シュートボクシング 11.14 後楽園ホール:佐藤執斗「5連続KO勝ちはたまたま」×翼「レスリングをやっていたのでSBに向いている」|坂本優起「体重差?人間だから大丈夫」×シュレック「プロレス技でKOしたい」|チャン・リー「一人でも私を信じて会場に来る人がいればホーム」
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SHOOT BOXING 2023 シリーズFinal – Start towards 40th anniversary -(11月14日(火)後楽園ホール)の序盤戦に登場する選手のインタビューがシュートボクシング協会から届いた。
第3試合 オープンフィンガーグローブマッチ 53kg契約 3分3R(無制限延長R)
佐藤執斗(グラップリングシュートボクサーズ名古屋/SB日本バンタム級(52.5kg)王者)
翼(TARGET/RISEスーパーフライ級(53kg)5位、元ジャパンキック・バンタム級王者)
佐藤と翼は昨年12月、両国国技館でのSBとRISEの合同興行でSBルールで対戦し、佐藤が1R KO勝ちしているが、SB協会はOFGマッチで再戦を組んだ。翼はOFGマッチ初挑戦だが、佐藤は2戦経験し、6月大会ではサンチャイを2R KO、9月大会では松岡宏宜を1R KOしている。通常グローブ含め5連続KO勝ち中だ。翼は7月のRISEで長谷川海翔に1R KO負けし、佐藤戦に続き2連続KO負け中だ。
第2試合 オープンフィンガーグローブマッチ(肘有り) ヘビー級 3分3R(無制限延長R)
坂本優起(シーザージム/SB日本ヘビー級2位、元同スーパーウェルター級(70kg)王者)
関根“シュレック”秀樹(ボンサイ柔術)
坂本は4月大会でOFGマッチに初挑戦し、体格で勝る遊笑に2R以降詰められ、攻撃を浴び続け判定負けした。坂本は元々スーパーウェルター級(70kg)の選手のため、ヘビー級では苦戦が続いている。
関根は柔道、柔術をベースとし、DEEP、ONEを経て、現在はRIZINを主戦場とする。8月13日には50歳になった。シビサイ頌真、貴賢神に連勝していたが、スダリオ剛、上田幹雄には連敗中だ。元SB世界スーパーライト級王者・鈴木博昭から打撃を習っており、「SBのOFGルールに是非トライしたい」と志願し初参戦する。15年には同僚のクレベル・コイケもSBに上がり、打撃で喜入衆を追い詰めた後、投げ技で喜入をマットに打ち付けてTKO勝ちした過去がある。
第1試合 女子46.5kg契約 3分3R(無制限延長R)
MISAKI(TEAM FOREST/SB日本女子アトム級(46kg)王者、元J-GIRLSミニフライ級王者)
チャン・リー(K-1ジム五反田チームキングス)
昨年6月のTHE MATCH 2022では海人×野杁正明、笠原友希×中島千博というSB×K-1の対抗戦が2試合組まれ、いずれもSB勢が勝利した。それから約1年後、K-1はカルロス菊田&宮田充体制に移行し、“開国”路線を打ち出し、新生K-1とSBの選手がお互いの団体に乗り込んで初めて対戦する。なおかつTHE MATCH以降、K-1の女子選手がRISE・SB側と交流することも今回が初となる。
MISAKIは16年にプロデビューし31戦21勝(4KO)9敗1分。RISE女子のエースだった寺山日葵とは3戦1勝1敗1分。18年にMIOのSB日本女子ミニマム級王座に挑戦し判定負け。20年のREBELSで、ぱんちゃん璃奈に判定負け。昨年12月のRISE&SB両国大会ではRISE QUEENアトム級王者の宮﨑小雪に判定負け。今年2月のRISEでも同級1位の小林愛理奈に判定負けしたものの、試合を重ねるごとに力をつけて来た。最近では6月のSBでタイ人選手を1R左フックでKOしている。
チャン・リーは18年にデビューし17戦8勝(1KO)8敗1分。昨年10月、菅原美優のKrush女子アトム級(45kg)王座に挑戦し、累計4度のダウンを奪われ3R KO負け。4月のKrushではKAIに判定勝ちして以来の試合となる。
佐藤執斗「今回も蹴り技でKOして盛り上げる」
――試合が近づいてますが、調整はいかがですか?
