SPACE ONE×BOM 5.11 アリーナ立川立飛(レポ):吉成名高、OFG 3戦目は1R KO勝ち「純のムエタイがONEでも世界でも通用すると見せたい」。黒田斗真、K-1離脱初戦は1R KO勝ち、城戸康裕、ワン・カイフォンに判定勝ちしリベンジ
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SPACE ONE×BOM
2025年5月11日(日)東京・アリーナ立川立飛
レポート:井原芳徳 写真提供:BOMプロモーション(峰尾祐一)
第11試合 メインイベント SPACE ONEキックボクシング・ライト級(70kg)タイトルマッチ 3分3R(延長1R)
○城戸康裕(TEAM ONE/王者、元Krush・WBKF世界スーパーウェルター級王者、元MA日本ミドル級王者)
×ワン・カイフォン(中国/1位)
判定3-0 (アラビア29-28/岡林30-27/ソンマイ29-28)
※城戸が初防衛
BOMが中国のキックボクシング大会「SPACE ONE(スペースワン)」と合同興行を開催した。SPACE ONEはK-1同様に肘無しで、つかんでからの攻撃は禁止のルールを採用しており、今回が日本初上陸。城戸は中国でのSPACE ONEでライト級王座を獲得。昨年11月のSPACE ONE中国大会に参戦し、ワンと対戦しており、ワンがバックブローで1R KO勝ちしている。城戸が熱望し、地元日本でベルトを懸けての再戦が組まれた。王座戦の前にはSPACE ONEの創設者のリ・ヤオロン氏がタイトルマッチ宣言を行う。
1R、ワンがプレッシャーをかけ、城戸がスイッチを繰り返しつつ回って距離を取る構図が続く。城戸は腕を突き出し、左右のジャブ、左ミドル、右膝等を随所で当てる。ワンもロー、ボディを返すが、ヒット数でも劣る。SPACE ONEのジャッジの採点はマスト判定が基本のようで、城戸がポイントを先取する。
2R、ワンが圧力を強め、随所で左右のボディを強打する。城戸はクリンチで逃れつつ、膝蹴りを当てる反則を2度繰り返し、レフェリーからその都度注意を受け続ける。城戸は組まずにテンカオを当てるように。終盤、ワンは左右のミドル、右ローのヒットも増やす。左右のボディも当て続けていると、城戸は少し口が開くように。ワンがポイントを取るラウンドに。ジャッジ3者のうち岡林章氏のみ城戸にポイントを付ける。
3R、変わらずワンが前に出てパンチを当てるが、城戸はクリンチで攻撃を寸断すると、サウスポーからの左ハイを当て、少しワンをひるませ好印象を作る。ワンは執拗にボディにパンチを当て、城戸は苦しそうだが、左ミドルを随所で強打し、左前蹴りでワンを吹き飛ばす場面も作り、最後は前に出てパンチと膝を立て続けに当て、好印象で終える。城戸が最終Rのポイントを取り、判定勝ちで王座防衛とリベンジを果たした。勝ち名乗りを受けた直後、城戸は涙を流して大喜びした。
マイクを持った城戸は「きつかった。本当にきつかった。右足が超痛い。蹴りすぎだよ、ワン。去年11月、ワン選手に負けて、この半年、リベンジすることしか考えていなくて、ダイレクトリマッチを受けてくれたワン選手ありがとうございます。世界最高峰のONE Championshipにも出場している21歳の若い選手に42歳が勝ったぞ。(ワンは)これからが楽しみな選手です。去年の夏くらいから人生で一番キツい試練をくらって、マジで円形脱毛症になりながら、キツい思いをしてきた10カ月ぐらいでした。その中で応援してくれる方々に恵まれています。ありがとうございます。これ、防衛じゃないですか?SPACE ONEの人、香港で獲ったベルト、家に1個あるんですけど、これ2個目で大丈夫ですか? ありがとうございます。これも持って帰ります。今日は宴だ」と話した。
第10試合 セミファイナル OFGムエタイ スーパーフライ級 3分3R
○名高・エイワスポーツジム[吉成名高](エイワスポーツジム/元ラジャダムナン認定スーパーフライ級・フライ級&ミニフライ級王者、プロムエタイ協会・WPMF世界・BOMフライ級王者、WBCムエタイ・ダイヤモンド・スーパーフライ級王者、同ナイカノムトム・スーパーバンタム級王者、元ルンピニー・LPNJ・WMC・WBC・IBFムエタイ世界ミニフライ級王者)
