パンクラス 5.25 ニューピアホール(レポ):葛西和希、ROAD TO UFC出場の丸山数馬に一本勝ち。RIZIN帰りの押忍マン洸太、「新しいスタイル」で村山暁洋に判定勝ち。パラエストラ八王子の18歳・鈴木悠斗、15秒KO勝ちでネオブラ・ライト級制す
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PANCRASE 343
2024年5月25日(土) 東京・ニューピアホール
レポート:井原芳徳
葛西和希、ROAD TO UFC出場の丸山数馬に一本勝ち
第16試合 メインイベント ライト級 5分3R
○葛西和希(マッハ道場/4位)
×丸山数馬(Tri.H studio/9位、ネオブラッドトーナメント2015ウェルター級優勝)
2R 4’00” 裸絞め
葛西は28歳。昨年4月に粕谷優介に判定負けしたが、9月に松岡嵩志に判定勝ちし、今年2月の大阪大会では木村俊也を左ジャブ主体で追い詰め2R TKO勝ちしている。
丸山は31歳。20年12月以降、パンクラスで押忍マン洸太、平信一、伊良波心相手に3連勝。昨年前半は海外で連戦し、3月にカナダのBTCで地元カナダの選手に判定負けし、5月のROAD TO UFCではキム・サンウクに1Rダースチョークで一本負け。11月にパンクラスに戻り、平との再戦で判定勝ちし、ランキングに復帰した。
3月大会では雑賀“ヤン坊”達也がアキラを1R KOしてライト級王者となっており、葛西と丸山も次期挑戦者争いで浮上する上で落とせない試合となる。
1R、葛西が右ストレートを当てると、丸山はタックルを仕掛けて倒し、すぐ立った葛西を金網に押し込む。だが膠着状態が続き、残り2分のタイミングで島村レフェリーがブレイクする。すると終盤、葛西が待ってましたとばかりに左ミドルを当てると、またも丸山がタックルを仕掛けたが、葛西は押し返し、両脇差しから抱えて倒し、背後から右のパウンドを連打する。丸山に立たれても、すぐに組み付いて押し込み続ける。最後、離れ際に葛西がパンチを連打すると、丸山がタックルで抵抗し、葛西は切って終える。記者採点は葛西。
2R、お互いパンチ、カーフを当て、中央付近での打撃戦が続く。中盤、またも丸山からタックルを仕掛けるが、これも葛西が切る。またも金網際での膠着状態が続くが、終盤、葛西は「オーイ」と自分で声をあげながら、左右の膝をボディに連打してから、両脇差しの状態で振り回してテイクダウンを奪う。葛西がサイドで押さえると、丸山は体をひねって脱出して、葛西を押し込むが、またも葛西は両脇差しから倒すと、今後はすぐにバックに回り込み、裸絞めを極めてタップを奪った。
マイクを持った葛西は「次、久米さんか天弥君、空いてるほうと試合したいです」と、1位で元王者の久米鷹介 5位の天弥との試合を希望し、「自分も世界で戦っていけるような一人になりたいと思っているんで、これからも応援お願いします」と、ROAD TO UFCに出た丸山と雑賀を意識するようなアピールをした。
なお、葛西は今大会のベストフィニッシュ賞(サブミッション)をパンクラスから獲得している。
RIZIN帰りの押忍マン洸太、「新しい自分のスタイル」で村山暁洋に判定勝ち
第15試合 コーメインイベント ウェルター級 5分3R
○押忍マン洸太(DESTINY JIU-JITSU/2位)
×村山暁洋(暁道場/4位・元王者、元修斗環太平洋王者)
判定3-0 (出口29-28/大藪30-27/松井30-27)
押忍マンは30歳。昨年6月大会で藤田大に2Rアンクルロックで一本負け。9月大会では川中孝浩に1R右ハイキックでKO勝ちし、同大会のベストKO賞を獲得した。福岡出身のため、今年2月のRIZIN佐賀大会に抜擢されたが、元パンクラス&DEEPウェルター級王者の阿部大治にわずか95秒でKO負けした。
村山は44歳。昨年6月大会の王座決定戦で林源平と対戦し、ジャッジ3者とも45-50とつける内容で判定負けして以来、約1年ぶりの試合となる。
試合は押忍マンが手堅い試合運びで勝利を物にすることに。1R、両者スタンドで左の前手主体のフェイントをかけ合い、探る状態が続く。その中で押忍マンが、単発ながらも右ストレートや左ミドルを当て、若干優位な状態を維持する。終盤、村山がスリップし、押忍マンが上になって、キープして終える。記者採点は押忍マン。
