RISE -53kgトーナメント2021優勝・風音が24歳で引退「やり残したことも未練も後悔も何もない」「僕の格闘技人生を政所仁との試合でフタをしたいと強く思ったのが理由」
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RISE DEAD OR ALIVE 2021 -53kgトーナメント優勝者の風音(TEAM TEPPEN)が10月25日の東京での記者会見で、キックボクシング選手引退を表明した。RISE WORLD SERIES 2023 Final Round(12月16日(土)両国国技館)で引退セレモニーを予定している。
風音[かざね]は1998年10月27日の24歳。京都出身で地元の京賀塾在籍時の15年5月、大阪でのDEEP☆KICKでプロデビュー。ホーストカップでは大崎孔稀と滉大とも対戦し敗れている。19年に那須川天心の所属するTEAM TEPPENに移籍し、以降はRISEを主戦場に活躍する。麗也、松谷桐ら相手に4連勝後、20年2月に大﨑一貴に判定負け。その後1年のブランクを経て21年2月にHIROYUKIに勝利すると、7~9月のRISE DEAD OR ALIVE 2021 -53kgトーナメントでは江幡睦、政所仁、志朗を下して優勝し、下馬評を覆して話題を呼んだ(上写真)。昨年4月には同門の天心のRISEラストマッチの相手に抜擢され判定負け(下写真)。6月のTHE MATCH 2022東京ドーム大会ではK-1の黒田斗真に延長判定勝ちした。だが、10月のRISEスーパーフライ級タイトルマッチでは王者・一貴に判定負けし、今年3月の田丸辰戦、7月の大阪大会の政所仁戦でも判定負けし3連敗中だった。現在のランキングはRISEスーパーフライ級(53kg)3位。
10月25日の会見でRISEの伊藤隆代表は「まだ24歳と若いのに、もったいない気持ちもありますが、これまで数々の感動を生んでもらいました。2021年のDoA -53kgトーナメントでは大穴の風音が優勝して、その時のリングで話した『見たか、ボケ』は、彼にとっての代名詞だと思います。選手生活は短かったですけど、全力疾走で走り切ったんで、先日、一緒に食事し『悔いが無い』と。『最後にラストマッチしたら?』と10回ぐらい言ったんですけど、断られて。第二の人生のプランも決まっているようですので、次のプランでも全力疾走で頑張ってもらいたいです」と、風音の引退を惜しみ、「12月16日に引退式を開催しますが、引退試合になるかもしれません」と最後まで試合に引きずり出したい思いを口にし、隣の風音を苦笑させた。
風音は「引退することに決めたんですけど、7月に政所仁と試合して、格闘技22年やったんですけど、やり残したことも未練も後悔も何もないと思えて、僕の格闘技人生を政所仁との試合でフタをしたいと強く思ったのが理由となります」と引退理由を説明した。
続けて「こっちに出てきて約5年、RISEに出させてもらって5年ぐらいになるんですけど、格闘技が全てで、RISEが全てでやったわけで、そこで色んな経験をさせてもらえたのは幸せで、ありがたい時間やったと思います。挙げ出したらキリがないぐらい感謝したい人がいるんですけど、TEPPENのみんな、RISE、ABEMA、大会に関わるカメラマンやレフェリー・ジャッジの皆さん、対戦していただいた選手の皆さん、スポンサーの皆さん、いい時も悪い時も応援してくれたファンの皆さん、友達、彼女、何よりもずっとこの道を進ませてもらった家族のみんなに、感謝してもしきれないぐらい感謝の気持ちでいっぱいです。ありがとうございました。色んなことがありましたけど、しんどいのがほぼほぼでしたけど、キックボクシングが好きなんで、全力で命かけられたのは幸せな時間でした。長い間応援ありがとうございました」と感謝の言葉を述べた。
最後の相手・政所には7月の敗戦決定直後に引退を伝えたといい「仁との試合が終わって、その場で決めて、あいつに伝えたら、思いっきりしばかれました。『何考えてんねん』って。その後もあいつとも飯行って」と話す。TEPPENの那須川弘幸会長とのやり取りに関しては「当日に控室に戻って話させてもらって、改めて2人の時間を作って話をして、風音が決めた道なんでと快く送り出してくれました」と話した。
怪我など体に問題があったのか?という質問には「何もないですね」と風音。冒頭の言葉通り、京都時代からの友人でありライバルでもあった政所との7月の2度目の対戦が風音にとって非常に大きいものだった。選手生活で一番の思い出を聞かれると、「この間の試合ですね。仁との2回目の試合ですね。そのぐらい好きですね、あの試合が。あの試合を超えるのは無理だと思ったのも理由なんで。VS政所仁が一番好きです」と語る。12月16日の両国大会でのラストマッチを断った理由についても「何回か(伊藤代表に)言われて心揺らぐときもあったんですけど、あんまりジンジン言うとホモに思われそうですけど、あの試合を最後にしたかった。それの上塗りをしたくなかった。それをやっちゃうと意味が変わって来る」と語り、最後の政所戦への強いこだわりを示した。
今後、キックボクシングに携わるか?という質問に、風音は「試合自体は見に行きますけど、僕自身が格闘技に関わることはないですね」と明言。格闘家引退後の生活を“第二の人生”と表現されがちだが、「第二の人生をどうするか?」という質問に対しても「やりたいことのプランもあるんですけど、それはお楽しみにって感じです。“第二の人生”と言われるのも理解できますけど、僕の中ではずっと“第一の人生”でやっていくつもりなんで、ずっと一緒のつもりで本気で生きていきたいです」と回答。引退理由含め、風音なりの美学やポリシーが随所でにじみ出る引退会見だった。
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