ONE Championship 5.17 シンガポール:青木真也、“天心世代”クリスチャン・リーに逆転負け。内藤のび太・V.V Meiが勝利
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ONE Championship「ONE: Enter The Dragon」
2019年5月17日(金) シンガポール・インドアスタジアム
レポート:井原芳徳 Photos by ONE Championship
メインイベント ONEライト級(77.1kg)チャンピオンシップ 5分5R
×青木真也(イヴォルブMMA/王者)※初防衛戦
○クリスチャン・リー(シンガポール/イヴォルブMMA/挑戦者)
2R 0’51” TKO (レフェリーストップ:パンチ連打)
※リーが王者に
青木は3月31日の両国国技館大会のメインイベントでの同王座戦で、過去に青木から王座を奪ったことのあるエドゥアルド・フォラヤンを1R 肩固めで下し、無傷で同王座に返り咲いたばかり。その試合後の会見で、アンジェラ・リーの弟でもあり急成長中の20歳・クリスチャンとの試合を希望し、さっそく実現することになった。
クリスチャンはMMA戦績14戦11勝(7KO/4一本)3敗。過去に朴光哲、横田一則、徳留一樹を圧倒し、今年1月にはエドゥアルド・ケリーに1R TKO勝ち。フェザー級で戦って来たが、今回はライト級に階級を上げての戦いとなる。青木とはシンガポールのイヴォルブMMAでの練習仲間で、青木は以前からクリスチャンの素質を高く評価していた。
いわゆる“天心世代”のクリスチャンと戦う理由について、5月9日で36歳になった青木は試合前のインタビューで「多くの人が守りに入る歳だと思いますけど、僕は攻めたい」と話していた。
今回の試合場はリング。1R、序盤から青木が組みついて足を掛けて倒し、自軍コーナー付近でハーフガードで押さえる。クリスチャンは立ち上がるが、青木はコーナーに押し込み、両脇を差して倒すと、そのままマウントポジションを奪う。クリスチャンはブリッジで返そうとするが、青木は返されそうになるタイミングで腕十字を極める。青木がアームロックに切り替えると、クリスチャンは顔をしかめる。極まりが浅くなって立たれそうになると、青木は外してすぐサイドで押さえる。青木はしばらくトップキープし、ハーフ、マウントと動き、肘を当ててから腕十字を仕掛けるが、すっぽ抜けてスタンドに戻る。だが残り10秒ほどで、すぐゴングが鳴る。
UNBELIEVABLE toughness from "The Warrior!" @ChristianLeeMMA #WeAreONE #EnterTheDragon #Singapore #MartialArts pic.twitter.com/iMrfUqfF12
— ONE Championship (@ONEChampionship) 2019年5月17日
2Rも青木が序盤から組むが、クリスチャンはテイクダウンを防いで突き放す。するとクリスチャンが圧力を強め、右ストレートを当てると、青木がひるんで後退する。クリスチャンはチャンスを逃さず、左右のストレートを連打。青木は真っすぐコーナーまで下がってしまい、座り込むようにしてダウンする。クリスチャンがパウンドをまとめると、オリヴィエ・コスト・レフェリーがすぐストップした。近場で見れば青木の目が飛んでいた可能性もあり、このまま続いてもクリスチャンのTKO勝ちで変わらない可能性のほうが高いが、若干早めのストップのようにも見えた。青木はすぐ立ってストップに不満を示したが、しばらくしてクリスチャンと抱き合い、クリスチャンの勝利を認めた。
Christian Lee STOPS Shinya Aoki in the second round to win the ONE Lightweight World Title! @ChristianLeeMMA #WeAreONE #EnterTheDragon #Singapore #MartialArts pic.twitter.com/4owXYgaSGh
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ベルトを巻きマイクを持ったクリスチャンは「シンヤ、この機会を与えてくれてありがとう」と感謝の言葉を述べ、青木は英語で「クリスチャン、僕のベルトとキャリアを君に捧げます」と返答し、クリスチャンの勝利を称えた。
POST-BOUT INTERVIEW
Christian Lee and Shinya Aoki share a moment after their epic main event clash! @ChristianLeeMMA @a_ok_i #WeAreONE #EnterTheDragon #Singapore #MartialArts pic.twitter.com/6pv0NEcQMv— ONE Championship (@ONEChampionship) 2019年5月17日
ストロー級(56.7kg) 5分3R
×アレックス・シウバ(ブラジル/元王者)
○内藤のび太(パラエストラ松戸/元王者)
判定0-3
In a rubber match between former ONE Strawweight World Champions, Yoshitaka Naito clinches a unanimous decision victory over Alex Silva! #WeAreONE #EnterTheDragon #Singapore #MartialArts pic.twitter.com/MkxyiskXM6
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のび太は昨年9月、ジョシュア・パシオに惜敗しストロー級王座を失い、今年3月8日のヤンゴン大会ではレネ・カタランと対戦したが、パウンドを浴び右まぶたをカットし、1Rで無念のドクターストップとなっていた。今回は過去1勝1敗のアレックス・シウバと昨年5月以来1年ぶり3度目の対戦を行う。お互い手の内を知り尽くしているものの、今回も一進一退の好勝負となる。
