修斗 11.17 山口 KDDI維新ホール(レポ):墨吉涼太、ソーキを1R KOし環太平洋ウェルター級王者に。8年ぶり修斗のジェイク ムラタ、野尻定由との激闘制し「ランカー全員ぶっ倒す」。宇野薫、田中半蔵とのグラップリング戦は時間切れドロー
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TORAO NATION STATE主催「プロフェッショナル修斗公式戦山口大会 TORAO 34」
2024年11月17日(日)山口・KDDI維新ホール
レポート:井原芳徳 写真提供:TORAO NATION STATE 中継:ツイキャス
墨吉涼太、ソーキを1R KOし環太平洋ウェルター級王者に
第12試合 メインイベント 修斗第7代環太平洋ウェルター級チャンピオン決定戦 5分3R
○墨吉涼太(誠流会館/環太平洋1位、世界1位)
×ソーキ(NASCER DO SOL/環太平洋2位・元王者、世界2位)
1R 3’47” KO (スタンドパンチ連打)
※墨吉が王者に
田村ヒビキが返上した修斗環太平洋ウェルター級王座を懸け、福岡・北九州市の墨吉涼太と岐阜のソーキが対戦した。両者は昨年12月の山口大会で対戦し、ノーランカーの墨吉が元王者のソーキを打撃で圧倒し判定勝ちしている。
1年ぶりの再戦は、新鋭の墨吉がさらに差を示す内容に。墨吉がオーソドックスで構え中央側に立ち、ソーキがサウスポーで構えて外側に立ち、左右に動く。墨吉は左ジャブを振りつつ、右インローを時折当てるが、慎重に探る出だしに。ソーキも時折前に出てパンチやローを出し、タックルも絡めるが、墨吉は下がってかわし続ける。すると中盤、墨吉のタックルを切った直後、ソーキがワンツーでの右ストレートをヒット。左ミドルをもらう場面もあったが、墨吉はその後もパンチとタックルを防御し続ける。そして終盤に差し掛かり、墨吉は右の三日月蹴りをヒット。さらに右ストレートを当ててダウンさせる。すぐソーキは立つがガードががら空きで、墨吉が左右のパンチを連打し、再びダウンさせたところで、片岡レフェリーがストップした。
墨吉は22年5月のデビュー戦で敗れたが、その後は4連勝し、5戦目でベルトを獲得した。ベルトを巻きマイクを持った墨吉は、チームメイトと応援団に感謝の言葉を述べ「これからもっと上を目指して行こうと思うんで、応援お願いします」と話した。
修斗ウェルター級の世界王者はエルナニ・ペルペトゥオ(ブラジル/ノヴァウニオン)で、昨年11月の修斗ブラジル大会で田村ヒビキに1R TKO勝ちし初防衛を果たしている。墨吉は体つきを見る限りまだ体重を絞れそうなため、1階級下のライト級で戦うのも、経験を積んで上を目指す選択肢となりそうだ。
8年ぶり修斗のジェイク ムラタ、野尻定由との死闘制し「ランカー全員ぶっ倒してやる」
第11試合 セミファイナル バンタム級 5分3R
○ジェイク ムラタ(ZEEK GYM/元ZSTバンタム級王者)
×野尻定由[やすゆき](マスタージャパン福岡/世界9位、環太平洋2位)
判定2-1 (橋本29-28/安芸28-29/赤崎30-27)
ムラタは福岡出身の32歳。2014年にプロデビューし、16年9月のTORAO福岡大会に出場し勝利したことがあり、修斗の試合は17年2月に笹晋久に敗れて以来、約8年ぶり。その後は19年にZSTでバンタム級王者に。近年はパンクラスとNexusに参戦し、昨年12月のNEXUSではイ・ヘウォンに1Rツイスターで一本勝ちしたが、8月大会では神部篤坊に判定負けしている。
野尻は福岡在住の27歳。昨年12月の山口大会では國頭武に判定負けし3連敗となったが、3月のBLOOM FC福岡大会では上田祐起に判定勝ち。5月のTORAO福岡大会のメインイベントでは磯城嶋一真に3Rアームロックで一本勝ち。引き続きTORAOに参戦した。
