RIZIN 12.31 さいたま：安保瑠輝也、ドーピング出場停止処分明けの木村ミノルと対戦。安保「木村は2R途中でしんどい、嫌や、ってなる」×木村「安保だから大丈夫」。元K-1芦澤竜誠、MMA初戦はレスラー太田忍と。スダリオ剛×上田幹雄も決定

　RIZIN.45（12月31日(日) さいたまスーパーアリーナ）の第2弾対戦カード発表記者会見が11月11日に東京で行われた。

　　

安保瑠輝也×木村“フィリップ”ミノル決定

キック（肘無し・つかんでからの攻撃は1回）　70kg契約（スーパーウェルター級相当）　3分3R
安保瑠輝也（MFL team CLUB es／元K-1スーパー・ライト級（65kg）王者）
木村“フィリップ”ミノル（ブラジル／Battle Box／元K-1スーパー・ウェルター級（70kg）王者、元Krushウェルター級（67.5kg）王者）

　安保は21年9月のK-1ウェルター級王座決定トーナメント決勝で野杁正明に敗れたが、昨年6月のTHE MATCHでRISEの山田洸誓に判定勝ち。今年1月、K-1を離脱し、5月の有明大会でRIZINに初出場し、ブアカーオと引き分けた。同じK-1の木村“フィリップ”ミノルに対戦を要求していたが、木村は6月24日の札幌大会でのドーピング検査結果が陽性だったと判明し、試合日から半年間の出場停止処分がRIZINから科された。安保は9月大会で木村の後輩・宇佐美正パトリックに判定勝ちし、試合後は客席の木村と挑発合戦を繰り広げていた。
　木村は21年12月に和島大海に敗れK-1スーパー・ウェルター級王座から陥落すると、ボクシングへの転向を理由にK-1を離脱。昨年12月末のアントニオ猪木氏追悼大会では矢地祐介とキック＋MMAのミックスルールで対戦し、1R目のキックルールで矢地をわずか66秒でKOした。今年3月のKNOCK OUTでは72kg契約を1.75kgオーバーしたが、クンタップ・チャロンチャイに32秒でKO勝ちした。上記のとおりドーピング陽性により6月のRIZINでのロクク・ダリ戦の結果はKO勝ちから無効試合に裁定が変わり、禁止薬物使用中だった矢地戦、クンタップ戦も無効試合に変わっていた。

出場停止処分の半年明け即復帰。榊原CEO「僕らは警察じゃない」

　RIZINの榊原信行CEOは「現在、木村選手のドーピング検査の実施中で、米国の検査機関に検体を送り、あと1週間から10日ぐらいで出ると思います。万が一、また陽性になると、このカードは流れ、安保選手は他の選手でマッチアップします」と説明した。
　検査の時期については「2週間ぐらい前」だといい、抜き打ちか？という質問には「抜き打ちではないですね。抜き打ちでやれるのはUSADA（＝米国の大手ドーピング検査機関）ぐらいしかない。この日に検査するよとミノルに伝え、ミノルが病院に行って、ドクターが検体を採取しました」と答えた。
　半年という出場停止処分期間について、明けてすぐの大晦日の起用を目論んだものでは？という指摘が9月の陽性発表時点でもあり、実際起用することになった。この点を指摘された榊原氏は「半年の間に体を綺麗にしてこいという木村へのメッセージです。僕らは警察じゃない。世界的な標準ができればそういうものに準ずるかもしれないですが、戦うことで我々は生業を立てている中、テストケースとして半年という期間を設けました。その期間、座禅でもして反省していろ、という気持ちはないです」と説明。日本国内のドーピングのルール整備についての質問にも、「選手たちにドーピングへの警鐘を常に鳴らしていますが、最終的には結局選手たちのモラル次第です。完全にドーピングをコントロールするには相当なお金と第三者機関がないと無理で、いくらでも抜け道は作れます。うちだけが対策をやったところで、よそが抜け道だらけになることもあります。この問題が起きてからいくつかの団体とも話しましたが、いつか（国内の多数の団体が協力した）総合的な対策ができるような意識を持って進んでいけたらと思います」と答え、国内の管理体制の整備への前向きな姿勢を示しつつ、現時点での対応の妥当性を強調した。
　木村が陽性だった場合の代替選手については「イメージはつけていますが（陽性という結果が）起こって欲しくないので、積極的に交渉しているわけではありません。何人か想定しています」とコメント。遅くとも11月末には判明するため、検査結果を待ってから発表しても良かったのでは？という指摘に対しては「この試合を年を越さずに実現させたいということを示したかった」と説明した。