佐藤 いつも5~6kgぐらい落とすのですが、11月12日に自分のジム、グラップリングシュートボクサーズ主催のアマチュアイベント『ストライキングチャレンジ』があり、審判やレフェリーを担当するので早めから減量していて、今はほぼ体重も落ち切って問題ないです。
――試合が近いのに大変ですね。強制ですか? それともそれぐらい今度の相手は余裕ということなんですか?
佐藤 強制ではなく、自分ができると思ってお仕事を受けました。余裕とかではなく、いつも僕はこんな感じなんです。
――次の相手は昨年12月にSBとRISEの合同興行で対戦し、1RTKO勝ちしている翼選手との再戦になりました。
佐藤 前回はたまたま勝った感じでした。今回は上手くいかないだろうなと思いますし、一回勝ってることで負けられないプレッシャーがあります。
――一発KOだったらたまたま勝ったという言葉になるかもしれないですけど、3回ダウン取った上でのTKO勝ちなので、それはたまたまになるんですか?
佐藤 なんか自分ではそう思います(笑)。
――かなり謙虚ですね?
佐藤 確かに他人よりは謙虚かもしれないですね。(笑)。いつでも1RKO勝ちの時はいつもたまたま勝ったと思っています。前回9月の松岡宏宜戦でもたまたま左ハイキックを振ったら当たって倒れたんです。意識して倒そうとして出した技ではなく、気づいたら相手が倒れていたみたいな感じなので、あんまり自信には繋がってないですね。
――自信に繋がってないから、すぐに練習再開したり?
佐藤 そうですよね。基本、ずっとジムにいるんで練習しないことはあんまりないですね。試合の翌日には、会員さんとスパーリングも再開していました。
――現在5連続KO勝ちですが、好調の秘訣は何でしょう?
佐藤 それもたまたまです(笑)。勝つ時もあれば、負ける時もあるという変わった考え方をしているので、今回の連勝もたまたまです。
――2022年2月の植山征紀戦で負けて以降、4戦して1つのノーコンテストを挟んで3連敗していた時期と今では何が違うと思いますか?
佐藤 とりあえず負けるまではずっとこのスタイルでいって、負けたらまた試行錯誤してという感じで続けていたところ、ここ最近は自分の戦いを確立できるようになったと思います。今までは蹴りばかりのスタイルだったんですけど、坪井代表にしっかりパンチを教えてもらったらパンチもだいぶ自信がついたというか、しっかり打てるようになり、そこからパンチで倒せるようになりました。あとは、得意な蹴りを混ぜるというスタイルを最近確立しました。
――いつぐらいからパンチを強化するように?
佐藤 昨年9月の山田虎矢太戦の前ぐらいです。その試合でも結構パンチに自信を持っていったんですけど、虎矢太選手はやはり強いのであんまり通用しなくて負けたのですが、その後も継続して強化していたところ、結果が出ているので良くなっているかなと思います。
――結構30戦以上やってきた中で、パンチを強化しようというのは結構遅い方かと思うんですけど……。
佐藤 そうですよね(笑)。本当に自分でも思います。周りの選手はよく出稽古に行ったりしていますが、僕は出稽古を一切しないし、坪井代表とマンツーマンで練習してパンチを強化してきました。
――今回の試合の話に戻しますと、前回戦って短い時間でしたが、翼選手にはどういう印象がありますか?
佐藤 レスリングをやっていた選手なので、向き合った時に身体はデカかったですね。次もSBルールなので絶対に組みにくるので、そこがキーポイントになるかなと思います。
――前回は翼選手が組み付いて一回投げようとした場面がありましたが、組んだ時に他のキックボクサーとは違いましたか?
