パンクラス 7.21 立川ステージガーデン(レポ):伊藤盛一郎、タジキスタン新鋭を3Rで仕留めフライ級王座初防衛。杉山しずか、重田ホノカに1R一本勝ちし女子フライ級王者に。18歳の鈴木悠斗、4連続KO勝ち。濱田巧、MMA転向後5連勝
MARTIAL WORLD PRESENTS GYM VILLAGE
中野トイカツ道場
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PANCRASE 346 ~ PANCRASE 30周年記念大会 Vol.5
2024年7月21日(日) 東京・立川ステージガーデン
レポート:井原芳徳 写真提供:(C)PANCRASE
伊藤盛一郎、タジキスタン新鋭を3Rで仕留めフライ級王座初防衛
第14試合 メインイベント キング・オブ・パンクラス・チャンピオンシップ フライ級 5分5R
○伊藤盛一郎(リバーサルジム横浜グランドスラム/ZST/王者、元ZST同級王者)
×ムハンマド・サロハイディノフ[サロヒディノフ][Muhammad Salohidinov](タジキスタン/カトランジム/1位、IMMAF 2022 世界選手権フライ級優勝)
3R 1’12” 裸絞め
※伊藤が初防衛
1993年9月21日に旗揚げ大会の行われたパンクラスは、30周年記念大会を昨年9月から4回開催し、ファイナルとなる今大会では2階級のチャンピオンシップが組まれた。王座戦の前の試合含め好勝負が続き、31年目のパンクラスへの期待の高まる大会となる。
伊藤は30歳。長年ZSTの主力選手として活躍し、RIZINにも並行参戦し、20年8月に神龍誠に敗れるも好勝負を展開した。22年12月にパンクラスに初参戦すると、当時フライ級2位の上田将竜に2R裸絞めで一本勝ち。昨年6月には当時4位の秋葉太樹も1R裸絞めで仕留めた。12月の横浜武道館大会でのフライ級暫定王者決定戦でも、有川直毅に2R裸絞めで一本勝ちし、3戦目でベルトを巻いた。鶴屋怜がRoad To UFCで優勝しUFCとの契約を勝ち取ったため今年4月に王座を返上し、伊藤が正規王者に格上げとなり、今回の初防衛戦で強敵を迎えた。
サロハイディノフは22歳。中央アジアのタジキスタン出身で、レスリング能力と豊富なスタミナが強み。パンクラスも協力しているIMMAFアマチュアMMA世界大会で2022年に優勝するなど、アマで経験を積み、昨年9月、日本のパンクラスでプロデビューすると、秋葉を圧倒して2R TKO勝ち。これでフライ級5位にランクインすると12月の横浜大会では、当時8位の松井斗輝から度々タックルでテイクダウンを奪ってコントロールし判定勝ちした。現在1位で、今回、3戦目で王座挑戦のチャンスが巡って来た。
5月の会見で伊藤は「Road To UFCにエントリーして通らなかったんですけど、ここで負けているようじゃRoad To UFCに行ってもダメだっただろうし、世界に出ても勝てないと思うし、ここでしっかり勝って、グランドスラムから世界で戦える選手になりたいです」と話した。また試合前日の調印式では「所(英男)さんの(7月28日の超RIZINのヒロヤとの)試合が同じ時期に決まって、寝技の強い所さんとずっとスパーリングをしてきました。田中路教先輩とは何十ラウンドやったかわからないぐらいスパーリングばっかりやってきました。日本であそこまでレスリングが強い選手はいないので、ノリ先輩とやってきたので大丈夫だという自信があります」と話していた。
