REBELS 11.8 後楽園ホール:ぱんちゃん璃奈、初メインで判定勝ちも内容を反省。安本晴翔&鈴木千裕が快勝。RED 55.5kg級決勝は小笠原兄弟対決に
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REBELS.67
2020年11月8日(日) 後楽園ホール
レポート&写真:井原芳徳
※REDルールは肘有りキックルール、BLACKルールは肘無しキックルール
第9試合 メインイベント BLACKルール 女子47kg契約 3分3R(延長1R)
○ぱんちゃん璃奈(STRUGGLE/REBELS-BLACK女子46kg級王者)
×MARI(ナックルズGYM/元ミネルヴァ・ピン級(45.36kg)王者)
判定3-0 (秋谷30-28/和田30-28/山根30-28)
K-1・Krushの元プロデューサーの宮田充氏が10月からKNOCK OUT・REBELSのプロデューサーに就任し、今回が初の大会。メインイベントはREBELS史上初の女子の試合となった。
ぱんちゃんは8月30日のREBELS.65でMISAKIに判定勝ちし、初のベルトを獲得。約2か月間隔で王者としての初戦を迎える。
対するMARIは過去にMISAKI、女神、紅絹、百花らに敗れ、戦績も35戦11勝(1KO)21敗3分と負け越しているが、経験では8戦全勝のぱんちゃんより大幅に上だ。
ぱんちゃんは試合発表直後のTwitterで「闘いたい選手みんな、MARI選手と闘ってるので、私が1番差をつけて勝ちます!」と記し、会見では「(RISEの)トーナメントの選手よりもいい勝ち方をして、間接的に勝ちたいです」とも話した。一方のMARIはREBELS公式のインタビューで「主催者はぱんちゃん選手に勝たせるためにマッチメイクを組んだと思うのですが、そういう思惑通りにはさせません」とコメントしていた。
1R、序盤からぱんちゃんが積極的に右ロー、右ストレート等を放つ。特にパンチは回転の速い中で最後に右ストレートをきっちり当てている。だがMARIもぱんちゃんの攻撃の後に、右フックを随所で叩き込み、しっかり印象を残す。
2R序盤、圧力をかけるMARIに対し、ぱんちゃんはやや攻めあぐねる。バックハンドブローが肘打ち気味になる場面もあったが、中盤から右の顔面狙いの前蹴りのヒットを増やし、右ロー、左ミドルも絡め、ヒット数を増やし好印象を残す。
3R、MARIは圧力を強め、パンチの回転を上げるが、なかなかクリーンヒットにつながらず、クリンチの場面も増える。その中でぱんちゃんが右ストレート、左前蹴り、右ロー等を時折当てるが、攻撃をまとめきれず、MARIの前進は止められないまま終える。
記者採点は2Rのみぱんちゃんにつけ、30-29でぱんちゃん。ジャッジ3者とも2点差でぱんちゃんを支持し、ぱんちゃんの判定勝ちとなった。マイクを持ったぱんちゃんは「メインイベンターとして全然ふさわしくない試合をしてしまったと思います。いつもKOできずすみません」と反省し「REBELSを引っ張っていけるよう、強くなりますので、これからも応援お願いします」とアピールした。
第8試合 セミファイナル REDルール 59kg契約 3分3R(延長1R)
○安本晴翔(橋本道場/REBELS-RED&WPMF世界フェザー級王者)
×BEN侍 Y’ZD(タイ/Y’ZD GYM/スックワンキントーン・ライト級王者)
2R 2’38” KO (右バックスピンキック)
安本は9月のKNOCK OUTの夜の部でウィサンレック・MEIBUKAIに2R肘打ちでTKO勝ちし、今回もタイ人選手との戦い。好調の安本との同じフェザー級での相手がなかなか見つからず、今回はライト級でタイトルを獲ったBEN侍 Y’ZDと、スーパーフェザー級相当の59kg契約で対戦した。
だがリングに上がると、安本が一回り大きい印象。BENは本来バンタム級からスーパーバンタム級といったところか。1R、安本がサウスポーからの左ミドル、ハイを序盤から何発も当てると、右ストレートの2連打でダウンを奪う。安本は右膝、左ミドル、ハイ、パンチのラッシュで倒しにかかるが、BENはブロックして猛攻をしのぐ。
2Rも安本が左ミドルを当て続けるが、BENは打たれ強く、なかなか倒れない。BENによるローブローも重なり、安本は少し苦しそうだ。しかし終盤、安本が右のバックスピンキックをBENのレバーにクリーンヒットしダウンを奪取。10カウントギリギリでBENは立ったものの、ダメージが大きいと判断したセンチャイレフェリーはストップした。
マイクが苦手な安本は「何も言うことを考えてなかったんですけど」と正直に話しつつ、「REBELSの安本晴翔で覚えてもらえるように。僕、一応チャンピオンなんで」と、控えめにアピールした。
第7試合 REDルール 64kg契約 3分3R(延長1R)