1R、野尻が序盤からムラタを金網に押し込み、倒して上で押さえる。中盤、ムラタが立ち、押し返して脇を差しつつ倒し、バックからコントロールし、鉄槌を当て印象を作る。しかし野尻もすぐ返して上になりパウンドを当て返す。その後もお互い上を取り合い、パウンドを当てる展開が繰り返され、一進一退の展開となるが、合計すればムラタのコントロール時間が長く、当てるパウンドも多い形で終わる。ジャッジ3者も記者採点もムラタ。
2Rもムラタが先に上を取りコントロールし、中盤に返されても、すぐに返して上を取り返す。中盤過ぎにはムラタがサイドで押さえ、サイドバックからパウンドを当てるが、すぐに野尻が上を取り返しパウンドを返す。その後も野尻が金網際で押さえ続け、細かくパウンドを当てて、やや優位の状態をキープする。記者採点は野尻としたが、僅差のためジャッジは割れ、橋本公一氏と安芸佳孝氏の2者は野尻だが、赤崎勝久氏はムラタにつける。
3R、野尻は右のカーフキックを当てるが、パンチを振りながらタックルを仕掛けて倒し、ムラタとの寝技勝負を続行する。しかしムラタはすぐに下からしがみついて背中を起こしてリバースに成功し、立たれ際にバックを取ってオンブの状態になる。ムラタはバランスが悪くなると、すぐに解除して野尻を金網に押し込む。野尻は膝を当ててから離れスタンド勝負に戻す。その後もお互い上になる展開が繰り返され、野尻もパウンドや膝を当てるが、軽めの単発どまりで、コントロール時間ではムラタが上回る。残り20秒、スタンドに戻り、両者パンチを振うが、強打は打てず終わる。記者採点はムラタ。僅差のためはジャッジは割れ、合計点でも割れる形となったが、2者がムラタを支持し、ムラタが判定勝ちした。
マイクを渡されたムラタは「自分がレコード上、勝ったけど、野尻と俺、両方勝ちなんで、野尻に拍手をお願いします」と話すと、場内は拍手で包まれる。続けてムラタはカメラ目線になり「修斗のランカー、全員ぶっ倒してやるからよ、震えて寝てろ、待ってろ」とアピールした。
宇野薫、田中半蔵との40代グラップリング戦第2弾は時間切れドロー
第10試合 闘裸男 寝試合(グラップリング) ライト級 5分2R
△田中半蔵(FUN’S/フェザー級世界5位)
△宇野 薫(UNO DOJO/元ライト級世界王者)
時間切れドロー
田中は福岡在住の42歳。08年にプロデビューし、修斗とパンクラスを主戦場とし、摩嶋一整、中原由貴、カイル・アグオン、堀江圭功に敗れているが、19年には新居すぐるに判定勝ち。昨年12月にはSASUKEの修斗世界フェザー級王座に挑戦し3R KO負けした。今年2月のRIZIN佐賀大会でトゥラル・ラギモフと対戦予定だったが、腓腹筋損傷により欠場していた。
宇野は49歳。99年に佐藤ルミナを破り修斗王座を獲得し、ゼロ年代にはUFC、HERO’S、DREAMで活躍。12年からUFC再出場を目指すため修斗を主戦場とし、一時は6連勝したが、15年に中村好史に敗れて以降は9戦2勝7敗と苦戦。19年11月にマーカス・ヘルドに勝利したが、以降は内藤太尊、原口央、オーディン相手に3連敗中だ。最近は柔術の試合を増やし、4月の全日本マスター選手権、6月のアジア選手権のマスター4(46歳~50歳)茶帯の階級別で優勝。7月のTORAO 33広島大会でのグラップリング戦では44歳の岡田剛史に1R裸絞めで一本勝ちし、40代同士のグラップリング戦でTORAOに再登場した。今回の試合は岡田がレフェリーを務める。
1R、田中が序盤から金網に押し込んで倒して上になり、金網際でも背後からしがみついてコントロールし、スタンドに戻り離れる。その後も田中は同様の展開の攻撃を繰り返し主導権を握る。終盤、スタンドで田中に背中につかれた状態で、宇野はアームロックを仕掛けて倒すが、田中は極めさせず外して上で押さえる。最後はスタンドでのレスリングが続き終わる。