佐藤 僕は色んな人とやってるんで、あれぐらいだったら許容範囲です。特に投げられる心配もないと思いますけど、今年6月にはサンチャイ・TEPPENGYM選手に投げられているんで、気を付けなきゃいけないなと思っています。僕はHIROYUKI選手、虎矢太選手にもバックドロップを食らってるのでやばいですね。でも、一方的に倒すというよりは苦戦してから、倒し返して勝つ方が自分の中でもテンションは上がるし、見せ物としてはいいかなと思います。
――佐藤選手はどの試合でも投げ技と立ち関節を駆使した戦い方をすることで、シーザー武志会長は佐藤選手のことをSBを体現する選手として評価されています。今回はどういう技を出したいですか?
佐藤 僕は蹴りで倒せる選手なので、パンチで散らして蹴りで倒すのが理想ですね。その中で投げ技ができたらと思います。
――佐藤選手はトリッキーな動きだけでなく、蹴りを重視した戦いになると相当スタミナを使いますよね。
佐藤 階段ダッシュとか坂道を結構しっかりやってスタミナは問題ないんですけど、やっぱり試合になると疲れますね(苦笑)。でもOFGだと、いつもより力を抜いた戦いができて、スタミナの消費は自分的には少ないです。僕の場合、グローブだと力んでしまうことでいつも肩に力が入り、疲れちゃったりするんですけど、OFGには慣れていることでずっと脱力できています。
――OFGに慣れているというのは普段の練習から使っていたんですか?
佐藤 小学生の頃から練習でOFGを付けて練習していて、MMAもやっていたので慣れています。逆に今はわざわざ練習でOFGを付けた練習はしてないです。パンチを強化するために、しっかりパンチを打つにはグローブで練習した方がいいなと思って、今回もOFGを付けた練習は2回だけです。なので、次の試合前にOFGをはめる時が楽しみでワクワクしています。
――ここで勝って次に何か見据えているものはありますか?
佐藤 僕は昔からOFGでの戦いや投げ技や絞め技など何でもできる選手を目指しています。最近だと、KNOCK
OUTチャンピオンの鈴木千裕選手がRIZINでベルトを獲って二刀流で成功しているので、自分もどんなルールでも戦える強いやつになりたいですね。もちろん機会があれば、他団体に乗り込んで挑戦したいと思います。
――ご自身的にはMMA挑戦もありますか?
佐藤 今は立ち技で調子いいので、とりあえずはこっちでもっと強いやつとやりたいですね。結構自分の階級は盛り上がっていて、RISEでスーパーフライ級トーナメントが開催され、そこには今までに対戦しているHIROYUKI選手、政所仁選手が出ているのでそういう選手と交われたらいいですね。まずは次の翼戦に集中します。今回も蹴り技でKOして盛り上げます!
翼「ここで勝って次はベルトを懸けて3度目の対戦もいいかな」
――今回、SBにはどういった理由で上がろうと思ったんですか?
翼 去年のクリスマスのSBとRISEの合同興行で佐藤選手にSBルールで負けてしまい、もう1回リベンジしたいと思っていたところ、今回のオファーをいただいたので参戦を決めました。
――佐藤選手にリベンジしたい何かこだわりがあったんですか?
翼 僕は高校の時にレスリングをやっていて、投げ技はそこらへんのキックボクサーよりはできるなと思うのでSB向きの選手だと思います。SBは投げ技ありの立ち技格闘技なのでレスリング出身の僕としては興味があり、いつかSBのリングでやってみたいなとずっと思っていたところ、いいタイミングで今回の話があり、リベンジもできるのでやろうかなと思いました。
――レスリングではどういった成績があるんですか?
翼 埼玉・花咲徳栄高等学校のレスリング部にいて、僕自身は大したことはないんですけど、僕がいた3年間は、2度団体優勝している強い学校でしたね。ちなみに今新宿レフティーに所属していてRISEに出ている兄の金子梓の影響でレスリングを始めました。
――レスリングでは得意な投げ技はありましたか?
翼 首投げが一番やりやすい技でした。SBでも高く上げて投げればポイントは取れるかなと思います。前回の試合では、一回投げに行って失敗はしたんですけど、次こそは組みの展開になったら投げてやろうとは思います。
――前回は1Rの短期決着で負けてはいますが、手応えはありましたか?