試合はそんな伊藤の高いモチベーションと鍛錬の成果が存分に発揮される内容に。1R、伊藤はスピーディな動きから左ジャブを立て続けにヒットすると、胴タックルを仕掛け、30秒足らずでテイクダウンに成功する。伊藤は押さえつつ腕十字を狙い、横三角絞めで捕獲する。サロハイディノフはそのまま立ち上がり、肩で抱え上げてからマットに落とそうとするが、伊藤は落とされる前に解除して自ら下に落ちる。すぐにサロハイディノフは組み付いて、伊藤を金網に押し込む。開始1分で目まぐるしく試合が動く。
中盤、サロハイディノフが胴タックルから倒そうとするが、伊藤は倒れながら腕をつかんでアームロックを狙い、腕十字に移行する。するとクラッチが切れて伸びかけるが、サロハイディノフは体をひねって外し、再び伊藤にしがみつく。終盤、サロハイディノフが上になるが、伊藤は下から足を登らせ、リバーサルに成功すると、今度はヘッドシザースとアームロックを同時に仕掛ける。これもサロハイディノフが対処し、またも背後からしがみついて押し込むが、伊藤はその先を許さず終える。記者採点もジャッジ3者も伊藤。
2R、伊藤が右ローを当てると、サロハイディノフはタックルを仕掛けて倒して金網際で押さえる。中盤、サロハイディノフがバックを取りに行き、振り落とされるが、すぐ立って押し込み、タックルを仕掛けてコントロールする。伊藤はギロチンを狙う場面もあるが、1Rのように繰り返しサブミッショントライはできず、やや防戦気味に。終盤、離れると、伊藤が左アッパーを当てるが、またもサロハイディノフはタックルを仕掛けて倒して押さえ込む。だが残り1分を切ると、脱出した伊藤はすぐにサロハイディノフのバックに回り込み、足4の字で捕獲し、裸絞めを狙い、肘やパウンドも当てて追い詰め、攻勢を印象付けて終える。記者採点もジャッジ3者も伊藤。
すると3R、伊藤が勝負に出る。サロハイディノフが首相撲で捕まえて膝を放つと、そのタイミングで伊藤が逆に首投げでサロハイディノフを倒す。伊藤ははハーフで押さえると、サロハイディノフがもがいたところでバックに回り込み、足4の字で捕獲してから裸絞めを極め、最後は絞め落として一本勝ちした。
伊藤はパンクラス参戦後4試合全て裸絞めによる一本勝ち。ベルトを巻きマイクを持った伊藤は「12月、暫定王者ですけどベルト取れて、決定戦やらずに正規王者になってしまって、スッキリしなかったんですけど、強い海外のランキング1位の選手をしっかり仕留めて勝てたんで、これでちゃんと第9代フライ級チャンピオンって名乗っていいですかね」と話すと、場内は拍手で包まれた。
さらに伊藤は「カナダから自分の父親が見に来てくれて。うちは色々あって父親と一緒に暮らせなくて、コロナのこととかもあって7年ぶりに日本帰ってくると連絡あって、今日来てくれて、家族全員揃うの最初で最後かもしれないんで、みんなで一緒に写真撮っていいですかね」と話し、最後は5月に結婚を発表したK-1女子アトム級王者の菅原美優も加わって記念撮影した。
杉山しずか、重田ホノカに1R一本勝ちし女子フライ級王者に
第13試合 コーメインイベント キング・オブ・パンクラス・チャンピオンシップ 女子フライ級 5分5R
×重田ホノカ(THE BLACKBELT JAPAN/王者)※初防衛戦
○杉山しずか(リバーサルジム新宿Me,We/1位)
1R 2’40” フロントチョーク
※杉山が王者に
女子フライ級の新鋭とベテランの注目対決が実現した。重田はMMA 4戦全勝の20歳。昨年4月のパンクラス立川大会でプロデビューし、高本千代に判定勝ち。8月の品川大会ではソン・ヘユンに1R腕十字で一本勝ちし、11月にはフライ級でライカに判定勝ち。適性階級はストロー級だが、3月31日の立川大会では女子フライ級王者の端貴代に判定勝ちしベルトを獲得した。