安保「木村は2R途中でしんどい、嫌や、ってなる」×木村「安保だから大丈夫」

　会見には木村と安保が出席。木村は「いよいよこの時が来たと思うと楽しみです。早くやりたいです」と意気込みを語り、今のコンディションについては「ここからが自分の勝負だと思っていて、練習量は過去最大です。筋量もアップし体脂肪も下がりいい状態です」と話した。ドーピング無しで木村と戦うことへの不安はないか？という質問には「安保だから大丈夫です」と笑顔で答えた。
　安保は「賛否両論あると思いますが、立ち技格闘技が面白いと一番体現できるカードだと思うので、バチバチの殴り合い見せられると思います」と抱負。木村の検査結果待ちの状況については「どっちでもいいです。そういうルールでもぶっ倒すのが俺の役目です」と答えた。
　安保は「薬抜けた感じあるん？」「ジムでも薬入った状態でパトリックに勝ってたんやろ？」と木村を揶揄し「たぶん木村はスタミナ無いんで、2R途中しんどい、嫌や、ってなる。しっかり痛めつけて3R終盤に左フックでフィニッシュします」と宣言すると、木村は「俺も想定して練習しているよ」と言い返し、安保のKO宣言に対しても「いいね。楽しみになりました」と答えた。

芦澤竜誠、MMAデビュー戦はレスラー太田忍と

MMA　バンタム級（61kg）　5分3R
太田　忍（パラエストラ柏／16年リオ五輪レスリング・グレコローマン59kg級銀メダリスト）
芦澤竜誠（Battle Box／元INNOVATIONフェザー級（57.15kg）王者）

　レスリング五輪銀メダリスト・太田は20年大晦日のRIZINでのMMAデビュー戦で所英男に一本負け。21年9月に久保優太、大晦日に祖根寿麻相手に連勝も、昨年7月に元谷友貴に判定負け。今年4月の倉本一真との元レスリング対決では、開始27秒で右フックで倉本をKO。7月の超RIZIN.2では瀧澤謙太に1R TKO勝ちした。10月の名古屋大会では瀧澤同様にRIZINバンタム級日本GP’21ベスト4の井上直樹との試合が組まれたが、直前にONEの元ランカー・佐藤将光に相手が変わり、判定1-2で惜敗し、バンタム級王座戦線で一歩後退した。
　芦澤は16年にINNOVATIONフェザー級王者になると、その後はK-1を主戦場に活躍。村越優汰、大岩龍矢、西京春馬には敗れたが、小澤海斗、島野浩太朗には勝利し、卜部弘嵩とは1勝1敗。昨年6月のTHE MATCHでのYA-MANとのオープンフィンガーグローブマッチでは1R KO負けした。その後オ、MMA転向を希望し、12月にK-1との契約が切れると、大晦日のRIZINに来場し、皇治戦を承諾。芦澤がMMAルールでの対戦を希望したが、皇治が拒否し、4月の大阪大会ではキックルールで対戦し、芦澤が判定2-1で勝利した。今回28歳でMMAデビューする。

芦澤「お前はスポーツしかやっていないから負ける」×太田「僕のMMAを一方的に押し付けます」

◆芦澤
　俺の周りの練習している人達から［太田は絶対やめたほうがいい」と言われましたけど、SNSで喧嘩を売られて逃げるなと言われて、逃げるわけがないでしょ。太田忍とデビュー戦でやれる俺は持ってるんで、ボコボコにしてやります。
（MMAの練習状況について）普通に楽しいですね。「芦澤死んだだろ」とか「圧倒的に差がある」とか言われるでしょうけど、俺的には全然勝負論があると思っていて、一方的な展開になると思います。佐藤将光との試合も見たけど、つまんないし弱いし何もできなかったじゃん。レスリングは強いけど、お前もMMA初心者でしょ。なんで俺が勝てるかって？こいつの身長が小さいからです。理由は試合で示します。お前はスポーツしかやっていないから負ける。MMAはスポーツじゃないから。UFCに出たいと言ってるけど、お前の戦い方ならUFCで使われないよ。MMAはそういうもんじゃないよってのを試合で見せます。

◆太田
　デビュー戦で俺とやるのは芦澤君、ファイターとしていいなあと思いましたね。僕もデビュー戦で所さんとやらせてもらい、そこから今があります。僕のMMAを一方的に押し付けます。デビュー戦なので怪我してほしくないので綺麗に片づけます。
（芦澤との対戦を決めた理由）オファーが来たら受けるだけです。実力差もあるのでどうかと思いましたし、大晦日に望んでいた相手じゃないですけど、10月に負けてしまったので、大晦日らしいカードでいいと思って受けました。

スダリオ剛×上田幹雄のヘビー級日本上位勢対決も決定

MMA　ヘビー級（120kg）　5分3R
スダリオ剛（HI ROLLERS ENTERTAINMENT/PUREBRED）
上田幹雄（BRAVE／極真会館全世界空手道選手権2019優勝）

