パンクラス 12.15(昼)ニューピア(レポ):鈴木悠斗、1R TKO勝ちしデビュー6連勝・5連続KO「ランカーが試合断ったんで僕が実質チャンピオン」。栁川唯人、緊急メインで1R TKO勝ちし王座戦希望
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PANCRASE 350
2024年12月15日(日)東京・ニューピアホール
レポート&写真:井原芳徳
栁川唯人、緊急メインイベントで1R TKO勝ちし「来年タイトルマッチやらせてください」
第6試合 メインイベント フェザー級 5分3R
×名田英平[ようへい](コブラ会/8位、ネオブラッドトーナメント2019同級優勝)
○栁川唯人(K-PLACE/10位、ネオブラッドトーナメント2023同級優勝)
1R 3’21” TKO (レフェリーストップ:グラウンドパンチ)
2024年のパンクラスを締めくくる12月のニューピアホールでの昼夜大会。昼の部ではバンタム級王者の透暉鷹がカリベク・アルジクル ウルルを相手に防衛戦を予定していたが、透暉鷹の怪我により延期となり、前日計量では同級のオタベク・ラジャボフの計量オーバーで田嶋椋戦が中止となる。主要2試合が消滅するという危機的状況の中、昨年・今年のネオブラッドトーナメント優勝者を中心とした新鋭の躍動が光る大会となった。
名田は昨年後半、Ryoとキム・サンウォンに判定負けし、今年も2月に三宅輝砂にTKO負け、7月にシュウジ・ヤマウチに一本負けし4連敗中だ。栁川は昨年のネオブラで優勝し、年末の横浜大会ではRyoと好勝負を繰り広げるも一本負け。手術を経て9月の糸川義人戦で判定勝ちし、今回復帰2戦目だ
1R、右ローの相打ちとなり、名田がスリップし、栁川は上になるが、足関を狙いにいくと、名田に防御されスタンドに戻る。だが栁川は押し込んでからテイクダウンを奪う。名田に返されても下から栁川はギロチンを狙いつつ、返してバックを取る。栁川はマウントとバックの中間の状態をキープすると、パウンドを当て続け、最後はレフェリーがストップした。勝った栁川はバック宙で喜びを表現した。
マイクを持った栁川は「メイン二つ飛んで急きょメイン任せてもらいありがとうございます」と話し、チームメイトや関係者に感謝の言葉を述べた後「復帰戦2つ勝って、勝ち方悪くないでしょう。来年タイトルマッチやらせてください」とアピールした。
鈴木悠斗、小川道的に1R TKO勝ちしデビュー6連勝・5連続KO「ランカーが断ったんで僕が実質チャンピオン」
第5試合 コーメインイベント ライト級 5分3R
○鈴木悠斗 (パラエストラ八王子/12位、ネオブラッドトーナメント2024同級優勝)
×小川道的[どうてき](柔術兄弟/ALIVE伊勢支部)
1R 1’50” TKO (レフェリーストップ:グラウンドパンチ)
鈴木は5戦全勝、4連続KO勝ちの19歳。5月のニューピア大会で15秒KO勝ちし、ネオブラッドトーナメント・ライト級優勝を果たしてランキング入り。7月の立川大会では12位で元ZST王者の平信一の寝技をしのいで2RパウンドでTKO勝ちした。11月10日のニューピア大会では同級6位で元修斗世界王者の松本光史との試合が組まれたが、松本の練習中の怪我により中止となり、1カ月後の大会に鈴木の試合が用意された。
小川は三重在住の34歳。MMA 21戦11勝8敗2分。柔術をベースとし、パンクラスには16~20年に大阪大会中心に出場し5戦2勝3敗。20年9月には葛西和希に判定負け。最近では昨年7月のGRACHAN大阪大会で、後にGRACHANの暫定王者となる林 RICE 陽太に13秒飛び膝蹴りでKO負けしている。今年3月にはInstagramで三重に本山のある浄土真宗高田派の僧侶になったことを報告しつつ「格闘家としてこれからも殴ったり蹴ったりしながら生きていきます。生活習慣も今まで通りです」と記していた。
試合は鈴木がパワフルな攻めで小川を圧倒することに。1R、鈴木は開始すぐからパンチを積極的に振るうと、小川はかわしつつ、組み付いて金網に押し込む。だが鈴木は払い腰で豪快に投げ倒すと、上になり、下からくっつく小川を振りほどきパウンドを連打する。小川は立とうとしてタックルを仕掛けたが、鈴木は潰してさらにパウンドを当て続け、小川が防戦一方になったところでレフェリーがストップした。
鈴木はこれでデビュー以来の連勝を6に伸ばし、5連続KO勝ちに。マイクを持った鈴木は「11月の試合が無くなって、今回試合を組んでもらったんですけど、ランカーが断ったんで、これで僕が実質チャンピオンです」とアピールした。
鈴木同じくネオブラ優勝の敢流も快勝「その辺の中途半端な格闘家とは違う」
第4試合 フェザー級 5分3R
×岡田拓真(リバーサルジム横浜グランドスラム/12位)
○敢流[いさな](パンクラス大阪稲垣組/13位、ネオブラッドトーナメント2024同級優勝)