だがパンクラスが王座戦で義務付けているドラッグテストの結果、端と重田の両選手とも興奮剤のエフェドリンの陽性反応が確認され、重田には100日間のサスペンド(出場停止)とファイトマネーの20%返却のペナルティが科された。サスペンド明けから約10日のタイミングで初防衛戦を行う。5月のDEEP JEWELSでの中井りんのDEEP JEWELSフライ級王座防衛戦の相手の栗山葵の欠場が発表された際には、重田が対戦に名乗りを上げたことでも話題になっていた。
杉山は30戦22勝7敗1分の37歳。大学生時代に空手道禅道会に入門し、08年にプロMMAデビュー。長年DEEP JEWELSを主戦場とし、17年と18年にはRIZINで渡辺華奈と対戦しいずれも敗れている。22年にはDEEP JEWELSフライ級GPに出場し、初戦ではミッコ・ニルバーナに判定勝ちしたが、決勝では中井りんに1R一本負けし、王座を逃した。今年3月のパンクラスで2年ぶりに復帰し、ランカーのライカに判定勝ちしランキング入りし、2戦目で早速王座に挑んだ。
杉山は半月前の調印式で、自身を“スーパー挑戦者”を表現して格の違いを静かにアピールし「今回は怪我が無いので、もう少し組みの展開と、MMAをもう少しして、一本取りに行けるかなと」と話していた。試合はその言葉通り、経験差を見せつけてしっかり一本を取ることに。
1R、両者サウスポーで構え、杉山が左ロー、カーフを序盤から的確に当てる。中盤、重田が左ハイを軽く放つと、杉山が蹴り足をつかみ、重田は足を引き抜いてから片足タックルを仕掛けて倒し、サイドポジションを奪う。このあたりの攻めは重田の能力の高さを感じさせるものだったが、杉山はすぐに体を起こして重田の足をつかみに行き、リバーサルに成功する。重田はすぐ立って杉山にトップキープさせず、杉山を金網に押し込み、片足タックルで倒そうとする。だが杉山は首を抱えながら対処すると、じわじわとニンジャチョークの形に持ち込む。杉山が絞め上げると、重田が座った状態になり、杉山が上から押さえつけるように絞め続け、重田が落ちたところで寶田智美レフェリーがストップ。杉山の勝利となった。
ベルトを巻いた杉山は「ここまで来るの簡単じゃなかったです。何年やってるかわからないですけど。重田選手マジで怖かったです。あんなに若くて勢いのある選手とやれて本当にありがとう。でもまだまだ越えられない壁になれて良かったです。藤野(恵実)さんみたいに山脈のようになりたいです。(息子の)コウちゃんやったよ」と話した。最後は夫の中村K太郎、息子、Me,Weの山崎剛代表、東よう子と記念撮影した。
18歳の鈴木悠斗、デビュー4連続KO勝ち
第12試合 ライト級 5分3R
×平 信一(綱島柔術/ZST/12位、元ZSTライト級王者)
○鈴木悠斗(パラエストラ八王子/14位、ネオブラッドトーナメント2024同級優勝)
2R 1’28” TKO (レフェリーストップ:グラウンドパンチ)
鈴木は4戦全勝、3連続1R KO勝ちの18歳の新鋭。5月25日のニューピア大会で15秒KO勝ちし、ネオブラッドトーナメント・ライト級優勝を果たしてランキング入りし、早速パンクラスのレギュラー選手の平との試合が組まれた。平は昨年11月の丸山数馬戦、3月の神谷大智戦と2連敗中だ。