翼 あの時はどうしても倒してやろうという気持ちが前に出てしまい、自爆したところもあったので、今回は冷静に戦いに行くことを目標として練習してきましたね。一度手を合わせた選手だけに、相手がどう出てくるかというのも色々調べたりとか、出稽古に行ってMMAのジムにお世話になって、投げ技とか組みの対策はやってきたりと、練習方法も色々変えてきたので、今回は絶対リベンジしたいと思います。
――佐藤選手にどういった印象がありますか?
翼 パワーもあるし、なおかつ足技のテクニックもあって、なかなかやりにくい相手でした。今回OFGなので組みやすく、投げやすいから面白そうだなと。できればKOをしたいですけど、今回は勝ちに徹していこうと思うので、判定決着になってもそれでもいいかなと思います。
――OFGということで躊躇する選手もいますけど、ご自身は問題なかったですか?
翼 グローブと違ってOFGだと拳の当たる感覚が全く違うので、そこは苦戦しましたけど、でも今はOFGの戦い方もハマってきたので、結構自信はあります。前回とは全く違う展開になると思います。
――チャンピオンに勝って次の目標はありますか?
翼 次はベルトを懸けて3度目の対戦もいいかなと思います。SBに定期的に参戦したいですけど、まずは結果を残さないといけない立場なので、今回しっかり勝って結果を残して、またいつでも呼ばれてもいいようにしていきたいです。2度目のSBルール挑戦で、なおかつOFG着用なのでより組みやすいルールになってくると思うので、打撃も投げも楽しみにしてください。
坂本優起「打撃の技術は確実に僕の方が上。死にもしないし倒れもしない」
――試合が近づいてきました。調整はいかがですか?
坂本 調整は今までと変わらずにできていて問題ないです。今回ヒジ打ちありルールで、ヒジ打ちありの試合は2021年7月の『LETHWEI×UNBEATABLE第1回大会』(鈴木槙吾に2RTKO負け)でやって以来、2度目なので練習ではヒジを強化しています。相手次第ですが、ヒジ打ちありのルールの方が攻防は面白くなりそうだなと思いますね。
――オープンフィンガーグローブ(以下OFG)での試合も2度目になりますね。
坂本 僕としては普通のグローブの方が攻撃は当てやすいとは思います。掴んでの投げや組みがしやすいと言う選手もいますけど、僕はあんまりそう思ったことはないです。正直、普通のグローブとOFGは変わらないですよ。相手の打撃を受けた痛みも変わらないです。
――前回4月のOFGマッチ初戦となった遊笑戦は判定負けでしたが、敗因はどう考えていますか。
坂本 俺が弱かっただけじゃないですか。
――前回の試合を踏まえて強化しているところはありますか。
坂本 特にないんじゃないですかね。練習を真面目にやるようになったくらいじゃないですか。連敗したことで、やはり練習を真面目にやらないと強くならないというのを痛感しました。
――SB日本スーパーウェルター級タイトルを獲得し、58戦もキャリアのある坂本選手が今練習することの重要さを知ったわけですか!?
坂本 やはり練習をしないと強くならないんですよ。勝った時ほど練習は真面目にやった方がいいですよね。
――スーパーウェルター級もそういう波のある練習量だったのでしょうか。
坂本 恥ずかしながら今思い返せばそうでしたね(苦笑)。シーザー会長からも言われたことがあり、勝ち続けている時に僕の練習している姿を見て「お前、次負けるぞ」と。その時は練習していても練習量が少なかったり、練習内容も良くなかったものでした。
――プロ2戦目から12連勝していた時期もありましたが、その時もそういう状態だったのでしょうか。
坂本 相当昔の話ですけど、あの時は自分の意思でやっていたわけではなく、会長や先輩から言われたから練習をやるしかなかった状態でした。
――シーザージムでは笠原兄弟、山田ツインズといった後輩たちはチャンピオンになったりと活躍していますが、今ではそういった刺激も受けますか?
