RISE 12.16 両国国技館:志朗・大﨑一貴・宮﨑小雪はタイ名門ペッティンディー勢と、中村寛・南原健太・聖愛はGLORY推薦オランダ勢と対抗戦。ペットパノムルンがチャド・コリンズと防衛戦
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RISE WORLD SERIES 2023 Final Round(12月16日(土)両国国技館)の第1弾決定カード発表記者会見が10月25日、東京で行われ、RISE王者7人の国際戦が発表された。
RISE両国は対ペッティンディー 4+対GLORY 6=計10試合の対抗戦に
前回のRISE WORLD SERIESは8月に大田区総合体育館で開催され、7月からスタートした「RISE WORLD SERIES 2023 -54kgトーナメント」の準決勝2試合が行われ、クマンドーイが志朗に、田丸辰が大﨑一貴に勝利し、12.16 両国での決勝に進んだ。
今回新たに発表されたのはRISE王者7選手のカード。RISE世界スーパーライト級王者のペットパノムルン・キャットムーカオは、オーストラリアの強豪・チャド・コリンズを相手に初防衛戦を行う。志朗、大﨑一貴、宮﨑小雪の軽量級3王者は、タイの名門・ペッティンディーアカデミーが推薦する選手たちと対戦する。クマンドーイもペッティンディーの選手のため、実質4試合がペッティンディーとの対抗戦となる。中村寛、南原健太、聖愛の中~重量級3王者は、GLORYが推薦するオランダ在住の選手たちと対戦する。対GLORYは昨年12月の両国大会での「RIVALS RISE×GLORY」と同じ、GLORYが世界展開する対抗戦の枠組みとなり、他にもこの対GLORYでプラス3試合、合計6試合が組まれる予定だ。
対K-1についてRISE伊藤代表「今回はうまくいかなかった。でもファンが見たいカードを実現したい」
よって対ペッティンディー 4+対GLORY 6=計10試合が海外大手との対抗戦という図式になり、「RISE WORLD SERIES」にふさわしい顔ぶれとなりそうだ。一方、国内では7月から新体制となったK-1が“開国”。シュートボクシング(SB)とRISEは去年12月の両国を共同開催していた。RISEの伊藤隆代表は「K-1の宮田(充)さんと話をし、(K-1も12.9 大阪大会があり)お互いイベントの日が近いんですけど、どっちも主力・主軸が(他の試合を)やることになるので、今回はうまくいかなかったです。でもファンが見たいカードを実現したい気持ちがあります」とコメントし、来年以降の大会でRISEとK-1の対抗戦のビッグマッチを実現させることに意欲を示した。さらに「SBさんとは常に交流していて、いい選手がたくさんいます。日本人同士で切磋琢磨して、海外選手に勝つようにしたいです。もしTHE MATCHの第2回があるとすれば、世界との対抗戦にし(日本のRISE・K-1・SB等の対抗戦から)勝ち上がった選手がそこに選抜されるのも面白いと思います。ファンも喜ぶし、選手のレベルも上がると思います」と、中長期のビジョンも語った。
ペットパノムルン、チャド・コリンズと防衛戦
RISE世界スーパーライト級(65kg)タイトルマッチ 3分5R(無制限延長R)
ペットパノムルン・キャットムーカオ(タイ/王者、GLORY世界フェザー級(65kg)王者)
チャド・コリンズ(オーストラリア/ストライクフォース/挑戦者、RISEスーパーライト級2位、WMC&WBCムエタイ世界スーパーライト級王者)
ペットパノムルンは22年8月に原口健飛との王座決定戦で勝利し、昨年12月の両国大会では山田洸誓に勝利。今年はGLORYで3試合し、10月にダビド・メヒアに判定勝ちし、GLORY王座の7度目の防衛を果たしたばかりだ。
コリンズは不可思、海人、中野椋太、直樹に勝ったことがあり、昨年12月の両国大会でSB王者の笠原弘希に判定勝ち。5月のKICK BOXING WORLD CUPでラーチャシンに延長判定勝ち。8月のRISE大田大会ではチョ・ギョンジェを1R左ハイでKOすると「原口やペットパノムルンと戦って、世界のベルトを取りたいです」とアピールし、RISEの伊藤代表も「ペッチ(=ペットパノムルン)と世界タイトルマッチでもいいと思う」とコメントしていた。コリンズはここ1年でWMC&WBCムエタイの世界王座を獲得。タイでのラジャダムナン等での試合経験も豊富で、世界的にも注目される試合となりそうだ。
クマンドーイに敗れ再起戦、志朗「タイで一人で武者修行しようと思います」
