REBELS 12.6(昼) 後楽園ホール:老沼隆斗、心直に辛勝。白幡裕星、壱・センチャイジムが完勝。栗秋祥梧、ダウサコンに判定負け
MARTIAL WORLD PRESENTS GYM VILLAGE
格闘技医学会
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REBELS.68
2020年12月6日(日) 後楽園ホール
レポート&写真:井原芳徳
※REDルールは肘有りキックルール
第8試合 メインイベント 清水工業株式会社Presents REDルール 52kg契約 3分3R(延長1R)
○老沼隆斗(STRUGGLE/REBELS-REDスーパーフライ級(52.5kg)王者)
×心直[しんた](REON Fighting Sports Gym)
4R 判定3-0 (山根10-9/和田10-9/少10-9)
3R 判定1-0 (少30-28/和田29-29/山根29-29)
REBELSの2020年ラストは後楽園ホールでの昼夜大会。昼は肘有りのREDルール主体、夜は肘無しのBLACKルールの大会となった。夜大会の記事はこちら。
昼のメインにはREBELS-REDスーパーフライ級王者・老沼が登場。老沼は9月のKNOCK OUTでNJKFのランカー・清志を右上段後ろ廻し蹴り一撃でKOしてインパクトを残し、名実共にREBELSスーパーフライ級の主役となっている。
対する心直は健太の弟子にあたり、9月の新日本キックで泰史に判定勝ち。泰史は昨年9月の新日本キックで老沼にKO勝ちした実績がある選手だった。
試合は心直が師匠譲りのテクニシャンぶりを発揮し、王者を苦しめることに。1R、心直がサウスポー、老沼がオーソドックスに構え、ミドルなどの蹴り主体の攻防。パンチも時々出るが、均衡状態は崩れない。
2R、お互いカウンター狙いで慎重な場面もあったが、心直は左ミドルを多めに当てつづ、左ストレートもヒット。終了間際にも左ストレートを当て、蹴り足をすくって崩す。最後、挽回を狙った老沼が飛びついてくるが、心直は背中を向けて走って逃げ、舌を出して笑顔を浮かべる。記者採点は心直。
3Rも蹴りの応酬が続き、老沼は蹴り数を上げ、崩しも決めるようになり、やや優位に。心直も崩し返すが、少し攻撃が減ってしまう。記者採点は僅差だが老沼。合計29-29でイーブン。ジャッジ2者もイーブンで延長へ。
延長R、老沼の流れが続き、右ミドル、左右のローを随所で当て主導権。心直は疲れが見え、攻撃がほとんど返せない。最後は老沼が組んで膝を連打し、心直は背中を向けてしまう。記者採点は老沼。ジャッジ3者も同様で、老沼が延長の末判定勝ちし、かろうじて王者としての威厳を保った。だがここまで今大会は全試合判定決着だったこともあり、最後は王者らしくきっちり決める試合を見せて欲しかった。
第7試合 セミファイナル REDルール 56kg契約 3分3R(延長1R)
×栗秋祥梧(クロスポイント吉祥寺/元大和フェザー級王者)
○ダウサコン・モータッサナイ(タイ/ウィラサクレック・フェアテックスジム/元WPMF世界スーパーバンタム級王者、元ラジャダムナン認定スーパーフライ級3位)
判定0-2 (秋谷28-29/少29-29/和田28-29)
栗秋は9月のKNOCK OUTで宮元啓介に判定負け。対するダウサコンは戦績142戦89勝(8KO)48敗5分の30歳。タイでの活躍後、17年~18年にREBELSへ4度参戦し、18年4月の小笠原瑛作とのWPMF世界王座防衛戦で3R KO負けしている。最近では8月のジャパンキックで馬渡亮太と5R引き分け、健在ぶりを示していた。
1R、栗秋はゆったりとした動きから、スピードのある左ボディ、左ミドル、右ロー等を随所で的確に当て続け優勢。終盤、ダウサコンもようやく左ミドルのヒットを増やすように。記者採点は栗秋。
