ONE 2.20 カタール(レポ):三浦彩佳、1R膝十字でフォガット下し2連続5万ドルボーナス。ハガティー、ウェイ・ルイを完封判定勝ち。パシオ、ブルックスに2R TKO勝ち。ビビアーノ、引退戦判定勝ち。鈴木真治、隻腕ピーコックに3R TKO負け
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ONE 171: Qatar
2025年2月20日(木/現地時間)カタール・ルサイル:ルサイルスポーツアリーナ
レポート:井原芳徳 写真提供:(C)ONE Championship
三浦彩佳、1R膝十字でフォガット下し2試合連続5万ドルボーナス獲得
第5試合 MMA 女子アトム級 5分3R
○三浦彩佳(TRIBE TOKYO MMA/3位)
×リトゥ・フォガット(インド)
1R 2’24” 膝十字固め
三浦は34歳。昨年1月の有明大会でストロー級からアトム級に階級を落とし、平田樹に判定勝ち。4月のアトム級での試合はジヒン・ラズワンの怪我により中止に。10月にラズワンとの試合が改めて組まれ、三浦は計量をクリアしたが、ラズワンの計量オーバーにより中止に。11月のONE 169ルンピニー大会ではアトム級でマカレナ・アラゴンに1R Vクロスアームロックで一本勝ちし、5万ドル(約750万円)のボーナスを獲得し、アトム級のランキングにも入った。
フォガットは30歳。21年に行われた女子アトム級GPでは12月の決勝に進んだが、スタンプ・フェアテックスに2R腕十字で一本負けした。その後、産休に入り、今回3年ぶりに復帰した
1R、三浦がプレッシャーをかけて組もうとするが、フォガットはステップで距離を取りつつ、タックルを切り続ける。中盤、三浦が片足タックルで倒すと、フォガットの片足をつかんだまま背中を向けた状態になる。フォガットが体を起こし、パウンドを落とそうとしたが、その隙に三浦は足をつかんだままフォガットを倒すと、そのまま足を伸ばして膝十字固めを極め、タップを奪った。三浦は金網によじ登って涙を流した。
勝利者インタビューで三浦は「いつも“あやかロック”(Vクロスアームロック)以外にあるんだよと言っていて、出ました。まだまださくさんあります。勝って言いたいことがあると言っていて、今、4連勝しています。アトム級でもストロー級でもどっちでもいいと言っていたんですけど、アトム級でタイトルマッチをやらせてほしいです。私は極める力を持っています。面白い試合をすると思います。タイトルマッチができるよう声援をお願いします」とアピールした。続けて5万ドル(約750万円)のボーナスが今回も支給されることが発表されると、三浦は涙を流し「応援してくれる人がいるので、この5万ドル、恩返しします」と話した。
ハガティー、ウェイ・ルイを完封しキック・バンタム級王座防衛
第12試合 コーメインイベント ONEキックボクシング・バンタム級チャンピオンシップ 3分5R
○ジョナサン・ハガティー(王者、元ムエタイ・フライ級&バンタム級王者)
×ウェイ・ルイ(1位、元K-1ライト級(62.5kg)王者)
判定3-0 (49-46/49-46/50-45)
※ハガティーが初防衛
ハガティーは23年11月、ファブリシオ・アンドラージに2R KO勝ちし、キックボクシング・バンタム級王座を獲得し、今回が初防衛戦となる。その試合後はムエタイルールの戦いが続き、昨年2月、フェリペ・ロボにKO勝ちしたが、9月のムエタイ同級王座防衛戦ではスーパーレックに49秒右肘打ちでKO負けしている。
ルイはK-1、中国のWLF等で活躍後、昨年5月、ONEに初参戦し、1位で元王者の秋元皓貴に判定勝ちし、連勝を21に伸ばし、2戦目で王座に挑戦する。
試合はONEで3本のベルトを獲得したハガティーがレベルの差を見せつけることに。
1R、ハガティーがオーソドックス、ウェイがサウスポーで構え、中央付近でのミドル、ロー主体の蹴り合いが続く。ハガティーが右ストレートを当てると、ウェイも負けじとパンチを連打するが、ハガティーはブロックして冷静に対処する。終盤、ウェイは右アッパーを当て、パンチからの左ローのコンビネーションを決めるが、ハガティーもその後、右ストレート、ミドルを返し、手数でしっかり取り戻す。1Rは5R制のムエタイ流儀で慎重だったが、しっかり細かいところでジャッジに印象を作る。記者採点は僅差だがハガティー。ジャッジは割れ、1者がハガティー、2者がウェイにつける。
すると2Rからハガティーがはっきりを差を示すように。ステップのスピードを上げ、左ハイ、右ロー、バックハンドブローを積極的に出すよう。中盤からハガティーは右テンカオも当てるように。ハガティーは左前蹴りでも上手く距離を作り、ウェイに攻める隙を与えない。記者採点はハガティー。
