ONE 12.20 ルンピニー(レポ):野杁正明、初参戦のリウ・メンヤンにダウン奪われ判定負けしONE 2連敗。KANA、ONE初戦はメクセンに攻め封じられ判定負け。吉成士門、小笠原瑛作に勝ったリッティデットに2R KO勝ち
MARTIAL WORLD PRESENTS GYM VILLAGE
センチャイムエタイジム中野
本場のムエタイ、教えます。初心者、ダイエット目的の方も大歓迎!まずは見学・体験を!
ONE Friday Fights 92
2024年12月20日(金)タイ・バンコク・ルンピニースタジアム
レポート:井原芳徳 写真提供:(C) ONE Championship
野杁正明、初参戦のリウ・メンヤンにダウン奪われ判定負けしONE 2連敗
第4試合 キックボクシング フェザー級(70.3kg) 3分3R
○リウ・メンヤン[Liu Mengyang](中国)
×野杁正明(team VASILEUS/元K-1ウェルター級(67.5kg)&スーパー・ライト級(65kg)王者、元Krushウェルター級(67kg)王者、元Nuit Des champions 66kg級王者、元WBCムエタイ日本スーパーライト級(63.5kg)王者、K-1甲子園2009 -62kg優勝)
判定3-0
野杁は31歳。戦績61戦49勝(25KO)12敗。13年に久保優太に勝利しKrushウェルター級(当時は67kg)王座を獲得。新生K-1初期にはスーパー・ライト級(65kg)の主力として活躍し、17年にはゲーオに勝利し同級王者になる。21年9月のK-1ウェルター級(67.5kg)王座決定トーナメントでは安保瑠輝也らをKOし王座獲得。22年6月のTHE MATCH 2022ではシュートボクシングの海人と68.5kg契約で対戦し延長判定負け。昨年7月のK-1でアマンシオ・パラスキフを1R KOすると「これから世界のトップとしかやりたくないんで、世界に挑戦する姿を応援して下さい」とアピールした。この大会を最後にK-1は中村拓己氏からカルロス菊田氏にプロデューサーが変わり“開国”路線に移行したが、野杁は新体制で試合せずK-1を離脱し、今年4月にONEと独占複数試合契約を結ぶ。6月のONE 167バンコク・インパクトアリーナ大会でのONEデビュー戦ではONEキック・フェザー級(70.3kg)3位のシッティチャイと対戦したが、野杁は持ち味を封じられ判定負けした。
今回の野杁はノーランカーでONE初参戦のリウ・メンヤンと対戦する。今大会4日前には来年3月23日、さいたまスーパーアリーナでONEが開催されることが発表され、野杁も今回しっかり勝って埼玉大会につなげたいところだったが、厳しい結果となる。
Starting STRONG Liu Mengyang drops Masaaki Noiri in the opening seconds of his ONE debut!#ONEFridayFights92 | LIVE NOW
Live TV broadcast in 190+ countries (check local listings)
Also available on ONE YouTube and ONE Facebook (geo-restrictions may apply)
Also… pic.twitter.com/ZkG9TBiV3v— ONE Championship (@ONEChampionship) December 20, 2024
野杁のセコンドには武尊がつく。1R、メンヤンは開始すぐから前に出て、パンチを積極的に振るう。野杁はガードを固めるが、右フックを返して空振りし、ガードがゆるんだところで、メンヤンは右フックを当て、30秒足らずでダウンを奪う。メンヤンは引き続きパンチを振い、右アッパーをヒット。野杁はブロックして耐える状況が続く。野杁は体格で勝るメンヤンに押され負けしている感が拭えない。それでも野杁は左膝、ローを随所で返すと、メンヤンは少し勢いが落ちる。10-8でメンヤンがポイントを取る。
2R、両者ガードを固め、接近戦での打合いが続くが、メンヤンが圧をかけて詰める状況が続き、攻勢を維持する。野杁は苦しそうで、左ボディ、膝を返すが、メンヤンの圧は落ちない。記者採点はメンヤン。
3R、野杁は左膝蹴りをボディに立て続けに当て巻き返すが、バックスピンキックがローブローとなって一時中断してしまい、流れが寸断され、メンヤンが回復することに。終盤、野杁は膝とパンチを当てるが、メンヤンはクリンチを繰り返して反撃を封じて終了する。記者採点は野杁。合計29-27でメンヤン。ジャッジ3者もメンヤンを支持し、メンヤンが判定勝ちし、野杁はONE 2連敗となってしまった。
KANA、ONE初戦はアニッサ・メクセンに攻め封じられ判定負け
第3試合 キックボクシング 女子アトム級(52.2kg) 3分3R
○アニッサ・メクセン[Anissa Meksen](アルジェリア/フランス/元GLORY女子スーパーバンタム級(55kg)王者)
×KANA(フリー/元K-1&Krush女子フライ級(52kg)王者)※K-1ジム三軒茶屋シルバーウルフから所属変更
判定3-0
KANAは32歳。戦績26戦22勝(11KO)4敗。高校時代にはやり投げでインターハイに出場。同時に空手も習う。K-1ジム三軒茶屋シルバーウルフに加入し、大学卒業後の15年9月のKrushの平岡琴戦でキックデビュー。第2代・第4代Krush女子フライ級王者となる。18年3月からK-1に出場し、19年12月のK-1初代女子フライ級王座決定トーナメントでクリスティーナ・モラレス、ヨセフィン・ノットソンを破って優勝し王者に。3度防衛したが、昨年12月にアントニア・プリフティに判定負けし王座陥落した。
KANAは中村拓己プロデューサー体制時代からメクセンとの対戦を希望していたが実現しなかった。昨年7月にカルロス菊田氏にプロデューサーが代わり“開国”路線に転換したが、今年1月のONE有明アリーナ大会へのK-1からの選手派遣を巡って両団体が衝突し、メクセン戦実現は困難となった。
