KNOCK OUT 3.13 後楽園ホール:小笠原瑛作&安本晴翔、“REBORN”大会飾るKO勝ち。龍聖、勝利も連続KO勝ちストップ。2階級王座決定T決勝は松倉信太郎×田村聖、宮越慶二郎×鈴木千裕に
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KNOCK OUT ~The REBORN~
2021年3月13日(土) 後楽園ホール
レポート&写真:井原芳徳
※REDルールは肘有りキックルール、BLACKルールは肘無しキックルール
第8試合 メインイベント KNOCK OUT-REDスーパーバンタム級(55kg)王座決定戦(トーナメント決勝) 3分5R(延長1R)
○小笠原瑛作(クロスポイント吉祥寺/ISKA K-1ルール世界バンタム級王者、WPMF世界スーパーバンタム級王者)
×KING強介(京都野口ジム/Team fight bull/元REBELS-MUAYTHAIスーパーバンタム級王者)※Team fight bullから所属変更
3R 1’24” KO (左ストレート)
※瑛作が王者に
前回2月28日の大会をもってREBELSブランドは“封印”され、今大会からKNOCK OUTブランドに統合される。記念すべき“REBORN”したKNOCK OUT初の大会のメインイベントでは、REBELSとKNOCK OUTの両方で長らく活躍した小笠原瑛作が、18年10月に一度判定勝ちしているKING強介と「KNOCK OUT-REDスーパーバンタム級王座決定戦」を行った。
元々、今回この試合は「REBELS-RED 55.5kg級王座決定トーナメント」決勝だったが、KNOCK OUTブランドへの統合に伴い王座も一本化され、名称とリミット体重も変更。11月のREBELSでの準決勝で、瑛作は宮元啓介に勝利し、小笠原裕典がKING強介に延長戦の末にTKO勝ちしていた。だが、トーナメントがコロナ禍の影響で昨年2月のスタートから長引き、兄の裕典が55.5kgの減量が厳しくなり、弟の瑛作と共に兄弟対決にも難色を示し、裕典が辞退。強介が敗者復活したが、瑛作が格の違いを示す内容に。
1R、サウスポーの瑛作が、左ミドル、ロー、右前蹴りを度々ヒット。強介は瑛作のスピードに対応しきれず、被弾を続け、なかなか攻撃を当てられない。記者採点は瑛作。
2Rも瑛作が左の蹴りを当て続け、組んでも膝を当て圧倒。強介は終盤に右ボディを当てるが、それ以外目立つ攻撃が無く、体は真っ赤だ。
3R、瑛作は左ミドル、ローを当て続けていると、中盤、左ミドルのフェイントから左ストレートをクリーンヒット。止まった強介に、さらに左ミドル、左ストレートを連打しダウンを奪う。強介はうずくまったまま立ち上がれず、瑛作のKO勝ちとなった。
瑛作は「今回KNOCK OUTのベルトを取ったんですけど、KNOCK OUTをこれから引っ張り、もっと大きいところに持っていきます」とアピールした。
第7試合 セミファイナル REDルール フェザー級(57.5kg) 3分3R(延長1R)
○安本晴翔(橋本道場/REBELS-REDフェザー級王者)
×ペットシラー[Phetsila]・FURUMURA-GYM(タイ/FURUMURA-GYM/元プロムエタイ協会スーパーバンタム級王者、TOYOTA HI-LUX REVOスーパーバンタム級トーナメント2016優勝)
2R 1’18” KO (右バックスピンキック)
去年のKNOCK OUTとREBELSのMVPを獲得した20歳の安本がセミに登場。対するペットシラーは戦績118戦95勝(12KO)18敗5分の29歳で、古村兄弟の所属するFURUMURA-GYMのトレーナーに昨年就任した。
1R、オーソドックスの安本と、サウスポーのペットシラーの、蹴り主体の攻防。ペットシラーは随所で左ミドルを強打し、安本の脇腹や背中は赤くなるが、安本も右ミドルを返し、終盤には左ストレートを効かせる。だがペットシラーも左ストレートを当て、まだスリリングな状態を残す。