×チョークディー・ペッセーントーン(タイ)
1R 1’59” KO (左ボディストレート)
名高は3月のONE日本大会でのラック・エラワン戦でKO勝ちして以来の試合で、3度目のOFG(オープンフィンガーグローブ)マッチとなる。
試合は名高の圧勝に。1R、名高はサウスポーで構え、左ハイを空振りさせてからミドルを当て、さらに左ストレートを当てると、チョークディーはダウンする。さらに名高は左のテンカオ、インロー、ハイと攻撃を散らしてから、左の三日月蹴りでダウンを奪う。最後は名高がプレッシャーをかけ、ガードを下げて後退し、チョークディーを前に出させてから、左ボディストレートをクリーンヒット。ダウンした腹を押さえてうずくまり、レフェリーがストップした。
マイクを持った名高は「チョークディー選手、日本に出向いて試合をしてくれてありがとうございます。チョークディー選手にも拍手をお願いします」と話した後、「12月に初めてOFGでやって今回で3戦目ですけど、新しい目標が定まってきた中で、エイワスポーツジムで先生方に教わってきた純のムエタイがONEでも世界でも通用すると見せたいと思っているので、今年の自分に注目していただけるとうれしいです。エイワのみんなが自分たちのムエタイに誇りを持っていて、もっともっと格闘技、主にムエタイの素晴らしさを、自分はもっと世間に広めたいと思っていて、そのために皆さんの力が必要なので、ぜひこれからも応援していただけるとうれしいです」とアピールし、ONEへの本格進出に意欲を示した。
第9試合 SPACE ONEキックボクシング 54.5kg契約 3分3R
○松田龍聖[りゅうき](大原道場/元ラジャダムナン認定バンタム級王者、元ホーストカップ日本フライ級(53kg)王者)
×シェン・イージュオ(中国)
判定3-0 (シーン30-26/岡林30-26/アラビア30-26)
松田はラジャダムナン王座獲得と陥落を経て、1年半ぶりの肘無しルールでの試合。54.5kg契約と少し上の体重での試合で、シェンとの体格差が目立つ。だが松田がテクニシャンぶりを発揮し完勝する。
1R、シェンがプレッシャーをかけ続け、時折左右のパンチを連続で振るってくるが、松田はかわし続け、自分の右ストレートを返す。松田が若干優位だが、攻撃が少なく、探りながらの状況だ。
2Rもお互い攻撃の少ない状態が続いたが、終盤、前に出て来たシェンを松田がかわすと、踏み込んで左のボディ、顔面へのフックを立て続けに当ててから、右フックも当ててダウンを奪う。松田はパンチを当て続け、最後はフラついたシェンが膝をついてタックルをした状態で終わる。
3Rも松田がプレッシャーをかけ、ボディ、顔面にパンチを散らし、左右のローも随所で当て、主導権を維持し終了。SPACE ONEはマスト判定寄りの採点基準の模様で、1Rと3Rも松田がポイントを取り、松田が大差で判定勝ちした。SPACE ONEルールの試合のレフェリーはSPACE ONE派遣の中国人、ジャッジはBOM派遣の日本人とタイ人が務めた。
第8試合 OFGムエタイ フライ級 3分3R
○竜哉・エイワスポーツジム[奥脇竜哉](エイワスポーツジム/WBCムエタイ世界&プロムエタイ協会フライ級王者、元ラジャダムナン・WPMF世界・IBFムエタイ世界・ムエサイアムイサーン・ミニフライ王者、元WMC世界ピン級王者)
×ゲンウボン・ポーラックブン(タイ/元ラジャダムナン認定フライ級王者)
判定3-0 (岡林30-29/アラビア29-28/シーン29-28)
1R、サウスポーのゲンウボンに対し、竜哉がプレッシャーをかけ続け、随所で右ミドル、ストレートを当て、主導権を握る。
2R、竜哉が圧力をかける時間が長く、右ミドル等の攻撃数では上回るものの、ゲンウボンも蹴り合いで左ミドルを返し続ける。ゲンウボンが左肘で竜哉の頭部を切り裂く。タイ人のジャッジは2者がゲンウボンにつけたようだ。
3R、時折ゲンウボンも前に出るが、ロープを背負う時間が長い。竜哉が右ミドルを主体に、左右のストレートも絡め、攻撃数で差をキープし終了。竜哉が判定勝ちした。
第7試合 SPACE ONEキックボクシング 52.5kg契約 3分3R