坂本 いや~彼らはもう育ちすぎて(苦笑)。後輩が育ってきたのに、昔からやってる俺がこのままでいいのかという気持ちは確かにあります。あの練習量を見ていたら当然の結果だとは思いますけど、彼らの小さい頃から見ていてまさかみんながベルトを獲る時代が来るとは思ってなかったです。
――今回の相手、関根選手にはどういった印象がありますか?
坂本 多分、僕より20kgぐらいデカいですよね。でも、打撃の技術は確実に僕の方が上なんで、よく分からない一発さえもらわなければ僕が有利に進めるのかなと思います。例えもらったとしても、人間ですから大丈夫ですよ(笑)。死にもしないし倒れもしないです。
――坂本選手は58戦やられてKO負けしたのは昨年12月の南原健太戦だけですよね。
坂本 そうですね、思いっきり倒れたのはあの一戦だけです。鈴木槙吾選手にはTKO負けでしたが、頭突きありのルールで鼻頭に頭突きを喰らいカットしたことで出血が止まらなくなり負けた試合でした。今回はヒジ打ちをもらってもカットされないように、顔の皮膚を鍛えておきました(笑)。
――ヘビー級に転向して体重差がある相手の打撃を受けても倒れないというのは、ご自身でも改めてタフだなと思うことはないですか?
坂本 いや、別にあんまり考えたことはないですけどね。
――スーパーウェルター級時代と変わらず相手の打撃を受けても前に出るスタイルというのはヘビー級だと危険かと思われましたが、スタイルは変わらないですよね。
坂本 このスタイルは昔、シーザー会長から「ガードを固めて前に出れば、相手の攻撃の威力は半減されるので前に出た方がいい」と言われたことでやり始めたもので、今でも前に出続けながら相手との距離感をずっと考えながら戦っています。他のシーザージムの選手はみんなテクニックがあるんですけど、僕にマッチした作戦の一つだったので、今でも戦えているんだと思います。僕の頑丈さを会長が分かった上でのそういうアドバイスだったのかなとも思いますね。でも攻撃をもらわないのが一番ですけど。
――今回は投げ技、絞め技を狙いますか?
坂本 体重差がある選手なので僕は狙えないですね。僕が投げ技に行こうとすると投げられたり、絞め技に関しては形が決まってなくても無理やり絞められるので、そこは警戒しています。
――ここで関根選手が勝てばRIZINファンの間にも知名度は相当広がると思うんですけど、大晦日での試合だったり、次に見据えてるものはありますか?
坂本 大晦日は稼ぎ時なので浅草人力車の仕事をしたいですね。今後、やりたい相手とか特にいないので、オファーがあれば誰でも大丈夫です。とりあえず今回の試合に向けて集中してますので会場に応援に来て下さい。来られない方はU-NEXTでの視聴をよろしくお願いします!
関根“シュレック”秀樹「最終的にはプロレスの技でKOしたい」
――今回SBに参戦しようと思った理由から教えてください。
関根 もともとボクシングやキックボクシングを好きで見ていたので、以前から打撃だけの試合に出たいと思っていました。格闘技が好きになったきっかけというのも、高校3年ぐらいの時にK-1が始まり、格闘技に興味を持つようになったのは打撃からなんです。あと、自分はMMAの試合をする時に、相手に組み付くまでの打撃の攻防でやられちゃうことも多かったので、自分の苦手な部分だけの試合で勝負してみたいと思って今回SB参戦を決めました。
――現在はどちらで打撃を練習しているのでしょうか。
関根 ずっと鈴木博昭さんのBELLWOOD FIGHT TEAMに行っていて、今年6月のRIZINの上田幹雄戦前の1カ月間は内藤大樹君にミットを持ってもらい、試合では負けてしまいましたが、その期間でだいぶ打撃の方は良くなった手応えはありました。
――SBルール特有の投げ技や立ち関節技も意識して練習していますか?
