Krush 9.29 後楽園ホール(レポ):髙橋直輝、中島千博との接戦制しスーパー・フェザー級王者に。海斗、初参戦のBigbangウェルター級王者・大輝を1R KO
MARTIAL WORLD PRESENTS GYM VILLAGE
中野トイカツ道場
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Krush.153
2023年9月29日(金)後楽園ホール
レポート&写真:井原芳徳
髙橋直輝、中島千博との接戦制しスーパー・フェザー級王者に
第10試合 メインイベント Krushスーパー・フェザー級(60kg)タイトルマッチ 3分3R(延長1R)
×中島千博(POWER OF DREAM/王者、極真会館全日本ウェイト制2017軽重量級優勝)※2度目の防衛戦
○髙橋直輝(若獅子会館/挑戦者、元ACCELバンタム級王者)
判定0-2 (梅木30-30/箱崎29-30/西村29-30)
※髙橋が王者に
中島は昨年1月に横山朋哉に勝利しKrushスーパー・フェザー級王者に。6月のTHE MATCH 2022ではシュートボクシングの笠原友希に判定負けしたが、12月に西元也史に判定勝ちしKrush王座の初防衛に成功する。今年6月のK-1横浜武道館大会で韓国のハン・ギョンミンにKO勝ちし、今回2度目の防衛戦を迎える。
髙橋は21年7月に寺田匠に判定負けしたが、昨年5月にスーパー・フェザー級に階級を上げて以降、遠藤信玄、友尊、斎藤祐斗、西元相手に4連勝。7月のKrushで西元に勝利した後「次やるなら中島千博チャンピオンでしょ」とアピールし、今回の王座初挑戦がかなった。
今大会ではメインイベントの3つ前の試合が終わった後の20時過ぎ、両選手の「入場式」が行われた。トーナメントではよく行われるが、Krushでも他団体でも珍しい演出だ。挑戦者の髙橋は「メインっぽい試合して盛り上げたい」と話すと、王者・中島は「このあと3試合、全部熱い試合なると思いますが、今日、僕がもちろん一番熱い試合します。今日、Krush来て良かったと思ってもらえる試合をします」と宣言した。最後はKrushプロデューサーに復帰した宮田充氏を挟んで記念撮影が行われた。
1R、両者オーソドックスで、中島は時折サウスポーにも切り替え、離れた距離からフェイントをかけ合う状態が終始続く。時折中島は左ミドルを当て、髙橋は飛び込んでの右フックや離れての右ローを当てるが、どちらも手数は伸びないまま終わる。記者採点はイーブン。
2R、中島はスイッチを繰り返しつつ左ミドルのヒットを増やす。髙橋はなかなか攻撃が返せなかったが、中盤に距離が詰まる場面が増えると、パンチを当てるように。髙橋も被弾して鼻血を少し出すが。終盤、中島のミドルのうち終わりに左フックを合わせ少しバランスを崩させ、少し好印象で終える。記者採点はイーブンとしたが髙橋につく可能性も十分ある。
3R、序盤こそ髙橋が接近戦で左右のフックを当てる場面もあったが、中盤以降は攻撃が続かない。だが中島も蹴りはするもののその先につなげられないまま終わる。記者採点はイーブン。合計30-30でイーブン。ジャッジは1者がイーブンとしたが、2者が29-30で髙橋を支持し、髙橋が判定勝ちで王座奪取を果たした。
5連勝でKrushのベルトを巻いた髙橋は「もっと目立つような、会見で言っていたように太陽のようになれるようもっと頑張ります」と話し、最後は「今日の調子は絶好調!」と決めセリフを叫んだ。
海斗、初参戦のBigbang王者・大輝を1R KOし「これがKrushじゃ、ボケ」
第9試合 セミファイナル ウェルター級(67.5kg) 3分3R(延長1R)
○海斗(LEGEND)
×大輝(ハリケーンジム/チーム男鹿キック/Bigbang&AJKNウェルター級王者)
1R 2’36” KO (3ダウン:パンチ連打)
海斗はTHE OUTSIDERに2度出たことがあり、17年からKrushを主戦場にし、20~21年は木村“フィリップ”ミノル、近藤魁成、寧仁太・アリ、安保瑠輝也相手に4連続KO負け。昨年8月のK-1福岡大会で幸輝をKOしたが、今年3月のKrushでは松岡力に判定負けした。
大輝は24歳。秋田の明桜高校の野球部時代、甲子園球場での全国大会に出場しヒットを打った過去がある。関東でのいわゆる地下格闘技の試合を経てプロデビューし7戦7勝(4KO)。1月に大阪で井原浩之に勝利しAJKNウェルター級王者になり、4月のBigbangで野村太一に判定勝ちしウェルター級王者に。6月のBigbangではで山際和希にも勝っているプライチュンポンに判定勝ちし、念願のK-1 GROUP初登場を果たした。