すると2R、ペットシラーも左ミドルを強打していたが、安本は圧力をかけ続け、右ハイ、右ミドルを効かせる。そしてその隙を逃さず、安本が右のバックスピンキックをペットシラーの脇腹にクリーンヒット。ペットシラーはダウンすると、うつぶせのまま立ち上がれず、安本のKO勝ちとなった。
第6試合 BLACKルール フェザー級(57.5kg) 3分3R(延長1R)
○龍聖(TRY HARD GYM)
×大脇 武(GET OVER/DBS&RKAフェザー級王者、WBCムエタイ日本7位)
判定3-0 (和田30-27/センチャイ30-27/山根30-28)
プロ6戦6勝6KOの19歳・龍聖は、1月の新宿大会で小笠原裕典に判定勝ちした大脇武と対戦した。
1R、龍聖が圧力をかけ続け、大脇はサウスポーで回って距離を取りつつ、随所で詰めて左フック等のパンチを当てる。龍聖は右ミドル、ローをなかなか当てさせてもらえなかったが、終盤に右ミドルを強打してから、膝も連打して追い詰める。
大脇は終盤の攻防で、左フックを放った際に左肩を脱臼した模様だ。インターバルを経て2R、それでも大脇陣営は棄権せず、少白竜レフェリーも続行させる。大脇は回って距離を取りつつ、随所で左ロー、右ストレートをヒット。龍聖の右ストレート、右ミドルのヒットが多いが、なかなか捕まえきれない。
3Rも同様に龍聖が前に出続け、随所でミドル、ハイ、膝、ストレートを当てるが、大脇は回ってある程度防御もし、耐えて終了。龍聖は判定勝ちしたものの、デビュー以来の連続KO勝ち記録は6でストップし、課題の見える試合となった。
第5試合 REDルール スーパーバンタム級(55kg) 3分3R(延長1R)
○壱・センチャイジム(センチャイムエタイジム/元ルンピニージャパン・バンタム級王者)
×古村 光(FURUMURA-GYM)
判定3-0 (和田30-29/山根30-29/少30-29)
両者とも九州地方出身でムエタイ色の強いサウスポー。壱は1月17日のINNOVATION岡山大会での55kgトーナメントで、過去にKO負けした相手である岩浪悠弥に判定勝ちしたものの、決勝では加藤有吾に判定負けしている。古村は5戦4勝(3KO)1敗の20歳。12月のREBELSで森岡悠樹に延長判定勝ちしている。
1R、両者離れたところから蹴りを打ち合い、パンチが交錯した後、首相撲でお互い膝を当て、どちらかが崩すといった展開が繰り返される。どちらもそれらの攻撃を決め、ほぼ互角の攻防だ。記者採点はイーブン。
2Rも同様にムエタイ色の濃い攻防が続くが、壱が左ストレート、組んでの膝のヒットを増やし、やや優位に。古村も肘、膝を返すが、数が少なく、やや押され気味か。記者採点は壱。
だが3R、古村が左肘、膝のヒットを増やし、崩しも度々決めて挽回。壱も肘、左フックを随所で返すが、攻撃が減ってしまう。記者採点は僅差で古村。合計29-29でイーブン。古村は崩しを絡めた試合運びがそこまで評価されなかった模様で、ジャッジ3者とも30-29で壱の判定勝ち。マニアックな攻防を制した。
第4試合 KNOCK OUT-BLACKスーパーミドル級(75kg)王座決定トーナメント準決勝 3分3R(延長1R)
○松倉信太郎(TRY HARD GYM/WPMF世界スーパーミドル級王者)
×渡慶次幸平(クロスポイント吉祥寺)
1R 2’14” KO (右ストレート)
4選手によるBLACKスーパーミドル級(75kg)王座決定トーナメントが開幕。優勝候補の松倉は1月の会見で「日本では70kgとヘビー級の間がほとんど無くて、ベストウエイトが無くて困っている選手もいると思います。新しい階級ができることで、自ずと選手も合わせるようになると思います。ファンは面白い階級を見ると思うので、そういう階級にしたいです」と話しており、その言葉通りの盛り上がりとなるか注目される。なお、松倉の相手だった小泉竜は膝の靭帯断裂で欠場し、以前から松倉戦を熱望していた渡慶次が相手に名乗り出て戦うことになった。
