ONE Champioship 5.17 シンガポール:今日で36歳 青木真也が“天心世代”クリスチャン・リーと戦う理由「多くの人が守りに入る歳だと思いますけど、僕は攻めたい」
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3月31日のONE Champioship両国国技館大会でのライト級王座奪還から1か月半という比較的短い間隔で、「ONE: Enter The Dragon」(5月17日(金) シンガポール・インドアスタジアム)にて初防衛戦を行う青木真也。挑戦者のクリスチャン・リーはシンガポールのイヴォルブMMAでの練習仲間で、青木は以前から弱冠20歳のクリスチャンの素質を高く評価しており、両国での勝利直後も戦いたい相手としてクリスチャンの名を挙げていた。
結局、このクリスチャン戦があるため出場できなかったが、AbemaTV「那須川天心にボクシングで勝ったら1000万円」で青木が戦おうとした天心も20歳だ。今日、5月9日で青木は36歳になるが、そういった若い選手たちに触れようとする思いの根底は何か? そしてVS天心の“ドタキャン劇”が非難轟々となっていることをどう思っているのか? 3日前、青木は練習仲間である宇野薫のサポートのために古巣・プロ修斗の30周年記念後楽園ホール大会を訪れたが、その直前にマスコミの取材に応じ、それらへの思いを縦横無尽に語った。
5月17日のONE Champioshipの試合はAbemaTVにて生中継される。
(クリスチャンと戦おうと思った経緯は?)彼とシンガポール(イヴォルブ)で練習し、コミュニケーション取る中で、一回やってみたいなと思って。僕が23・24の時に、35・36ぐらいの上の奴らが、下と奴と試合をやらないことがカッコいいと思わなくて、俺の方が強いと思っていたので、自分がその歳になって、若い選手とやって行きたいというのがありましたね。誰てもいいんですけど、とにかく今一番伸びている、これからのアジアのMMAを背負う選手が彼なら、やってみたいと思いました。
(勝算も当然あってのもの?)僕は勝ちますよ。(クリスチャンの挑戦を)受けるんじゃないから。僕が挑戦する試合なんでね。もうすぐ(5月9日で)36になりますし、今日の宇野薫もまさにそうですけど、守るのか、戦っていくのか、格闘技だけじゃなく多くの人が仕事で選択する時があると思うんですよ。多くの人が守りに入る歳だと思いますけど、僕は攻めたいです。
(クリスチャンの寝技は独特ですか?)今の日本だとブラジリアン柔術をメインにしたものがMMAのグラウンドとされているじゃないですか?彼も柔術の練習をしているとは思いますけど、柔術を介していないんですね。感性が独特だと思います。ペルヴィアン・ネクタイ(変形のフロントチョーク)だったり、アナコンダ、スピニングチョークだったり、ちょっと独特じゃないですか。
(青木選手は寝技で対抗する?)この前、海外のインタビューで「グラウンドにこだわりがありますか?」と聞かれたんですけど、実は無くて、一番効率的なフィニッシュを狙った結果、たまたまグラウンドが多かっただけなんですよね。スタンドの打撃やパウンドで勝ったこともありますし。彼の寝技に付き合うとか、彼のスタンドに付き合うとかじゃなく、一番効率のいいことがやりたい。
(クリスチャンは普段より1階級上のライト級でも強いと思いますか?)わからない。結局、当日2人がファイトすることが事実だから。階級が上だからアドバンテージとは思っていないですね。
(VS那須川天心はできませんでしたが、天心もクリスチャンも同い年(20歳)で、あの辺の世代に青木選手は…)那須川ので言うと、結局、みんなコンテンツを当たり前のように楽しませてもらえるものと思っているわけ。だから作り手が賛否の分かれるものを作りたがらないんですよ。今のK-1や新日本プロレスのように、当たり障りの無いものを作ろうとする。楽しませてもらうものじゃなく、一緒に楽しむものなんだぜと思っていますね。凄い現代的だと思った。
(ファンの反応が?)要はデーンと寝て「さあ楽しませてくれ」ってなってるわけ。そこに向けて物を作るものいいし、当然お付き合いもするんだけど、ただ、思い通りにはさせないよ、って。(ファンが)上から「俺たちが納得するモノ作れよ」って命令するんじゃなくて、あくまでこっちが「俺のモノを見せてやっているんだから、お前らが指図するなよ」って気持ちを持っていないとって思いますね。今、プロレスが顕著ですけど、無効試合とか不穏試合とかほとんど無いですよね?
