KNOCK OUT 10.29 後楽園ホール(レポ):龍聖、銀次に手を焼くもデビュー9連勝でタイトル獲得。松倉信太郎&中島弘貴が完勝
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格闘技医学会
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KNOCK OUT 2021 vol.5
2021年10月29日(金) 後楽園ホール
レポート&写真:井原芳徳
※REDルールは肘有りキックルール、BLACKルールは肘無しキックルール
第9試合 メインイベント 初代KNOCK OUT-BLACKフェザー級(57.5kg)王座決定戦 3分3R(延長1R)
○龍聖(TRY HARD GYM)
×銀次(Next零/KPKB&TENKAICHIフェザー級王者、大和KICK 57.5kg王者)
判定3-0 (北尻29-28/山根29-28/センチャイ30-27)
※龍聖が王者に
HIROYA率いるTRY HARD GYMの20歳、龍聖は8月の新宿フェイス大会で井上竜太を1R KOし、デビュー以来の連勝を8に伸ばし(うち7試合がKO勝ち)、今回が初の王座戦。対する銀次は福岡在住。2月にKPKB(九州プロキック)の王座も獲得し九州3冠に。5月のKNOCK OUTでは小笠原裕典相手に延長ドローに持ち込み、9月5日のKPKB福岡大会では栗秋祥梧を2R右ボディフックでKO。KNOCK OUTでお馴染みの両雄相手に結果を残した。
試合は龍聖が銀次に手を焼く展開に。1R、龍聖は離れた距離から低めの右カーフキックを度々当て慎重な滑り出し。左ジャブも絡め、終盤に飛び膝からパンチをまとめるが、その後は慎重なファイトに戻る。銀次も随所で右フック、右ローを返しており、はっきりした差はつけさせない。記者採点はイーブンとしたが、龍聖についてもおかしくない。
2R、龍聖はカーフキックはほとんど打たなくなり、飛び膝やテンカオを増やす。銀次はボディにもらい少し苦しそう。時折右ロー、右フックを返すが、手数が伸びない。記者採点は龍聖。
3R、銀次は圧力を強めると、右ボディ、右ストレート等、パンチを随所でヒット。龍聖は少し苦しそうな表情を浮かべるが、左ミドル等を効かせつつ、左フックで数度銀次をひるませる。だが終盤、銀次はさらに圧力を強めると、右ハイを当て、パンチを連打して龍聖を下がらせ好印象を作る。記者採点は銀次。合計29-29でイーブン。ジャッジは3者とも龍聖を支持し、龍聖の判定勝ちとなった。
龍聖は「力んじゃって自分の試合ができなくて 腰にチャンピオンベルトあるんですけどあんまりうれしくないです」と話すと、家族やジムの仲間に感謝の言葉を述べ「このベルトがスタートと思っているので、もっと上に行けるよう頑張りたいです」と話した。
試合ではいつもの動きのキレが感じられなかったが、龍聖は一夜明け会見で「追い込みの練習が始まったぐらいから、溶連菌(ようれんきん)になってしまって、入院もして、10日ぐらい前まで全く動けない状態で、少ない期間で仕上げました」と明かした。溶連菌感染症は全身の倦怠感、関節やのどの痛み、38度以上の発熱が一般的な症状。龍聖は「こんなことを言ったら興行にも選手としても良くないかもしれないですけど、ノップ・トレーナー(下の写真の左2人目)からは『今回はいい試合はしなくていい。勝つだけ』と言われました。1・2Rは取ったと思っていて、3Rは捨ててもいいから勝ちに行くという指示でした。印象が悪いシーンもあったんですけど、いい経験になりました」とも話している。
第8試合 セミファイナル BLACK 76kg契約 3分3R(延長1R)
○松倉信太郎(TRY HARD GYM/KNOCK OUT-BLACKスーパーミドル級(75kg)王者、WPMF世界スーパーミドル級王者)
×武来安[ブライアン](米国/上州松井ジム/WMCインターコンチネンタル&WPMF日本ライトヘビー級(79.38kg)王者、元J-NETWORK同級王者)
2R 0’18” KO (左フック)