○良太郎(池袋BLUE DOG GYM/REBELS-REDライト級王者)
×北川“ハチマキ”和裕(PHOENIX/元REBELS-MUAYTHAIスーパーライト級&ライト級王者)
3R 2’12” KO (3ダウン:右ストレート)
REBELS-REDライト級王者の良太郎は2月のKNOCK OUTで、同暫定王者のスアレック・ルークカムイに判定負けして以来の試合。ハチマキは2年ぶりのREBELS登場。良太郎の持つベルトを元々持っていたREBELSのかつての常連選手だ。昨年12月、NKBでの約2年ぶりの試合では隆政に1R KO負け。今年6月のNKBでの引退試合を予定していたが、冬からのコロナ禍の影響で来年に延び、その前に古巣のREBELSに戻って来た。
1R、良太郎が前に出るが、ハチマキはかわし、組んで膝を当て続けて主導権。2Rもハチマキが膝を当て続けていたが、当たり自体は浅く、良太郎に与えたダメージはさほど無い様子。次第に良太郎も組んでの膝を返すように。すると消耗を見せたのはハチマキのほう。良太郎は右テンカオ、ボディブロー、右フックも絡め、後半の手数では上回る。
3Rもハチマキは組みを狙って来たが、良太郎は突き放すと右肘を当ててダウンを奪う。ハチマキはダメージが大きく、良太郎は右ミドルを効かせてからのパンチ連打で再びダウンを奪取。最後は良太郎が右ストレートで3ダウン目を奪ってKO勝ちした。
現王者としての威厳を保った良太郎は「ハチマキ選手がいたからこういうストーリーができました。偉大なチャンピオンです」とハチマキを称えた。
ハチマキは「最後、引退前にREBELSに上がれて良かったです。ずっと勝ててなくて、それでもみんな応援してくれて、なんとかもう一回勝つところが見せたかったですけど、できなくて申し訳ないです」と涙ながらに話し「来年NKBで引退試合を行わせていただくので、勝つところを見せるためにやろうと思っています」とアピールした。
第6試合 REBELS-RED 55.5kg級王座決定トーナメント準決勝 3分3R(延長1R)
○小笠原瑛作(クロスポイント吉祥寺/ISKA K-1ルール世界バンタム級王者)
×宮元啓介(橋本道場/元WPMF世界&WBCムエタイ・インターナショナル・スーパーバンタム級王者)
判定2-0 (センチャイ30-29/山根29-29/北尻30-28)
両者は16年12月のKNOCK OUT旗揚げ大会で対戦し、瑛作が3R KO勝ちしている。
1R、瑛作がサウスポーから左ミドル、宮元がオーソドックスから右ミドルを当て合う展開が続く。まだ均衡状態だ。記者採点はイーブン。
2R、宮元が序盤に右ハイを当てるが、瑛作はひるまず、1R同様に左ミドルを当て続ける。お互いローも混ぜたり、瑛作は崩しも度々使う。瑛作が左ミドルを当て続けていると、宮元の脇腹は真っ赤に腫れあがる。記者採点は瑛作。
3R、瑛作が組んでの膝、崩しで主導権を狙うが、離れて瑛作がバックハンドブローを放った際、宮元の右ハイが当たる。瑛作は尻餅をついた後、すぐに立つ。秋谷レフェリーはダウンを宣告せず続行し、観客からはどよめきが起こる。REBELS-REDルールは以前までREBELS-MUAYTHAIという名称だったことが示す通り、タイのムエタイと同様、すぐに立った場合はダウンを取らないようになっている。
その後は瑛作が左ミドルを当て、崩しも繰り返すが、宮元も右ミドル、左ハイを随所で返し、五分に近い状態に。記者採点は3Rに宮元につけ合計29-29でイーブン。ジャッジは1者がイーブンだったが、2者がミドルだけでなく崩しを駆使した瑛作を支持し、瑛作の判定勝ちとなった。
第5試合 REBELS-RED 55.5kg級王座決定トーナメント準決勝 3分3R(延長1R)
○小笠原裕典(クロスポイント吉祥寺/元BCムエタイ日本統一&INNOVATIONスーパーバンタム級王者)
×KING強介(team fightbull/元REBELS-MUAYTHAIスーパーバンタム級王者)
4R 1’25” TKO (ドクターストップ:肘打ちによる左まぶたのカット)
3R 判定1-1 (山根29-30/秋谷29-29/センチャイ30-29)
1R、強介が距離を取って大振りの左右のフックを狙い、裕典が組んでの膝を当てるが、お互い慎重でまだ差は乏しい。
2R、強介が序盤に右フックをクリーンヒット。裕典は組んでしのぐ。強介は左ローのヒットも増やし、やや優位になるが、裕典も組んでの膝を終盤に当て、少し巻き返す。
3R、強介は右ボディストレートを効かせる。裕典は組んでの膝を多用するが、決定打が出せない。終了間際、強介が右フックを立て続けに当てて裕典を下がらせるが、裕典が肘で強介の左まぶたを切り裂き、ギリギリで五分の印象に持ち込む。