試合前から挑発合戦を繰り広げていた両者は、試合前から中央で頭をつけてにらみ合いヒートアップしている。1R、サウスポーの海斗に対し、大輝はスイッチを繰り返しつつ、素早い右ジャブを当てる。だが海斗は落ち着いた様子で左ミドルを当てつつ、左ストレートも当てると、大輝はひるみ、このチャンスを逃さずまたも左ストレートを当ててダウンを奪う。海斗は倒れた大輝の胸を蹴ったが、レフェリーから注意は入らない。大輝はダメージが大きく、海斗は打ち合いの中で連打し再びダウンを奪う。最後は海斗が大輝をコーナーに詰めてパンチを連打し、大輝を防戦一方にしたところで、箱崎レフェリーがストップした。
マイクを持った海斗は「大輝選手ありがとう」と第一声を放ったが、その後は「ベルト2つ持ってるけど何の意味もないやろ。これがKrushじゃ、ボケ」と言い放って勝ち誇った。
弘輝、3R KO勝ち「俺みたいに倒しに行くチャンピオンの方が沸く」
第8試合 ライト級(62.5kg) 3分3R(延長1R)
○弘輝(WORLD TREE GYM)
×REITO BRAVERY(BRAVERY GYM/M-1 JAPANライト級王者、KOSスーパーフェザー級王者)
3R 1’15” KO (左カーフキック)
弘輝は里見柚己、鈴木翔也、 明戸仁志相手にK-1 GROUP 3連敗を喫した後、昨年後半は明戸仁志、伊藤健人に連勝したが、12月のK-1大阪大会では篠原悠人に判定負けした。
REITOは大分のBRAVERY GYMに所属し、ムエタイをベースとする23歳。21年にKNOCK OUTでスアレックをKOし、昨年10月のRIZIN福岡大会では関幸一郎を34秒左ハイでKO。今年4月のKNOCK OUTでは鈴木宙樹に判定負けした。デビュー間もない17年5月のKHAOSで森坂陸に判定負けして以来6年ぶりにK-1 GROUPの大会に出場した。
1R、両者サウスポーで構え、パンチ主体の弘輝に対し、REITOは高い構えから右の前蹴りで距離を取りつつ、左ミドル、ハイもヒット。終盤には左ストレートを増やし、弘輝の右まぶたを切り、左ストレートでダウンを奪う。
2R、弘輝が左テンカオを効かせるとREITOの動きが落ち、弘輝は左カーフキックも効かせて優勢になる。REITOはムエタイの癖でクリンチが増え、度々注意を受け、警告を受ける。弘輝も疲れが溜まり、組む場面が増え、注意を受ける。
3R、REITOは蹴り足をつかむ反則でレフェリーから注意を受ける。弘輝が左カーフを連打すると、REITOは耐えきれずダウンする。弘輝はまたも左カーフでダウンを奪う。REITOはなんとか立ったもののダメージが大きく、レフェリーがストップした。
マイクを持った弘希は「今、距離取って足使う奴(=里見)がチャンピオンですけど、俺みたいに倒しに行くチャンピオンの方が沸くんで、お願いします。(12月のK-1)大阪、オファー待ってます」とアピールした。
第7試合 ミドル級(75kg) 3分3R(延長1R)
○ブハリ亜輝留(ウィラサクレック・フェアテックス幕張)
×大石昌輝(K-1 GYM SAGAMI-ONO KREST/KWF世界カラテGP2020男子-85kg級優勝、JKJO全日本空手道選手権2015 2016 2017重量級優勝)
判定3-0 (島田30-28/箱崎30-28/三浦29-28)
6月のK-1横浜武道館大会でK-1初代ミドル級王座決定トーナメントが行われたが、そのリザーブファイトでブハリは吉野友規をKOしてインパクトを残した。大石はフルコンタクト空手の実力者で、今年3月のKrushでプロデビュー後、森拓馬、夜叉猿を連続KOした。ハッサン・トイが頂点に立つミドル級戦線で、松倉信太郎、神保克哉に続く世代の新鋭として期待される選手同士の顔合わせとなる。
1R、前に出てパンチを振るうブハリに対し、大石は右のミドル、ロー、ハイを当て続け応戦する。序盤はブハリの勢いがあったが、終盤には落ち、ほぼ五分の状態に。
2Rも同様の攻防となるが、中盤からは距離が詰まり、ブハリの右テンカオのヒットが増える。終盤、大石の蹴り数が落ち、ブハリが右のパンチも絡め、若干優位で終える。
3R、両者両腕を付け合って接近した状態で膠着する場面が増える。組んでいないせいか、西村レフェリーはブレイクはかけないものの、途中注意を重ね、終盤には警告を出す。終盤、ブハリが右フックのヒットを増やし、大石を下がらせ、やや好印象で終了。点差を広げ判定勝ちした。
第6試合 フェザー級(57.5kg) 3分3R(延長1R)
○MOMOTARO(OGUNI-GYM/元WBCムエタイインターナショナル&日本・NJKFフェザー級王者)
×銀次(VAINQUEUR GYM/元KPKB・TENKAICHI・大和KICKフェザー級王者)
判定3-0 (三浦30-28/豊永30-28/山根30-29)
MOMOTAROは3月のKrushで竹内将生に延長判定勝ちし、6月に稲垣澪に判定負け。K-1 GROUPは今回6戦目だが、通算戦績49戦34勝(8KO)14敗1分で今回50戦目となる。
