修斗 7.14 広島BLUELIVE(レポ):宇野薫、グラップリング戦で1R勝利し「もうちょっと総合をやりたい」。神田T800周一、再起戦でガッツ・takatoに判定勝ち。打威致、4年ぶり復帰の渡辺健太郎を1R右ハイKO。佐々木信治が引退式
MARTIAL WORLD PRESENTS GYM VILLAGE
中野トイカツ道場
中野駅徒歩3分。平日7~23時、年中無休営業。入会金&月謝2ヶ月分無料!
TORAO NATION STATE主催「ネッツトヨタ広島presents プロフェッショナル修斗公式戦広島大会 TORAO 33」
2024年7月14日(日)広島・BLUE LIVE HIROSHIMA
レポート:井原芳徳 写真提供:TORAO NATION STATE
打威致、4年ぶり復帰の渡辺健太郎を1R KO
第8試合 メインイベント フライ級 5分2R
×渡辺健太郎(直心会生野道場TK68)
○打威致[だいち](有永道場TeamResolve)
1R 0’59” KO (右ハイキック)
渡辺は40歳。08年3月のTORAO広島大会でプロデビューし、13年には当時パンクラスの王者だった清水清隆に勝利。猿田洋祐、前田吉朗、福田龍彌には敗れたが、長年軽量級の実力者たちとしのぎを削り、ONEやグアムのPXCに参戦経験もある。試合はコロナ禍突入直前の20年3月の大会で内藤頌貴に敗れて以来4年ぶりとなる。昨年8月の広島大会で打威致との試合が組まれたが、渡辺が肋骨の骨折により欠場し中止となっていた。
打威致は3戦2勝1敗の22歳。広島の隣の山口県宇部市の選手。22年11月の新人王決定トーナメント・フライ級準決勝で須藤晃大に判定負けして以来の試合となる。昨年8月の広島大会では渡辺の代役のニシダ☆ショーとの試合が組まれたが負傷欠場していた。
試合は短時間決着に。1R、長身の打威致が素早い動きでプレッシャーをかけ、タックルを仕掛けるが、打威致は切って離れる。距離を取る渡辺は前に出て右フックを放つが、打威致は軽々とかわす。打威致がじりじり詰め、左フックを振るいながら突っ込むとバッティングとなる。渡辺は金網際まで下がりつつも、バッティングの影響でひるむことはなく、右フックを振ったが、そのカウンターで打威致は右ハイをアゴにクリーンヒット。渡辺がダウンすると、片岡レフェリーがすぐさまストップした。
マイクを持った打威致は「打撃の打、威力の威、致命傷の致、打威致です」と叫んで自己紹介し、「前回、前日に怪我してしまい、大変ご迷惑をおかけしました。ニシダ☆ショー選手、この場をお借りして申し訳ございませんでした」と謝罪し「色んな方の助けがあって試合ができています。TeamResolve、波に乗っているんで。今日のシヴァさん(=シヴァエフ)も、もっと強いです。キックもアマもキッズも強い選手がいるんで注目してください」とアピールした。
宇野薫、グラップリング戦で一本勝ちし「もうちょっと総合をやりたい」
第7試合 闘裸男 寝試合(グラップリング) ライト級 5分2R
○宇野 薫(UNO DOJO/元修斗ライト級世界王者)
×岡田剛史(TKエスペランサ)
1R 3’32” 裸絞め
宇野は49歳。99年に佐藤ルミナを破り修斗王座を獲得し、ゼロ年代にはUFC、HERO’S、DREAMで活躍。DREAM休止後の12年からは、UFC再出場を目指すため修斗で試合を重ね、一時は6連勝したが、15年に中村好史に敗れて以降は9戦2勝7敗と苦戦。19年11月にマーカス・ヘルドに勝利したが、以降は内藤太尊、原口央、オーディン相手に3連敗中だ。最近はフラジリアン柔術の試合を増やし、3月の横浜国際柔術選手権、4月の全日本マスター柔術選手権、6月のアジア柔術選手権のマスター4(46歳~50歳)茶帯の階級別で優勝している。TORAOには初出場だ。
岡田は広島市のTKエスペランサの代表で44歳。04年にデビューしプロ修斗17戦7勝6敗3分で柔術黒帯。近年は修斗のレフェリーを務める。プロレスのリングにも上がっているため増量していたが、今回の試合のために20kg近く減量したという。
試合は宇野の生きのいい動きで岡田を圧倒することに。1R、宇野が前に出て積極的に組もうとし、岡田は回りつつ捌こうとする展開が続く。中盤、岡田が片足タックルを仕掛けたが、宇野は切ると、岡田の背後に回って金網に押し込む。岡田は突き放したが、宇野は追いかけて再び押し込むと、崩しつつバックから押さえ込む。宇野は岡田に背中をつけさせ、サイドで押さえ、上四方、バックと素早く行き来して、岡田を翻弄し、体力を削る。すると最後はサイドバックから得意の裸絞めを極めてタップを奪った。
宇野は岡田に感謝の言葉を述べると「自分はまだまだ…まだまだ?もうちょっと総合をやりたいと思っていますので、今後も応援してもらえるとうれしいです」とMMA現役続行を表明し、「今日極めたチョークスリーパー、明日セミナーやりますんで、お教えしますんで」とアピールした。
神田 T800 周一が再起戦で判定勝ち
第6試合 バンタム級 5分3R
×ガッツ・takato(パラエストラ綾瀬)
○神田 T800 周一(KTCMMA/パラエストラ広島/世界8位・環太平洋9位、元GLADIATOR王者)
判定0-3 (橋本28-29/安芸28-29/加藤27-30)
