K-1 KRUSH 10.13 後楽園ホール:高梨knuckle美穂、延長戦の末に涙の初防衛。軍司泰斗、進化見せ玖村修平を下す。不可思KO勝ち
MARTIAL WORLD PRESENTS GYM VILLAGE
中野トイカツ道場
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K-1 KRUSH FIGHT.106
2019年10月13日(日) 後楽園ホール
レポート:井原芳徳
第9試合 メインイベント K-1 KRUSH FIGHT女子アトム級(45kg)タイトルマッチ 3分3R(延長1R)
○高梨knuckle美穂(Y’ZD GYM/王者)
×パヤーフォン・アユタヤファイトジム[Phayahong Ayothaya Fight Gym](タイ/アユタヤファイトジム/挑戦者、元WPMF世界女子ピン級(45.36kg)王者)
4R 判定3-0 (山根10-9/山崎10-9/西村10-9)
3R 判定0-1 (山根28-30/山崎29-29/西村29-29)
※高梨が初防衛
高梨は5月の王座決定戦でC-ZUKAに3R KO勝ち。挑戦者のパヤーフォンはK-1初参戦の17歳でムエタイ戦績は73戦60勝(9KO)12敗1分。去年2月と今年2月、KODO大分大会でWPMF日本女子ピン級(45.36kg)王者のCOMACHIとWPMF世界同級王座を争い、いずれもパヤーフォンが判定勝ちしている。COMACHIは2年前に松下えみと初代KRUSH女子アトム級王座を争い判定負けした選手だ。
1R、両者距離を取り、ミドル主体の攻防から始まるが、パヤーフォンが左右のミドルを連打した後、右ストレートの連打で高梨をのけぞらせ、1分足らずでチャンスを作る。高梨は持ち直し、中盤にはパンチを返す場面もあったが、パヤーフォンも随所で右ミドルを当てる。どっしり構え左足を上げフェイントをかけるパヤーフォンを、高梨が攻めあぐねる場面が目立つように。記者採点はパヤーフォン。パヤーフォンは接近戦で首相撲にならず、ルールへの適応は問題無い。
2Rも攻めにくそうな高梨だが、少しずつ動きに変化を絡め、ミドルの打ち合いの後に右ストレートを最後に当てたり、蹴りをもらいながらも右ストレートにつなげる場面も。パヤーフォンも随所で右ミドル、右ストレートを当て、はっきりした差はつけさせない。記者採点はイーブン。
3R、挽回を狙う高梨は圧力を強め、コーナーに詰めてのパンチの連打で好印象を残す。中盤、パヤーフォンも左右のミドルを当てるが、高梨はうまく詰め左右のストレートをヒットする。終盤、パヤーフォンは反撃を封じるためか?サウスポーにスイッチして左ミドルをヒットするが、高梨はお構いなしで詰めて左右のパンチを当てると、パヤーフォンはオーソドックスに戻す。記者採点は僅差だが高梨につけた。合計29-29でイーブン。ムエタイの試合を多く裁いている山根正美審判員はパヤーフォンの蹴りを高く評価し28-30としたが、他の2者は29-29とし延長へ。パヤーフォンは延長Rに備えながらも涙を流しており、裁定に動揺している様子だ。
4R、パヤーフォンはそれでも気持ちを立て直し、詰めて来る高梨に右ミドルを連打し、勢いを封じようとする。それでも高梨は前に出続け、サウスポーになったパヤーフォンにも右ミドル、右アッパーを当て対応する。中盤には右ハイもヒット。終盤は高梨が圧をかけ続け、左右のミドル、左ジャブ等を当て続け優位を維持する。記者採点は高梨。ジャッジ3者も同様で、高梨がなんとか防衛を果たした。負けたパヤーフォンは涙が止まらず、勝った高梨も悔し涙を浮かべる、珍しい結末となった。
高梨は「台風なのに応援に来てくれてありがとうございます。台風でどうなるかと思いましたけど、家族が計量で送り迎えしてくれて、メッセージもたくさんもらって、ありがとうございます」と泣きながら感謝の言葉を述べ「こんな中、来ていただいたのに、倒せなくて申し訳ありません。もっと上に行くには今の戦い方じゃダメだと思いました」と反省した。
第8試合 セミファイナル スーパー・バンタム級(55kg) 3分3R(延長1R)
○軍司泰斗(K-1ジム総本部チームペガサス/元K-1 KRUSH FIGHTバンタム級(53kg)王者)
×玖村修平(K-1ジム五反田チームキングス/元NJKFバンタム級王者)
判定3-0 (30-28/29-28/30-28)
軍司は2月のKRUSHスーパー・バンタム級王座決定トーナメント決勝で、玖村修平の弟・玖村将史に判定負け。バンタム級との2階級制覇にあと一歩及ばなかった。その試合中に顎を負傷し、約8カ月ぶりの試合となる。修平は6月の両国大会でのK-1スーパー・バンタム級世界最強決定トーナメント準決勝で武居由樹に1R KO負けして以来の試合だ。
1R、両者距離を取り、蹴り主体の攻防。お互いパンチも出すが、ブロックやスウェーを続け、均衡状態が続く。終盤はパンチの比重が上がってくる。記者採点イーブン。
2Rもなかなか均衡が崩れなかったが、軍司が左ミドル、左ボディの比重を少しずつ上げた後、終盤、右のストレートをヒット。修平を後退させると、コーナーに詰め、左ボディフックの2連打でダウンを奪う。記者採点は10-8で軍司。