　スダリオはの昨年大晦日、後にUFCに上がるジュニア・タファに1R TKO負け。4月にはUFC帰りのロッキー・マルティネスに判定勝ち。9月のRIZIN.44でトッド・ダフィー（米国）との試合が組まれていたが、ダフィーがパスポートのトラブルで来日できず、1週間後の10月1日の名古屋大会で代わりの試合が用意され、イム・ドンファンに3R TKO勝ちしている。
　上田はフルコンタクト空手の極真会館の19年の世界大会で優勝し、日本人として16年ぶりに世界王者になる快挙を成し遂げた。昨年4月のRIZINでのMMAデビュー戦では髙阪剛にKO負け。12月のGRACHANでソン・ムジェを12秒左ハイでKOしMMA初勝利をあげると、今年6月のRIZIN札幌大会では関根“シュレック”秀樹を22秒左ハイでKOした。9月のK-1ではキックボクシングに初挑戦し、K-Jeeに2R KO勝ちしている。

上田「ヘビー級日本最強と示し、来年から世界で戦います」

◆上田
　今回は「RIZIN全日本大会決勝戦ヘビー級の部」という気持ちでいます。ここでヘビー級の日本人最強は上田幹雄だと示し、来年から世界で戦います。今、軽い階級が盛り上がっていますが、格闘技はヘビー級で始まったと思っているので、ヘビー級が盛り上がってこそ日本の格闘技は一層盛り上がると思うので、そんな試合を見せたいです。
（スダリオと以前練習していたそうだが？）9月のK-1の前に2回だけで、キックルールでしかスパーリングをしたことがありません。MMAではやっていないので楽しみです。打撃全般は上回っている自信があります。コンビネーション、スピード、威力は負けていないと思っています。僕はMMA初戦で経験していますが、一発の怖さがありますので、気負うことなく戦いたいです。K-1に向けてスパーリングを詰めてやったので、顔面打撃への対応は上がったと思います。スダリオ選手はロッキー戦でもタックルを仕掛けていたので、そこに対応し、いかに突きや蹴りで仕留めるかだと思います。岡見（勇信）さん率いるGENスポーツで練習しているので、倒されても立つ技術は上がっている自信があります。（※スダリオは海外で練習中のため欠席）

対戦カード

MMA　RIZINバンタム級（61kg）タイトルマッチ　5分3R
フアン・アーチュレッタ（米国／ザ・トレーニングラボ、HBアルティメット＆グレイシーバッハ／王者、ベラトール3位・元王者）※初防衛戦
朝倉　海（JAPAN TOP TEAM／挑戦者、元RIZINバンタム級王者、元THE OUTSIDER 55-60kg級王者）※トライフォース赤坂から所属先名称変更

MMA　RIZINフライ級（57kg）タイトルマッチ（初代王者決定戦）　5分3R
堀口恭司（アメリカントップチーム／元RIZI・ベラトール・修斗世界バンタム級王者、元UFCフライ級3位）
神龍　誠（神龍ワールドジム／DEEP＆CFFCフライ級王者）

MMA　フェザー級（66kg）　5分3R
クレベル・コイケ（ブラジル／ボンサイ柔術／元RIZIN・KSW・REBEL FCフェザー級王者）
斎藤　裕（パラエストラ小岩／元RIZIN＆修斗世界フェザー級王者）

MMA　フライ級（57kg）　5分3R
扇久保博正（パラエストラ松戸／RIZINバンタム級日本GP 2021優勝、元修斗フライ級＆バンタム級世界王者）
ジョン・ドッドソン（米国／ジャクソン・ウィンクMMA／元UFCフライ級1位・バンタム級8位）

MMA　バンタム級（61kg）　5分3R
太田　忍（パラエストラ柏／16年リオ五輪レスリング・グレコローマン59kg級銀メダリスト）
芦澤竜誠（Battle Box／元INNOVATIONフェザー級（57.15kg）王者）

MMA　ヘビー級（120kg）　5分3R
スダリオ剛（HI ROLLERS ENTERTAINMENT/PUREBRED）
上田幹雄（BRAVE／極真会館全世界空手道選手権2019優勝）

キック（肘無し・つかんでからの攻撃は1回）　70kg契約（スーパーウェルター級相当）　3分3R
安保瑠輝也（MFL team CLUB es／元K-1スーパー・ライト級（65kg）王者）
木村“フィリップ”ミノル（ブラジル／Battle Box／元K-1スーパー・ウェルター級（70kg）王者、元Krushウェルター級（67.5kg）王者）

概要

大会名　RIZIN.45
日時　2023年12月31日(日) 開場・12:00（予定）　開始・14:00（予定）
会場　さいたまスーパーアリーナ [HP]
チケット料金　VVIP席330,000円/VIP席110,000円/SRS席55,000円/S席33,000円/A席16,500円　※1歳よりチケットが必要　※ファンクラブ先行発売・RIZIN 100 CLUB先行発売 11/13(月)12時～15(水)18時、オフィシャルサイト先着先行 11/17(金)12時～17(金)18時、一般発売11/26(日)10時～
チケット販売　イープラス　チケットぴあ　ローソンチケット　出場選手・所属ジム
お問い合わせ　RIZIN FF事務局　03-5772-3223　https://jp.rizinff.com/