パンクラス 4.27 立川(レポ):ライト級王者・雑賀“ヤン坊”達也、天弥に3R TKO勝ちし7月RIZIN参戦熱望。佐藤生虎、押忍マンとの再戦で2R TKO勝ちしウェルター級王者に。元ベラトールのゴイチ・ヤマウチ、内藤由良を1R左ジャブ一撃で粉砕
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PANCRASE 353
2025年4月27日(日)東京・立川ステージガーデン
レポート&写真:井原芳徳
ライト級王者・雑賀“ヤン坊”達也、天弥に3R TKO勝ちし7月RIZIN参戦熱望
第13試合 メインイベント キング・オブ・パンクラス・チャンピオンシップ ライト級 5分5R
○雑賀“ヤン坊”達也(DOBUITA/王者)
×天弥(和術慧舟會HEARTS/1位、ネオブラッドトーナメント2023同級優勝)
3R 0’54” TKO (レフェリーストップ:左膝蹴り→グラウンドパンチ)
※雑賀が2度目の防衛
雑賀は34歳。ライト級暫定王者だった21年12月、正規王者の久米鷹介との王座統一戦で2Rに腕十字を極められ一本負け。パンクラスで松岡嵩志とシュウジ・ヤマウチに1R TKO勝ちした後、23年4月のRIZINではアリ・アブドゥルカリコフに1R KO負け。12月のパンクラスでのライト級王者挑戦者決定戦で粕谷優介に判定勝ちすると、昨年3月にアキラを1R右ハイでKOし王座を獲得した。5月のRoad To UFC上海大会での非トーナメント戦ではキ・ウォンビンに2R TKO負け。9月のパンクラスでは久米に2R TKO勝ちし3年越しのリベンジを果たし、王座初防衛を果たした。
天弥は20歳。極真空手をベースとし、23年3月にプロMMAデビューし5戦4勝(3KO)1敗。1敗はグラウンド状態の相手の頭部への膝蹴りによる反則負けで、フィニッシュ勝利目前だった。昨年は3月に元修斗世界同級王者の松本光史を圧倒し判定勝ち。9月のライト級王座挑戦者決定戦では葛西和希に左ミドルを効かせつつ、右ストレートでダウンを奪い、1Rでパウンドアウトしており、雑賀との打撃戦が見ものだ。天弥の兄はDEEPフェザー級で活躍する海飛で、兄弟そろって1月には約2週間、アゼルバイジャンでヴガール・ケラモフらと練習した。
1R、いきなりパンチの打ち合いとなり、お互い被弾し、雑賀の腰が少し落ちる場面もあったが、すぐに雑賀が押し込み、落ち着いた状態に。中盤、天弥が押し返す場面もあるが、すぐ雑賀が押し返す。だが雑賀が足を掛けて倒そうとすると失敗し、天弥が押し返す。残り1分、離れると、またもパンチの打ち合いでお互い被弾する。見合う状態の後、雑賀の左フックで天弥はスリップしてしまう。天弥はすぐ立つが印象が悪い。記者採点は僅差だが雑賀。ジャッジは割れ、1名は雑賀、2名は天弥を支持する。
2R、雑賀がプレッシャーをかけ、天弥はタックルで組み付いて倒しかけるが、すぐに雑賀は立って、組み合った後に突き放す。中盤、お互い右カーフをヒット。雑賀はプレッシャーをかけ続け、右アッパー、ストレートを当てる。少しダメージが溜まってきた様子の天弥は、タックルを仕掛けるが、雑賀は切り、スタンドに戻す。終盤、雑賀が左ジャブ、ボディストレートと攻撃を散らし、右ストレートも当てる。天弥の右フックもスウェーし、巧さで差をつける。残り1分、雑賀が天弥を金網に押し込み続けて終わる。記者採点は雑賀。ジャッジ3者も雑賀につける。
3R、少し見合った後、パンチの打ち合いで天弥も当てたが、雑賀が左右のパンチを連続で当てて天弥をひるませると、雑賀は首相撲で捕まえての左膝蹴りをアゴにクリーンヒット。ダウンした天弥に、雑賀が鉄槌を連打したところで、鶴和レフェリーがストップした。
ベルトを巻きマイクを持った雑賀は「これで日本ライト級最強ストライカーと言っていいですか。家族に感謝しています。一所懸命、会社員やりながら頑張っています。毎日7時に帰って15分で出て練習して11時ごろ帰っています。家族がいるから戦えています。ありがとうございます。あと、日本ライト級最強ストライカー、RIZINとかで見たくないですか?7月、オファー待っています。外国人でも誰でもぶっ飛ばすんで」とアピールし、最後は「俺がヤン坊だ」と叫んで締めくくった。