すると2R、ダウサコンが左ミドル、ハイ、組んでの膝を当て続け、栗秋は攻撃が減ってしまう。ダウサコンは崩しも度々決めて優位を印象付ける。記者採点はダウサコン。
3R、ダウサコンは序盤から首相撲で度々栗秋を捕まえ、左の膝を当て続け、崩しも度々決め圧倒。栗秋はスタミナが切れ攻撃が返せず、ダウサコンの逆転判定勝ちとなった。
第6試合 REDルール 53kg契約 3分3R(延長1R)
○白幡裕星(橋本道場/MuaythaiOpenスーパーフライ級王者)
×松﨑公則(STRUGGLE/元REBELS-MUAYTHAI・WPMF日本・J-NETWORKスーパーフライ級王者、元REBELS-MUAYTHAIフライ級王者)
判定3-0 (センチャイ30-27/秋谷30-27/和田30-26)
現在18歳の白幡は2月のREBELSで老沼に判定負けするも、延長戦まで持ち込み、それまで8戦無敗。8月のREBELSでは濱田巧に勝利した。
対する松﨑はREBELSが旗揚げした2010年の9月からREBELSに参戦。2015年に今のREDルールに相当するREBELS-MUAYTHAIのフライ級王座、16年にスーパーフライ級王座を獲得している45歳のベテランだ。今回は泰史の欠場により約10日前に試合が決まった。
1R、両者サウスポーに構え、前に出る松﨑に対し、白幡が回って距離を取りながら、左ローを的確に当て続け効かせる。終盤には左ストレートも効かせる。2Rも同様に白幡が左ロー、左ストレート等を当て続けて主導権を維持。松﨑は崩れないものの攻撃が返せない。
3R、後の無い松﨑は圧力を強め、右フックをヒット。中盤からは雄たけびをあげながら攻撃を出すように。だが白幡はパンチとミドルを的確に当てて松﨑を封じ、最後は左ミドルを連打し終了し完勝した。
第5試合 REDルール 55.5kg契約 3分3R(延長1R)
○壱・センチャイジム(センチャイムエタイジム/元LPNJ(ルンピニー日本)バンタム級王者)
×鈴木貫太(ONE’S GOAL)
判定3-0 (山根30-28/和田30-27/秋谷30-27)
今年冬からスタートした「REBELS-RED 55.5kg級王座決定トーナメント」は小笠原瑛作と小笠原裕典の兄弟が既に決勝に進出。壱は9月のKNOCK OUTでの一回戦で瑛作に1R KO負けし今回が再起戦。鈴木は8月のREBELS.65での一回戦で宮元啓介と戦う予定だったが欠場していた。
1R、壱がサウスポー、鈴木がオーソドックスに構え、ミドルキック主体の攻防。終盤の首相撲の展開も含めほぼ互角だ。記者採点はイーブンとしたがジャッジ2者は壱につける。
2R、壱は序盤から組んでの膝の連打で先手を取り、その後も左ミドルを当て続け、中盤には左フックでスリップさせる。終盤も攻め続け、鈴木はなかなか攻撃が返せない。記者採点は壱。
3Rも壱がタイ人のようなフェイントを織り交ぜつつ、左ミドル、右前蹴り、組んでの膝、右肘などを当て続け圧倒。終盤には崩しも決めて差をしっかり印象付け、点差を広げ判定勝ちした。記者採点は30-28で壱。
第4試合 REBELS-RED 53.5kg級王座決定リーグ戦 3分3R
○安達浩平(team AKATSUKI/2点→4)
×響波(Y’s glow/2点)
判定3-0 (少29-28/秋谷29-28/山根30-29)
2Rから安達が右ロー、右肘、右ボディ、左フック等を的確に当て続け主導権。3Rも同様にパンチと蹴りを自在に当て続けて攻め続け、勝ち点2を獲得し、リーグ戦トップに躍り出た。
安達は2月28日の後楽園大会で2位の工藤“red”玲央(TEPPEN GYM/3点)と対戦。響波は前田伊織(北流会君津ジム/0点)とリーグ最終戦を行う予定だ。
第3試合 REDルール 71.5kg契約 3分3R(延長1R)
○津崎善郎(LAILAPS東京北星ジム)
×渡慶次幸平(クロスポイント吉祥寺)
判定3-0 (センチャイ29-27/秋谷30-27/山根30-27)