1R、のび太は序盤から片足タックルを仕掛けてテイクダウンを狙う。なかなか背中をつけさせることはできないが、のび太はバックを奪うなど、主導権をキープする。
2Rものび太がしつこくタックルでしがみつき、中盤には背中をつけさせることに成功する。アレックスは足を取って膝十字を狙い、そこからスタンドに戻す。のび太は再びタックルを仕掛けるが、アレックスは潰してハーフガードに。終盤はのび太が下になり続けてしまう。
3Rも先に上になったのはアレックスで、アレックス主導の流れが続く。のび太は中盤に脱出すると、タックルを仕掛けてテイクダウンを狙い続ける。一瞬アレックスが上になりかけるが、のび太はこらえて上をキープし、逃げられそうになってもしつこく胴に組み付き続けて終了する。
記者採点はのび太。僅差の展開となったが、主導権を維持する時間の長かったのび太をジャッジ3者が支持し、のび太の勝利となった。
フェザー級(70.3kg) 5分3R
○ゲーリー・トノン(米国)
×中原由貴(マッハ道場/パンクラス2位)
1R 0’55” ヒールホールド
Garry Tonon moves to 5-0 in ONE Championship with a superb heel hook submission of Yoshiki Nakahara in the very first round! @Garry_Tonon #WeAreONE #EnterTheDragon #Singapore #MartialArts pic.twitter.com/271lA3EcKB
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中原は桜井“マッハ”速人の弟子。パンクラスで7連勝後、2月16日のバンコク大会でONEに初参戦し、エミリオ・ウルティアと対戦。2Rはウルティアの打撃に苦しんだが、3Rに右ボディストレートをを効かせつつ、左フックでマットに沈め快勝した。ONE 2戦目の相手は3月の両国でオランダ人選手を1Rで粉砕したゲイリー・トノン。ONEでのグラップリングマッチで青木真也にも一本勝ちしたことのある寝技の名手だ。昨年3月にMMAデビューし4戦とも全てフィニッシュして勝っており、今回もその寝技テクニックを存分に発揮する。
1R、サウスポーで中央に構える中原に対し、トノンが細かく左右に動き、左ジャブのフェイントの後、片足タックルを仕掛ける。前方に倒しに行くと思いきや、トノンは足を引っ張ってから一回転して中原の足に両足を挟んで絡みつき、両腕でヒールを極めタップを奪った。
女子アトム級(52.2kg) 5分3R
○V.V Mei[山口芽生](RIKI GYM/和術慧舟會GODS/HybridFighter/Team Teppen/元王者)
×ラウラ・バリン(アルゼンチン)
1R 3’46” 腕ひしぎ十字固め
Mei Yamaguchi pulls off a slick armbar on Laura Balin in the first round, staking her claim to a ONE Atomweight World Title shot! 🇯🇵 @v_vmei #WeAreONE #EnterTheDragon #Singapore #MartialArts pic.twitter.com/c54XaV5tFJ
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Meiは3月30日の両国大会でクセニヤ・ラチコヴァとの寝技合戦を制し、3R腕十字で一本勝ち。バリンは昨年6月にONEに初参戦し、女子ストロー級(56.7kg)タイトルマッチで現王者のション・ジンナンに判定負け。今年2月のONEでは三浦彩佳にアームロックで1R一本負けしている。今回はアトム級に階級を下げて戦う。
1R、バリンがパンチを振るったタイミングで、Meiが片足タックルを仕掛けてテイクダウンに成功する。ハーフガードからプレッシャーをかけ、肩固めを極める。少しポイントがズレたため外すと、すぐマウントを取り、腕十字を極めタップアウト。Meiの完勝に終わった。連続の一本勝ちで、王座再挑戦により近づいたといえよう。
コー・メインイベント ONEライト級(77.1kg)キックボクシング王座決定戦 3分5R
×ニキー・ホルツケン(オランダ)
○レギン・アーセル[Regian Eersel](オランダ)
判定0-3
※アーセルが王者に
ONEフェザー級(70.3kg)キックボクシング・ワールドGP一回戦(1) 3分3R
○ペットモラコット・ペッティンディーアカデミー(タイ/元ルンピニー認定スーパーフェザー級&ミニマム級王者)
×ジョルジオ・ペトロシアン(イタリア/K-1 WORLD MAX 2009・2010世界トーナメント優勝)
判定2-1
Petchmorakot advances to the semifinals of the ONE Featherweight Kickboxing World Grand Prix with a split-decision win over the legendary Giorgio Petrosyan! #WeAreONE #EnterTheDragon #Singapore #MartialArts pic.twitter.com/ur6C5cxju8
— ONE Championship (@ONEChampionship) 2019年5月17日
今大会からスタートした、8選手参加のトーナメント。豪華メンバーを集め、大会直前には優勝賞金が100万ドルとも発表される。ルールは肘無しで、つかんでからのブレイクは早め。このトーナメントに合わせてか?試合場はリングが使用され、グローブは通常のボクシンググローブが使われる。
1R、両者サウスポーに構え、体格で勝るペトロシアンが圧力をかけ、パンチを積極的に放ち、終盤にはカウンターの右フック、右ジャブでぐらつかせる。ペットモラコットはほとんど攻撃が出せない。記者採点はペトロシアン。