2R、押忍マンが右の顔面狙いのストレート、ボディストレート、カーフキックを随所でヒットし、じわじわとダメージを与える。時折サウスポーにもスイッチする。記者採点は押忍マン。
3R、押忍マンがサウスポーからの左ストレートを連打するが、村山も左ローのフェイントから左フックを当てると、村山は一気に前進し追撃を狙う。押忍マンは距離を取って追撃を封じてから、パンチを振って前に出たが、村山はタックルで組み付いてから、大外刈りで倒し、一気にマウントを奪い形勢逆転する。しかし村山は乗り過ぎてしまい、押忍マンがブリッジであっさりと脱出して上になる。押忍マンはトップキープし、村山は下から押忍マンの腕をつかんで防御を続け、膠着状態が続く。終盤も押忍マンが上で押さえ続けるが、村山はアームロックを仕掛けながらリバースに成功する。村山は必死にアームロックを狙い、最後はバックを取ってから腕十字を狙うが、押忍マンが逃げ切り終了する。記者採点は村山。合計29-28で押忍マン。ジャッジ3者も押忍マンを支持し、押忍マンが判定勝ちした。
勝った押忍マンはマイクを渡され「すみません。今日は勝つことを優先しました。これが新しい自分のスタイルなんで、今後も応援してくれたら」と話した。
浜本“キャット”雄大、パンクラス初戦は判定勝ち
第14試合 フライ級 5分3R
○浜本“キャット”雄大(クロスポイント大泉/元Fighting NEXUS同級王者、元ムエタイWPMF日本スーパーバンタム級(55.3kg)王者)
×ジョセフ・カマチョ(米国/スパイク22)
判定3-0 (荒牧30-27/大藪30-27/松井29-28)
浜本はムエタイのWPMFの元日本王者で20年にMMAデビュー。22年はNEXUSで4戦全勝し、11月に平井総一朗に2R TKO勝ちしNEXUSフライ級王者となった。昨年5月のRIZINではラマザン・テミロフに1R TKO負け。8月のNEXUSではパンクラスの元ランカーの荻窪祐輔とのノンタイトル戦で判定負けし、年末に王座を返上していた。パンクラスに初出場する。
カマチョはMMA 8戦6勝2敗の32歳。カイル・アグオンと同門の選手で、昨年7月にパンクラスに初参戦し前田浩平に判定勝ちしたが、フライ級+1ポンドのリミットを650gオーバーしていた。その後10月のLFAでは2R肩固めで一本負けしている。
1R、浜本が組んで来るカマチョのボディに、ムエタイ仕込みの左右の膝蹴りを的確に何発も当てて追い詰める。カマチョは度々フラつくが、なんとかラウンド終了まで耐えきる。
2R、サウスポーのカマチョが序盤から前に出て左ストレートを当て、タックルを仕掛けて倒す。だがすぐ浜本は立ち、またも膝蹴り地獄でカマチョを苦しめる。だが顔面攻撃が少ないせいもあってか、なかなかフィニッシュには持ち込めない。
3R、カマチョは序盤からパンチを連打し、テイクダウンを奪い、バックを取りかける。だがこれも浜本が対処し、、またも立ってつかんでボディに膝を当て続ける展開に戻す。とはいえヒットが減ると、残り1分、カマチョが倒して上で押さえる。浜本は下からしがみついて耐えて終える。ジャッジ3者とも浜本を支持し、浜本がパンクラス初戦を白星で飾った。
合島大樹、6年ぶり復帰戦でTKO勝ち
第13試合 バンタム級 5分3R
○合島大樹(roots)※GUTSMANから所属変更
×小原統哉(THE BLACKBELT JAPAN)※小原とうや 改め
2R 3’31” TKO (レフェリーストップ:グラウンドパンチ)
合島は37歳。かつてCORO、藤井伸樹、TSUNE、金太郎とも戦ったことのある選手で、18年11月に原田惟紘にTKO勝ちして以降、試合をしていなかったが、佐藤ルミナ率いるrootsに移籍し、6年ぶりに復帰する。
小原はMMA 5戦4勝1敗の19歳。昨年8月のネオブラ準決勝で菅歩夢に一本負けしたが、その後は上野惇平に判定勝ちし、2月の上野との再戦ではギロチンで秒殺勝利している。
合島のセコンドにはルミナ氏がつく。1R、合島が小原に倒された後、返して上になる。下になった小原がアームロックを仕掛けるが、合島は完全に極められる前に脱出する。終盤、スタンドに戻ると、小原が左右のパンチで合島を下がらせ、最後も下から腕十字を狙って終える。ジャッジ3名とも小原につける。