1R、開始すぐからお互い前に出て、平が片足タックルで倒して、中央付近で上で押さえる。だが鈴木は体を起こして下から平の左腕をつかんで、アームロックを仕掛けながらリバースして、サイドを奪う。鈴木は一旦アームロックを解除するが、今度は平の右腕にアームロックを仕掛ける。これも対処されれば、すぐにバックを取りに行く。鈴木は裸絞めを狙うが、足のロックが不十分なため、平は体をひねって脱出してサイドを奪い返す。終盤、平がサイドで押さえ続け、主導権をキープし、時折細かくパウンドを当てるが、インパクトの薄い状態が続く。すると終了間際、鈴木が脱出し、右ストレートを大振りし、かわした平が後ろにスリップして終える。記者採点もジャッジ3者も鈴木。
2R、開始すぐから平が突進すると、鈴木が対処して潰して上になる。平は下から足を取りに行くが、鈴木はハーフで押さえて極めを許さない。すると鈴木は右肘、パウンドを連打する。平は苦しみつつ、足を登らせ鈴木の右腕をつかんで三角絞めを仕掛け、逆転のチャンスを引き寄せる。しかしわずかにポイントがズレると、鈴木が腰を上げつつ体をひねって引き抜く。平がまたも鈴木の足を取ろうとして背中を向けてしまったところで、鈴木が左右のパウンドを連打する。平が亀になって防戦一方になったところで、小池レフェリーがストップした。
マイクを持った鈴木は「今回初めての本戦で、大先輩の平さんが相手でしたけど、途中、三角とか取られて危なかったんですけど、なんとか気合で勝てました。ありがとうございます。MMAやりたいなら塩田GOZOさんの元でやりましょう。パラエストラ八王子、待ってます」とアピールした。
濱田巧、ボンサイ柔術のリベイロとの激闘制しMMA 5戦無敗に
第11試合 フライ級 5分3R
○濱田 巧(THE BLACKBELT JAPAN/2位、ネオブラッドトーナメント2022同級優勝)
×ラファエル・リベイロ[ハファエル・ヒベイロ/Rafael Montouro Ribeiro](ブラジル/ボンサイ柔術)
判定2-1 (廖28-29/出口29-28/荒牧29-28)
濱田は29歳。良太郎代表のteam AKATSUKI出身の元キックボクサーで20試合以上戦い、KNOCK OUTで花岡竜と王座を争った経験もある。22年のパンクラスのネオブラッド・トーナメントでMMAデビューし、フライ級で2勝して優勝。左膝の手術を経て、昨年11月の大塚智貴戦で復帰し判定勝ち。3月の立川大会では山崎聖哉に3R TKO勝ちしている。大塚戦では寝技の成長を印象付け、山崎戦では打撃の破壊力で印象付け、着々とフライ級王座に近づいている。
対するヒベイロはMMA 10戦7勝(1KO/3一本)3敗の26歳。16年にプロデビューし、ジャングルファイト等のブラジルの大会で試合を重ねてきた。22年5月に現UFCファイターのフェリペ・ドス・サントスに判定1-2で惜敗したが、昨年7月と今年4月の試合では1R勝利。静岡のボンサイ柔術の一員として日本デビューする。
リベイロのセコンドには先輩のホベルト・サトシ・ソウザとクレベル・コイケがつく。1R、濱田がリベイロを金網に押し込むが、リベイロは右脇を差して押し返して倒す。リベイロはバックを奪い、裸絞めを狙うが、濱田はアゴ下に腕を入れさせず対処する。濱田が立っても、リベイロはしつこく組み付いてコントロールする。終盤、ようやく離れると、濱田は右フック、左ミドル、ボディをヒットする。濱田はバッティングをもらい右まぶたをカットするが、変わらずプレッシャーをかけ、左三日月蹴りを立て続けに当てて効かせて好印象を作る。記者採点は濱田。ジャッジは3者ともリベイロにつける。審判団はバックチョークで攻めたリベイロを高評価し、濱田の右まぶたのカットを有効打によるものとみなした可能性がある。