関根 そこは元々できるし、SBの選手よりもできると思うんです。さらに今回はオープンフィンガーグローブ(以下OFG)で組みやすく絞め技もしやすいので打撃中心の練習をしています。僕の一番のバックボーンである寝技の展開がないというのではハンデがありますが、今回は自分の一番得意なところを封印して一番苦手なところで勝負するというのは自分にとってもメッセージ性があるんじゃないかなと思ってます。
――今回の試合に向けて鈴木選手や内藤選手から何か特別なアドバイスはありましたか。
関根 ずっとBELLWOOD FIGHT TEAMで教わっているので教わってきた打撃を今回は出したいと思っていたのですが、鈴木さんから「ファンに求められてるのはやっぱりプロレスの技でKOするということですよ」と(苦笑)。確かにそれは当然ですよね。誰も自分の下手くそな打撃を見ても喜ばないですし、僕の試合は全部チャンピオンが出るSBのオールスターが揃うような大会で自分が上達した打撃を見せてもはっきり言って意味がないと思います。やっぱり最終的にはプロレスの技でKOしたいと思います。
――それは危険な角度で落ちるスープレックスでのKOをイメージしてますか?
関根 そうですね。打撃の部分もかなり上達しているのでそっちの方でも勝負になると思いますが、必ず組みの展開になると思うので、スープレックスを出してKOしたいと思います。坂本選手は20kgぐらい体重は軽く、自分は120kgなんでもうパンチが当たれば倒れるんです。組みの展開になった時に100kgオーバーの人と接触するだけでもだいぶ疲れると思いますし、今までMMAでも相手が110kgとか120kgの選手が相手でも組みの技で苦戦したことはないので、スープレックスを期待してください。
――対戦する坂本選手について、ファイターとしてはどういった印象がありますか?
関根 自分はあんまり相手の試合映像を見ないんですけど、今回初めてのSBルールなので2、3試合見たんですけど、その時の解説の方も言われてる通り、相手が下がって自分が前に出てる時は強いけど、相手が前に出て押し返せない時は手が出ていない印象を受けました。
――警戒している攻撃やポイントはありますか?
関根 一発はそれほどないと思うのですが、やっぱり連打を警戒しています。ガードせずにまともに貰えちゃうと連打を出せるので、スタミナもある選手なのかなと。
――現在、SBのヘビー級の王座は空位ですが、今回の試合結果によってはSBに定期参戦は考えてますか?
関根 OFGマッチならいいんですけど、グローブだとさすがに難しいかもしれません。でも、今回の結果次第ですね。その先のベルトのことをまだ口に出しちゃいけないと思うので、坂本選手にきっちり勝てるんだったらそういったことを考えたりとか発言権はあると思います。
――11月8にはプロレスのリングでボラモン兄弟に捕まり、バリカンで前頭部を剃り上げられ落ち武者ヘアになっていましたが、坂本戦に影響はないですか?
関根 バラモン兄弟に剃り上げられて、そこまでやるのかよ! とちょっとビックリしましたね。プロレスでの相手としては数日後にSBの試合をやろうが、SBの試合が終わってストロングスタイルでタイトルマッチが決まっていようが関係ないことですから。今回の悲劇は、1試合1試合をしっかりやれよ、先のことを見てるんじゃねえぞという神のお告げなのかなと捉えています。だから今回も坂本戦に全集中してやろうかなと思います。
――SBの試合後にプロレスの試合は決まってるんですか?
関根 SBの1週間後の26日に浜松でプロレスリングFLASH!!に参戦して、その後の12月7日に初代タイガーマスクさん率いるストロングスタイルのタイトルマッチを控えています。元々、僕はRIZINに出た時も試合の1週間前だろうが、試合のすぐ後だろうが、顔面骨折をしてようが、僕はプロレスラーなので試合に出続けるのは普段の生活の習慣と同じなんです。
――今回SBのリングでプロレスラーの強さを見せたいという想いもありますか?