1R、松倉がサウスポーの渡慶次に右ローをコツコツヒット。松倉がパンチを連打するが、渡慶次は左フックを打ち合いで当て、松倉の腰が落ちる。それでも松倉は打ち合うと、右フックを当ててダウンを奪う。松倉はさらに右の三日月蹴りを効かせると、右フックも当てつつ、再び右の三日月を当てて動きを止め、右ストレートでダウンを奪う。渡慶次は立ち上がれず、松倉のKO勝ちとなった。
第3試合 KNOCK OUT-BLACKスーパーミドル級(75kg)王座決定トーナメント準決勝 3分3R(延長1R)
×吉野友規(STURGIS新宿ジム)
○田村 聖(拳心館/元NKBミドル級王者、NKB PRIMA GOLD杯ミドル級トーナメント’19~’20優勝)
2R 2’09” TKO (コーナーストップ:パンチ連打で2ダウン後)
1R開始すぐ、田村の右ミドルにあわせ、吉野が右フックを当ててひるませると、パンチと膝のラッシュでダウンを奪う。その後は田村も持ち直し、右ローを随所で返す。
2R、吉野は序盤こそ勢いよく前に出てパンチを当てていたが、田村は耐え、右ローをコツコツと当てて効かせると、中盤、右のテンカオでコーナーに詰めてから右フックをクリーンヒット。田村は右のパンチを連打し、ダウンを奪う。吉野はダメージが大きく、田村がパンチの連打で再びダウンを奪うと、吉野陣営からタオルが投入され、田村のTKO勝ちとなった。吉野はデビュー7戦目で初黒星。
これでトーナメント決勝は松倉対田村の組み合わせとなった。
第2試合 KNOCK OUT-BLACK スーパーライト級(65kg)王座決定トーナメント準決勝 3分3R(延長1R)
×与座優貴(橋本道場)
○宮越慶二郎(拳粋会宮越道場/元WBCムエタイ・インターナショナル・同日本・NJKFライト級王者)
4R 判定1-2 (少9-10/和田10-9/秋谷9-10)
3R 判定1-0 (少30-28/和田29-29/秋谷29-29)
BLACK スーパーライト級でも王座決定トーナメントが開幕。与座は反対ブロックの鈴木に昨年2月、久保に昨年11月に判定勝ちしている。宮越は昨年2月のシュートボクシングで町田光にシュートポイントで差をつけられ判定負けして以来の試合だ。
1R、前に出る宮越に対し、与座はサウスポーで距離を取りつつ、左のインロー、奥足狙いのローをヒット。宮越も途中まで蹴りを返していたが、終盤はもらい続けるように。記者採点イーブン。
2Rも与座は執拗に蹴り続ける、胴廻し回転蹴りも当てるが、宮越も2度、ロープに詰め、右フック、左ボディの連打をまとめ、好印象を残す。記者採点は宮越。
3R、宮越は前に出て随所で右のパンチを当て、与座はやや劣勢に。だが中盤過ぎ、右ローを効かせると、宮越はスリップ。終了間際にも左ミドルを連打し、左フックでひるませ、好印象を残す。記者採点は与座。合計29-29でイーブン。ジャッジ2者も同様で延長へ。
延長R、なかなか均衡が崩れず、与座が右ロー、左ミドル、左フックを当てるが、宮越も中盤から左ボディを立て続けに当てて巻き返し、最後はやや宮越が手数上で終える。記者採点は宮越。僅差のため割れたが、宮越が2票を獲得し激戦を制した。
第1試合 KNOCK OUT-BLACKスーパーライト級(65kg)王座決定トーナメント準決勝 3分3R(延長1R)
○鈴木千裕(クロスポイント吉祥寺)
×久保政哉(Monolith)※フリーから所属表記変更
1R 1’25” KO (右フック)
久保のセコンドには、PHOENIX時代の先輩で、旗揚げ当時のKNOCK OUTのメインイベンター・梅野源治がつく。
1R、開始すぐ、久保の左ミドルに合わせ、鈴木が左フックを当ててダウンを奪う。鈴木はパンチの連打で久保を追い詰め、ボディへのパンチ、ミドルも絡めてダメージを与える。
久保は耐え、打ち合いで右フックを当てる場面もあるが、次第に目が虚ろに。それでも鈴木がアッパー、フックを当て続け、右フックで久保がダウンしたところでようやくレフェリーがストップ。鈴木が新生KNOCK OUTの幕開けの一戦を豪快なKOで切り開いた。これで決勝は宮越と鈴木の組み合わせとなった。