ONE 12.7 ルンピニー（レポ）：若松佑弥、米国新鋭ギルバート・ナカタニとの激闘制し3連勝「フライ級タイトルマッチを来年日本で」。青木真也、グラップリング戦で柔術新鋭アバテのヒールフックで一本負け
MARTIAL WORLD PRESENTS GYM VILLAGE
中野トイカツ道場
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ONE Fight Night 26: Lee vs. Rasulov
2024年12月7日（土）タイ・バンコク・ルンピニースタジアム
レポート：井原芳徳 写真提供：(C)ONE Championship 中継：U-NEXT
若松佑弥、米国新鋭ギルバート・ナカタニとの激闘制し3連勝「フライ級タイトルマッチを来年日本でお願いしたい」
第6試合 MMA フライ級（61.2kg） 5分3R
○若松佑弥（TRIBE TOKYO MMA／2位）
×ギルバート・ナカタニ［Gilbert Nakatani］（米国）
判定3-0
若松は29歳。パンクラスで活躍後、18年からONEに上がり、19年3月にDデメトリアス・ジョンソンに敗れたが、その後は21年12月のフー・ヨン戦まで5連勝。22年3月にONEフライ級王者のアドリアーノ・モラエスに挑戦し3Rギロチンチョークで一本負け。続くウ・ソンフン戦でも1R TKO負けし、ランキングから落ちたが、23年7月にシェ・ウェイに1R TKO勝ちし、今年1月の日本大会ではONEデビュー戦で敗れた相手であるダニー・キンガッドに判定勝ちでリベンジした。ジョンソンが引退したためフライ級王座は空位で、若松は1位のモラエスに続く2位にいる。モラエスは11月9日のONE 169で3位のキンガッドに一本勝ちしたため、若松が勝てばモラエスと王座を争う可能性は高い。
ナカタニはメキシコ人と日本人をルーツに持つカリフォルニア在住の選手で、MMA 9戦8勝（4KO/2一本）1敗。UFCに多数選手を送り込んでいるLFAで今年5月、8月と上がり、いずれも勝利し現在4連勝中。今回ナカタニの地元米国のプライムタイムに放送されるONE Fight NightシリーズでONEデビューすることになり、いきなり上位ランカーとの試合に抜てきされた。
試合はナカタニがONEからの期待に応える強さを発揮したが、若松が総合力の高さで差を示すことに。
1R、パンチが交錯すると、若松はスリップしたが、すぐ立って組みの展開となる。ナカタニが若松をロープに押し込んで左膝を連打すると、若松は足をすくって倒すが、すぐナカタニはスタンドに戻す。ナカタニは細かく動いてスイッチを織り交ぜつつ、右のカーフを連打し、首相撲になれば離れ際に右肘を当てる。中盤、距離が縮まり、パンチが交錯し、お互い当てるスリリングな展開に。若松の左フックで押すような形だがナカタニをスリップさせる場面も。終盤、若松が押し込むと、離れ際に右肘を当てる。最後、ナカタニが右カーフを当てるが、すぐに若松が右フックを返す。お互い譲らぬラウンドに。
Yuya Wakamatsu outslugs Gilbert Nakatani for a fiery decision win #ONEFightNight26 | LIVE NOW
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2R、前に出るナカタニに対し、若松は左ボディ、右テンカオを当てる。中盤、若松は右ハイも当てるが、ナカタニはひるまず前に出続ける。終盤、ナカタニは圧力が落ち、若松は右ストレート、肘、左フックのヒットを増やす。ナカタニは額から出血するが、残り1分を切ると、前に出て左右のフックを当て、コーナー際で倒してボディに対してだが膝も当て、巻き返して好印象で終える。
3R、若松は序盤から前に出てパンチを振い、左フックでダウンを奪い、パウンドで追い詰める。だがナカタニはすぐスタンドに戻す。ナカタニは片足タックルで倒しかけるが、若松は倒れず、逆に小外掛けでテイクダウンを奪う。だがナカタニは下から足を登らせ三角絞めを狙い、場内をどよめかせる。若松はトップキープする。終盤、スタンドに戻り、ナカタニは首相撲からの膝蹴り、パンチで必死に逆転を狙うが、若松は対処し、反撃を封じて終える。記者採点は3Rに追い込む場面を作った若松。ジャッジ3者も若松を支持し、若松が判定勝ちした。
勝利者インタビューで若松は「ギルバート選手、素晴らしい選手で打撃も強くてタフでした。今までメンタルとか自分が得意じゃないところを鍛えたので勝てたと思います」と試合を振り返り、ジョンソンの返上で空位の王座について聞かれると「もちろんONEのチャンピオンを僕が獲って、フライ級の世界一はONEだと知らしめたいんで、来年タイトルマッチぜひ日本でお願いしたいです」と話した。
青木真也、グラップリング戦で柔術新鋭アバテのヒールフックで一本負け
第4試合 サブミッション・グラップリング ライト級（77.1kg） 10分1R
×青木真也（Evolve MMA／元ONE MMA＆DREAMライト級王者、元修斗ウェルター級世界王者）
○コール・アバテ［Cole Abate］（米国）
2’25” ヒールフック