銀次は21年にKNOCK OUTで小笠原裕典と引き分け、龍聖に判定負け。昨年からK-1 GROUPに上がり寺田匠と林勇汰に連敗したが、5月のKrush福岡大会で直也をKOした。8月27日のKrushでは対戦相手の石田龍大が肺炎となりドクターストップがかかり、大会3日前の24日に試合中止が発表され、29日に9月末のMOMOTARO戦が発表された。
1R、MOMOTAROがサウスポーからの左ミドル、ロー、銀次が右ミドル、フックを主体に攻める。MOMOTAROのヒットがやや多いが、銀次もひるまず攻撃を返し、差は小さい。
2R、お互いミドルの蹴り数を上げ、パンチの比重も上げ、攻撃を増やす。まだはっきりした差はつかないものの、終盤にMOMOTAROが蹴り数を増やし、やや好印象で終える。
3R、MOMOTAROは左ミドルを蹴りつつ、顔面狙いの右の前蹴りも増やす。銀次は右まぶたを切られ出血する。MOMOTAROは中盤以降も左右のミドル、前蹴り等を度々当てて銀次を圧倒し、点差を広げ判定勝ちした。
第5試合 バンタム級(53kg) 3分3R(延長1R)
○白幡裕星(K-1ジム総本部チームペガサス/元KNOCK OUT-RED&ムエタイオープン・スーパーフライ級王者)
×入江亮太(K-1ジム福岡チームbeginning)
不戦勝
※入江は脱水症状でドクターストップがかかり計量不参加・欠場。白幡が計量クリアし不戦勝に
不戦勝となった白幡は、リング上で勝ち名乗りを受けた後マイクを持ち「今日で節目となるプロ20戦目の試合を行えないことは悔しいですけど、次に向けて頑張って前向いていくんで、年内にオファーお願いします。K-1が新体制になって、海外とかでも交流戦が増えていますけど、日本以外でも試合をします。勝てないと思われる選手と試合をするのがモチベーションです」とアピールした。
第4試合 バンタム級(53kg) 3分3R(延長1R)
○吉岡ビギン(team ALL-WIN / 9+ nine plus lab./元Krushバンタム級王者)
×板橋武留(健成會/Bigbangバンタム級王者)
判定3-0 (箱崎30-28/西村30-28/島田30-29)
1R、吉岡がサウスポーでプレッシャーをかけ、左のミドルを軸にしつつ、ハイにもつなげ、やや優位に試合を進める。
2R、吉岡が左インローを効かせてから左ストレートで倒すが、豊永レフェリーはスリップと判断する。その後も吉岡が左ミドル、三日月等を当て続け主導権を維持する。
3R、吉岡が左フックを随所で強打し、板橋に反撃を許さず判定勝ちした。
第3試合 バンタム級(53kg) 3分3R(延長1R)
○藤田和希(K-1ジム目黒TEAM TIGER)
×鵜澤悠也(RIKI GYM)
2R 2’38” KO (右膝蹴り)
1R、サウスポーの鵜澤が左のストレート、ミドル等を当て優位に進め、2Rには右のショートフックでダウンを奪う。その後も鵜澤が手数多く優位に進めていたが、終盤、少し手数が落ちると、藤田が右のテンカオを鵜澤のみぞおちあたりに当てて倒す。すると鵜澤はすぐ立てず、レフェリーはダウンを宣告する。鵜澤はダメージが残っており、藤田が右テンカオとパンチのラッシュで再び倒したところでレフェリーがストップ。藤田が逆転KO勝ちした。
第2試合 スーパー・バンタム級(55kg) 3分3R(延長1R)
○黒田勇斗(K-1ジム心斎橋チームレパード)
×紫苑[しおん](KIZUNA田川本部道場)
4R 判定3-0 (西村10-9/山根10-9/梅木10-9)
3R 判定1-0 (西村30-29/山根30-30/梅木30-30)
第1試合 フライ級(51kg) 3分3R(延長1R)
○長野 翔[かける](K-1ジム三軒茶屋シルバーウルフ)
×東虎之介(都城大叶ジム/PRINCE REVOLUTION -52kg級王者)
判定3-0 (豊永30-28/箱崎30-28/中野30-28)
※2R右ストレートで東に1ダウン
プレリミナリーファイト第3試合 スーパー・バンタム級(55kg) 3分3R
○村田健悟(ALONZA ABLAZE)
×宮本拳聖(K-1ジム総本部チームペガサス)
3R 1’15” KO
プレリミナリーファイト第2試合 フェザー級(57.5kg) 3分3R
×安 晟太[やす じょうた](サクシードジム team EXCEED/K-1カレッジ2021 -60kg優勝)
○関口功誠(ALONZA ABLAZE)
3R 0’37” KO
プレリミナリーファイト第1試合 バンタム級(53kg) 3分3R
○井上海山(POWER OF DREAM)
×呼良[くら](K-1ジム福岡チームbeginning)
判定3-0 (30-27/30-27/29-27)