松倉はBLACKスーパーミドル級初代王座決定トーナメントで渡慶次幸平と田村聖を下して王者になっての初戦。武来安は日本在住の米国人選手。キック20戦15勝(7KO)5敗の36歳で、18年には階級を上げ、K-1 WORLD GP初代クルーザー級(90kg)王座決定トーナメントに出場し、一回戦でK-JeeにKO負けしている。最近では5月のRISEで小西拓槙と83kg契約で対戦し判定勝ちしている。今回は松倉に合わせ、ライトヘビー級(79.38kg)から1階級相当の3kg絞って戦う。
試合は技術レベル差が如実に出る内容に。1R、松倉が慎重に右ロー、カーフキックを当て続けると、中盤、右のカーフを当てた直後の右フックでダウンを奪う。その後も松倉が右フック、左ミドル、右ロー等を当て主導権を維持する。
すると2R、開始すぐから武来安が圧力をかけ、左右のストレートを連打して松倉を下がらせる。だが松倉はブロックして耐えると、打ち合いで左フックを2連続でクリーンヒット。武来安はダウンすると立ち上がれず、松倉のKO勝ちとなった。
これで7連勝の松倉は「新生KNOCK OUTからRIZINに4選手上がって1勝3敗で、判定勝ちです。今日みたいにRIZINでKNOCK OUTを体現できるのは僕だけだと思います」とアピールした。
第7試合 BLACK スーパーウェルター級(70kg) 3分3R(延長1R)
○中島弘貴(LARA TOKYO/元Krushスーパー・ウェルター級(70kg)王者)
×平塚洋二郎(チーム・タイガーホーク/大道塾仙南支部/元J-NETWORKスーパーウェルター級王者)
判定3-0 (北尻30-28/山根30-28/少30-28)
長年K-1・Krushで活躍した中島は、7月の後楽園大会でKNOCK OUTに初参戦し、サッシスに1R KO勝ちした。平塚はこれまでJ-NET、Krush等に上がり、KNOCK OUTには初参戦だ。
試合は大方予想された通り中島が圧倒する展開に。1R、あまりステップしない平塚に対し、中島は細かく動きながら右ローを着実に当て続け、終盤には左ボディ、左右のフック等のパンチも当て、優位に進める。
2Rも中島がローを軸にしつつ、中盤から左ボディを効かせると、左右のフック、左ジャブを的確に当て続け、平塚を追い詰める。
3Rも中島が右ロー、右飛び膝蹴り、左ジャブ、左ボディ、左右のフックを的確に当てて、平塚を苦しめ判定勝ちした。
第6試合 RED スーパーウェルター級(70kg) 3分3R(延長1R)
○津崎善郎(LAILAPS東京北星ジム)
×駒形賢太(レンジャージム)
判定3-0 (北尻28-27/山根28-26/和田28-26)
1R、津崎が右肘、ロー、膝等を当てて優位に進めるが、2Rに駒形が左肘打ちでダウンを奪い差を広げる。だが津崎もここから手数を上げ、右肘で駒形の左まぶたを切り裂き、終盤にはドクターチェックが入る。3Rも津崎が攻め続けていると、再び出血が激しくなりドクターチェック。再開後、津崎は右ストレートでダウンを奪って逆転し、その後も攻め続け判定勝ちした。
第5試合 RED スーパーフェザー級(60kg) 3分3R(延長1R)
×新田宗一朗(クロスポイント吉祥寺)
○力也(ウィラサクレック・フェアテックス湖北)
判定0-3 (山根29-30/少29-30/センチャイ28-29)
第4試合 BLACK 87kg契約 3分3R
○竜矢(伊原道場稲城支部)
×ナイト(レンジャージム赤坂)
1R 1’04” KO (左膝蹴り)
第3試合 BLACK スーパーライト級(65kg) 3分3R
△YUYA(クロスポイント吉祥寺)
△Apollo中山(GOD SIDE GYM)
判定1-1 (少30-29/和田29-30/センチャイ29-29)
第2試合 BLACK スーパーフェザー級(60kg) 3分3R
×井樋大介(クロスポイント吉祥寺)
○向井貫太(ウィラサクレック・フェアテックス)
3R 2’25” KO (右ストレート)
第1試合 BLACK スーパーフライ級(52kg) 3分3R
○乙津 陸[おつ りく](クロスポイント大泉)
×ゾンビネーター今吉(GOD SIDE GYM)
判定3-0 (30-27/30-27/30-27)