(昭和のものって感じはします)そういうのは賛否が分かれるから、レスラー自体が作るのを嫌うと思うんですよ。だって叩かれたくないから。でもそれを恐れずに、俺がいいと思う物を作っていきたい。で、今、20歳の那須川とかの若い世代が新しいものを作って、彼らが中心になるのは、それはそれで当然ですよね。そこの足を引っ張ろうという考えは無く、関わることで何かを吸収してみたかったって感じかな。
(クリスチャンとの試合はONEの中でどういうストーリーにしたいですか?)ONEのストーリーラインの中では、彼がスターになることを期待する人がいると思うけど…、なんだろ?僕自身はそんなにオッサンと思ってないから(笑)。まだ成長できると思うし、そこに関しては純粋な気持ちで勝負してみたいと思います。
(青木選手はずっとシンガポールのイヴォルブで練習しているわけなじゃいので、外様感はある?)いや、彼もアメリカで練習しているし、信頼関係を築けているかな。お姉さんのアンジェラとも仲良くしていますし。自分で現代的って言うのもアレだけど、彼のファイトに対する考え方が北岡(悟)とか青木っぽい。仕事だったら友達だろうが仲間だろうがファイトはしようよ、そもそもいがみあってやるものじゃないし、ってのが、北岡・青木っぽいし。今のONEの「ファイトは憎しみ合ってやるものじゃない」とかいったようなスローガンに、解釈によってはフィットしていると思いますね。
(スポーツマンシップとはちょっと違う?)トラッシュトークをしちゃいけないとかってのは最低限の話で、信頼関係があれば言う必要無いと思っているし。あれって言葉にするほど軽くなるから。いちいち「ゴミを捨ててはいけません」って注意書きされている感じに見えるわけですよ。
(それは野暮だと)野暮なことで、当たり前でしょって思ってるけど、それを書かざるを得ない今の世の中ってのはあると思うんだけど…。
(どんな試合になりますか?)どっちかがフィニッシュすると思う。(実力差のある)マッチアップもあるけど、彼は全部フィニッシュして、僕もフィニッシュ率が高いから。よく選手が「フィニッシュしてやるぜ」って言うような見栄っ張りじゃなくて、(客観的に)データから見てフィニッシュする可能性が高い試合になると思います。
(大会ポスターではクリスチャン・リーがブルース・リー的なヒーロー扱いで、青木選手がアウェーっぽいかなと思いました)ずっと僕はアウェーで戦ってきたし、彼にとってシンガポールがホームなら、それは僕にとってアドバンテージですよ。だって(ビッグイベントのメインイベンターの)面倒くささは3月(両国大会)で俺が一番知っているから(笑)
(あの試合を乗り越えたのが自信になった?)アレをもう1回やりたいとは思わないから。日本大会のメイン張りたいとかみんな言うじゃん?それってやったこと無い奴の言葉ですよ。
(さんざん色んなメインを経験してきましたもんね)10年以上メイン張ってみればみんなわかりますよ。その(経験の)アドバンテージはありますね。アンジェラ・リーなんかはずっとシンガポールのONEのメインを張って、日本のイベントだと武尊、那須川天心もずっとメインをやり続けているわけで。彼らは僕より若いけど、僕よりも凄いことをやり続けて、形にしているから尊敬は持っています。