ONE 11.16 有明アリーナ(レポ/3-3):野杁正明、スーパーボンのミドルと膝に手を焼き判定負け。若松佑弥、パシオに2R TKO勝ちし王座初防衛。吉成名高、日本人初のONEムエタイ王者に

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ONE 173: SUPERBON vs. NOIRI
2025年11月16日(日)東京・有明アリーナ
レポート:井原芳徳 写真提供:(C)ONE Championship 中継:U-NEXT
(3ページに分けてお伝えします)
野杁正明、スーパーボンのミドルと膝に手を焼き判定負け
第17試合 メインイベント ONEキックボクシング・フェザー級(70.3kg)チャンピオンシップ(王座統一戦) 3分5R
○スーパーボン[Superbon](タイ/スーパーボン・トレーニングキャンプ/王者)
×野杁正明(team VASILEUS/暫定王者、元K-1ウェルター級(67.5kg)&スーパー・ライト級(65kg)王者、元Krushウェルター級(67kg)王者、元Nuit Des champions 66kg級王者、元WBCムエタイ日本スーパーライト級(63.5kg)王者、K-1甲子園2009 -62kg優勝)
判定3-0 (48-47/49-47/49-46)
※スーパーボンが王座統一、初防衛
ONEの日本大会は3月のONE 172以来8か月ぶり。前回、武尊とロッタンの一戦が日本で高い注目を浴び、観客数・U-NEXTのPPVともに高い数字を叩き出したことにONEは手応えを感じた様子で、ONEの最高グレードのナンバーシリーズを2大会連続で日本で開催し、今回は前回を上回る豪華カードを並べた。なお、大会中には次回のナンバーシリーズのONE 174も東京で来年4月29日に開催することを発表している。会場は次回も有明アリーナとなる。
野杁は32歳。新生K-1で17年にゲーオを破りスーパー・ライト級(65kg)王者となり、21年には安保瑠輝也らをKOしウェルター級(67.5kg)王座を獲得し2階級を制覇。22年6月のTHE MATCH 2022ではシュートボクシングの海人に延長判定負け。23年7月のK-1でのアマンシオ・パラスキフ戦での1R KO勝ちを最後にK-1を離れる。昨年6月のONEデビュー戦ではONEキック・フェザー級(70.3kg)3位のシッティチャイに判定負け。12月の2戦目ではリウ・メンヤンに判定負け、今年1月、シャーキル・タクレティを2R右カーフキックでKO。まだONE 1勝2敗ながら、3月の埼玉での日本大会で暫定王座挑戦のチャンスが巡って来ると、タワンチャイに3R左ボディを効かせ、パンチの連打でTKO勝ちした。
スーパーボンは34歳。ブアカーオの弟子で、中国のクンルンファイト、オランダのエンフュージョンのトーナメントを制し、20年からONEに参戦。21年10月、ジョルジオ・ペトロシアンを右ハイでKOしONEキック・フェザー級王座を獲得。22年3月の再戦でも判定勝ちし初防衛。23年1月、チンギス・アラゾフに2R KO負けし王座陥落。昨年4月、マラット・グレゴリアンに判定勝ちし暫定王者となり、その後正規王者に認定される。今年1月、タワンチャイのムエタイ王座に挑戦したが2R TKO負けした。
野杁のセコンドにはこの日の試合で勝利した武尊もつく。1R、野杁はガードを固めながらプレッシャーをかけ、スーパーボンは前蹴りやジャブで距離を取る構図に。野杁は与座キックとも呼ばれる奥足狙いの右インロー、左右のボディ主体で攻め、スーパーボンは左右のミドル、テンカオを当てる。終盤、お互いクリンチが増え、オリヴィエ・コスト・レフェリーが注意するように。まだ差は乏しいが、野杁の積極性がやや目立つ内容に。記者採点は野杁だが、スーパーボンが取っていても不思議ではないほどの差だ。ジャッジは2者が野杁につけるが、1者は10-10とつける。ONEのキック・ムエタイは原則マスト判定だが、稀に10-10とつくこともある。