2R 0’54” TKO (レフェリーストップ:グラウンドパンチ)
1R、敢流は岡田のタックルを切り続け、右カーフキック、左ジャブを的確に当てて主導権を握る。中盤、敢流が岡田を金網に押し込み、終盤、岡田が押し返すが、お互いテイクダウンを奪えず、目立つ打撃もないまま終わる。記者採点は打撃が優勢だった敢流。ジャッジは1者のみ敢流を支持し、2者は岡田を支持する。
すると2R、敢流が左ジャブを当てた後、右ハイを当てて岡田をダウンさせる。敢流は岡田を押さえてパウンドを当て続け、最後は梅田レフェリーがストップした。
マイクを持った敢流は「今の格闘技界はネットとかSNSで注目浴びたりしていますが、僕は実力だけで上がっていくんで。その辺の中途半端な格闘家とは違うんで、注目してもらえたらと思います」とアピールした。
柔術黒帯の岸田宙大&ギレルメ・ナカガワが寝技で持ち味発揮し勝利
第3試合 フライ級 5分3R
×菅 歩夢(THE BLACKBELT JAPAN/バンタム級10位、ネオブラッドトーナメント2023年同級優勝&MVP)※宇留野道場から所属変更
○岸田宙大[ひろと](パンクラス大阪稲垣組)
判定1-2 (渋谷29-28/中島28-29/荒牧28-29)
菅は昨年のネオブラ優勝者で、今年7月の大阪大会で試合が組まれたが左目の網膜剥離により欠場していた。今回から千葉のTHE BLACKBELT JAPANに移籍し初戦となる。岸田は柔道をベースとしつつ柔術黒帯を持ち、今年のネオブラでは2勝して9月の決勝に進んだが山崎蒼空に判定負けしている。
1R、岸田が2度目のタックルで倒すと、すぐさまバックを奪い、裸絞め、腕十字、三角絞めを次々と狙って、菅を追い詰める。中盤、菅は脱出し、スタンドで右ミドルを当てる場面もあったが、終盤はグラウンドが続き、菅が上になったまま終える。記者採点は岸田。ジャッジは2者が順当に岸田を支持したが、1者は意外にも菅を支持する。
2R、菅は右ストレートを当てて岸田をダウンさせる。岸田のダメージは小さいが、タックルを仕掛けると潰されて下になる。岸田はトップキープするが、その先はなく、岸田が足関を狙って菅を離れさせ、スタンドに戻す。その後はお互いグラウンドで上を取ったり、サブミッションを狙うが、岸田は極めに近い状態には至らず、マットに背中をつける時間が長く、印象を悪くする。記者採点もジャッジ3者も菅。
3R、岸田はタックルを潰されて下になる。岸田は腕十字を極めて追い詰めるが、菅は間一髪で脱出する。その後も岸田がグラウンドで主導権を握り、バックを取り、裸絞め、ギロチン、三角絞めを狙う。岸田は休まず次々と技を出すが、スタミナ消耗の影響で詰め切れず。だが菅もバテており、防戦が続き、最後は上で押さえるが反撃できず終了。記者採点もジャッジ3者も岸田。合計28-29で岸田。ジャッジは割れたが2者が順当に岸田を支持し、岸田が判定勝ちした。
第2試合 63kg契約 5分3R
○ギレルメ・ナカガワ[Guilherme Nakagawa](ブラジル/ボンサイ柔術)
×渡邉泰斗(サツキジム横浜)
1R 2’20” 腕ひしぎ十字固め
1R、スタンドで渡邉が左フックを当てたが、柔術黒帯のナカガワがタックルで倒すと、金網際ですぐさまバックを取る。ナカガワは裸絞めを狙いつつ、腕十字に移行してクラッチを切り、最後はアームロックに近い形で極めてタップを奪い完勝した。
時田隆成、2戦目はベテラン砂辺光久を粉砕
第1試合 フライ級 5分3R
×砂辺光久(reversaL Gym OKINAWA CROSS×LINE/元パンクラス・ストロー級・フライ級・スーパーフライ級王者)
○時田隆成(トライフォース東中野)
2R 4’46” TKO (レフェリーストップ:グラウンドパンチ)
砂辺は45歳。19年7月に北方大地にTKO負けし、ストロー級王座から陥落。その後はRIZINで前田吉朗、中務修良に敗れ、今年4月のパンクラス立川大会に2年ぶりの試合の臨んだが、前田浩平に判定負けし5連敗中だ。
時田は25歳。中央大学時代にレスリングの東日本選手権で優勝。9月の立川大会でプロMMAデビューし齋藤楼貴に判定勝ちしている。
試合は時田の完勝に。1R、時田が序盤から片足タックルで倒すと、金網際でパスガードしてバックを取り、裸絞めを狙い続けつつ、度々パウンドを当てて追い詰める。ジャッジ3者とも9-10で時田を支持したが、8-10に近いぐらいの追い詰め方だ。
2R、時田がまたもタックルで倒し、バックを取ると、パウンドをコツコツと当て続ける。残り1分を切り、時田はパウンドを増やし、最後は肘を連打したところで島村レフェリーがストップした。
マイクを持った時田は「これからフライ級をもっと盛り上げて僕がトップになります」と宣言した。
パンクラス 12.15(夜)ニューピアホール(レポ):三宅輝砂、パンクラス5連勝の平田直樹を72秒で粉砕しフェザー級王者に。猿飛流、2年ぶりパンクラスはジョセフ・カマチョに逆転一本負け