルを当て続けた後、右ストレートのヒットを増やし、侑馬が少しぐらつくように。だが杉本はパンチに偏るとガードが開き、侑馬の右ストレート、左ボディをもらってしまう。それでもパンチに固執していると、打ち合いで侑馬の左フックをもらってダウンする。記者採点もジャッジも10-8で侑馬。
3R、インターバルをまたぐと、両者蹴り主体の展開に戻り慎重に。やや侑馬の右ローが目立つ。終盤に侑馬がパンチを連打するが、杉本は持ちこたえる。記者採点もジャッジも10-9で侑馬につける。
4R、杉本は打ち合いに持ち込み、連打を当てるが、侑馬の左フックの連打でまたもダウンを喫する。杉本はダメージが大きく、侑馬がコーナーに詰めてパンチを連打し、杉本が棒立ちになったところで和田レフェリーがストップした。
侑馬は「1試合目と2試合目ヌルい感じやったんで、火つきましたかね。勝ったら何でも言えますね。兄の裕人の試合も楽しんでいってください」と上機嫌にアピールした。
第2試合 女子50kg契約 3分3R
○小林愛三(NEXT LEVEL渋谷/MuayThaiOpen女子フライ級王者)
×喜多村美紀(テツジム)
判定3-0 (岡林30-28/北尻30-28/和田30-27)
KNOCK OUT常連の小林は7月のシュートボクシングのGirls S-cupトーナメントで、優勝者のイリアーナ・ヴァレンティーノに一回戦で判定負けし、プロ初黒星を喫して以来の試合。喜多村は初参戦。7月のRISEでは寺山日葵に判定負けしている。両者とも2年前の対戦では引き分けているが、今回は小林の成長が目立つ試合に。
1R、開始すぐから小林が右ローを強打し、左ジャブも駆使し先手。左右のハイ、右肘も使う。喜多村も左右のミドルを返すが、手数で劣り、終盤には小林の前蹴りで吹き飛ばされてしまう。記者採点は小林。ジャッジ2名も小林につける。
2Rも小林が首相撲からの崩しを決め、パワーの差を印象付ける。圧力をかけ続け、膝、右ハイ、右ロー、右ミドルを当て、着実にダメージを与える。記者採点は小林。ジャッジ3名も小林につける。
3Rも小林が膝、肘、崩しで攻勢。喜多村も前に出て反撃を狙うが、攻撃を出せず、小林がミドル、ハイを当て続ける。記者採点は小林。合計30-27で小林。ジャッジ3者も同様で、小林の完勝に終わった。
第1試合 58kg契約 3分3R
△栗秋祥梧[くりあき しょうご](クロスポイント吉祥寺/WBCムエタイ日本統一フェザー級4位)※Phoenixx祥梧 改め。Phoenixx Nak Muay Gymから所属変更
△翔貴(岡山ジム/ルンピニージャパン・フェザー級王者)
判定0-1 (岡林28-30/和田29-29/大村29-29)
栗秋は5月の大阪大会でJ-NET王者の伊仙町典久を1R KOし連続参戦。大分から上京しクロスポイントに移籍し初戦だ。翔貴はRISEの昨年11月のDoAトーナメントにも参戦している選手。
1R、まだお互い慎重。序盤は距離を取り蹴りを打ち合い、終盤は距離が縮まりパンチと膝の攻防になるが均衡は崩れない。記者採点ドロー。
2R、少しずつお互い攻撃を増やし、打ち合いの中で栗秋はバックハンドブローの奇襲を仕掛ける。翔貴のほうが全般に積極的に蹴りを当て、終盤に崩しも決める。ジャッジ3者も記者も翔貴につける。
3Rも栗秋は一発狙いの傾向が強く、翔貴の左右のミドル、ローを受け続けてしまう。足とボディを効かされるが、終盤に栗秋は前に出て左フックを2連打してぐらつかせ好印象を残す。記者採点は栗秋。合計29-29。ジャッジ2者も同様で、ドローに終わった。