2R、リベイロは打撃を嫌ってか開始すぐからタックルを仕掛けて、濱田にしつこく組み付く。だが濱田は首相撲からの膝蹴りを連打して突き放す。中盤、濱田は左ボディ、三日月、フックを的確に当て、右フックにつなげる。フラついたリベイロはタックルで難を逃れようとするが、濱田は切ってスタンドに戻す。終盤、濱田は左ジャブ、ミドル、膝を引き続き当て、タックルも切って対処を続ける。リベイロはマウスピースを吐き出して中断を誘うシーンもあった。記者採点は濱田。ジャッジはなぜか1者のみリベイロにつけ、2者は順当に濱田につける。
3R、変わらず濱田が打撃で主導権を維持しつつ、リベイロがタックルでテイクダウンを奪っても、すぐ体を起こして上を取り返してサイドポジションを奪う。リベイロもすぐ立ち、濱田を金網に詰めて左フックを当てる。お互いのフィールドでも見せ場を作るように。中盤、リベイロがタックルでまたも倒し、バックに回って裸絞めを狙う。濱田は体をひねって向き直すが、リベイロは下から腕ひしぎ三角固めを仕掛ける。だがこれも濱田は脱出し、ハーフで押さえ、左のパウンドを連打して挽回し、場内を沸かせる。終盤、濱田はトップに移って押さえ続け、時折パウンドを落とし、残り10秒を切ると残りの力を出し切らんとばかりに左右のパウンドを連打し、差を印象付けて終える。記者採点は濱田。合計30-27で濱田。
ジャッジは廖姿翔(りょう・ししょう)氏のみリベイロにつけたが、2者は濱田を支持し、濱田が判定勝ちし、MMAプロデビュー以来の連勝を5に伸ばした。濱田は先輩の扇久保博正を思わせる「打・投・極・根性」な戦いぶりで、今後のフライ級王座挑戦に向けて存在感を示した。敗れたリベイロも今後の躍進の可能性を感じさせる戦いぶりだった。
サロハイディノフに続くか?タジキスタンから初参戦のラジャボフが快勝
第10試合 バンタム級 5分3R
×髙城[たき]光弘(リバーサルジム横浜グランドスラム/6位)
○オタベク・ラジャボフ[Otabek Rajabov](タジキスタン/TAJMMAFジム/IMMAFアマチュアMMA世界大会バンタム級2022・23優勝)
3R 3’18” 裸絞め
ラジャボフはプロデビュー戦の21歳だが、アマチュア19戦18勝1敗で、IMMAFアマチュアMMA世界大会で2度優勝している。パンクラスのプレスリリースでも「怪物参戦!」「既にベルトを狙えるレベルと評されている」と紹介されている。ムハンマド・サロハイディノフも22年のIMMAFで優勝後、昨年9月のパンクラスでプロデビュー後2連勝し、今大会でフライ級王者の伊藤盛一郎に挑戦しており、同郷のラジャボフも同じ出世街道を目指す。対する髙城は11戦9勝2敗。昨年11月に平田丈二に判定勝ちして以来の試合で、現在5連勝中だ。
1R、ラジャボフがプレッシャーをかけ、左ジャブ、右ローを的確に当てる。中盤、ラジャボフが金網に髙城を押し込んでから、テイクダウンを奪い、金網際で押さえる。ラジャボフは立たれても押し込み続ける。残り40秒、和田レフェリーがブレイクをかけるが、引き続きラジャボフが押し込んで終える。髙城も右肘やバックブローを当てる場面が時折あるが、主導権は握れない。記者採点はラジャボフだが、ジャッジは意外にも割れ、1者が髙城につける。
2R、ラジャボフが序盤から左ハイをヒット。両者金網に押し合う展開が続く。終盤、ラジャボフがようやくテイクダウンに成功すると、上で押さえ続け終える。記者採点はラジャボフ。ジャッジも3名ともラジャボフにつける。