3R、時折ウェイが前に出るようになるが、ハガティーは距離を取りつつ、右テンカオと左ジャブで動きを封じ、パンチの連打もまとめ、しっかり印象を作る。記者採点はハガティー。
4R、ハガティーは体力温存も意識してか?攻撃は少し減るものの、随所で左前蹴り、左ジャブ、右ストレート等を的確に当て、ウェイの反撃を封じ、さらに点差を広げ安全圏に入る。ウェイは慣れない4R目ということもあって疲れが溜まってきているようだ。記者採点はハガティー。
5R、ハガティーは変わらず軽快にステップし、左ミドル、右膝等を当て続ける。終盤、後の無いウェイは前に出て右フックを当てたが、その先が続かず、最後もハガティーが右ストレート、左ミドルを当て、印象を作って終える。記者採点はハガティー。合計50-45でハガティー。ジャッジ3者は2R以降全員ハガティーを支持し、ハガティーが判定勝ちした。ウェイは連勝が21でストップし、約7年ぶりに敗れた。
パシオ、ブルックスに2R TKO勝ち
第13試合 メインイベント ONE MMAストロー級チャンピオンシップ(王座統一戦) 5分5R
○ジョシュア・パシオ(王者)
×ジャレッド・ブルックス(暫定王者、元正規王者)
2R 4’22” TKO (レフェリーストップ:グラウンドパンチ)
※パシオが初防衛
両者は過去2度対戦し、22年12月のフィリピン大会での初対決ではブルックスが5R判定勝ちし、MMAストロー級王座を奪取した。だが昨年3月のカタール大会での初防衛戦で、ブルックスは開始早々、スープレックスでパシオを頭部から落とす反則を犯し反則負けでベルトを失った。8月、パシオが防衛戦を行えないため組まれた暫定王者決定戦で、ブルックスはグスタボ・バラートに1R裸絞めで一本勝ち。12月にブルックスは1階級上のフライ級でランカーのリース・マクラーレンと対戦し判定2-1で惜敗したが、精力的に試合をこなしている。一方のパシオは1年前のブルックス戦以来の試合となる。
1Rはブルックスが先手を取るラウンドに。ブルックスはパシオのミドルをつかんで、タックルで倒し、今回は抱え上げずストレートで倒して上になる。ブルックスは高い位置でハーフで押さえる。中盤、ブルックスはそのまま上からギロチンチョークを仕掛け、解除すれば顔面に膝を当て、引き続きギロチンも狙う。終盤、ブルックスはダースチョークも狙う。パシオは対処を続けるが、ようやく立ち上がると、ブルックスは倒れる動きに合わせてギロチンチョークを極める。パシオは腰を上げて完全には極めさせず、最後は抜いて上からパウンドを当てて終える。
2Rは流れが変わることに。ブルックスがパンチと蹴りで前に出るが、今後はパシオが蹴り足をつかんで倒して上になる。中東の産油国にはパシオと同胞のフィリピン人の出稼ぎ労働者も多数いることもあって、場内はパシオへの歓声が一際大きくなる。パシオはトップキープし、ボディに細かくパンチを当て続け、時折体を起こして顔面にもパウンドと肘を当てる。すると終盤、パシオの体の起こす時間が続くと、パウンドをまとめるように。ブルックスは片膝立ちになりかけるが、半分背中を向けてしまい、パシオは右手と胴体で金網に押し付けながら、左のパウンドを何発も当て、最後はモハメド・スライマン・レフェリーがストップした。
勝利者インタビューでパシオは、来場したフィリピン人に感謝の言葉を述べつつ「ブルックスとは5R戦う覚悟をしていた。これが最後にならないだろう」と話し、ブルックスの強さを称えた。
ビビアーノ、引退試合は判定勝ち
第8試合 MMA バンタム級 5分3R
○ビビアーノ・フェルナンデス(元王者)
×ケビン・ベリンゴン
判定2-1
日本のDREAMでもバンタム級王者となり活躍したビビアーノは44歳で、これが引退試合となる。現在37歳のベリンゴンとは16年から19年に4度対戦し3勝1敗だ。19年10月の最後のベリンゴン戦の後、2年半のブランクを経て、22年に復帰したが、ジョン・リネカー、マーク・ステファン・ロマンに連敗し、それから約2年ぶりに試合する。ベリンゴンは最後のビビアーノ戦の後も3連敗し現在5連敗中だ。
1R、ベリンゴンはスタンドで右カーフを当てる。ビビアーノがテイクダウンを奪うと、ベリンゴンは返して上になり、パウンドを落としてスタンドに戻す。終盤にもビビアーノはテイクダウンを奪い、上からコントロールする。最後はビビアーノがマウント、バックを奪うが、ベリンゴンは返して上になって終える。
2Rもフェルナンデスが倒してサイドで押さえるが、ベリンゴンが脱出し、スタンドで右カーフ、ミドルを当てる。とはいえベリンゴンも少し疲れて来た様子で、中盤以降は攻撃が減り、お互い見合う状態が続く。
