KNOCK OUT 11.5 後楽園ホール:第2次山口元気代表体制初の大会の本戦は全試合肘有りOFGマッチ+最大100万円のKOボーナス。ONEから凱旋の小笠原瑛作「世界の舞台とKNOCK OUTが比べやすくなる」、重森陽太「今後は金を稼げる選手になりたい」
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KNOCK OUT 2023 vol.5(11月5日(日)後楽園ホール)の対戦カード発表記者会見が9月11日に東京で行われた。会見冒頭には宮田充氏のKNOCK OUTプロデューサー退任と、山口元気氏の同職復帰が発表された(別記事参照)。第2次山口代表体制での初の大会となる11月大会は、早速、全試合オープンフィンガーグローブ(OFG)着用によるREDルール(肘有り・つかみ制限無し)戦という、山口氏のカラーが反映された企画が実施される。OGFでの試合はKO率が高いのが特徴で、さらにKOボーナスがメインイベント100万円、その他の試合は30万円と増額。『KNOCK OUT』の大会名通り、元来のKO勝ちを推奨するコンセプトが、時流に合わせながら、より明確化する大会となりそうだ。
オープンフィンガーグローブ(OFG)はMMAで普及し、ONEが2018年から立ち技部門をスタートすると、ムエタイルールでOFGを採用した。ロッタン・ジットムアンノンらによるOFGでの激しい攻防が話題を呼び、日本でもRISEが21年からOFGでの試合をスタートし、YA-MANがブレイクのきっかけを作った。BOMで昨年12月から4月に行われたRoad To ONEトーナメントでは、ONEムエタイルールの試合を実施。今年4月からシュートボクシングでもOFGでの試合が始まり、日本でも立ち技のOFGの試合が普及している。関西では原則OFGマッチだけのムエタイ大会・TWOFCが19年から行われている。今回のKNOCK OUTでは、プレリミナリーファイトは通常のボクシンググローブでの試合が組まれるが、本戦は全てREDルールをベースとしたOFGマッチとなる。
KNOCK OUTの代表に復帰することになった山口氏は「僕は20年ぐらい前から、ムエタイはOFGでやるのが一番いいと唱えてきましたが、賛成してくれる人はいませんでした。時代の流れでOFGルールでやりたいという声も増え、だいぶ認知され、いつかやりたいと思っていたんですけど、宮田さんが辞められるタイミングが一番いいかなと思いました。あと、この間(8月25日に小笠原)瑛作がONEに行って、OFGで戦い、KOボーナスもつき、試合内容が格段に面白くなりました。初めて試合を見た日本人関係者の方も喜んでいたのを見て、瑛作の試合が終わった瞬間に、このコンセプトで行こうと思いました。OFGだとしっかり組めて、その中で肘やパンチを打ちやすくなります。スリリングで(組む)理由があるのがOFGのムエタイだと思っています」と、今回のOFGマッチを採用した経緯や長所を説明した。
小笠原瑛作、OFGマッチ導入で「世界の舞台とKNOCK OUTが比べやすくなる」
今大会のメインイベントは、KNOCK OUT-REDフェザー級(57.5kg)王者の小笠原瑛作が務めることになった。メインイベントには100万円、それ以外の試合は30万円のKOボーナスが授与される。瑛作の相手はまだ決まっていないが、ウィラサクレック・ウォンパサー氏のルートでタイから招へいした選手となる予定だ。
山口氏は「今回はこの額ですが、今後は全試合100万とか、もっとあげたいです。この大会の成功いかんだと思います。選手に稼げるよう環境を整え、夢の持てるリングにしたいです」「瑛作の相手、ちょっと難航しています。ONEの試合もウィラサクレック会長にお願いしたのですが、この間の試合はかなり衝撃的で(=ヨードウィッタヤに31秒KO勝ち)、(3月に元ルンピニー3階級制覇王者の)ロンナチャイに勝っていて、あいつヤバいってなってて。ウィラサクレック会長が日本語で『ビビってるから』って言ってくれたんですけど、警戒されています。100万円を出すことにして、タイの人はお金に敏感なんで(苦笑)これでいい選手が出てきてくれると思います」と話した。