2Rもペトロシアンがパンチ主体で攻める。中盤からペットモラコットが組み付く場面が増え、お互い膝を当てるように。ペットモラコットのほうが膝を多く当てるが、正味の与えているダメージは乏しい。記者採点はペトロシアン。
3Rも膝主体の攻防で、膝のヒットが多いのはペットモラコットだが、合間にペトロシアンがパンチを返す。記者採点はペトロシアン。合計27-30でペトロシアン。ジャッジは割れ、2者がペットモラコットの後半戦の膝蹴りの数とリングジェネラルシップを評価した模様で、ペットモラコットの勝利となった。
ONEフェザー級(70.3kg)キックボクシング・ワールドGP一回戦(2) 3分3R
○ジョー・ナタウット(タイ/ライオンファイト・スーパーウェルター級&ミドル級王者)
×サーシャ・モイサ(ウクライナ/WMC世界スーパーウェルター級王者)
3R 1’24” TKO
Smokin’ Jo Nattawut turns up the and finishes Sasha Moisa with a third-round TKO, moving on to the ONE Featherweight Kickboxing World Grand Prix semifinals! #WeAreONE #EnterTheDragon #Singapore #MartialArts pic.twitter.com/MnbjuFsgyz
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ONEフェザー級(70.3kg)キックボクシング・ワールドGP一回戦(3) 3分3R
×ヨードセングライ・IWE・フェアテックス(タイ/元ルンピニー認定ウェルター級&フライ級王者)
○サミー・サナ(フランス/ISKA K-1ルール・インターコンチネンタル・ミドル級王者)
判定0-3
Samy Sana shocks the with a unanimous decision victory over Yodsanklai to secure his spot in the ONE Featherweight Kickboxing World Grand Prix semifinals! #WeAreONE #EnterTheDragon #Singapore #MartialArts pic.twitter.com/zk6rEi3FGS
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1R、ヨードセングライがサウスポーに構え、両者ともミドル主体の攻防が続く。終盤、お互いパンチも多用するように。終了間際、長身のサナが右ハイを当てると、少しふらついたヨードセングライが左ストレートを放つが、カウンターでサナが左フックを当ててダウンを奪う。記者採点は8-10でサナ。
2R、ダメージの残るヨードセングライに、サナがパンチを連打するが、ヨードセングライもボディと顔面にパンチを打ち返し、サナを苦しめる。1R中盤までとは一転、パンチ主体の攻防に。記者採点はヨードセングライ。
3Rもヨードセングライが攻めるが、サナが一発右ストレートをクリーンヒットすると、サナが連打で巻き返す。ヨードセングライは持ち直すが、攻撃は減り、サナが顔面への前蹴り、右ローも絡めて、手数多く終える。記者採点はサナ。合計27-29でサナ。ジャッジ3者もサナを支持し、番狂わせを起こした。
ONEフェザー級(70.3kg)キックボクシング・ワールドGP一回戦(4) 3分3R
○ジャバル・アスケロフ(ロシア/元W5欧州71kg級王者)
×エンリコ・ケール(ドイツ/K-1 WORLD MAX 2014世界トーナメント優勝)
判定3-0
Dzhabar Askerov puts on a striking masterclass against Enriko Kehl to win by unanimous decision and advance to the ONE Featherweight Kickboxing World Grand Prix semifinals! #WeAreONE #EnterTheDragon #Singapore #MartialArts pic.twitter.com/V0qtITe4PG
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ONEフェザー級(70.3kg)キックボクシング・ワールドGPオルターネトバウト(リザーブファイト) 3分3R
○ダニエル・ドーソン(オーストラリア)
×ブラウン・ピナス[Brown Pinasu](オランダ)
判定2-1
ONEライト級(77.1kg)GP準決勝 5分3R
○ザイード・フセイン・アサラナリエフ
×アリエル・セクストン
1R 2’56” KO (パンチ連打)
"Dagi" Arslanaliev PUNCHES his ticket to the ONE Lightweight World Grand Prix finals by knocking out Amir Khan in Round 1! #WeAreONE #EnterTheDragon #Singapore #MartialArts pic.twitter.com/To2Ec2KeOz
— ONE Championship (@ONEChampionship) 2019年5月17日
ウェルター級(83.9kg) 5分3R
×セージ・ノースカット
○コスモ・アレッシャンドリ
1R 0’29” KO (右フック)
JUST. LIKE. THAT! Cosmo Alexandre knocks out Sage Northcutt 29 seconds into the first round @CosmoAlexandre #WeAreONE #EnterTheDragon #Singapore #MartialArts pic.twitter.com/Nh32Z1LNjU
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