3R、軍司は左ミドルで距離を取りつつ、近づけば左ボディから左の顔面へのフックの連打を決め、攻勢をキープ。終盤には右のテンカオでスリップさせる場面も。記者採点は軍司。合計30-27で軍司。二十歳の軍司が、試合の組み立てでも進化を見せ、再起戦を白星で飾った。
第7試合 スーパー・ライト級(65kg) 3分3R(延長1R)
○不可思(クロスポイント吉祥寺/元KNOCK OUT・WPMF日本・REBELS-MUAYTHAIスーパーライト級王者、元RISE・Bigbangライト級王者)
×堀井 翼(ネクサスジム)
3R 3’00” KO (右ストレート)
不可思はRISE、KNOCK OUTなど5つのタイトルを獲得し、6月の両国でK-1に初参戦。佐々木大蔵のバックハンドブローで右まぶたを切られTKO負けした。だが切られた後の佐々木との激しい打ち合いで観客を沸かせ、大きなインパクトを残した。KRUSHシリーズには初登場だ。
対する堀井は9戦5勝(4KO)1敗3分。6月のKRUSHでの瑠久戦で初黒星を喫した。その試合前日の会見で2人が乱闘し、2人の会見が中止となったことに批判の声が集まり、K-1側が乱闘や暴言に対してペナルティを科す方針を新たに出す事態に発展していた。
今回も堀井が会見等での言動で不可思をおちょくり続けたが、不可思はクールにいなし続け、試合でも格の違いを見せつける。
1R、不可思が左ジャブを序盤から当て続けて主導権を握り、1分過ぎ、左ジャブからの右ストレートでダウンを奪う。堀井は距離を詰め、右フックを返すが、打ち合いでも不可思が顔面への連打で堀井を苦しめる。
2R、不可思はパンチを時折もらいつつも、落ち着いてパンチを連打でまとめ続け、右ローも絡め、着実に全体にダメージを与える。
3Rも堀井が序盤に時折パンチを当て、場内を沸かせるが、不可思はボディ狙いのパンチ、膝、前蹴りも増やし、少しずつ勢いを削る。次第に不可思はボディから顔面につなぐパンチの比重を高め、残り50秒、右ストレートでダウンを奪うことに成功。それでも堀井は必死にパンチを返してくるが、不可思が終了ゴング間際にカウンターの右フックでダウンを奪う。2ダウン目だったが、芹沢レフェリーはKOを宣告した。
不可思は「手放しで喜べる内容じゃなくて悔しいですけど、ギリギリKOで良かったです。次は年末(12月28日)のK-1名古屋ですかね。僕の地元でバッチリ盛り上げるんで、よろしくお願いします」とマイクアピールした。
第6試合 スーパー・バンタム級(55kg) 3分3R(延長1R)
○大岩翔大(湘南格闘クラブ/Money in the KHAOS -55kgトーナメント2017優勝)※チームYMC栃木から所属変更
×KOUMA(ウィラサクレック・フェアテックス荒川/WPMF日本スーパーバンタム級王者、元REBELS-MUAYTHAI王者)
判定3-0 (30-27/30-27/30-26)
※2R左ストレート、右フックでKOUMAに2ダウン
第5試合 クルーザー級(90kg) 3分3R(延長1R)
○植村真弥(ウィラサクレック・フェアテックス幕張/WMC日本ヘビー級王者)
×工藤勇樹(エスジム/蹴拳ライトヘビー級王者)
判定3-0 (30-27/30-27/30-26)
※2R右フックで工藤に1ダウン
第4試合 スーパー・バンタム級(55kg) 3分3R(延長1R)
×小倉尚也(スクランブル渋谷)
○龍斗(K-1 GYM横浜infinity)
4R 判定1-2 (9-10/10-9/9-10)
3R 判定1-1 (30-29/29-28/29-29)
第3試合 フェザー級(57.5kg) 3分3R(延長1R)
○桝本翔也(K-1 GYM SAGAMI-ONO KREST)※桝本“ゴリ”翔也 改め
×足利正和(TEAM Aimhigh)※足利和正 改め
判定3-0 (29-28/30-29/30-28)
第2試合 フェザー級(57.5kg) 3分3R(延長1R)
×和夢(Gwinds)
○山浦力也(北斗会館浅科道場)
判定0-3 (26-30/26-30/26-30)
※2R右フックで和夢に1ダウン。3R左ボディフックで和夢に1ダウン
第1試合 ライト級(62.5kg) 3分3R(延長1R)
×林 将多(K-1 GYM SAGAMI-ONO KREST/FSG)
○蓮實 光(パラエストラ栃木)
不戦勝 (林の計量失格)
プレリミナリーファイト第3試合 スーパー・フェザー級(60kg) 3分3R
○三輪裕樹(K-1 GYM SAGAMI-ONO KREST)
×聖也(ウィラサクレック・フェアテックス西川口)
判定3-0 (28-27/28-27/28-27)
※3R右フックで三輪に1ダウン、左ボディフックで聖也に1ダウン
プレリミナリーファイト第2試合 ライト級(62.5kg) 3分3R
○鈴木孝司(K-1ジム蒲田チームキングス)
×塚本拓真(K-1ジム三軒茶屋シルバーウルフ)
判定3-0 (29-27/29-27/29-27)
※1R左フックで塚本に1ダウン
プレリミナリーファイト第1試合 バンタム級(53kg) 3分3R
×光佑(ウィラサクレック・フェアテックス三ノ輪)
○池田幸司(ReBORN経堂/K-1カレッジ2019 -55kg優勝)
1R 1’18” KO (飛び膝蹴り)