2R、スーパーボンは回って距離を取りつつ左ミドルを執拗に当て、時折ハイも絡める。野杁は前に出て与座キックを返す。クリンチあるいは接近戦ではスーパーボンが上手くテンカオを当てるように。レフェリーはクリンチの注意を繰り返すが、スーパーボンは減点に達さない程度でおさめる。スーパーボンが右ストレートを当て、野杁が首を振る場面も。記者採点は中盤過ぎから支配したスーパーボン。ジャッジは割れ、2者がスーパーボンにつけるが、1者は野杁につける。
3R、スーパーボンは左の前手と右前蹴りを出しつつ、回って距離を取り、重みのある左ミドルを当てる。クリンチあるいは接近戦になると、野杁は膝や前蹴りをスーパーボンの足に当てるように。だが終盤、スーパーボンは左右のミドルを当て、テンカオも当て、攻撃数で差を広げる。野杁はボディと顔面にパンチをまとめて終えるが、これまでの攻撃数の差が埋まるほとにはならない。記者採点はスーパーボン。ジャッジは2者がスーパーボンにつけるが、1者は野杁につける。
4R、序盤から野杁は与座キックを立て続けに当てて先手を取るが、その先に続かず、スーパーボンは距離を取って、これまで同様、力強く左ミドルを当てる。さらにフェイントを絡めての左テンカオも巧く当てる。やや疲弊してきた野杁はパンチを振り回すが空振りし、スーパーボンの左ミドルをもらい印象を悪くする。終盤、スーパーボンは右アッパー、右ハイ、左ミドル等を度々当て、最後に右アッパーを当てて終える。記者採点はスーパーボン。ジャッジ3者もようやく採点が揃い、スーパーボンにつける。
5R、スーパーボンは前蹴りのフェイントを駆使してミドル、膝を当て、クリンチでも休んで主導権を維持する。野杁は前に出るが肝心の攻撃がほとんど出ない。中盤、スーパーボンはパンチとミドルをコンビネーションでヒット。終盤、場内は野杁コールに包まれるが、スーパーボンは左ミドルを当て続ける。最後、野杁が右ストレートを当てるが、スーパーボンはクリンチで反撃を封じて終える。記者採点はスーパーボン。ジャッジ3者ともスーパーボンにつける。記者採点合計49-46でスーパーボン。ジャッジ3者もスーパーボンを支持し、スーパーボンが判定勝ちで王座統一と初防衛を果たした。野杁も笑みを浮かべ敗戦を認めた。
勝ったスーパーボンは「作戦通りでしたがKOできませんでした。野杁の打たれ強さは想定通りでした」と試合を振り返り、今後について「35歳ですが5年後も10年後も戦いたいです」と話した。
若松佑弥、パシオに2R TKO勝ちし王座初防衛
第16試合 コーメインイベント ONE MMAフライ級(61.2kg)チャンピオンシップ 5分5R
○若松佑弥(TRIBE TOKYO MMA/王者)
×ジョシュア・パシオ[Joshua Pacio](フィリピン/挑戦者、ストロー級王者)
2R 0’44” TKO (レフェリーストップ:グラウンド膝蹴り)
※若松が初防衛
若松は30歳。パンクラスで活躍後、18年からONEに参戦。22年3月にアドリアーノ・モラエスのフライ級王座に挑戦し3Rギロチンで一本負け。続くウ・ソンフン戦でも1R TKO負けし、ランキングから落ちたが、23年7月にシェ・ウェイに1R TKO勝ちし、昨年1月の日本大会ではONEデビュー戦で敗れた相手・ダニー・キンガッドに判定勝ちでリベンジした。12月にはギルバート・ナカタニに判定勝ちし連勝を3に伸ばすと、3月の日本大会で王者モラエスに挑戦する。若松は1R、左フックを効かせてパンチ連打でダウンを奪い、最後はパウンドで仕留め、モラエスへのリベンジとベルト奪取を果たした。
パシオは29歳。ONEストロー級で長年活躍し、猿田洋祐とは2勝1敗。今年2月のカタール大会ではジャレッド・ブルックスとの3度目の対決を2R TKO勝ちで制し、ストロー級王座を初防衛している。今回は1階級上の王座に挑む。