バックステージでのインタビューで雑賀は「天弥選手、強かったです。最初は面食らって(組みに)逃げました。すみません。5Rあるから調整しました。2Rは1Rほどグイグイ来なくなりましたけど、チョコチョコもらっていましたね。でも自分の目もいいゾーンに入ってきて(天弥のパンチも)見えてきました。(自分の)アッパーは感触無いです。練習では膝はやんないですよ。怪我するんで当てるとしてもボディですね。でもスペースがあったんで(顔に)当てました」と試合を振り返った。
RIZIN参戦に向けてのアピールについて雑賀は「もちろん世界に行きたいですけど、日本にいるうちはやり返さないといけないんで。あの頃(=2年前)は弱かったんで、あの頃よりも1つも2つも違うよと見せたいです。自分が日本ライト級1位のストライカーですよ。こんなにぶっ倒している奴います?」と話した。
パンクラスの王座防衛についても雑賀は意欲的で「防衛せずにすぐ他所行く選手がいますけど、北岡(悟)さんが言っていたように、ベルトはメダルじゃないんで。(ビッグイベントへの)切符でもないんで、チャンピオンなんで、守るべきものは守りたいです」と話している。
バンタム級王座戦・透暉鷹×ウルルは中止
キング・オブ・パンクラス・チャンピオンシップ バンタム級 5分5R
―透暉鷹[ときたか](ISHITSUNA MMA/王者、元同フェザー級王者)※初防衛戦
―カリベク・アルジクル・ウルル[Kalybek Arzykul Uulu](キルギス/オリンプジム・ビシュケク/1位)
中止
透暉鷹は元フェザー級王者で、1階級下のバンタム級に転向するため23年8月に王座を返上。同年12月のバンタム級王者決定戦で河村泰博を1R肩固めで下し2階級制覇を達成した。昨年、透暉鷹はRoad To UFCバンタム級に参戦し8月の準決勝敗退。対するウルルは9月でパンクラス初戦で当時バンタム級1位の井村塁にわずか75秒でTKO勝ち。12月のニューピアホール大会で両者のチャンピオンシップが組まれたが、透暉鷹が右足首靭帯損傷等、ウルルが肩の怪我を負い、中止となっていた。
約半年後の今大会で仕切り直しの王座戦が組まれたが、パンクラスの発表によると、王者の透暉鷹が脱水症状により緊急搬送され計量に参加できず失格となり、挑戦者のウルルもバンタム級の61.2kgのリミットを、計量開始2時間後の最終計量で63.0kgと1.8kgオーバーし、両者失格で今回も試合中止となった。パンクラスのルールに基づき、王座は空位となる。
大会の休憩明けの時間に、ウルルがケージに登場した。キルギスの民族衣装の帽子のカルパックではなく、パンクラスのロゴ入りのキャップを着用して登場したウルルは「体重が作れなくて申し訳ございません。7月27日に試合のオファーが来たらうれしいです。これからも頑張ります」と話した。
透暉鷹の所属先のISHITSUNA MMAは大会翌日28日未明のXで「透暉鷹ですが、水抜き中に、脱水症状となり、手足の痙攣、引きつけ等の症状が現れたため中止し、すぐに病院に搬送となり処置をしていただきました」「現在は頭痛や倦怠感などがありますが、大分体も動けるようになったため、自宅に戻り休んでおります」「この先のことなどは、しっかりと話し合って決めていきたいと思います。本人からも近日中にご報告をさせていただきます」と記している。
佐藤生虎、押忍マンとの再戦で2R TKO勝ちしウェルター級王者に
第11試合 コーメイン キング・オブ・パンクラス・チャンピオンシップ(第17代王者決定戦) ウェルター級 5分5R
×押忍マン(DESTINY JIU-JITSU/1位)※押忍マン洸太 改め
○佐藤生虎[しょうご](UNITED GYM TOKYO/3位)
2R 0’39” TKO (レフェリーストップ:グラウンドパンチ)