瑛作は「僕はKNOCK OUTという舞台を大きくしたいと思っていて、今回は新しいルールで僕をメインに使ってくれます。後輩や子供達を大きな舞台に持っていけるような試合をしていきたいです。11月5日、しっかり自分の仕事をします」と抱負。「ONEという大きな舞台があって、KNOCK OUTも世界に出ていくべきと思う中で、世界の舞台とKNOCK OUTが比べやすくなるところでは面白くなっていくと思います」とも話し、この新たな試みを歓迎した。
8月のONEでの初のOFGマッチについては「30秒しかやっていないんで、相手の攻撃や、もらった時の衝撃とかがまだ未知数なところがありますけど、僕のスピードやパワーがこのグローブで発揮されると思います」と感想を述べた。さらに「これまでの3分5Rの(ボクシング)グローブの戦いで、タイだとギャンブルもあり、その中でベルトを取るのは日本人にとって難しかったですけど、ラウンド数もグローブも変わると、日本や欧米の選手にとって勝ちが取りやすくなると思います」「僕も(OFGでのパンチを)もらいたくないし(苦笑)、過激にはなりますけど、この仕事は一般の人ができない非日常を見せて、競技だけじゃないエンターテイメントで魅せる部分もあるので、過激さでお客さんに楽しんでもらいたいです」と、OFGマッチならではのメリットや魅力を語った。
100万円のKOボーナスについては「僕への期待度もあると思うので、いいプレッシャーを感じながら、100万円にふさわしい試合を見せます」とコメント。このボーナスに釣られて他団体の日本人選手が名乗りをあげるケースも考えられるが「今、自信もありますし、今は肘有りでやっていますが、肘無しでもやっていいと思っています。他の団体のチャンピオンとKNOCK OUTの僕がやることにも絡んでいきたいです」と話した。宮田氏から山口氏にプロデューサーが戻ることで、今後参戦する日本勢も変化していく可能性もあるだろう。
フリー2戦目の重森陽太「今後は金を稼げる選手になりたい」
OFG-REDルールの試合として、今回の会見では以下の5試合が発表された。
OFG-RED 61kg契約 3分3R(延長1R)
重森陽太(Eight Weapons/KNOCK OUT-REDライト級(62.5kg)王者、元WKBA世界同級王者、元新日本フェザー級&バンタム級王者)
ルンペット・センチャイジム[Rungpetch Saenchaigym](タイ/センチャイムエタイジム/元ルンピニー認定スーパーバンタム級王者)
OFG-RED バンタム級(53.5kg) 3分3R(延長1R)
乙津 陸(クロスポイント大泉/KNOCK OUT-REDバンタム級王者)
サンチャイ・TEPPEN GYM(タイ/TEPPEN GYM/元ラジャダムナン認定ミニフライ級王者)
OFG-RED スーパーウェルター級(70kg) 3分3R(延長1R)
クンタップ・チャロンチャイ(タイ/BTC GYM/KNOCK OUT-REDスーパーウェルター級(70kg)王者、元WMC世界・WMAF・M-1同級王者)
MASATO BRAVELY(BRAVELY GYM/元M-1 JAPANスーパーウェルター級王者、元WPMF日本ウェルター級王者)
OFG-RED スーパーバンタム級(55kg) 3分3R(延長1R)
壱[いっせい]・センチャイジム(センチャイムエタイジム/元KNOCK OUT-REDスーパーバンタム級王者、元ルンピニー日本バンタム級王者)
片島聡志(Kick Life/元WPMF世界&日本スーパーフライ級王者)
OFG-RED スーパーフェザー級 3分3R(延長1R)
鷹大[たかひろ](ウィラサクレック・フェアテックス西川口/元WPMF日本フェザー級王者、元WMC世界&WPMF日本スーパーバンタム級王者)