試合は1階級上の若松が圧倒する。1R、若松が開始すぐから前に詰めるが、パシオが左右のフックを立て続けに当て、若松は少しフラつく。すぐにパシオは押し込む。若松は金網を背にしつつスペースを作って右肘を当てるが、引き続きパシオは押し込む。中盤、パシオは逆にスペースを作って左肘をお返しする。パシオは片足タックルを仕掛けるが、若松は崩して背後に回って押さえ、右のパウンドを連打する。若松はサイドバックで押さえ続け、パウンド、膝を時折まとめる。終盤、若松はパウンドは減るが、背後から組み付いてコントロールを続けて終える。ここまで若松が優位だ。
2R、若松は開始間もなくから、ワンツーでの右フックをヒットすると、パシオはダウンする。うずくまり亀の状態になったパシオに対し、若松ががぶって押さえ、頭に膝蹴りを当て続けたところで、モハメド・スライマン・レフェリーがストップした。
勝利者インタビューで若松は「パシオ選手、ありがとうございます。1Rで勝ちたかったんですけど(最初のパンチが)マジで効いて、力も強くて、思ったようにできなかったです。自分に打ち勝って入り込むこができたんでうれしいです。僕がONEで勝ち続けて世界一の団体にしたいと思います。家族のためだけに戦っていますし、この日のために命を懸けて来たんで良かったです」と話した。5万ドル(約750万円)のボーナス授与が発表されると、ジムの長南亮会長やトレーナーに感謝の言葉を述べた。
吉成名高、日本人初のONEムエタイ王者に
第15試合 ONEムエタイ・アトム級(52.2kg)チャンピオンシップ(初代王者決定戦) 3分5R
○吉成名高[なだか](エイワスポーツジム/元ラジャダムナン認定スーパーフライ級・フライ級・ミニフライ級王者、プロムエタイ協会・WPMF世界・BOMフライ級王者、WBCムエタイ・ダイヤモンド・スーパーフライ級王者、同ナイカノムトム・スーパーバンタム級王者、元ルンピニー・LPNJ・WMC・WBC・IBFムエタイ世界ミニフライ級王者)
×ヌンスリン・チョーケットウィナー[Numsurin Chor Ketwina](タイ)
判定3-0 (50-45/50-45/50-45)
※吉成が王者に
名高は24歳。昨年、ラジャダムナン認定スーパーフライ級王者となり、ラジャの3階級制覇を達成し、2度防衛する。今年3月のONE埼玉大会でONEに初参戦し、ムエタイルールでラック・エラワンに3R KO勝ちした。ルンピニーをホーム会場とするONEに出場したことが理由で、ラジャダムナン王座をはく奪されたが、名高は5月のSPACE ONE×BOM立川大会でもOFGムエタイの試合を引き続き行い、チョークディーに1R KO勝ち。その8日後、ONEとの「独占複数試合契約」が発表され、6月にはルンピニーでのONEフライデーファイツに初参戦し、アトム級(52.2kg)でバンルーロックに判定勝ち。8月29日のフライデーファイツではモロッコ人のハマダ・アズマニに3R TKO勝ちし、39連勝、ONE 3連勝とした。
名高は同大会のコーメインイベントに登場したONE 9戦全勝のソンチャイノーイ・ゲッソンリットとのONEムエタイ・アトム級初代王者決定戦を、大会前のインタビューで希望していた。だが対戦相手のヌンスリンが2R左フックでダウンを奪い判定勝ちし、名高の王者決定戦に進んだ。
ヌンスリンは30歳のベテランで、ONEフライデーでこれまで6戦ともタイ人選手とムエタイルールで対戦し、クンスックノーイ、ヨーシラー、チョークディー、サンデー、パエイム、ソンチャイノーイ相手に全勝している。名高が王者になればONEムエタイルールでは初の日本人王者となる。
1R、名高はサウスポーで構え、中央側に最初から立ち、左インローを当てつつ、左ミドルにつなげ、右前蹴りも当てる。ヌンスリンはもらいっぱなしにならず、中盤からは時折前に出て右ロー、ミドルを返す。終盤、名高は左ストレートのヒットを増やし、当てた後はすぐ離れ、反撃を封じる。5R制を意識してか、まだ慎重ながら、しっかり差を印象付ける。記者採点は名高。
2R、ヌンスリンは最初から前に出て仕掛けようとするが、左の前蹴りを放つと、名高は蹴り足をすくって倒す。ヌンスリンは前に出続け、名高は広いケージの中でステップでかわす。中盤、お互い崩しを決め、場内を沸かせる。終盤、名高はかわしつつ左ストレートやインローや右の関節蹴りを当てる。名高のヒット数は伸びないものの、ヌンスリンは逆に肝心の攻撃があまり出せず印象が悪い。記者採点は名高。通常のムエタイならここまでイーブンの可能性が高いが、名高が僅差でもしっかり差をつけており、ここはONEと同じくラウンドマストのRWSの経験が活きている可能性もある。