55.5kg契約 3分3R(延長1R)
志朗(BeWELLキックボクシングジム/RISE世界バンタム級(55kg)王者、元ISKAムエタイ世界同級王者、RISE -55kgトーナメント2020優勝)
ブンロン・ペッティンディーアカデミー[Boonlhong Petchyindee Academy](タイ/ペッティンディーアカデミー/元True4uスーパーバンタム級・バンタム級・スーパーフライ級王者)
志朗は8月のRISE WORLD SERIES 2023 -54kgトーナメント準決勝でタイの強豪・クマンドーイと対戦したが、左ミドルをもらい続け、2Rには右ストレートでダウンを奪われ判定負けし、決勝進出とならなかった。今回も左ミドルが得意だというタイ人のブンロンとの試合となる。ブンロンは100戦75勝20敗5分の27歳。
志朗は「前回落ちた評価は、試合でしか返せないので、復帰戦を組んでくれてありがたいです。(肘無し・首相撲制限ありの)キック界もタイ人が制圧しに来ていますけど、今回いい勝ち方をしたいです」と抱負。ムエタイ通の志朗はブンロンのことも知っており「タイにいた5~6年前に人気があった選手で、左ミドルだけで倒していて、ミドルをカットしなかったら腕を折られるので、そこをしっかり練習しないといけない」と語り「今回はタイで練習しようと思っています。ブンロンはサウスポーなので、サウスポーが多いジムがいいですね。行きたいのはPKセンチャイムエタイジムです。ONEに出ている選手も多く、世界のトップがどんな練習をしているか気になります。一人で武者修行しようと思います」と明かした。「最近のタイ人はフィジカルトレーナーを付けて(パワーの面でも)侮れなくなっていて、キックルールだから他の国の選手が勝てると思えない位置になってきたと思います」とも評しており、志朗がタイに乗り込んで、コロナ禍を境に変化したタイのムエタイをどう吸収するかも気になるところだ。
大﨑一貴もタイ人選手と「早い段階で復帰戦のチャンスいただいて感謝」
53.5kg契約 3分3R(延長1R)
大﨑一貴(OISHI GYM/RISEスーパーフライ級(53kg)王者、ISKAオリエンタルルール世界フライ級(53.5kg)王者、元WMC日本&LPNJ同級王者)
ジャルンスック・ブーンラナームエタイ[Jarernsuk Boonlannna Muaythai](タイ/ブーンラナームエタイジム/True4uバンタム級王者)
大﨑兄弟の兄・一貴は7月のRISE WORLD SERIES 2023 -54kgトーナメント一回戦でアイマン・ラマーをKOし、19連勝、RISE 13連勝としたが、8月の準決勝では田丸辰に判定0-2で敗れ、連勝がストップすると共に決勝進出を逃した。対するジャルンスックは53戦44勝6敗3分の17歳。
一貴は「前回トーナメントで負けたんですけど、12月という早い段階で復帰戦のチャンスいただいて感謝しています。強いタイ人ですけど、必ず勝って復帰したいです」と意気込みを語った。
宮﨑小雪、RWSで伊藤紗弥に勝ったモンクットペットと対戦
女子アトム級(46kg)(ノンタイトル戦) 3分3R(延長1R)
宮﨑小雪(日本/TRY HARD GYM/RISE QUEENアトム級王者)
モンクットペット[モンクッペット]・カオラックムエタイ[Mongkutpetch Khaolak Muaythai](タイ/カオラックムエタイジム/IFMA Youth World Muaythai 2023 45kg王者)
宮﨑姉妹の妹・小雪は、8月の大田大会でタイのジュムリアットを1R終了間際、左ミドル一撃でKOした。試合後のマイクでは「10連勝、2連続KOできて凄くうれしいです。でもそろそろ相手がいなくなってきたので、他団体のチャンピオンとやりたいです」とアピールしていた。引き続きタイ人選手との試合となるが、モンクットペットは86戦80勝5敗1分と経験豊富で、ここ1年でKAREN、田中“暴君”藍、藤原乃愛、伊藤紗弥をタイでのムエタイの試合で下している。今回はRISEルールとはいえ、小雪が国内他団体勢に実力をアピールするには絶好の相手となる。
小雪は「相手は戦績があって長身でやり辛そうですけど、今年最後の試合も勝って、今年3戦3勝で締めくくりたいです」「(9月のRWSの)伊藤選手との対戦映像が届いて、凄い上手いと思いました。ザ・ムエタイというような綺麗な戦い方をする選手です。日本人代表として負けられないですし、チャンピオンとして勝つだけじゃなく内容にもこだわりたいです」と意気込みを語った。
