KNOCK OUT 1.22 後楽園ホール(レポ):RIZIN帰りの鈴木千裕、半年ぶりキックルールでタップロンを1R KO。五味隆典も祝福
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KNOCK OUT 2022 vol.1
2022年1月22日(土)後楽園ホール
レポート&写真:井原芳徳
※REDルールは肘有りキックルール、BLACKルールは肘無しキックルール
鈴木千裕、半年ぶりキックルールでタップロンを1R KO。五味隆典も祝福
第9試合 メインイベント BLACK 65.5kg契約 3分3R(延長1R)
○鈴木千裕(クロスポイント吉祥寺/KNOCK OUT-BLACKスーパーライト級(65kg)王者)
×タップロン・ハーデスワークアウト(タイ/ハーデスワークアウトジム/元WMC世界フェザー級王者、RISEスーパーライト級(65kg)3位)
1R 2’17” KO (左三日月蹴り)
鈴木は昨年7月大会で宮越慶二郎を43秒でKOに下しKNOCK OUT-BLACKスーパーライト級王者に。試合後のマイクではキックとMMAの“二刀流”を宣言した。プロキャリアの出発点はパンクラスで、新人王も取っていた鈴木。9月のRIZINでのMMA復帰戦では、昇侍にわずか20秒でTKO負けしたが、11月のRIZIN TRIGGERでは山本空良に判定勝ちした。今回は7月以来半年ぶりのキックルールの試合だ。
タップロンは41歳で100戦以上の試合経験のあるベテラン。KNOCK OUTには20年2月の鈴木真治戦以来3度目の参戦となる。元RISEウェルター級王者・ベイノアと1勝1敗で、小川翔や大和哲也にも勝利。最近では9月のRISEで原口健飛に3R KO負けしたが、2Rに首相撲からの顔面への膝蹴りでダウンを奪っている。
鈴木は試合前の公式インタビューで「山本戦は“ただのプロの試合”。凄いなと思わせるのが本当のプロ」と話し、今回は本来のアグレッシブなスタイルに戻すと宣言していた。1R、開始のゴングが鳴ると、鈴木は早速タップロンをコーナーに詰め、左右のフックを連打する。タップロンはアゴを引きながら打ち合いでパンチを当て返すと、一瞬鈴木の動きが止まるが、鈴木はすぐに再び前進し、左右のフックを当て続ける。
タップロンは右ハイやミドルを織り交ぜるが当たりは不十分。タップロンは回って距離を取る場面もあるが、すぐ鈴木が詰めてパンチを当て続け、左ボディも絡めると、タップロンはじわじわ消耗の色が濃くなる。
すると終盤、タップロンの右フックに鈴木が右フックを合わせてダウンを奪う。タップロンは立ち上がるが余力は無く、鈴木が追いかけながら左の三日月蹴りを当てると、タップロンはまたもダウン。タップロンは膝をマットについたまま立ち上がれず、鈴木のKO勝ちとなった。
得意パターンで完勝の鈴木はマイクを持つと「新年一発目、どうですか?KNOCK OUTのリングはKOじゃなきゃね。去年、RIZINで1回負けて1回勝ったんですけど、前回判定で勝っちゃったんですよ。プロとして勝負に徹したのは良かったんですけど、テッペンに行く選手になるにはやっぱり倒さなきゃ。今年も倒して倒して倒しまくってテッペンまで行きます。皆さんついてきてください。これからもクレイジーダイヤモンド・鈴木千裕を応援してください」と絶叫しながらアピールした。
少し五味隆典っぽい言い回しもあるマイクだったが、鈴木はMMA復帰後、五味の元にも出稽古し、理想の選手の一人として五味の名をあげている。この日は五味がVIP席で観戦。リングを降りると、五味は鈴木の手を上げて鈴木の勝利を称えた。
古村匡平×髙橋亨汰、好勝負の予感もノーコンテストに
第8試合 セミファイナル RED ライト級(62.5kg) 3分3R(延長1R)
―古村匡平(FURUMURA-GYM/大和ムエタイ・スーパーライト級王者)
―髙橋亨汰(伊原道場本部/新日本ライト級王者)
1R 2’44” ノーコンテスト
古村兄弟の兄・匡平は11月のKNOCK OUTで潘隆成から左フックでダウンを奪い判定勝ち。髙橋は所属先の新日本キックでの試合が続き、最近では10月の新日本で剣夜に2R肘打ちでTKO勝ちしている。
1R、髙橋がサウスポー、古村がオーソドックスに構え、蹴り主体の攻防。髙橋は左ハイ、ミドル、三日月、古村は右ミドル、前蹴りを当てる。時折パンチも交錯。両者キレのある動きを見せる。