※佐藤が王者に
押忍マンは31歳。20年にMMAプロデビューし、昨年2月のRIZIN佐賀大会では元パンクラス&DEEPウェルター級王者の阿部大治に95秒でKO負け。5月のパンクラスでは元王者の村山暁洋に判定勝ちした。
佐藤も31歳。23年7月のデビュー戦から3戦連続で1分半以内でKO勝ちすると、昨年4月の立川大会では長岡弘樹に判定勝ちした。
両者は昨年9月29日の立川大会でのウェルター級王者決定戦で対戦し、佐藤が3R、左ストレートでダウンさせてからのパウンドでTKO勝ちした。だが佐藤のフィニッシュ直前のパウンドが押忍マンの後頭部に当たっており、押忍マン陣営が異議申し立てをした結果、ノーコンテストに裁定が変わり、王座は空位となっていた。また、ドーピング検査の結果、押忍マンから禁止物質が検出されたと11月に発表され、試合から200日間の出場停止等の処分が科されていた。両者ともその後、試合を挟まず再戦した。
1R、押忍マンがオーソドックス、佐藤がサウスポーで構え、押忍マンが前に出て右テンカオを当てる。佐藤はパンチを振り回すが空振りし、押忍マンが金網に押し込む。佐藤が払い腰で倒すが、勢い余って一回転してしまい、押忍マンが上になって金網際で押さえる。中盤、押忍マンはハーフからバックを狙い、金網を背にしてじっくり足と体を動かし、足4の字ロックで捕獲する。終盤、押忍マンはバックキープし、最後はスタンドに戻り、押忍マンが右ミドルを当てて終える。記者採点は押忍マン。ジャッジ3者も押忍マンにつける。
だが2R、佐藤は開始すぐから前に出て左右のパンチを振るう。押忍マンは金網を背にしつつブロックとスウェーで対処していたが、右フックを振るうと、佐藤のカウンターの右フックが炸裂し、押忍マンは前のめりでダウンする。佐藤は背後から押さえパウンドを連打する。前回と似たような流れで、途中、後頭部に当たったようにも見えなくもない際どいパウンドもあったが、すぐに佐藤は側頭部狙いのパウンドに当て方を軌道修正し、パウンドを当て続けたところで、梅田レフェリーがストップ。佐藤が第17代王者となった。
バックステージでのインタビューで佐藤は「今回は相手も負け認めている感じでした。文句なしで僕がチャンピオンです」と主張し、ベルトを巻いた気持ちを聞かれると「元々僕のベルトなんで。戻ってきただけです」と淡々とコメントした。一つ前の試合で同じウェルター級のゴイチ・ヤマウチが、内藤由良を左ジャブ一撃で1R KOしており、佐藤は「正直言ってあれはヤバいですね」と評した。ヤマウチがパンクラスに継続参戦するか不明なせいもあってか、「やりたいと思う?」と聞かれても、佐藤は「そこはマネージャーさんと(相談する)」と答えるに留まった。
元ベラトールのゴイチ・ヤマウチ、内藤由良を1R左ジャブ一撃で粉砕
第10試合 ウェルター級 5分3R
×内藤由良[ゆら](リバーサルジム横浜グランドスラム/ミドル級王者)
○ゴイチ・ヤマウチ[Goiti Yamauchi](ブラジル/チーム・ヤマウチ)
1R 1’10” TKO (レフェリーストップ:左ジャブ→グラウンドパンチ)
内藤は29歳。国士舘大学出身でレスリング全日本選手権に15年から4年連続エントリーし最高5位。20年からパンクラスで4連勝後、22年3月に2(ロッキー川村2)を42秒でKOし、ミドル級のベルトを獲得した。昨年6月のパンクラスでの2年ぶりの試合でアリ・カラダギィ戦で1R TKO勝ち。9月、UFCのトライアウトマッチ・DWCSに出場したが、体格で勝るアテバ・グーティエにタックルを切られ続け、打撃に苦しみ、2Rパウンド連打でTKO負けし、プロ7戦目で初黒星を喫した。今回は1階級下のウェルター級に落とし、世界レベルの選手との試合に臨む。
