ONE 11.9 バンコク（レポ）：三浦彩佳、アトム級2連勝。得意の“あやかロック”で5万ドルボーナス獲得。ロッタン、武尊が見守る中スミスを翻弄し判定勝ち

ONE 169: Malykhin vs. Reug Reug
2024年11月9日（土）タイ・バンコク：インパクトアリーナ

　　

レポート：井原芳徳　　写真：(C)ONE Championship

第2試合　MMA　アトム級（52.2kg）　5分3R
○三浦彩佳（TRIBE TOKYO MMA）
×マカレナ・アラゴン［Macarena Aragon］（アルゼンチン）
1R 2’20” Vクロスアームロック

　三浦は34歳。21年1月のONE 6戦目でション・ジンナンのONE MMA女子ストロー級王座に挑戦し判定負け。その後もグラップリング含め2連敗したが、昨年11月のメン・ボー戦では得意のVクロスアームロック（通称・あやかロック）で一本勝ちし、2年半ぶり勝利した。1月の有明大会ではアトム級に階級を落とし、平田樹を終始押し込み押さえ続け判定勝ちした。
　4月のONE Fight Night 21にもアトム級で出場予定だったが、ジヒン・ラズワンの怪我により中止に。10月5日のONE Fight Night 25ルンピニー大会でラズワンとの試合が改めて組まれ、三浦は計量をクリアしたが、ラズワンの計量オーバーにより試合中止となり、それから1カ月後の今大会で早速試合が用意された。三浦は引き続きアトム級で戦う。
　アラゴンはONE初参戦の22歳。三浦と同じく柔道をベースとし、アルゼンチンの代表として国際大会で戦った経験もある。MMA 3戦全勝で、三浦同様にあやかロックで勝利したこともある。

　1R、開始すぐから三浦が片足タックルで倒しにかかるが、アラゴンは切ると、左脇を差しながら三浦を潰して倒し、袈裟固めで押さえる。三浦はすぐにブリッジしつつ体をひねる。アラゴンはがぶりで押さえる体勢となり、三浦の頭に膝を当てる。ロープを背にしている三浦は、すぐ体を起こして連打を許さず、さらに左腕でアラゴンの首を抱えて投げ倒す。ロープ際のため、三浦はアラゴンを寝かせることができず、逆にアラゴンが跳ね返る形で上になる。しかし三浦は引き続きアラゴンの首を抱えながら、両足でアラゴンの腕も挟んで、裏返しの形でVクロスアームロックを狙う。

　さらに三浦はパウンドも当てると、じわじわ体をズラして、アラゴンの背中をマットにつけさせ、袈裟固めで上から押さえる形に持ち込む。こうなると三浦の独壇場で、ヘッドロックとVクロスアームロックをセットし直して体を反ってガッチリ極め、タップを奪った。勝利後の三浦はマウスピースを口から出してマットに叩きつけながら「なめんな」と叫び、セコンドの山本アーセンと抱き合った後も「なめんな」と叫んでいた。

AYAKA LOCK Ayaka Miura unleashes her trademark submission for the first-round finish and her third straight win!

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　勝利者インタビューで三浦は「相手は柔道の凄い戦績を持っていて、私は柔道で実績が残せなかったんですけど、MMAの戦績は私のほうがあります。何よりONEで、あやかロックという名前をつけてもらって、ずっと勝ち続けていたので、絶対に投げて、あやかロックで極めると決めていて、今日、あやかロックで極めることができました。柔道テイクダウンしてアメリカーナを極めるのは、まだ私の技だぞと証明できてうれしいです」と試合を振り返った。

WELL-DESERVED Ayaka Miura earns her first US$50K bonus in ONE!

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　さらに5万ドル（約750万円）のボーナス授与が発表されると、三浦は涙を流して大喜びし「何回も試合キャンセルされたり、今年ずっとファイトキャンプを重ねて、なかなか満足のいく結果を出せなかったので、あやかロックで5万ドル取れて凄いうれしいです。みなさんありがとうございます」「長南（亮）さん見てますか。ジムの代表が来れなかったんですけど、その分、アーセンとトレーナーの堀江（登志幸）さん、彼氏とトレーナーさんがわざわざ来てくれて、先月試合できなかった分、私のために時間作ってくれてありがとうございます。5万ドルはみんなのために使いたいと思います」と感謝の言葉を述べた。

ロッタン、武尊が見守る中スミスを翻弄し判定勝ち

第10試合　ONE ムエタイ フライ級チャンピオンシップ　3分5R
○ロッタン・ジットムアンノン（1位、元王者）
×ジェイコブ・スミス（4位）
判定3-0
※ロッタンが135ポンドのリミットを0.5ポンドオーバーしファイトマネーの20％をスミスに譲渡。ロッタンは王座をはく奪され、スミスが勝った場合のみ王者に認定される。

