Krush 9.26 後楽園ホール:玖村将史、軍司泰斗に連勝し「次はK-1チャンピオンしかいない」。スーパー・フェザー級戦線は島野浩太朗、山本直樹、横山朋哉が勝利
MARTIAL WORLD PRESENTS GYM VILLAGE
格闘技医学会
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Krush.117
2020年9月26日(土)後楽園ホール
レポート&写真:井原芳徳
第9試合 メインイベント Krushスーパー・バンタム級タイトルマッチ(55kg) 3分3R(延長1R)
○玖村将史(K-1ジム五反田チームキングス/王者)
×軍司泰斗(K-1ジム総本部チームペガサス/挑戦者、元Krushバンタム級王者、K-1甲子園2016 -55kg優勝)
判定3-0 (西村30-27/豊永30-27/太田30-27)
※玖村が2度目の防衛
両者は昨年2月のスーパー・バンタム級王座決定トーナメントの決勝で当たり、玖村兄弟の弟・将史が判定勝ちしている。将史はその4か月後のK-1スーパー・バンタム級世界最強決定トーナメントの決勝で武居由樹に敗れ準優勝。今年3月のK’FESTA.3では金子晃大に判定勝ちし、ポスト武居のポジションを維持している。
挑戦者の軍司は元バンタム級王者。前回の将史戦でアゴの骨を折られ、約半年のブランクを強いられた。昨年10月の復帰戦では将史の兄・修平に判定勝ち。今年2月のKrushでは武居を苦しめたタイの強豪・スリヤンレックからダウンを奪って判定勝ちし、王座挑戦につなげた。
1R、軍司が左手のガードを少し低く構え、序盤から左ジャブを当て、足を止めてのパンチの攻防でも左フックをヒット。しかし将史も右フック、右テンカオを随所で返し、差はつけさせない。記者採点はイーブン。
すると2R、将史は手数を上げ、左ジャブ、左ストレートのヒットを増やす。左ボディ、右フックも絡め、ヒット数で差をつけ好印象を残す。軍司は少し焦りの表情を浮かべるように。記者採点は将史。
3Rも将史が左ジャブを的確に当て続け主導権を維持すると、近距離からの右の飛び膝で軍司のアゴを横から撃ち抜きダウンを奪う。軍司は苦しい展開となるが、左ボディを効かせ、パンチのヒットを増やし必死に巻き返す。だが将史も左ジャブの連打で軍司を再び苦しめ、反撃を封じ終了。将史が判定勝ちで軍司を返り討ちにし、2度目の防衛に成功した。記者採点合計は30-27で将史。
将史は「修平がKO勝ちして、自分もKOしたかったんですけど、軍司選手もリベンジしようとしていましたし、これも課題です。次はK-1チャンピオンしかいないです。いつでも試合を受けるんで勝負してください」と、K-1王者・武居とのリベンジマッチを熱望した。
第8試合 セミファイナル スーパー・フェザー級(60kg) 3分3R(延長1R)
×西京佑馬(K-1 GYM SAGAMI-ONO KREST/元Krush王者、K-1甲子園2016 -60kg優勝)
○横山朋哉(リーブルロア)
判定0-3 (山根28-30/豊永28-30/山崎28-30)
レオナ・ペタスがKrush王座を持つスーパー・フェザー級では、元王者の西京佑馬、島野浩太朗も出場し、佑馬は横山朋哉と、島野は佐野純平と対戦。同級の山本直樹×中島千博も組まれ、次期挑戦者争いを占う上で大事なカードが並んだ。
西京と横山の一戦は1R、両者慎重な立ち上がり。西京はオーソドックス、横山はサウスポーに構え、互いにミドル、ローを当てるが、まだ均衡状態は崩れない。記者採点はイーブン。
2R、次第に横山が圧をかける時間が目立つようになり、左インローを当て続けると、西京の左の内腿は赤くなる。横山が左ボディ、左テンカオも絡め、やや積極的に攻める展開に。記者採点は横山。
3Rもその流れが続き、横山が積極的に攻め、左テンカオを効かせ優位。終盤、右フックの相打ちになり、両者ひるむが、ダメージの大きいのは西京。横山がヒットを増やして圧をかけ、終了間際、西京の右フックのカウンターで右ハイを当て、ダウンを奪う。これが決定打となり、横山の勝利となった。記者採点合計は27-30で横山
第7試合 スーパー・フェザー級(60kg) 3分3R(延長1R)
○島野浩太朗(菅原道場/元Krush王者)
×佐野純平(K-1 GYM SAGAMI-ONO KREST/K-1カレッジ2017 -65kg優勝)
1R 1’32” KO (3ダウン:右フック)
1R開始すぐから、島野が圧をかけ、ボディと顔面にパンチを的確に連打し、30秒ほどで右フックでダウンを奪う。島野はさらに左ボディでダウンを重ね、最後はパンチの連打で右フックを当てて3ダウン目を奪い完勝した。
第6試合 スーパー・フェザー級(60kg) 3分3R(延長1R)
○山本直樹(優弥道場)
×中島千博(POWER OF DREAM/極真会館2017年全日本軽重量級優勝)
判定3-0 (豊永28-26/太田28-26/芹沢28-26)
1R、中島がオーソドックスを主体に、序盤からスイッチを繰り返しつつ、パンチと蹴りの連打を度々当て主導権。終盤、山本の右ローの直後、左ローからの右フックを当ててダウンを奪う。