3R、ヌンスリンはしつこく前に出るが、名高は右の前手を出してステップでかわしつつ、随所で左インロー、ストレート、テンカオを当て、足払いも決める。最後、名高は左インローからハイにつなげ印象を作る。名高は今回の試合のためにエイワスポーツジムにケージを特設して練習しており、その成果が活きている可能性もある。記者採点は名高。
4R、名高は変わらずステップでかわし、左インロー、ミドル、ストレート、前蹴り等を自在に当て続ける。ヌンスリンは左まぶたのあたりをカットする。ローも効いてきた様子で、ダメージもスタミナの消耗も激しい。記者採点は名高。
5R、後の無いヌンスリンは組み付いて縦肘を振うが、名高は防御する。名高は自分から組み、背後に回る場面もあり、ムエタイ基準でいい印象を作る。終盤、名高は流すことなく、左のミドル、ロー、ハイを上下に散らして当てる。最後は金網際に詰め、左ボディも当て、両手を広げて挑発して、しっかり差を印象付け終える。記者採点は名高。合計50-45で名高。ジャッジ3者も同じく50-45で名高を支持し、名高が判定勝ちした。名高はこれで40連勝で、日本人初のONEムエタイ王者となった。
勝利者インタビューで名高は「ヌンスリン選手が凄く練習していると聞き、不安もあったんですけど、サポートしてくれた皆さん、応援してくださる皆さんのおかげで自信をもってリングに立てました。ありがとうございます」と感謝の言葉を述べ「KOしたかったんですけど、ヌンスリン選手も強かったです。敵地で戦ったヌンスリン選手にも拍手をお願いします」と称えた。
第14試合 ONEムエタイ・フライ級(61.2kg)チャンピオンシップ(王者決定戦) 3分5R
―ロッタン・ジットムアンノン[Rodtang Jitmuangnon](タイ/1位・元王者、キック同級1位)
―ノンオー・ハマ[Nong-O Hama](タイ/3位、元ムエタイ・バンタム級王者、元ラジャダムナン認定ライト級(61.23kg)王者、元ルンピニー4階級制覇王者)
中止 (ロッタンの計量クリア後の体調不良)
クリスチャン・リー、ラスロフとの再戦で2R TKO勝ちしライト級王座防衛
第13試合 ONE MMAライト級(77.1kg)チャンピオンシップ 5分5R
○クリスチャン・リー[Christian Lee](シンガポール/王者、ウェルター級王者)
×アリベグ・ラスロフ[Alibeg Rasulov](トルコ/挑戦者、元暫定王者)
2R 2’32” TKO (レフェリーストップ:グラウンド膝蹴り)
※リーが初防衛
クリスチャンは22年8月、オク・レユンからMMAライト級王座を奪還。同年11月、キャムラン・アバゾフに勝利しウェルター級王座を獲得。昨年12月、2年ぶりに復帰し、ライト級暫定王者のアリベック・ラスロフとの王座統一戦を行ったが、2Rにクリスチャンの手の指がラスロフの左目に入りドクターストップがかかり、無効試合となっていた。
1R、ダゲスタン出身のラスロフが開始すぐからタックルを仕掛けて倒し、金網際で押さえ、レスリングでの強さを早速発揮する。中盤過ぎ、クリスチャンはスタンドに戻す。終盤、ラスロフは片足タックルからテイクダウンを狙うが、クリスチャンは金網をつかむ反則を犯して倒れない。
2R、クリスチャンはラスロフのタックルを切り、プレッシャーをかけ、右ストレート、左ミドル、ボディフックを当てるように。ラスロフはうずくまって苦しそうな様子を見せる。するとラスロフはタックルで難を逃れようとたが、クリスチャンは切ってがぶって押さえると、アナコンダチョークの体勢のまま、頭に膝を連打したところで、モハメド・スライマン・レフェリーがストップ。クリスチャンが初防衛に成功し、2階級王座の地位を保った。