優翔(team NOVA)
重森は2月にラジャダムナン認定ライト級王者・ジョームに挑戦したが判定負け。5月に新日本キックおよび伊原道場稲城支部から退会。その後、KNOCK OUTへのレギュラー参戦を表明し、8月の後楽園大会で2年ぶりにKNOCK OUTに参戦したが、元ルンピニー&BBTVライト級王者のバットマンに判定負けした。重森は「2連敗しているんですけど、スランプに入っていたと思います。普段サラリーマンをしていて、キックボクシングではお金のことを切り離して考えていたのですが、今後は金を稼げる選手になりたいです。そこは明確に決めています。こういうチャンスをいただけているので、しっかり獲りに行きたいです」とコメント。前回はフリー初戦で練習環境の変化も災いしたが、2戦目からの意識や動きの変化に期待したい。
ルンペットは91年9月16日生まれの32歳(試合時)。戦績127戦91勝31敗5分。センチャイムエタイジムのトレーナーで、10年前の日本でのルンピニー認定スーパーバンタム級タイトルマッチで一戸総太に勝利している。
8月に心直に勝利しKNOCK OUT-REDバンタム級王者となった乙津は「11月に出る予定では無かったんですけど、OFGの試合と聞いてめっちゃやりたいと思って受けました。チャンピオンとして初の試合なので、KOしてしっかり賞金をいただきます」と意気込みを語った。
クンタップ、木村ミノルの禁止薬物使用は「とても残念」
クンタップは変則MMAルール採用の巌流島でOFGでの試合を10戦近く経験済で「普通のグローブよりもOFGの戦いの方が好きです」とコメント。前回3月の木村“フィリップ”ミノル戦が、木村の禁止薬物使用発覚でKO負けから無効試合に裁定変更となった件については「相手がそういうことをしていたはとても残念です」と話している。
壱は8月のKNOCK OUT-REDスーパーバンタム級王座防衛戦で古村光に判定負けして以来の再起戦。「僕が初めて先輩(=貴・センチャイジム)の試合を見た時、黒星を付けられた相手が片島選手なので、先輩の敵討ちだけでなく、前回のフラストレーションもあるのでKOしたいです」「OFGだと組みの展開で膝を打つ空間を作りやすい」等と語っている。
対する片島は53戦28勝(6KO)20敗5分、33歳(試合時)のベテラン。ウィラサクレックジム出身で、今のKNOCK OUTの源流であるREBELSでも常連だった。「ここ数戦KOが続いているので、新しい家族のためにも30万円のKOボーナスを狙いたいです」「KNOCK OUTに参戦するからには赤のベルトが欲しいです」「9月大会に出る栗秋祥梧と力斗は地元の大分の後輩です。九州で大会を開いてほしいので、今回は絶対に落とせないです」等とコメントした。
鷹大は今回K-1 GROUPからの参戦となるが、ムエタイで3本の王座を獲得した実績がある。KNOCK OUT側が今回のOFGマッチをウィラサクレックジムに提案したところ、鷹大が名乗りを上げたという。優翔は以前「ユウト・ヌンポンテープ」の名前で戦っていた21歳で、今回がKNOCK OUT初参戦となる。
概要
大会名 MAROOMS presents KNOCK OUT 2023 vol.5
日時 2023年11月5日(日) 開場・17:00 開始・18:00 ※本戦開始前にプレリミナリーファイト数試合予定
会場 後楽園ホール
チケット料金 SRS席 20,000円 RS席 10,000円 S席 8,000円 A席 6,000円 小中学生 1,000円(当日のみ) ※当日券500円アップ ※小学生から有料、6歳未満でも座席を必要とする場合は有料 ※小中学生券の詳細はKNOCK OUT公式HP参照
チケット販売 KNOCK OUTオフィシャルショップ イープラス チケットぴあ ローソンチケット 出場選手・所属ジム
お問い合わせ Def Fellow 03-6262-3760 inquiry@knockout.co.jp https://knockoutkb.com/