2R、小原がサウスポーからの右ジャブ、左フック等を当て、合島にダメージを与える。だが合島が右テンカオを当てると、小原は攻め疲れもあってか勢いが落ち、タックルを仕掛けるが簡単にかわされる。すると合島がじりじりと小原を下がらせ、右ストレートをヒットする。さらに小原のタックルを合島が切ると、左右のパンチ連打からの右テンカオでダウンさせ、パウンドで追い打ちをかけフィニッシュした。
マイクを持った合島は「久しぶりの非日常って感じで、辞めるに辞めれないですね。GUTSMANの先輩の村山さんにつなげられて良かったです。子供生まれたんで、続けるか奥さんと相談します」と話した。
なお、この一戦が今大会のベストバウト賞にパンクラスから選ばれている。
パラエストラ八王子の18歳・鈴木悠斗、15秒KO勝ちでネオブラ・ライト級制す
第12試合 第30回ネオブラッドトーナメント ライト級 決勝戦 5分3R
×原田直人(コブラ会)
○鈴木悠斗(パラエストラ八王子)
1R 0’15” KO (左フック)
※鈴木が優勝
鈴木は18歳。中学生からキックボクシングを始め、高校1年でパラエストラ八王子に入り、昨年7月のプロデビューから3戦3勝、2連続1R TKO勝ち中。3月のネオブラ一回戦でもクリスを粉砕し、決勝でもその勢いのまま圧勝することに。
1R、開始まもなくから原田が詰め、右カーフキックを当てるが、鈴木がすぐに左ジャブを振りつつ前に詰め返し、左右のワンツーでストレートを叩き込むと、下がった原田に対して、右フックと左フックを4連打する。倒れながらもらった原田はうつぶせで倒れ、梅田レフェリーがすぐさまストップした。
マイクを持った鈴木は「今日、高木(凌)先輩が見に来てくれているんで、いいKOを届けられたんじゃないかと思います。これから自分、世界に行くんで、応援お願いします」とアピールした。
なお、鈴木は今大会のベストフィニッシュ賞(KO)をパンクラスから獲得している。
第11試合 第30回ネオブラッドトーナメント ストロー級 決勝戦 5分3R
×織部修也(CAVE)
○船田侃志[かんじ](和術慧舟會HEARTS)
判定0-3 (27-30/27-30/27-30)
※船田が優勝
3Rともに、船田がグラウンドでバックを取りコントロールを続け主導権を握り、ポイントを奪い判定勝ちした。
第10試合 第30回ネオブラッドトーナメント フェザー級 準決勝 5分3R
○敢流[いさな](パンクラス大阪稲垣組)
×沢木純也(SUBMIT MMA)
3R 3’15” TKO (レフェリーストップ:グラウンドパンチ)
第9試合 第30回ネオブラッドトーナメント フェザー級 準決勝 5分3R
○望月貴史(BRAVE)
×石塚将也(DIARIO)
判定3-0
第8試合 第30回ネオブラッドトーナメント バンタム級 2回戦 5分3R
○山口怜臣(タイガームエタイ/ALIVE)
×宮下 将(UNITED GYM TOKYO)
判定3-0
第7試合 第30回ネオブラッドトーナメント バンタム級 2回戦 5分3R
○宮城成歩滝[なほる](ストライプル新百合ヶ丘)
×寺本雄輝(パラエストラ西東京)
2R 2’00” TKO (レフェリーストップ:スタンドパンチ連打)
第6試合 第30回ネオブラッドトーナメント バンタム級 2回戦 5分3R
○白井誠司(和心會)
×梅原規祥(リバーサルジム武蔵小杉 所プラス)
判定3-0
第5試合 第30回ネオブラッドトーナメント バンタム級 2回戦 5分3R
○荒田大輝(パラエストラ八王子)
×目怒頑丈[めど がんじょう](T-BLOOD)
2R 4’41” 裸絞め
第4試合 第30回ネオブラッドトーナメント フライ級 準決勝 5分3R
○岸田宙大[ひろと](パンクラス大阪稲垣組)
×金澤臣人(リバーサルジム横浜グランドスラム)
判定3-0
第3試合 フェザー級 5分3R
×加藤泰貴(和術慧舟會HEARTS)
○タカリンダマン(RODEO STYLE)
2R 4’20” TKO (レフェリーストップ:グラウンドパンチ)
第2試合 バンタム級 5分3R
○渡辺謙明(パラエストラ東京)
×中村大信(Battle Box)
判定3-0
第1試合 フライ級 5分3R
○水戸邉荘大(TRIBE TOKYO MMA)
×西塚丈人(パラエストラ八戸)
1R 2’14” KO (バスター)