石渡伸太郎引退興行 1.23 ニューピアホール(レポ):風間敏臣、2連続1R一本勝ちでバンタム級1DAYトーナメント優勝。石渡伸太郎、扇久保博正と引退エキシ
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武蔵村山さいとうクリニックPresents 石渡伸太郎引退興行 漢塾(おとこじゅく)~継承~
2022年1月23日(日)東京・ニューピアホール
レポート&写真:井原芳徳
元パンクラス・バンタム級王者の石渡伸太郎は昨年6月の東京ドームでのRIZINバンタム級日本トーナメント一回戦で井上直樹に敗れた後、引退を表明。9月のRIZIN埼玉大会で引退セレモニーが行われたが、コロナ禍の影響でファンや関係者に直接挨拶できなかったことを理由に、引退興行を行うことになった。大会運営はDEEPが協力し、ルールはRIZIN MMAルールが採用される。
三承工業株式会社Presents バンタム級(61kg)トーナメント、風間敏臣が2連続1R一本勝ちで優勝
第1試合 一回戦 RIZIN MMAルール 5分3R
×雅 駿介(CAVE/元ムエタイオープン・スックワンキントーン・WMC日本ライト級(61.2kg)王者)
○風間敏臣(和術慧舟會HEARTS/パンクラス・バンタム級1位、ネオブラッドトーナメント2021同級優勝&MVP)
1R 3’25” アームロック
大会の目玉となったのが、石渡と同じバンタム級で行われた4選手参加の1DAYトーナメント。雅は梅野源治の後輩で、ムエタイ国内3冠獲得後、20年にMMAに転向し、石渡が指導するCAVEに加入。昨年2月のDEEPでのデビュー戦は勝利したが、7月のDEEPでの2戦目で同じくキック出身のRYUKIに1R TKO負けし、今回はそれ以来の試合だ。
風間は柔術をベースとし、20年7月のMMAデビュー戦こそ敗れたものの、以降は7連勝中で判定決着は1試合のみ。昨年のパンクラス・ネオブラッドトーナメント・バンタム級で優勝し、全階級の中で選ばれるMVPも獲得した。12月のパンクラスではバンタム級6位の花レメ紋次郎TKを1Rアームロックで撃破し、ランキング1位まで浮上した。
試合は石渡も優勝候補と評する風間が雅を圧倒することに。1R、開始すぐから風間がタックルを仕掛け、テイクダウンを狙う。途中ロープに引っかかったり雅の頭が外に出ることもあったが、しつこくしがみつきテイクダウンに成功。ハーフ、マウント、バックとコントロールを続けると、花レメ戦同様、マウントのまま、相手の背中側に腕を回して仕掛けるハンマーロックを極めて一本勝ちした。
第2試合 一回戦 RIZIN MMAルール 5分3R
○上田直毅(パラエストラ東京/ファイティスジムMSC)
×ガッツ天斗[たかと](パラエストラ綾瀬/修斗2018年バンタム級新人王)
判定3-0
上田はZSTを、ガッツは修斗を主戦場にしてきた選手。ガッツが修斗に上がる前の17年9月に両者はZSTで対戦し、時間切れ引き分けに終わっている。
1R、上田が度々押し込みつつ、中盤にテイクダウンを奪い、トップをキープする。
2Rも上田がテイクダウンを奪うと、マウント、バックで追い詰める。返されても下から肘をヒット。終盤も上田がテイクダウンを奪い、トップキープする。
3Rも上田がテイクダウンを奪い、バックを取るなど主導権を維持し完勝した。
リザーブマッチ RIZIN MMAルール 5分3R
―原 虎徹(CAVE/DEEPフューチャーキングトーナメント2019バンタム級優勝)
―内山拓真(ボンサイ柔術)
中止 (内山が新型コロナウイルス感染)
第6試合 決勝 RIZIN MMAルール 5分3R
○風間敏臣(和術慧舟會HEARTS/パンクラス・バンタム級1位、ネオブラッドトーナメント2021同級優勝&MVP)
×上田直毅(パラエストラ東京/ファイティスジムMSC)
1R 4’29” 三角絞め
※風間が優勝。賞金30万円を獲得
1R、風間が最初から距離を詰め、右ボディを当ててからタックルを仕掛けて押し込み、足を掛けて倒しにかかる。倒しながらバックを取り、バックをキープしてパウンドを度々当て追い詰める。終盤には腕十字を仕掛け、防御されると三角絞めを極め、最後は絞め落とした。
下馬評通り圧巻の強さで優勝した風間は、マイクを持つと「自分はもっと上のステージに行きたいと思っています。次戦に備えたいです」とコメントした。
石渡、ライバル扇久保博正と引退エキシ
第7試合 おとんばPresentsスペシャルエキシビションマッチ 5分2R
―石渡伸太郎(CAVE/元パンクラス・バンタム級王者)
―扇久保博正(パラエストラ松戸/RIZINバンタム級JAPAN GP 2021優勝、VTJフライ級トーナメント2014優勝、元修斗フライ級&バンタム級世界王者)
勝敗無し
両者は19年大晦日のRIZINバンタム級王座挑戦者決定戦で対戦し、死闘の末に扇久保が判定2-1で勝利。揃って昨年のRIZINバンタム級JAPAN GPに出場し、石渡は一回戦で井上直樹にKO負けし、この試合をもって引退したが、扇久保は一回戦、二回戦を突破すると、大晦日、下馬評を覆して準決勝で井上を、決勝で朝倉海に判定勝ちし見事優勝を果たしたばかりだ。