3R、髙城はスイッチを織り交ぜつつ左ミドルを当て、右フックを当てると組み付いて押し込む。中盤、ラジャボフも押し返すと、髙城がすぐに押し返し、片足タックルを仕掛けるが、ラジャボフは髙城の股の下に腕を回しこんで抱え上げて倒し、サイドで押さえる。ラジャボフはハーフに戻りかけるが、体を反らした髙城の背後に回り込むと、足4の字で捕獲しつつ裸絞めを極めタップを奪った。
ラジャボフは「試合の機会を与えてくれたパンクラスに感謝します。ベルトに挑ませてください」とマイクアピールした。
三宅輝砂、3連続KO勝ちし「次は高木陵あたりと殴り合いたい」
第9試合 フェザー級 5分3R
○三宅輝砂[きさ](ZOOMER/6位、ネオブラッドトーナメント2021同級優勝)
×石田陸也(DOBUITA/9位)
1R 2’34” TKO (レフェリーストップ:グラウンドパンチ)
判定決着の試合が続いた今大会だが、休憩明けのこの試合で鮮烈なKOを見せたのが三宅だった。1R、三宅が左ジャブを振りつつ、右のローキック、カーフキックを当てていると、中盤に入る頃には早くも効き目を発揮する。フラついた石田はタックルを仕掛けるが、三宅は切って突き放し、さらに左ジャブでもフラつかせる。石田は右まぶたを切られ出血している。すると三宅が右ローの軌道から前に出るような三日月蹴りを石田のレバーに突き刺すと、石田はダウンし、三宅が立ったまま追撃の右のパウンドを一発当てたところで梅田レフェリーがストップした。
マイクを持った三宅は「3連続KOしているんで次は上の選手と戦ってタイトルに近づきたいです。次は(3位の)高木陵あたりとバチバチの殴り合いやりたいですね」とアピールした。
第8試合 ライト級 5分3R
○松岡嵩志(パンクラスイズム横浜/8位)
×丸山数馬(Tri.H studio/9位)
判定3-0 (荒牧29-28/出口29-28/廖30-27)
第7試合 ストロー級 5分3R
×寺岡拓永(ROAD MMA GYM/5位、ネオブラッドトーナメント2023同級優勝)
○高島俊哉(リバーサルジム新宿Me,We/ネオブラッドトーナメント2017同級優勝)
判定0-3 (荒牧28-29/出口28-28/廖28-29)
第6試合 58.55kg契約 5分3R
○前田浩平(GRABAKA)
×増田大河(セルフディフェンスアカデミー)
判定2-0 (大藪28-28/荒牧29-27/松井29-27)
※フライ級(56.7kg+0.45kg=57.15kg)リミットの公式計量で前田が58.55kg、増田が58.20kgと揃ってオーバー。両者合意により58.55kg契約で実施
【プレリミナリー】
第5試合 第30回ネオブラッドトーナメント・バンタム級準決勝 5分3R
○山口怜臣[れお](タイガームエタイ/ALIVE)
×宮城成歩滝[なほる](ストライプル新百合ヶ丘)
判定3-0 (松井29-28/荒牧29-27/出口30-27)
第4試合 第30回ネオブラッドトーナメント・バンタム級準決勝 5分3R
×白井誠司(和心會)
○荒田大輝(パラエストラ八王子)
判定0-3 (出口27-30/廖27-30/大藪28-29)
第3試合 フェザー級 5分3R
○沢木純也(SUBMIT MMA)
×小島健史(和術慧舟會AKZA)
判定3-0 (荒牧29-28/大藪30-27/廖30-27)
第2試合 フライ級 5分3R
○田中亮祐(UNITED GYM CHIBA)
×鳴海秀哉(トイカツ道場/SZA)
判定3-0 (荒牧30-27/出口30-27/松井30-27)
第1試合 フライ級 5分3R
○名久井悠成(ANSWER FIGHT)
×萩島answerタクミ(T-BLOOD)
判定2-1 (松井27-30/大藪29-28/出口29-28)