中村寛はモロッコの選手と。肩脱臼療養優先で「ぶっつけ本番」
RIVALS RISE×GLORY ライト級(63kg)(ノンタイトル戦) 3分3R(延長1R)
中村 寛(BK GYM/RISEライト級王者、元DEEP☆KICK -60kg級王者)
アフマド・アコーダッド[Ahmed Akoudad](モロッコ/ブルータルジム)
中村は4月は直樹に5R判定勝ちし、RISEライト王座を獲得。8月の大田大会ではアリシェル・カルメノフ(カザフスタン)と対戦したが、カルメノフに倒された際に左腕を抱えられ、中村は肩を脱臼してしまい、1R途中にドクターがストップし無効試合に終わっていた。
今回の相手・アフマドはモロッコ出身でオランダ在住の22歳。戦績15戦13勝(7KO)2敗で184cmと比較的長身だ。
中村は「前回は不本意な形でノーコンテストでしたが、僕自身もファンもフラストレーションが溜まっていると思っていて、今年中にそれを撤回して勝ちで終わりたいです。その中で文句ない相手なんじゃないですかね。戦績のある選手を完膚なきまでにボコボコにして会場を沸かせます」と抱負を述べた。
左肩の脱臼のその後については「悪化しなければ手術なく復帰できるそうなので、今は慎重に順調に戻していっている最中です」と明かした。試合までに本格的なスパーリングは「できないです」とキッパリ言い、「でも治るんで、ぶっつけ本番でしばいてやります」「左が戻るのが試合のちょっと前なんで、それまでに左以外でも倒せるようにしようと思います。全然大丈夫です」と強気に言い放った。
中村寛、YA-MANのOFG戦要求に「選手生命終わりますよ、俺がOFGで人ドツいたら」
また、YA-MANが先週のFIGHT CLUB開催発表会見で、11月19日の旗揚げ大会での中村とのオープンフィンガーグローブ(OFG)マッチを希望していた件について、中村は「YA-MAN、相手決まってるんでしょ?俺がやらんの分かっとって名前出してるだけちゃいます?メリットあるんならやりますけど暇じゃないんで。ベルト持ってRISEの代表としてさらに挑戦してるんで。壊れたいんかな?選手生命終わりますよ、俺がOFGで人ドツいたら」と語り、相手にしない考えを示した。
さらに中村は「GLORYがRISEより上とか言われるのは気に食わなくて、俺はRISE所属でRISEが一番証明したくてやっています。今回の俺の相手(のGLORY推薦選手)も二転三転していて、試合まで2~3か月もあるんやから調整しろよって思うんですけど、結局出て来た奴がバダ・ハリみたいにめっちゃデッカイ奴なんで期待しています」と豪語し、YA-MANは気にせずRISE王者として対世界に突き進む姿勢を示した。
ライトヘビー級新王者・南原健太、オランダの新鋭と対戦
RIVALS RISE×GLORY ライトヘビー級(90kg)(ノンタイトル戦) 3分3R(延長1R)
南原健太(極真会館/RISEライトヘビー級王者)
ビクター・デ・コニング[Victor De Koning](オランダ/キックボクシング・フェアレス)
南原は極真空手をベースとし21年7月のRISEでキックボクシングプロデビュー。9戦8勝(8KO)1敗で、昨年4月にカリュ・ギブレインに喫した黒星以外は全てKO勝利している。6月と8月の第2代RISEライトヘビー級王座決定トーナメントでは、入田和樹とコントゥアラーイをKOし、キックで初のタイトルを獲得した。
デ・コニングは10戦7勝2敗1分の20歳。身長195cmと南原より11cm高い。RISEの伊藤代表は「トップではないですが、GLORYの若手で急成長していて、近い将来トップに上がると言われています。日本のライトヘビー級・ヘビー級はまだ世界との差があるので、南原には日本の代表として育って欲しいです」と話し、まずはGLORYの若手との試合を手始めに、世界で戦える選手に育成していく方針を示した。
南原は「今までK-1、SBとの対抗戦に選んでいただき、全部僕が一番いい仕事をしたと思います。必ずやる時やる男の南原健太が今回も魅せます」と抱負。今回の相手については「極真会館では4年に1度、世界大会が行われていて、僕も2メートルの選手ともガツガツやってきた経験があるので、大きい選手でも気持ちでも負けない自信があります」「判定じゃなくぶっ飛ばします」と話した。
聖愛×テッサ・デ・コム、RISE QUEEN対決が実現
RIVALS RISE×GLORY 女子54kg契約 3分3R(延長1R)
聖愛[せいな](魁塾/RISE QUEENバンタム級(55kg)王者、WMC女子日本スーパーフライ級王者)