　ロッタンとスミスは22年5月のムエタイ・フライ級GP一回戦で対戦し、ロッタンが判定勝している。ロッタンは昨年9月のムエタイルールの試合で、計量オーバーのスーパーレックに判定負け。今年1月の日本大会で武尊戦が組まれたが、ロッタンは左拳の怪我で欠場し、代役のスーパーレックが武尊に判定勝ちした。6月のONE 167ではフライ級のリミットを6.25ポンド（2.83kg）もオーバーしてしまうが、キックルールでデニス・ピューリックに判定勝ち。9月に武尊がONE Friday FightsでKO勝ちすると、観戦していたロッタンはリングに上がり、両者とも対戦を承諾した。今回、ロッタンは王座を防衛して武尊戦につなげないといけない状況だったが、またも計量オーバーしてしまう。

　1R、ロッタンは序盤様子見した後、中盤から左右のロー、右肘を当て、少しずつ差をつける。終盤にはカウンターの左フックも当てる。スミスも右ローを随所で当てるが、ロッタンの動きは変わらない。記者採点はロッタン。

　2R、ロッタンは回りながら、前に出るスミスを左前蹴りで突き放し、詰められても崩し、スミスを翻弄する。中盤にはロッタンが左縦肘、右ボディ、左右のフック、右ローを立て続けに当て、印象を作る。終盤には首相撲で捕まえ、振りの大きい膝蹴りをしっかり当てる。ロッタンは減量苦も相まってか省エネファイトで、テクニックで相手の攻めを封じつつ、短時間でも攻撃をまとめてジャッジに印象付ける。記者採点はロッタン。

Rodtang CUTS Jacob Smith with a beautiful elbow ⁠

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　3R、ロッタンが組んで膝、肘を当て、崩しにつなげ、場内を沸かせる。その後も前蹴り、膝、肘を的確に当てる。終盤、ロッタンが左の縦肘で右のまぶたを切り裂き、スミスは血だるまになり、ドクターチェックが入る。再開後もロッタンがテンカオを当てるなどして優位を維持する。記者採点はロッタン。

　4Rもロッタンペースで、前に出るスミスをロッタンがかわし、前蹴り、膝、肘を随所で当てる。ロッタンは頭を振ったり笑顔を見せ、スミスを挑発して余裕を見せる。記者採点はロッタン。このインターバル中にはリングサイドで観戦している武尊がモニターに移され、アナウンサーも「タケル・セガワ」と場内に紹介する。

　5R、ロッタンは手を振って煽りつつ、左右の肘、左ミドルを自在にヒットする。スミスも必死に前に出るが、ロッタンは距離を取ってクリンチでも寸断し、反撃を封じて危なげなく終了する。記者採点はロッタン。合計50-45でロッタン。ジャッジ3者もロッタンを支持し、ロッタンが判定勝ちした。

　勝利者インタビューでロッタンは「今回失くしたベルトを取り戻します。今後の試合はチャトリCEO次第です。計量で失敗してごめんなさい」等とコメントした。その後、武尊がリングインし、9月に続いて再び、頭をつけてのにらみ合いを繰り広げた。

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武尊がリングに上がり
ロッタンとフェイスオフ
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もしこの二人が戦ったら
どんな戦いになるのかコメント欄で
皆さんの予想を教えてください@takerusegawa #WeAreONE #ONEチャンピオンシップ pic.twitter.com/kPGPsKLpR4

— ONECHAMPJP (@ONECHAMPJP) November 9, 2024

12月のKANA戦控えたメクセンは判定負け

第9試合　ONE キックボクシング 女子ストロー級チャンピオンシップ（王者決定戦）　3分5R
○ジャッキー・ブンタン
×アニッサ・メクセン
判定3-0
※ブンタンが王者に

第11試合　ONE MMA ヘビー級チャンピオンシップ　5分5R
×アナトリー・マリキン（ヘビー級・ライトヘビー級・ミドル級王者）
○オマール・ケイン（挑戦者）
判定1-2
※ケインが王者に

第8試合　MMA　フライ級　5分3R
○アドリアーノ・モラエス（1位）
×ダニー・キンガッド（3位）
2R 4’14” フロントチョーク

第7試合　ムエタイ　139.25ポンド契約　3分3R
○ゴントーラニー・ソー・ソンマイ
×タギール・カリロフ
判定3-0
※カリロフが計量オーバーしファイトマネーの30%をゴントーラニーに譲渡

第6試合　MMA　ライト級　5分3R
○ケイド・ルオトロ（サブミッション・グラップリング同級王者）
×アフメド・ムジタバ
1R 1’04” ダースチョーク

第5試合　キックボクシング　ストロー級　3分3R
○サムエー・ガイヤーンハーダオ（元ムエタイ・ストロー級＆フライ級王者、元キック・ストロー級王者）
×ジャン・ペイメン
判定3-0

第4試合　MMA　ヘビー級　5分3R
○マーカス・アルメイダ
×アミル・アリアックバリ
1R 3’15” 裸絞め

第3試合　ムエタイ　フェザー級　3分3R
×エディ・アバソロ
○モハメド・ユネス・ラバー
判定0-3

第1試合　ムエタイ　ストロー級　3分3R
○アリーフ・ソー・デチャパン
×ボルター・コンサルベス
判定3-0