KANAは王座陥落後、バンコクのスーパーボン・トレーニングキャンプ等で練習。8月にK-1との契約が満了。9月にONEとの独占複数試合契約が発表され、ONE初戦でいきなり念願のメクセン戦が用意された。
メクセンは36歳。戦績109戦103勝(33KO)6敗。ムエタイでWPMF、WBCの世界王座を獲得し、17年にティファニー・ヴァン・スーストを破りGLORY女子スーパーバンタム級(55kg)王座を獲得。18年に一度王座陥落した後も同じ相手から奪還し、19年にスーストに敗れるまで通算3度防衛した。21年9月からONEに上がり3連勝後、昨年12月のキック女子アトム級王座決定戦でペッディージャーに判定負け。11月9日にジャッキー・ブンタンと女子ストロー級(56.7kg)の初代王座を争い5R判定負けし2連敗となった。階級を落として2か月連続で試合に臨む。
KANAはタイのスーパーボンジムで練習を積んできたが、セコンドにはK-1ジム三軒茶屋シルバーウルフの大宮司進氏がつく。
1R、KANAは右カーフを随所で当てつつ、時折詰めて左右のパンチを振うが、メクセンはかわす。メクセンは距離を取り、左ジャブ、右ストレート、左右のミドルを当ててから離れる戦法を貫き、やや優位をキープする。記者採点はメクセン。
2R、メクセンはステップの出入りを増やし、前に出るKANAにローを当てさせず、左ジャブ、右ストレートを的確に当て続ける。KANAはクリンチになると左右のボディを連打するが、それ以外のパンチはほとんど当てられない。記者採点はメクセン。
Kickboxing MASTERCLASS Anissa Meksen spoils former K-1 World Champion Kana's ONE debut en route to an impressive unanimous decision win!#ONEFridayFights92 | LIVE NOW
Live TV broadcast in 190+ countries (check local listings)
Also available on ONE YouTube and ONE… pic.twitter.com/UkU32Pzx51— ONE Championship (@ONEChampionship) December 20, 2024
3Rもメクセンは軽快に距離を取り、前に出るKANAに、自分の左右のパンチやミドルを当て続け、主導権を維持する。残り30秒、メクセンは近距離での攻防でパンチと膝をまとめ、差を印象付け終了する。記者採点はメクセン。合計30-27でメクセン。ジャッジ3者もメクセンを支持し、メクセンが判定勝ちし、KANAの念願の一戦は完敗に終わった。
吉成士門、小笠原瑛作に勝ったリッティデットに2R KO勝ち
第2試合 ムエタイ 134ポンド(60.78kg)契約 3分3R
×リッティデット・ソー・ソンマイ[Rittidet Sor Sommai](タイ)
○吉成士門(エイワスポーツジム/プロムエタイ協会ライト級&スーパーフェザー級王者、WPMFインターナショナル・スーパーバンタム級王者、元WMCインターコンチネンタル・バンタム級王者、元WMC日本フライ級王者)
2R 0’39” TKO (レフェリーストップ:左右の肘打ち連打)
士門はONE初参戦、21戦20勝1敗の20歳。ラジャダムナン3階級制覇王者・吉成名高のいとこで、名高同様に子供のころからムエタイを習い、タイでも度々試合をしてきた。22年12月と23年4月にかけて行われたRoad to ONE JAPAN フェザー級ムエタイ日本トーナメントでは佐野貴信と馬渡亮太を下して優勝しており、OFGマッチは経験済だ。その後はRWSにレギュラー参戦し、4月と7月の日本大会でもタイ人選手に判定勝ち。9月にはタイでノンビウ・ジットムアンノンに判定勝ちしプロムエタイ協会ライト級王座を獲得している。
対するリッティデットは27歳。ONE Friday Fights 7戦4勝(3KO)3敗で、4月にスリヤンレックに判定負けしたが、9月に小笠原瑛作から右ハイでダウンを奪って判定勝ちしている。その2試合は132ポンド(59.87kg)契約で、今回は士門に合わせて2ポンド上げて戦う。
1R、リッティデットがプレッシャーをかけ、積極的にスピードのある左右のパンチを振う。士門はかわすものの、自身の攻撃が少なく、やや印象が悪い。それでも次第に士門も右ストレート、膝蹴り、左右のミドルを返すようになり巻き返す。記者採点はやや積極的だったリッティデットに付けたが、割れてもおかしくない程度の差だ。
STELLAR DEBUT Japanese rising star Shimon scores a shocking TKO win over Rittidet! #ONEFridayFights92 | LIVE NOW
Live TV broadcast in 190+ countries (check local listings)
Also available on ONE YouTube and ONE Facebook (geo-restrictions may apply)
Also… pic.twitter.com/PYf7g2Z0HR— ONE Championship (@ONEChampionship) December 20, 2024
すると2R、リッティデットが前に出てきたが、士門は下がりつつも左フックをアゴにヒット。それでもリッティデットが前に出て左フックを振うが、士門は再び左フックをクリーンヒットしてダウンを奪う。リッティデットは立ったもののダメージが大きく、士門がリッティデットをロープに詰め、パンチを連打してから左右の肘を連打したところでレフェリーがストップし、士門のTKO勝ちとなった。
勝利者インタビューで士門は「やってきた練習の成果です」と試合を振り返り、35万バーツ(約150万円)のボーナスが発表されると「ありがとうございます。滅茶苦茶うれしいです。チャトリさん、ソンマイさん、試合を組んでくださった皆さんありがとうございます」と笑顔で話して喜んだ。