ヤマウチは32歳。愛知生まれの日系ブラジル人で子供の時にブラジルに移住し、柔術等の格闘技を習い、2010年にMMAデビューし戦績36戦29勝(3KO/21一本)7敗。13年からベラトールに参戦し、19年末の日本でのRIZINとの合同興行ではダロン・クルックシャンクに1R裸絞めで一本勝ちしている。ベラトールでは19戦14勝(3KO/9一本)5敗。23年末にベラトールがPFLに吸収され、昨年はPFLウェルター級リーグに参戦し、4月の初戦はネイマン・グレイシーに判定勝ちしたが、6月の2戦目はアンドレイ・コレシュコフに判定負けし予選敗退した。過去に従弟のシュウジのセコンドでパンクラスに来たたことがある。
試合はヤマウチが得意の寝技に行く前に、打撃だけでレベル差を見せつけることに。1R、最初はヤマウチがサウスポー、内藤がオーソドックスで構える。内藤が右ハイ、ミドルを放ち、距離を詰めて右フックを放つ。ヤマウチはかわしたが、オーソドックスにスイッチし、左ジャブの突き合いに。ヤマウチは少し距離を取って踏み込んで、左ジャブを軽めに当てると、これで手応えを得たか?内藤も左ジャブを放ったタイミングで、カウンターの左ジャブをアゴにクリーンヒットする。内藤は腰が落ちて倒れ、ヤマウチが追撃のパウンドを当てたところで、すぐさま梅田レフェリーがストップした。
敗れた内藤はセコンドに肩を担がれ、四方に頭を下げてリングを降りた。マイクを持ったヤマウチは「日本が大好きです。パンクラスで試合ができて感謝しています」と話した。
ウェルター級戦線は武者孝大郎がフランスの選手に判定勝ち
第9試合 ウェルター級 5分3R
×ガブリエル・レーベン[Gabriel Levan](フランス/X-Road)
○武者孝大郎(マスタージャパン東京)
判定0-3 (荒牧28-29/中島28-29/渋谷28-29)
レーベンはMMA 3戦1勝2敗でパンクラス初参戦。武者は柔道で全国大会出場経験があり、昨年6月のパンクラスでのMMAデビュー戦で渡邉ショーンに判定勝ちしている。
1R、サウスポーのレーベンに対し、武者が右ミドルを当て、右ストレートでひるませると、タックルを仕掛けて倒し、金網際で押さえる。中盤、レーベンは立ち、押し返してタックルで倒して、金網際で押さえるが、バックを狙ったところで落とされ、またも武者が上から押さえる。残り30秒、スタンドに戻り、レーベンが右フック、武者が右テンカオを当てて終わる。ジャッジ3名ともコントロール時間の長かった武者につける。
2R、序盤からレーベンがタックルで倒して金網際で上になる。レーベンはマウントを取ろうとしたが、これも武者が脱出する。その後も金網際での上下の取り合いが繰り返される。組みの展開が続いていると、レーベンは終盤、少し疲れてきた様子で、武者が押し込む時間が続く。ジャッジ3者とも武者につける。
3R、スタンドの展開で、武者がサウスポーのレーベンに右三日月蹴りとストレートを当てる。中盤、レーベンがタックルで倒すが、またもマウントを狙ったところで武者が立つ。終盤、武者がタックルで押し込んで、倒して終了する。3Rは長時間グラウンドで支配したレーベンが取ったが、2Rまでを取った武者が判定勝ちした。
船田電池、今回も“電池”切れせずストロー級1位のリトルを圧倒
第8試合 ストロー級 5分3R
×リトル(HIDE’S KICK!/1位)
○船田電池(和術慧舟會HEARTS/3位、ネオブラッドトーナメント2024同級優勝)
判定0-3 (荒牧30-27/太田30-27/渋谷30-27)
リトルは昨年4月の立川大会でのストロー級暫定王者決定戦で黒澤亮平に2R KO負けしたが、昨年12月大会で織部修也に判定勝ちした。
船田は昨年のネオブラ優勝者でプロ4戦全勝の21歳。昨年12月大会での「電池」への改名初戦では無尽蔵のスタミナを発揮して寺岡拓永を攻め続け判定勝ちしている。大会半月前の会見でリトルは「電池君は無限電池で、僕は多分“気持ち”です。電池対気持ちでいいんじゃないですかね」とスタミナ勝負についてコメントしていたが、電池が気持ちを圧倒する展開に。
1R、船田がプレッシャーをかけ続け、序盤から片足タックルから倒し、立たれてもすぐ倒してサイドで押さえる。中盤以降も、船田は金網際でサイド、バックとポジションを移行しつつもコントロールし続け、休まずパウンドを当てて圧倒し、早速持ち味を発揮する。