だが終盤、古村の右ローのつま先が髙橋の股間に直撃し、ファウルカップに当たる大きな音が場内に響く。うめき声を出して倒れた髙橋に休む時間が設けられたものの、髙橋は震えが止まらず、ドクターストップ。残念ながらノーコンテストとなった。
中島弘貴、1R飛び膝でKO勝ち
第7試合 BLACK スーパーウェルター級(70kg) 3分3R(延長1R)
○中島弘貴(LARA TOKYO/元Krushスーパー・ウェルター級(70kg)王者)
×曽根修平(チャクリキ武湧会)
1R 1’21” TKO (3ダウン:右飛び膝蹴り)
中島は7月の後楽園大会でKNOCK OUTに初参戦し、サッシスに1R KO勝ちし、10月大会でも平塚洋二郎を圧倒し判定勝ちした。対する曽根はキック32戦16勝(6KO)13敗3分、MMA 17戦10勝7敗の38歳。所属先のチャクリキの主催大会を主戦場としている。
試合は中島のワンサイドゲームに。1R、序盤から中島が圧をかけ、右フックでダウンを奪取。右ロー、右ハイを当てつつ、再び右フックでダウンを奪うと、最後は右の飛び膝蹴りでマットに沈めた。
吉野友規、新日本キック王者・斗吾を1R KO
第6試合 BLACK スーパーミドル級(75kg) 3分3R(延長1R)
○吉野友規(STURGIS新宿)
×斗吾(伊原道場本部/新日本ミドル級王者)
1R 1’39” KO (右ストレート)
1R、お互い時折バッティングになりつつも、接近戦でパンチが交錯するスリリングな展開。中盤、少し打ち合いが落ち着くと、離れたところで斗吾が右ローを当てるが、吉野は踏ん張ってから右ストレートをクリーンヒットしダウンを奪う。斗吾は立ち上がるがフラつき、和田レフェリーがストップ。吉野が新日本王者を見事KOした。
マイクを持った吉野は「色々あって1年ぶりぐらいに、気持ちを入れ替えて戦った試合でした。このまま勝っていけばBLACK スーパーミドル級王者の松倉信太郎選手に届くと思うので、一人一人倒し、必ず松倉選手との試合を実現させます」とアピールした。
第5試合 RED スーパーバンタム級(55kg) 3分3R
○壱・センチャイジム(センチャイムエタイジム/ルンピニー日本バンタム級王者)
×横野 洋(キックボクシングジム3K/元DEEP☆KICK 57.5kg王者)
2R 2’22” TKO (3ダウン:左フック)
壱は11月大会で小笠原瑛作のREDスーパーバンタム級王座に挑み判定負けして以来の試合。横野は7月大会に欠場の大田拓真の代役で緊急出場し、小笠原に2RローキックでKO負け。8月大会で古村光戦が組まれたが、コロナの影響で欠場していた。
1R、両者サウスポーに構え、当たりは軽めながら、壱がミドル、ロー、前蹴り、ジャブ等を度々当てて主導権を握る。2Rも動きの鈍い横野に対し、壱が攻撃を当て続けると、さらに圧を強めてパンチを増やし、左フックでダウンを奪う。その後も壱が左フックで2ダウンを重ねTKO勝ちした。
第4試合 RED 54.5kg契約 3分3R
△石川直樹(team Lit/元スックワンキントーン・スーパーフライ級王者、元ジャパンキック&新日本フライ級王者)
△森岡悠樹(北流会君津ジム)
判定0-1 (少29-30/センチャイ29-29/秋谷29-29)
第3試合 RED スーパーウェルター級(70kg) 3分3R
○津崎善郎(LAILAPS東京北星ジム)
×平塚洋二郎(チーム・タイガーホーク/大道塾仙南支部/元J-NETWORKスーパーウェルター級王者)
判定3-0 (北尻29-28/山根30-29/秋谷30-29)
第2試合 BLACK スーパーライト級(65kg) 3分3R
×小磯哲史(TESSAI GYM/元J-NETWORKライト級王者、元蹴拳スーパーフェザー級王者)
○Apollo中山(GOD SIDE GYM)
2R 2’35” KO (右ストレート)
第1試合 BLACK 53kg契約 3分3R
×ナカムランチャイ・ケンタ(team AKATSUKI)
○乙津 陸[おつ りく](クロスポイント大泉)
1R 0’39” KO (右ストレート)
プレリミナリーファイト第2試合 BLACK スーパーフェザー級(60kg) 3分3R
○智巳(LARA TOKYO/スピリットジム仙台)
×斧田雅寛(KIBAマーシャルアーツクラブ)
1R 2’13” KO (右飛び膝蹴り)
プレリミナリーファイト第1試合 BLACK スーパーフライ級(52kg) 3分3R
○井ノ本航希(LAILAPS東京北星ジム)
×山岡由忠(クロスポイント大泉)
判定3-0 (30-27/30-27/30-27)