2Rも田中が背後からしがみつく場面が目立つが、宇野はその先を許さない。宇野も攻める展開にはなかなか持ち込めず、膠着気味な状態が続く。
試合が動いたのは残り2分から。スタンドの展開で、宇野が田中のタックルを切って、背後に乗ろうとしたが、すぐ落とされ、田中が上になって押さえる。時間切れだとドローになるため、宇野もクロスガードを解除して立とうとしたが、田中はその隙に宇野のバックを取り、足4の字で捕獲しようとする。しかし宇野は許さず脱出し、タックルから倒して金網際で上から押さえる。下から足を効かせ立とうとする田中に対し、宇野はパスガードを狙って果敢に攻めたが時間切れとなり、ドローとなった。
マイクを受け取った田中は「自分は寝技のイメージがあんまりないかもしれないですけど、MMAで勝つために寝技の練習をしていますんで、試合を組んでいただけたら。宇野さんもまだ頑張られているんで、自分もまだ頑張りたいと思います」と話した。
宇野は「前回の広島に続いて山口のTORAOにも参戦し、凄くいい経験をさせてもらっています。半蔵選手、世界ランカーで強いと知っていましたし、ここ1年、組技にフォーカスして戦ってきた自分の力を試す、挑戦することにおいては、強敵で、やりたかった相手です。決着できなかったですけど、また来年のTORAOに呼んでいただけたらうれしいです」と話すと、場内から拍手が起こった。
第9試合 フライ級 5分2R
△ニシダ☆ショー(BURST)
△打威致[だいち](有永道場TeamResolve)
1R ドロー
※打威致の1R 2’10″裸絞めによる一本勝ちが当初の裁定だったが、ニシダ陣営からの提訴を受け審議の結果、偶発的なアクシデント(バッティング)により試合の続行が不可能になったと判断され、規定によりドローとなった。詳細は日本修斗協会公式サイト参照。
第8試合 フェザー級 5分2R
△磯城嶋一真(MMA Rangers Gym)
△工藤圭一郎(グランドスラム沖縄A・P・P)
判定0-0 (岡田19-19/安芸19-19/加藤19-19)
第7試合 バンタム級 5分2R
△矢野武蔵(パラエストラ愛媛)
△HAMMER KATU(有永道場TeamResolve)
判定0-1 (橋本19-19/安芸18-20/加藤19-19)
第6試合 フライ級 5分2R
△若宮龍斗(KAMIKAZE DOJO MMA)
△寺嶋直人(SUBMIT MMA)
判定0-0
(橋本19-19/赤崎19-19/加藤19-19)
第5試合 バンタム級 5分2R
×NφB-force(毛利道場)
○藤谷敦史(マスタージャパン福岡)
1R 0’16” KO (レフェリーストップ:右ストレート→グラウンドパンチ)
第4試合 ライト級 5分2R
△KENZO(BURST)
△おえゆうた(MMA Zジム)
判定0-0
(岡田19-19/赤崎19-19/加藤19-19)
第3試合 バンタム級 5分2R
×植木“令和”新(シューティング宇留野道場宮崎)
○松岡琉之介(マスタージャパン山口宇部)
1R 4’26” KO (レフェリーストップ:左ストレート→グラウンドパンチ)
第2試合 フライ級 5分2R
×岡本一志(修斗GYMS直心会)
○高宮 諒(DESTINY JIU-JITSU)
判定0-3 (片岡18-20/赤崎18-20/加藤18-20)
第1試合 ライト級 5分2R
×山下康一郎(CARPEDIEM福岡)
○シヴァエフ(有永道場TeamResolve)
2R 1’43” KO (左膝蹴り)
オープニングファイト キッズ修斗 キッズ3 32kg以下級 3分1R
×佐藤りの(毛利道場)
○近藤玲太(BURST)
1R 2’16” 腕ひしぎ十字固め