石渡と扇久保は2年前の対戦時に顔が似ていると話題になり、石渡の引退表明後はYouTubeでも共演し意気投合している。今回はエキシとはいえ5分2Rと、前座の公式戦と同じ試合時間設定で、石渡の最後にふさわしい座組となった。
1R、扇久保が再三タックルで倒しつつも、石渡は立ち際にサッカーボールキックや膝を当て、扇久保は苦笑い。扇久保も負けじと抱え上げてのテイクダウン、腕十字、ギロチンで反撃する。石渡がロープをつかんで踏みつけを狙う一幕も。
2R、石渡は少し息が上がってきたが、テイクダウンされた後にすぐにリバースし、意地を見せる。最後はテイクダウンを奪い返し、立って殴り合って終了。場内は温かい拍手で包まれた。
マイクを持った扇久保は「石渡さん、普通に強かったです。自分は石渡さんのことを嫉妬で見ていました。アマ修斗の時から凄い選手で、将来スターになるんだろうなと悔しい気持ちで見ていました。引退してからもたくさんのお客さんが見に来て、間違いなく格闘技界のスターだと思います。格闘技人生で石渡伸太郎という男と2度対戦できたことは誇りに思います。いつかお互いの弟子が対戦し3度目の対戦ができることを楽しみにしています」と述べた。
引退セレモニーで石渡は「大好きな皆さんの前でこういった場を設けていただいたことがキャリアの中でも一番名誉のあることです。これからは指導者としてこれまで以上に情熱を燃やし、皆さまに感動と興奮を与えられる選手を育てると共に、私自身も挑戦し何かを届けられるよう頑張ります」と放した。
岩本健汰、MMA 3戦目は3R一本勝ち
第5試合 RIZIN MMAルール 69kg契約 5分3R
×笹川JP(CAVE)※トイカツ道場から所属変更
○岩本健汰(ロータス世田谷)
3R 4’47” フェイスロック
日本最高峰のグラップラー・岩本は9月の修斗でMMAデビューし椿飛鳥に1R裸絞めで一本勝ち。11月の2戦目では修斗フェザー級世界9位の結城大樹に判定勝ちし、今回が3戦目だ。対する笹川はDEEP、Fighting NEXUSで5連勝していたが、最近2試合はGRACHANで、岸本篤史とルクク・ダリに判定負けしている。
1R、笹川が右フックを振ると、岩本がタックルを仕掛け、すぐさま背後にしがみつき、両足で捕獲してバックマウントへ。裸絞めを狙い続ける。時折鉄槌も当て、再三追い詰めるが、極めには至らない。
2R、最初こそ笹川が左フックを当てるが、すぐ岩本がタックルを仕掛け、1R同様にバックを取る。猪木アリ状態になりブレイクがかかるが、岩本がまたも倒して上に。
3R、笹川が左テンカオを当て、場内を沸かせるが、岩本がタックルで倒しまたも上に。終盤にバックを取ると、フェイスロックでタップを奪った。
第4試合 RIZIN MMAルール フェザー級 5分3R
×鬼神[おにがみ]光司(CAVE)
○河名マスト(ロータス世田谷)
判定0-3 (橋本=河名/福田=河名/植松=河名)
鬼神は15年に修斗でプロデビューし、修斗では5勝4敗2分。ブレイブハートからCAVEに移籍して昨年5月、パンクラスに初出場し、TSUNEに1R終盤に裸絞めで一本負けしている。河名はレスリングU-23世界選手権2017優勝等の実績がある期待の新鋭で、7月にMMAデビューし初戦こそ敗れたものの、以降2試合は連勝している。
1R、序盤からスタンドの組みの攻防が続き、中盤から押し込んだ河名が、膝蹴りとボディブローを度々当てて主導権を維持する。
2R、鬼神がスタンドでパンチを当てる。中盤、河名が両足タックルで倒し、鬼神が立っても押し込み倒す展開を繰り返す。終盤、河名の右ローのタイミング等で、鬼神が右フックを当て、打撃で優位を維持する。
3R、河名が度々テイクダウンを奪い、バック等でコントロールを続け主導権。極めやパウンドには至らないが好印象を作る。結局1Rと3Rの攻勢が評価され、河名が判定勝ちした。
第3試合 グラップリングタッグマッチ 10分3本勝負
○中村K太郎(UNITED GYM TOKYO/K太郎道場/元DEEP元修斗環太平洋ウェルター級王者)、アキラ(武蔵村山さいとうクリニック/&MOSH/パンクラス・ライト級4位)
×奥野泰舗(CAVE)、卯都木豪(CAVE)
2-0
最初に登場したアキラが、奥野に再三ギロチンを狙って主導権。中盤、両陣営タッチすると、中村が卯都木からアキレス腱固めでタップを奪う。奥野は既に消耗が激しく、中村がコントロールを続け、三角絞めを極めタップを奪った。
一人で二本奪取で盤石の強さを見せた中村は「今日はグラップリングで強さを証明できたので、ウェルター級のMMAでもRIZINで試合組んでください」とアピールした。
オープニングファイト 漢塾トライアウトマッチ DEEPルール フェザー級 5分2R
○木本海人(CAVE)
×竹下 登(暁道場)
判定3-0 (20-18/20-17/20-17)
※DEEPフューチャーキングトーナメント決勝戦ルールで実施