×シワラット・ウォーリンティダ[Siwarat Wor.Rintida](タイ)
○黒田斗真(フリー/元K-1バンタム級王者)※K-1ジム心斎橋チームレパード所属から所属変更
1R 0’55” KO (左膝蹴り)
黒田は23年12月のK-1での石井一成戦以来1年半ぶりの試合。4月14日の記者会見で今大会参戦を表明し、「K-1との契約は残っている状態ですが強行突破」と話し、ファンを驚かせたが、今大会前日、K-1側が「2025年5月9日付で、K-1と黒田斗真選手の契約が双方の合意により満了となりましたことをお知らせします」と発表し、晴れて出場となった。
1R、黒田がサウスポーで構え、開始すぐから左ストレートを立て続けに当てる。シラワットは下がりつつも右ミドルを当てて抵抗していたが、黒田が左ストレートを当ててから、左のテンカオをボディに突き刺すと、シワラットはダウン。シワラットはうずくまったまま立てず、黒田のKO勝ちとなった。
黒田の発言が多くの格闘技ファンから注目されるシチュエーションで、記念撮影を終えた黒田もスタッフにマイクを求めたが、この日はメインイベントとセミファイナルの選手だけマイクを持つ権利があった模様で、黒田はマイクを拒否された。
第6試合 ムエタイ フェザー級 3分3R
○朝陽・エイワスポーツジム[品川朝陽](エイワスポーツジム/ラジャダムナン認定フェザー級13位、元WBCムエタイ世界&ルンピニー日本スーパーバンタム級王者、元ムエサイアム・バンタム級王者)
×パランペット・チョーチャンピオン[Palangphet Chor.Champion](タイ)
3R 2’17” KO (右肘打ち)
1R、波乱の展開に。パランペットが序盤から左右のミドル、右ストレート等で積極的に攻める。朝陽はステップでかわし続けると、中盤に左フック、ストレートを立て続けに当ててダウンを奪う。だが朝陽が左フックを振るうと、パランペットがカウンターで左フックを当ててダウンを奪い返す。パランペットは前に出続け肘、フックを振うが、振りが大きく、最後は朝陽が左ストレートを当てて、またもダウンを奪い返す。
2R、パランペットは最初こそ前に出たが、次第に勢いが落ち、朝陽がじりじりプレッシャーをかけ続ける構図に。随所で右ストレート、ロー、カーフ、左ボディを当て、優位をキープする。カーフを効かされたパランペットは最後、サウスポーにスイッチする。
3R、朝陽が左ボディ、右ボディを立て続けに当て、ダウンを奪う。終盤、朝陽が左フック、右肘を連打し、再びダウンを奪ったところで、レフェリーがストップした。
第5試合 OFGムエタイ 72.5kg契約 3分3R
○MIKE JOE(BATTLE FIELD/TEAM J.S.A)
×髙木 亮(Team Preceding)
2R 2’53” KO (3ダウン:左肘打ち)
第4試合 SPACE ONEキックボクシング 61kg契約 3分3R
△ジャン・ロンロン(中国)
△羅向[らむ](ZERO/元NJKF&WMC日本ライト級王者)
判定0-0 (29-29/29-29/29-29)
第3試合 ムエタイ 58kg契約 3分3R
○ダウサゴン・バンバンジム(タイ/BANG BANG GYM)
×しょーい(湘南格闘クラブ)
判定3-0 (29-28/29-28/30-28)
第2試合 SPACE ONEキックボクシング 66kg契約 3分3R
○イー・ユーシュエン(中国)
×上西勇弥(TEAM Hi-UP)
2R 0’46” KO (右ストレート)
第1試合 ムエタイ 58kg契約 3分3R
×ラット・モリモトジム(タイ/MORIMOTO GYM/元ルンピニー認定バンタム級3位)
○吏亜夢[りあむ](ZERO/WMC日本スーパーフェザー級王者)
1R 2’42” KO (左膝蹴り)
プレリミナリーファイト第2試合 ムエタイ 64kg契約 3分3R
○吉瀧 光(KING LEO)
×宇宙・フライスカイジム(FLY SKY GYM)
3R 1’42” KO (パンチと膝の連打)
プレリミナリーファイト第1試合 ムエタイ 70kg契約 3分3R
×財津大樹(TEAM BEYOND)
○佐藤大稀(湘南格闘クラブ)
判定0-3 (28-29/28-29/28-30)