記者採点は2Rに強介、3Rはイーブンとし、合計29-30で強介。ジャッジは裕典の膝、強介のパンチの評価で割れ、三者三様となり延長へ。強介はレフェリーストップを危惧してか、序盤から積極的にパンチを振り回すが、裕典がカウンターの左フックを当ててダウンを奪う。強介は立ち上がるが、ドクターチェックが入る。再開したものの、出血が再び激しくなり、ドクターがストップし、裕典の勝利となった。
これでトーナメント決勝は裕典と瑛作の兄弟対決に。瑛作の勝利後、リングインした兄の裕典は「今日の試合内容じゃ殺されますね」と話して苦笑し「いい課題をもらったので決勝までしっかり作って来たいと思います。これからも僕たち兄弟の応援をお願いします」とアピール。瑛作は「内容が悪くて全然満足していないです。決勝に上がること考え、勝ちに徹しました 正直、お兄ちゃんとやりたくないです」とこちらも苦笑し「来年の決勝までに、どこかでやらせてもらいたいです。12月大会も出させてください。年末のRIZINでもいいです。総合でもなんでも挑戦します」とアピールした。
第4試合 BLACKルール 65kg契約 3分3R(延長1R)
○鈴木千裕(クロスポイント吉祥寺)
×康弘(ゴリラジム/大和KICK 65kg級王者)
1R 1’17” KO (3ダウン:右フック)
鈴木は9月のKNOCK OUTの昼の部で昇也に3R TKO勝ち。対する康弘はREBELS初参戦の31歳。RISE WEST福岡大会を主戦場としていた選手で、戦績7戦4勝(3KO)3敗。
1R、鈴木は開始すぐから距離を詰め、大振りのフックを連打し、右フックで康弘をなぎ倒す。康弘も打ち合いに応じて当てるものの、鈴木のラッシュは止まらず、康弘はダウン。その後も鈴木はノンストップでパンチを当て続け、康弘から再びダウンを奪う。康弘は立ち上がるがダメージが大きく、最後も鈴木が怒涛のパンチラッシュからの右フックでダウンを奪い、見事77秒でフィニッシュした。
鈴木は「見ての通りピンピンしているんで、宮田さん、12月も試合組んでください」とアピールした。
第3試合 BLACKルール 65kg契約 3分3R(延長1R)
○与座優貴(橋本道場/極真会館2017全世界ウェイト制軽量級(70kg)優勝)
×久保政哉(フリー)
判定2-0 (山根30-29/北尻30-29/センチャイ29-28)
1R、久保はサウスポーに構え、左ミドルを当て続ける。与座は再三蹴り足をつかんでから倒す動きを出す。与座は左のローをカーフキックの形で効かせ、少し久保がバランスを崩す場面も。
2Rも同様の攻防だが、少しずつ与座のカーフキック、崩しの数が増え、バックスピンキックも出し、やや攻勢に。久保は蹴りが少し減る。
3R、与座は時折左フックを当てるが、疲れが見え始め、追撃につなげられない。久保も終盤になり、組んで左膝を当てるようになり、少し巻き返すが、決定打は乏しい。記者採点は2Rのみ与座につけ30-29で与座。採点が読み上げられると、久保はすぐ負けを認め与座に歩み寄るが、与座は首を振り、内容に不満げな表情だった
第2試合 BLACKルール 61kg契約 3分3R(延長1R)
×中澤良介(TRY HARD GYM)
○麻火佑太郎(PHOENIX)※清水佑太郎 改め
判定0-3 (センチャイ28-30/山根27-30/北尻27-30)
1R、麻火がサウスポーに構え、テコンドーを活かしたサイドキック、前蹴り、ミドルを当て続け、中盤には左ミドルを効かせてからのパンチを絡めた連打で中澤を追い詰める。
2R、麻火はミドルも当てつづ、左の膝を多用するように。序盤は麻火が優勢だったが、中盤から中澤も右ミドル、右ストレートをお返しし盛り返す。
3R、麻火は序盤からテコンドーの蹴り技のコンビネーションで連打を見せ先手を取る。中盤から中澤も右フック、右ハイをお返しするが、麻火は蹴り技と左ボディストレートを途切れず当て続け終了。記者採点は1Rと3Rに麻火につけ28-30で麻火。ジャッジも麻火を支持した。麻火は今後のライト級戦線での活躍が期待できるファイトだった。
第1試合 REDルール 70.5kg契約 3分3R(延長1R)
×渡慶次幸平(クロスポイント吉祥寺)
○小原俊之(キング・ムエ/J-NETWORKミドル級3位)
2R 2’38” TKO (ドクターストップ:左肘打ちによる左頬のカット)
1R、両者サウスポーに構え、渡慶次の圧力をかわし、小原が左ローを当て続け主導権。終盤、渡慶次が左フック、左ボディを効かせるが、小原も左肘で渡慶次の額を切り裂き、スリリングな展開に。小原は長い腕を自在に振り回す肘が印象的だ。
2Rも小原がロー、肘を的確に当て続け主導権。終盤に渡慶次の出血が激しくなりドクターチェックが入る。再開後、小原が左肘を振ると、渡慶次は左の頬をカット。渡慶次が左フックを炸裂させ、前進してきたが、小原が距離を取って防御すると、再びドクターチェック。傷が深く、小原のTKO勝ちとなった。