テッサ・デ・コム(オランダ/ファイトチーム・フラールディンゲン/RISE QUEENフライ級(52kg)王者、Enfusion女子ストロー級(52kg)王者)
聖愛は5月のRISE QUEENバンタム級王座決定トーナメント準決勝で神谷優良に判定勝ちし、7月の決勝では過去に1度敗れた相手である村上悠佳に判定勝ちでリベンジし、RISEのベルトを獲得した。
デ・コムはGLORYの推薦で昨年12月の両国大会でRISEに初参戦し、当時のRISE QUEENフライ級王者・小林愛三からダウンを奪い判定勝ち。今年5月には小林がベルトを懸けて再戦し、デ・コムが再び判定勝ちし王座を獲得した。戦績は20戦17勝2敗1分。52kgがベストだが、オランダ等では1階級上の54・55kg近辺でも試合をしていて、54kg契約でも問題無いそうだ。
聖愛は「私がベルトを取った時、伊藤代表が大会後の総括で(今後の対戦相手候補として)テッサ選手の名前をあげて以来、意識していました。試合が決まった時は納得という感じで驚きは無かったです」と、既に海外の実力者との試合に向けて覚悟はできている様子。「小林選手もパワーとかが凄いある選手ですけど、テッサ選手は凄いタフでパワーがあると思いました」と評し、GLORYとの対抗戦という位置づけに関しては「日本代表としてRISE代表として恥ずかしくない試合をしたいです。GLORYは大きくて強い選手ばかりなので、自分も名前を挙げてもらえるような選手になりたいです」と述べた。
対戦カード
RISE WORLD SERIES 2023 -54kg Tournament 決勝 3分3R(最大延長2R)
クマンドーイ・ペッティンディーアカデミー(タイ/ペッティンディーアカデミー/ラジャダムナン&True4Uスーパーフライ級王者、オムノーイ認定フライ級王者、WBCムエタイ世界スーパーバンタム級王者)※初防衛戦
田丸 辰[とき](TRY HARD GYM/元RISEフライ級(51.5kg)&スーパーフライ級(53kg)王者)
RISE世界スーパーライト級(65kg)タイトルマッチ 3分5R(無制限延長R)
ペットパノムルン・キャットムーカオ(タイ/王者、GLORY世界フェザー級(65kg)王者)
チャド・コリンズ(オーストラリア/ストライクフォース/挑戦者、RISEスーパーライト級2位、WMC&WBCムエタイ世界スーパーライト級王者)
55.5kg契約 3分3R(延長1R)
志朗(BeWELLキックボクシングジム/RISE世界バンタム級(55kg)王者、元ISKAムエタイ世界同級王者、RISE -55kgトーナメント2020優勝)
ブンロン・ペッティンディーアカデミー[Boonlhong Petchyindee Academy](タイ/ペッティンディーアカデミー/元True4uスーパーバンタム級・バンタム級・スーパーフライ級王者)
53.5kg契約 3分3R(延長1R)
大﨑一貴(OISHI GYM/RISEスーパーフライ級(53kg)王者、ISKAオリエンタルルール世界フライ級(53.5kg)王者、元WMC日本&LPNJ同級王者)
ジャルンスック・ブーンラナームエタイ[Jarernsuk Boonlannna Muaythai](タイ/ブーンラナームエタイジム/True4uバンタム級王者)
女子アトム級(46kg)(ノンタイトル戦) 3分3R(延長1R)
宮﨑小雪(日本/TRY HARD GYM/RISE QUEENアトム級王者)
モンクットペット[モンクッペット]・カオラックムエタイ[Mongkutpetch Khaolak Muaythai](タイ/カオラックムエタイジム/IFMA Youth World Muaythai 2023 45kg王者)
RIVALS RISE×GLORY ライト級(63kg)(ノンタイトル戦) 3分3R(延長1R)
中村 寛(BK GYM/RISEライト級王者、元DEEP☆KICK -60kg級王者)
アフマド・アコーダッド[Ahmed Akoudad](モロッコ/ブルータルジム)
RIVALS RISE×GLORY ライトヘビー級(90kg)(ノンタイトル戦) 3分3R(延長1R)
南原健太(極真会館/RISEライトヘビー級王者)
ビクター・デ・コニング[Victor De Koning](オランダ/キックボクシング・フェアレス)
RIVALS RISE×GLORY 女子54kg契約 3分3R(延長1R)
聖愛[せいな](魁塾/RISE QUEENバンタム級(55kg)王者、WMC女子日本スーパーフライ級王者)
テッサ・デ・コム