青木は41歳。昨年3月のONEで秋山成勲に2R TKO負けし連勝が4でストップ。5月にグラップリングでケイド・ルオトロに判定負け。10月にグラップリングでマイキー・ムスメシに一本負け。11月にはMMAでザイード・イザガクマエフに86秒TKO負け。今年1月の日本大会ではセージ・ノースカットと対戦予定だったが、当日にジョン・リネカーに相手が変わり1R肩固めで一本勝ちしMMAでの連敗を2に、グラップリング含めた連敗を4で止めた。今回は柔術黒帯の20歳の新鋭・アバテとのグラップリングマッチが組まれた。
試合はアバテが一方的に攻める展開に。開始すぐから両者組み合うと、アバテはコーナー際まで下がってから引き込んで下になる。ロープ際の位置で、アバテは足を登らせ三角絞めを狙う。青木は対処したが、アバテはすぐに足関節技狙いに切り替える。青木もアバテの足を取ろうとするが、アバテは青木の左足のカカトを極めかける。これも青木は対処したものの、アバテは上になって一旦左足を取ったのを解除しつつ、今度は青木の右足をつかんで両足で挟み、うつぶせになって体を伸ばしてヒールフックを極めると、すぐさま青木はタップした。アバテは5万ドル（約750万円）のボーナスを獲得した。
"ICE" COLE 20-year-old phenom Cole Abate heel hooks Shinya Aoki in his ONE debut!#ONEFightNight26 |LIVE NOW
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クリスチャン・リー、2年ぶり復帰戦は見ごたえある攻防もアクシデントで無効試合に
第11試合 ONE MMAライト級（77.1kg）チャンピオンシップ（王座統一戦） 5分5R
―クリスチャン・リー（王者、ウェルター級王者）
―アリベック・ラスロフ（暫定王者）
2R 無効試合
クリスチャンは22年8月、オク・レユンからライト級王座を奪還し、今回初防衛戦。同年11月、キャムラン・アバゾフに勝利しウェルター級王座を獲得して以来2年ぶりの試合となる。ラスロフは今年7月の暫定王者決定戦でONEに初参戦し、レユンに判定勝ちしている。
1R、クリスチャンは開始すぐからパンチを振って前に出て組み付いて押し込むが、ラスロフは倒れず離れる。お互い打撃を出し合い、リーがパンチを左ミドルを当て、やや手数が多いが、ラスロフは対処し、右ハイを当てる。終盤の打撃戦はお互い膝やパンチを当てほぼ互角だ。序盤から飛ばし気味のクリスチャンは終盤、やや勢いが落ち、終了のゴングの後、ニュートラルコーナーのほうに戻ろうとしてしまい、やや冷静さを欠いている恐れがある。
2R、クリスチャンは左ハイを当てるが、ラスロフも右のパンチを返す。中盤、クリスチャンの右カーフとフックで少しラスロフはバランスを崩すが、ラスロフは前に出て、右アッパーを当て、自分から組むようにもなる。終盤、ラスロフが少しパンチを当てると、クリスチャンは組んで倒すが、ラスロフはすぐ立つ。クリスチャンは口が開いてしんどうそうだ。すると1分を切り、アクシデントが発生する。クリスチャンが右カーフを当てると、ラスロフがバランスを崩しながら前に出て、クリスチャンが右手を前に出すと、指がラスロフの左目に入り、一時中断する。ドクターチェックが入ると、ストップがかかってしまう。規定によりノーコンテストとなった。
リング上でインタビューを受けたクリスチャンは「相手は強かったです。指が目に入ってしまいごめんなさい。再戦したいですが、3人目の子供がもうすぐ生まれるので、ちょっとだけ待ってください。2年ぶりの試合でしたが調子は良かったです」とコメントした。大会後のインタビューでは「来年の3月までに準備したい」と話しており、来年前半のうちに再戦が組まれる可能性が高そうだ。
第10試合 ムエタイ フライ級 3分3R
×ナックロップ・フェアテックス（4位）
○ゴントーラニー・ソー・ソンマイ
判定0-3
第9試合 ONEサブミッション・グラップリング女子アトム級チャンピオンシップ 10分1R
○マイッサ・バストス（王者）
×ダニエル・ケリー（挑戦者、元王者）
判定3-0
※バストスが防衛
第8試合 MMA フライ級 5分3R
○リース・マクラーレン（4位）
×ジャレッド・ブルックス
判定2-1
第7試合 ムエタイ フライ級 3分3R
×デニス・ピューリック（3位）
○エリアス・マムーディ（5位）
3R 2’58” KO (左ボディフック)
※公式計量でフライ級リミットの135ポンドに対しピューリックは3ポンド、マムーディ3.75ポンドオーバー
第5試合 MMA フェザー級 5分3R
○シャミル・ガサノフ（4位）
×ハリル・アミール
判定3-0
第3試合 キックボクシング ストロー級 3分3R
○ジョナサン・ディベラ
×ルイ・ボテーリョ
判定3-0
第2試合 サブミッション・グラップリング ライト級 10分1R
○ダンテ・レオン
×ブルーノ・プッチ
2’01” 腕ひしぎ三角固め
第1試合 ムエタイ ストロー級 3分3R
○トンプーン・PKセンチャイ
×ダニエル・ウィリアムス
2R 1’10” TKO (3ダウン：右フック)