地元広島の神田が、東京出身のガッツを迎え撃った一戦。1Rはスタンド勝負。takatoがオーソドックス、神田がサウスポーで構え、お互い前手のフェイントから攻撃機会をうかがい、静かな攻防が続く。終盤、神田の左テンカオのタイミングでガッツが組み付いて、背後から金網に押し込む。離れると、ミドルの応酬の後、ガッツが右肘、ストレートをヒットし、打撃でやや好印象を作る。記者採点はガッツ。ジャッジは割れ、2者がガッツにつけ、1者は神田につける。
2Rは一転して寝技勝負に。ガッツがタックルを仕掛けるが、神田は切ると、スクランブル状態からバックマウントを奪う。中盤、ガッツは脱出すると、バックを取り返すが、神田は両足を組ませず脱出し、バックを取り返す、一進一退の展開に。終盤、スタンドに戻り、神田が左ミドルをヒット。残り1分、ガッツがタックルを仕掛けるが、神田が切ってガッツを金網に押し込み、ガッツのボディに左膝を当て、最後は上で押さえてから肩固めを仕掛けて終える。ジャッジも3者とも神田。
3R、ガッツが右ミドル、フック、神田が左右のロー、左ミドルを当てる。中盤、神田の左ローのタイミングで、ガッツはタックルを仕掛けて倒す。だがガッツががぶりの体勢になると、神田は体をひねりつつ脱出して上を取り返す。神田はがぶった状態から背後に回る。終盤、スタンドに戻るが、神田が左ミドルを当ててからタックルを仕掛けて倒し、グラウンドに戻す。神田はトップ、マウント、バックマウントと動き、最後は腕十字を仕掛け、果敢にフィニッシュを狙うが、ガッツが脱出して終わる。ジャッジも3者とも神田。合計28-29で神田。ジャッジ3者も神田を支持し、神田が判定勝ちした。
マイクを持った神田は「去年12月、Road To UFCに出る強い若い子(野瀬翔平)に腕極められて、試合もういいかなって思ったんですけど、広島の声援聞きたくて、またここに来ました。今日ね、メインじゃないの、めちゃ悔しいんですよ。来年またやろうよ、広島大会、誰と見たいですか?Xで言ってください。待ってます」とアピールした。
佐々木信治が引退式
第6試合の前には、広島のBURSTの代表の佐々木信治(元修斗環太平洋&GLADIATORライト級王者)の引退セレモニーが行われた。
佐々木は44歳。05年にプロデビューし、TORAO(闘裸男)で頭角を現し、2013年1月に小知和晋に2R KO勝ちし修斗環太平洋ライト級王座を獲得。15年からは韓国のROAD FCを主戦場にしたが、18年5月のバオ・インカン戦で右拳、眼窩底、上顎、頬、鼻の10箇所以上を骨折する。4度の手術を乗り越え、21年に復帰し、大阪のGLADIATORで王座を獲得。RIZINではダロン・クルックシャンクや宇佐美正パトリックとも対戦。今年6月29日の韓国での新大会ZFNでキム・サンウクに判定負けしたのを最後に引退を表明した。
引退セレモニーでは藤井惠夫人が付き添いつつ、娘の咲耶ちゃんが手紙を読み「父ちゃんが頑張って試合をしているところがカッコよくて大好きでした。引退したら大きな怪我をしなくなるから、さくちゃんは安心です。これからたくさん遊ぼうね」と伝え、手作りのメダルをプレゼントした。
佐々木は「自分の現役生活は満足のいくものでした。6年前に大きな怪我をして、死にかけた思いをしたんですけど、そこからここに戻り、TORAOにも出させていただきました。最後は怪我した海外の舞台にもう一回立つ夢がかないました。負けてしまったんですけど頑張って戦えたのは良かったです」とキャリアを振り返りつつ「引退が初めてで、数年したらやりたくなっているかもしれません。盛大に式をしてもらったので戻り辛いですけど、もし戻って来た場合は応援してください」と話して微笑んだ。最後は「これからは地方の格闘家がどんどん強くなれるよう、指導者に力を注いで頑張ります。さっき発表があった山口大会、9月の四国(香川)の大会にも見に行っていただけたら、地方の格闘技も盛り上がると思います。またよろしくお願いします」と観客に呼びかけ、引退の10カウントゴングを聞いた。
休憩明け、佐々木の引退式の前には、11月17日(日) TORAO 山口・KDDI維新ホール大会の開催を、山口の毛利道場の毛利昭彦代表が発表すると共に、自身の出場を表明している。
第5試合 2024新人王トーナメント・ライト級準決勝 5分2R
×KENZO(BURST)
○シヴァエフ(有永道場Team Resolve)
2R 1’25” KO (レフェリーストップ:右アッパー→グラウンドパンチ)
第4試合 55kg契約 5分2R
△高橋佑太(BURST)
△蒔田伸吾(TKエスペランサ)
判定0-1 (橋本19-19/安芸18-20/加藤19-19)
第3試合 バンタム級 5分2R
△アサシン秋雄(BLOWS OITA LIFE)
△健太エスペランサ(TKエスペランサ)
判定1-0 (大内19-19/安芸19-19/加藤19-18)
第2試合 フライ級 5分2R
×ふじい☆ペリー(BURST)
○八木祐輔(TKエスペランサ)
1R 4’30” 裸絞め
第1試合 2024新人王トーナメント・バンタム級一回戦 5分2R
×小見山瞬(BURST)
○宮口龍鳳(コブラ会)
1R 4’17” KO (レフェリーストップ:グラウンドパンチ)