1R、津崎がサウスポーの渡慶次に右ミドルを当て続ける。渡慶次も左ミドルを返すが、終盤、津崎が右の縦肘を当て、左フックでもスリップさせ好印象を残す。記者採点は津崎。
2R、渡慶次がパンチのヒットを増やすが、津崎も左フック、組んでの膝、右ミドルを増やす。だが終盤にまた渡慶次もパンチの連打を当て巻き返す。記者採点はイーブン。
3R、津崎は序盤から右の縦肘を当て、左ジャブで突き放し、主導権を握ると、終盤、渡慶次の組み際に右の膝を顔面にクリーンヒットしダウンを奪う。その後も蹴りとパンチで主導権を維持し、はっきり差をつけ判定勝ちした。
第2試合 REDルール 55.5kg契約 3分3R(延長1R)
×森岡悠樹(北流会君津ジム)
○古村 光(FURUMURA-GYM)
4R 判定0-2 (和田9-10/山根10-10/センチャイ9-10)
3R 判定0-1 (和田29-29/センチャイ28-30/山根29-29)
1R、古村がサウスポーからの左ミドルを当てるが、森岡が伸びのある右のストレートで古村をひるませ好印象。2R、古村は自分の距離を作り、左ミドルのヒットを増やし、組んでの膝も連打し、終盤には左ハイ、左ストレートも当てて優位に。3Rは古村が蹴り、森岡がパンチを当てるが、決定打が乏しくほぼ五分で終わる。ジャッジはセンチャイ氏のみ古村につけ2者イーブンで延長へ。
すると延長R、古村が左ミドルを効かせ、中盤に左ハイを2発当てて好印象。組んでも膝を当て、終盤も左ミドルを強打して主導権を維持し判定勝ちした。
第1試合 ミネルヴァ・スーパーフライ級王座挑戦者決定戦(顔面肘膝無し・首相撲3秒まで) 2分3R(延長1R)
×佐藤“魔王”応紀[まさき](PCK連闘会/ミネルヴァ2位)
○IMARI(LEGEND GYM/ミネルヴァ4位)
判定0-3 (少29-30/センチャイ28-30/秋谷28-30)
IMARIが2Rにパンチの打ち合いで右ストレート、終盤には左ミドルのヒットを増やし好印象。3R、佐藤もボディから顔面へのパンチのコンビネーションを決めるが、IMARIも左のミドル、前蹴りを返し続けて巻き返し、挽回を許さず判定勝ちした。
オープニングファイト第2試合 REDルール 60kg契約 3分3R
×角谷祐介(NEXT LEVEL渋谷)
○ウルフタツロウ(アントジム)
判定0-2 (和田28-29/センチャイ28-28/少28-29)
オープニングファイト第1試合 BLACKルール(肘無し) 女子46kg契約 2分3R
×ねこ太(トイカツ道場)
○川島えりさ(クロスポイント吉祥寺)※川島江理沙 改め
判定0-3 (山根28-29/和田28-29/少28-30)
川島は昨年2月のPANCRASE REBELS RING.1でプロデビューし、ぱんちゃん璃奈と対戦し、2度のダウンを奪われ判定負けして以来の試合。その間、左手首の骨折の療養、大学進学、アマチュアでの試合を経て再デビューする。対するねこ太は今年デビューし、2月のNJKF、9月のRISE GIRLS POWERでいずれも敗れている。
1R、開始すに川島は左ハイを当てるが、すぐねこ太が右ストレートを立て続けに当てて主導権を握る。だが中盤以降、川島が距離を取り、右ロー、右ミドルを随所で当てて巻き返す。
2R、川島が左右のフックを当てて、パンチ主体に切り替わる。ねこ太も中盤以降、組んでの右膝、右ローを当て、蹴り足をすくっての崩しも決める。
3R、ねこ太は前に出て来るが、川島はステップでかわしつつ、左ボディ、右ローを的確にヒット。終盤には左前蹴りでねこ太を吹き飛ばし、好印象を残す。記者採点は3Rに川島につけ29-30で川島。ジャッジ3者も川島を支持し、川島がプロ初白星を飾った。
REBELS 12.6(夜) 後楽園ホール:松倉信太郎、T-98との死闘制す。鈴木千裕&龍聖、秒殺KO勝ち。大谷翔司、バズーカ巧樹を撃破