だが2R序盤、中島の右ローに合わせ、山本が右ストレートを当ててダウンを奪い返す。両者左ボディ、左ミドル、右ストレートなどで激しく打ち合い、終盤は中島がヒットを増やし山本を追い詰める。
3R、中島はサウスポーに構え、頭を近づけ左ローを当て続ける。山本は受けに回る時間が続くが、右の飛び膝を返してから、右ストレートでダウンを奪い、またも形勢逆転。終盤も中島をパンチで追い詰め、反撃を封じ判定勝ちした。
第5試合 スーパー・バンタム級(55kg) 3分3R(延長1R)
○小倉尚也(スクランブル渋谷)
×吏羅(K-1 GYM SAGAMI-ONO KREST)
2R 2’56” KO (3ダウン:右ストレート)
1R、吏羅がテコンドー仕込みのバックスピンキックを多用するが、小倉も圧をかけ続けパンチを返し印象を残す。2R、小倉が右のパンチを当て続けると、吏羅は少しずつダメージが溜まり苦しそうな表情を浮かべるように。すると終盤、小倉は右ストレートでダウンを奪う。小倉はさらに右ストレートで2ダウンを重ね、見事KO勝ちした。
第3試合 第5代Krushフェザー級(57.5kg)王座決定トーナメント一回戦(3) 3分3R(延長1R)
○玖村修平(K-1ジム五反田チームキングス/元NJKFバンタム級王者)
×秀樹(レンジャージム)
3R 0’40” KO (右ストレート)
フェザー級ではK-1王者になった江川優生が返上したKrush王座を懸けて、8選手によるトーナメントが開幕。今大会では一回戦4試合が行われた。優勝候補筆頭は玖村兄弟の兄・修平だ。
1R、サウスポーの秀樹に対し、開始すぐから修平が右ミドルを何発も当てて主導権を握る。だが途中2度、秀樹の左ローがローブローとなり、秀樹に注意1が入る。
2Rも修平が右ミドルを当て続け、右ハイも絡め圧倒。終盤には飛び膝で詰めてからの右ストレートでダウンを奪う。終了間際にもコーナーに詰めてのパンチの連打でダウンを重ねる。
3Rもダメージの残る秀樹に対し、修平が右ストレートを当ててダウンを奪う。ここで終わってもいいぐらいの状態だったが、最後は修平が右ストレートで通算4度目のダウンを奪ったところで、ようやく芹沢レフェリーがKOを宣告した。
修平は涙を浮かべながら「1年前に網膜剥離になって、このリングに上がれると思わなくて怖かったです。チームキングスの仲間支えられて 11月の準決勝、決勝、倒してチャンピオンになります。メインで弟が防衛してくれると思うので最後まで見届けてください」とアピールした。
第4試合 第5代Krushフェザー級(57.5kg)王座決定トーナメント一回戦(4) 3分3R(延長1R)
○新美貴士(名古屋JKファクトリー)
×知良(RBアカデミー)
不戦勝
知良は脱水症状でドクターストップがかかり計量失格。新美が57.2kgで計量をクリアし勝者になった。新美は勝ち名乗りを受けた後、マイクを持ち「この日のために全てを犠牲にしてやってきたのに、試合を見せられず残念です。11月27日の準決勝と決勝、僕の進化した姿をみんなに見せたいです」とアピールした。
第2試合 第5代Krushフェザー級(57.5kg)王座決定トーナメント一回戦(2) 3分3R(延長1R)
○森坂 陸(エスジム)
×山浦力也(北斗会館浅科道場)
判定3-0 (山根30-28/西村30-28/三浦30-27)
1R、森坂が積極的に序盤からパンチと蹴りを当て、バックブローも多用するが、中盤から山浦が右ストレート、右ロー、左ボディを強打し印象を残す。2Rも近い構図で、どちらもなかなか崩れない。3R、山浦が左右のパンチを随所で当て、森坂を苦しめたが、終了間際、森坂の左バックハンドブローが炸裂し、山浦はダウン。結局これが決め手となり、森坂がかろうじて勝利をもぎ取った。
第1試合 第5代Krushフェザー級(57.5kg)王座決定トーナメント一回戦(1) 3分3R(延長1R)
×林 京平(湘南格闘クラブ/Bigbangライト級王者)
○岡嶋形徒(K-1 GYM SAGAMI-ONO KREST)
3R 1’31” KO (右ストレート)
1R、林が右ロー、左ミドルを着実に当て続け主導権。2R、岡嶋が序盤から積極的に右ローを当て、左の飛び膝も絡めて優位に進め、終了間際に右ストレートでダウンを奪う。3Rも岡嶋が右ストレートを当て続け、右ストレートで2ダウンを奪ったところでレフェリーがストップした。
これで11月27日の後楽園大会の準決勝の組み合わせは岡嶋形徒 vs. 森坂陸、玖村修平 vs. 新美貴士となった。1日で決勝まで行われ、新フェザー級王者が決まる。
なお、今大会では、9月4日のKHAOSでの女子アトム級トーナメントで優勝し、夢をかなえる権利を獲得した森川侑凜(サポートスクールグレス)が、1日限定のラウンドガールの夢をかなえた。右上写真中央と左下写真が森川。
プレリミナリーファイト第1試合 フェザー級(57.5kg) 3分3R
○水津空良(優弥道場)
×しの(KSG)
判定3-0 (30-25/30-25/30-25)
※1R右フック、3R左ハイキックでしのに各1ダウン