3R、開始すぐこそベリンゴンが積極的に攻めたが、すぐ落ち着き、ビビアーノがプレッシャーをかけ、右ストレートを当てるように。お互い攻撃が減るが、終盤、ビビアーノがタックルから倒して上になり、すぐサイドを奪う。ベリンゴンは下から密着してその先の攻めを封じて終える。ジャッジは割れたが、長時間組み主体で主導権を握ったビビアーノが判定勝ちし、有終の美を飾った。勝利者インタビューでビビアーノは関係者に感謝の言葉を述べ、グローブを置いてケージを後にした。
なお、この日はビビアーノと同時代にONEで活躍した元MMAフェザー級&ライト級王者のマーティン・ニューイェンも、試合後に引退を表明している。
鈴木真治、隻腕ピーコックに3R TKO負け
第6試合 ムエタイ バンタム級 3分3R
○ジェイク・ピーコック(カナダ / 英国)
×鈴木真治(フジマキックムエタイジム/ROAD TO ONE JAPANスーパーライト級(63.5kg)ムエタイ日本トーナメント2023優勝、スック・ワンキントーン・スーパーライト級王者、元J-NETWORK同級王者)
3R 1’29” TKO (3ダウン:左肘打ち)
ピーコックは31歳。生まれた時から右腕が無い隻腕の選手で、昨年4月にONEに初参戦し、新城絋平[コウヘイ・ウォーワンチャイ]に判定勝ちし、今回が2戦目となる。
鈴木はONE 2戦1勝1敗の9歳。昨年3月のカタール大会にも出場し、ハン・ズーハオから左フックでダウンを奪い判定勝ちしている。
1R、ピーコックが右カーフキックを当てていると、序盤から鈴木は度々バランスを崩してしまう。だが鈴木も右ロー、カーフを返す。中盤、ピーコックはサウスポーにスイッチするが、終盤にはオーソドックスに戻す。ピーコックは終始プレッシャーをかけ続け、最後は詰めて左ストレートを放って下がらせて好印象で終える。記者採点はピーコック。
2R、お互いカーフを蹴り合うが、鈴木はスリップしてしまう。するとピーコックはサウスポーに切り替え、前に出て左ストレートを放つが、続けて出した左膝蹴りがローブローとなり、さらに左ストレートも顔面に当たる。オリヴィエ・コスト・レフェリーは一時中断する。再開後もピーコックはオーソドックスで構えてプレッシャーをかけ続けると、左右の膝をボディに当てて金網に詰めてから、左手で抱えつつ右肘を顔面に連打し、左膝も当ててダウンを奪う。最後もピーコックが右肘を当てて終える。ピーコックが10-8でポイントを取る。
3R、ピーコックはまたも左手で組み付いてから、右膝と右肘を連打しダウンを奪う。さらにピーコックは右カーフでダウンを奪う。ピーコックはさらに右肘、左アッパー、右ハイを当て、左肘で3度目のダウンを奪いTKO勝ちした。
Pure DOMINATION Jake Peacock styles on Shinji Suzuki en route to a third-round TKO! @visitqatar @qatarcalendar#ONE171 #VisitQatar | LIVE NOW
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Also available on ONE… pic.twitter.com/H71PDximNI— ONE Championship (@ONEChampionship) February 20, 2025
第11試合 MMA ウェルター級 5分3R
×ダギ・アサラナリエフ
○ロベルト・ソルディッチ
1R 1’55” KO (左ストレート)
キック フェザー級 3分3R
―イリアス・エナッシ
―ペッタノン・ペットファーガス
中止 (エナッシの体調不良)
第10試合 MMA 210ポンド契約 5分3R
○シャミル・エルドアン
×アウンランサン(元ミドル級&ライトヘビー級王者)
1R 0’28” KO (左ハイキック)
※アウンランサンがミドル級リミットを5ポンドオーバー。ファイトマネーの20%を対戦相手に譲渡
第9試合 MMA フェザー級 5分3R
○シャミル・ガサノフ(4位)
×マーティン・ニューイェン(5位、元MMAフェザー級&ライト級王者)
判定3-0
第7試合 MMA ヘビー級 5分3R
×マウロ・チリリ
○キリル・グリシェンコ
1R 3’28” TKO (レフェリーストップ:右カーフキック)
第4試合 MMA 175ポンド契約 5分3R
○ケイド・ルオトロ(サブミッショングラップリング・ライト級王者)
×ニコラス・ヴィーニャ[Nicolas Vigna]
1R 3’04” 肩固め
※ヴィーニャがライト級リミットを5ポンドオーバー。ファイトマネーの20%を対戦相手に譲渡
※ほかリードカード3試合実施