2R、最初こそリトルが上を取りかけるが、船田は許さず上を取り、マウントからパウンドを当て、バックを取る。中盤、船田はバックキープし、パウンド、肘を随所で当てる。終盤も同様で、最後、リトルは向き直そうとしたが、船田は許さず、ツイスターを狙う形で終わる。このラウンドも船田がポイントを取る。
3Rも船田が序盤からタックルで倒し、ハーフで押さえ続ける。左のパウンドを休まず振るう場面もあるが、空振りも多い。中盤過ぎから、船田はバックマウントをキープし、裸絞めを狙いつつ、パウンドも当て、最後まで“電池”切れせず攻め続け終了。点差を広げ、船田が判定勝ちした。船田はこれでストロー級1位にランクアップが確実で、王者・黒澤への次期挑戦者筆頭となった。
大塚智貴、浜本“キャット”雄大に判定勝ち
第7試合 フライ級 5分3R
○大塚智貴(CAVE/4位、ネオブラッドトーナメント2021ストロー級優勝)
×浜本“キャット”雄大(クロスポイント大泉&TEAM CAT/9位、元Fighting NEXUS同級王者、元WPMF日本スーパーバンタム級)
判定3-0 (大藪29-28/太田29-28/渋谷29-28)
大塚は昨年3月に眞藤源太に判定勝ちし、6月に山﨑聖哉に2R KO勝ちし2連勝としたが、11月には秋葉太樹に判定負けしている。
浜本は昨年5月のパンクラス初戦ではジョセフ・カマチョに判定勝ちしたが、11月大会では眞藤源太に判定1-2で惜敗した。
1R、浜本が左ミドルを当てるが、直後に大塚が右フックを当ててひるませると、すぐさまタックルを仕掛けて金網に押し込み、抱え上げて倒す。中盤、大塚はがぶって押さえるが、バックを取ろうとしたところで浜本は脱出し、スタンドに戻す。浜本は前に出て、パンチの積極性でやや上に。終盤、大塚はタックルで倒し、すぐ浜本は立つ。最後はお互いパンチを振るって終える。僅差だがジャッジは3者とも攻める時間の長かった大塚を支持する。
2R、浜本の前手の左のフックが当たり出すように。浜本の右ローのタイミングで、大塚はタックルを仕掛けるが、浜本は突き放す。それでも再び大塚はタックルを仕掛け、金網際で背後からしがみつく。浜本が押し返すと、左膝蹴りがローブローとなり一時中断する。金子レフェリーはブレイクで再開する。終盤、またも大塚が押し込み、肘と膝の応酬となって離れて終わる。ジャッジ3名は1R同様に大塚を支持する。
3R、大塚がタックルを仕掛けるが、浜本は潰して、ようやく上になる。浜本はトップキープし、随所でパウンドを当て主導権を維持する。だが終盤、浜本の攻め手が少し止まると、大塚は下から浜本の胴体を蹴って突き放してスタンドに戻す。大塚は金網に押し込み、テイクダウンを奪い返し、バックを取って裸絞めを狙い、最後は上で押さえて終える。浜本は3Rの1ポイントを取り返すのみに留まり、大塚が判定勝ちし、フライ級上位をキープした。
ボンサイ柔術のハファエル・ヒベイロ、眞藤源太に一本勝ちしフライ級ランキング入りへ
第6試合 フライ級 5分3R
×眞藤源太(KINGCRAFT/8位)
○ハファエル・ヒベイロ[ラファエル・リベイロ/Rafael Montouro Ribeiro](ブラジル/ボンサイ柔術)
2R 2’30” 肩固め
眞藤は昨年3月に大塚智貴に判定負けしたが、6月に上田将年に判定勝ちし、11月に浜本“キャット”雄大に判定勝ちし2連勝中だ。
ヒベイロは22年5月に現UFCファイターのフェリペ・ドス・サントスに判定1-2で惜敗したが、23年7月と昨年4月の試合では1R勝利。静岡のボンサイ柔術の一員として昨年7月のパンクラスで日本デビューしたが、濱田巧に判定負けした。
1R、ヒベイロは前に出続け、眞藤の右ローのタイミングで右ストレートを当てる。ヒベイロはタックルで倒して金網際で上になる。終盤、ヒベイロはパスガードしてサイドで押さえ、眞藤の立ち際にバックに回り込み、最後はバックマウントを取って終え、ポイントを先取する。
2R、ヒベイロはタックルを仕掛けて倒すと、トップ、ハーフでコントロールした後、肩固めを仕掛けてタップを奪い完勝した。ランキング入りが確実となったヒベイロは「チャンピオンになるためにパンクラスに来ました」とマイクアピールした。
第5試合 バンタム級 5分3R
○山口怜臣[れお](タイガームエタイ/10位、ネオブラッドトーナメント2024同級優勝)
×平岡将英(KRAZY BEE/NAUGHTY HOUSE/ネオブラッドトーナメント20119同級優勝)
判定3-0 (30-26/30-27/30-27)
1R、山口が上で押さえ続け、パスガードを狙いつつ、随所でパウンドを当て、主導権を維持する。2Rも山口が序盤からタックルで倒して上になると、1R同様に押さえ続けパウンドと肘を随所で当てる。3Rも山口が上になり、中盤からはサイドで押さえ、パウンドのヒットを増やして追い詰め、よりはっきり差をつけ終了。山口が判定勝ちした。
第4試合 バンタム級 5分3R
○荒田大輝(パラエストラ八王子)
×ギレルメ・ナカガワ[Guilherme Nakagawa](ブラジル/ボンサイ柔術)
2R 0’51” TKO (レフェリーストップ:左ストレート)
※ナカガワがバンタム級+450gのリミットを100gオーバー
荒田は昨年、16名がエントリーしたネオブラッドトーナメントで決勝まで残ったが、山口怜臣に判定1-2で惜敗した。
ナカガワは昨年の格闘代理戦争に出場した選手で、9月のパンクラスでのプロデビュー戦では安藤武尊に判定負けしたが、12月の2戦目では渡邉泰斗を相手に柔術黒帯のスキルを存分に発揮し1R腕十字で一本勝ちしている。
1R、荒田がサウスポーからの左ストレートを当て、やや優位に進める。終盤、ナカガワがタックルでテイクダウンを奪い、すぐさまバックマウントを奪うと、ポジションキープしてパウンドを当て、残り30秒を切ると腕十字を仕掛ける。だが仕掛ける時間が早すぎた上、荒田はある程度このパターンを読んでいた様子で、荒田は対処して脱出する。最後、荒田がスタンドで左ストレートを当てて追い詰めて終える。ジャッジ3者とも荒田につける。
すると2R、荒田が開始すぐから左ストレートでダウンを奪う。最後は金網を背にしたナカガワに、荒田が左ストレートを連打して、防戦一方になったところでレフェリーがストップした。
マイクを持った荒田は「前回ネオブラ決勝まで行ってスプリットで負けて、滅茶苦茶悔しくて滅茶苦茶練習しました。これからバンタム級荒らしていくんで、荒田大輝のファンになってください」とアピールした。
第3試合 バンタム級 5分3R
×小原統哉(THE BLACKBELT JAPAN)
○神部篤坊[かんべ あつぼう](ABLAZE八王子)
2R 1’39” 肩固め
1R、小原がグラウンドで腕十字を狙う等、やや優位に進め、ポイントを先取する。2R、小原が下になると、足関節技を狙うが、これが裏目に。神部は防御し、ハーフガードで押さえつつ、肩固めを仕掛ける。神部がパスガードして絞め上げると、小原はタップし、神部が逆転勝ちした。
マイクを持った神部は「Fighting NEXUSから来ました神部篤坊です。とりあえず1Rで…あ、2Rか、勝ったんで、次、ランカーと組んでください」と、途中勘違いしつつもランカーとの試合を希望した。
第2試合 フライ級 5分3R
○赤﨑清志朗(香取道場)
×中村大信(Battle-Box)
1R 3’39” TKO (レフェリーストップ:スラム)
1R中盤、赤崎がスタンドの攻防で右フックを当て、中村の腰が落ちる。終盤、赤崎がタックルを仕掛けて勢いよく倒すと、中村は右肩からマットに落ちると共に、頭もマットに打ち、意識が飛ぶ。赤崎が追撃のパウンドを連打したところでレフェリーがストップした。
第1試合 フェザー級 5分3R
×松岡 拓(OOTA DOJO)
○関 翔渚[せな](BRAVE)
判定0-3 (28-29/28-29/27-30)
関はプロデビュー戦。スタンドの打撃戦が続き、僅差の競り合いとなったが、要所で強打の目立った関が判定勝ちした。