関根 もうそれしかないですよね。PRIDEが誕生してからプロレスラーはキックやMMAに挑戦したり、結果を残せてないことが多く、プロレスラーの強さを見せるのは自分だけかなと思っています。他の試合はチャンピオンカーニバルですけど、自分がプロレスラーとしてのSBを見せるので楽しみにしてください。
チャン・リー「見て損はないような試合をしたい」
――チャン・リー選手がまさかのSB参戦でビックリしました。
リー 私もビックリしました(笑)。オファーが急に来て迷うことなく受けました。
――SB初参戦ということで、チャン・リー選手は中国人? と思っいてるファンもいるかと思うんですけど、日本人ですよね?
リー はい(笑)。チャン・リーはリングネームです。私の本名は「恵梨子(えりこ)」といいまして、「えりこ」から「えりこちゃん」→「えりちゃん」→「りこちゃん」→「ちゃんりこ」→「チャン・リー」といった感じであだ名が進化していきました(笑)。最初のジムの会長が「お前はチャン・リーだ!」と言われてから、チャン・リーにになったというくだらない理由なんです(笑)。でも、そのおかげで結構、中国人や台湾人と間違われたりとか、注目はされるようになったので気に入ってます。現Krushプロデューサーの宮田充さんも「フルネームだったら全然目立ってないから声を掛けなかったけど、プロレスラーと同じ名前だったから目に付いて試合オファーの話をしたんだよね」と言われて、リングネームはチャン・リーで良かったなと思いました。
――SBの試合は今までに見たことはありました?
リー SBという団体があるのは知っていたんですけど、試合映像をチラッと見たぐらいでした。私は元々格闘技というものをあんまり知らなかったので、K-1もK-1を初めてから見るようになりました。
――参戦が決まってSBの研究をしたりとかしていますか?
リー 特には研究はしていないです。MISAKI選手の試合映像に関してはRISEの試合を見て、ガツガツ前に出てくるファイトスタイルだという印象を受けました。
――警戒しているポイントはありますか?
リー ガツガツ前にくるタイプなので、勢いに乗らせたら向こうの土俵になってしまうので、その勢いに乗らせないように戦おうかなと思っています。
――噛み合う試合になりそうですか?
リー どう思いますか(笑)? 噛み合っても噛み合わなくても会場が盛り上がってくれればそれがベストかなと思います。
――MISAKI選手にもインタビューしたところ、今回の試合は「一方的な試合になるんじゃないかな」と言われていました。
リー どうなんですかね? そう思われているなら楽しみですね。そのコメントを含めて私も試合を楽しみたいですね。
――あと、MISAKI選手はチャン・リー選手を倒して菅原美優選手との王者対決を意識しているようです。
リー 思うことは人それぞれ自由だと思うので、そこに関しては特に何も思わないですけど、私は団体がどうであれ、そういうことは関係なしに格闘技に人生を懸けてるんで、自分を出して勝ちにいくことしか考えてないです。
――ファンはK-1vsSBという第一弾団体対抗戦という構図をイメージを持つファンもいるかと思いますが、意識してます?
リー 他の選手はK-1という団体を背負ってリングに立つという意識かもしれませんが、どんなリングであれ、私は個人の戦いという認識でいます。
――SBルールということで投げ技、立ち関節が認められたルールとなりますが、対策はどう立てていますか?
リー 普段は掴まれないので、掴んできてもそこは気にせず、今までやってきたことをやるだけという感じです。
――MISAKI選手は「相手はK-1の選手なので、今回は投げも絞めも使わず、蹴り、パンチのみのルールでキッチリ勝とうかなと思ってます」とのことでした。
リー いいですね。さらに燃えてきました!
――他団体に乗り込むというのは今までとは違う感覚ですか?
リー 今回はSBのリングでMISAKI選手のホームかもしれないんですけど、私のことを信じて会場まで応援に来てくれる人がいるので、一人でもそういう人たちがいてくれればもうそこはホームなのでそこは全く意識していません。
――SBファンにはどういった姿を見てもらいたいですか。
リー 周りの人たちが対抗戦という形で注目して見てくれる方ももちろんいると思うんで、見て損はないような試合をしたいと思います。私の格闘技に対しての気持ちが見てくれる人たちの心に少しでも響いて、それが力になったり、頑張ろうというエネルギーに変わってくれたらいいなと思います。
シュートボクシング 11.14 後楽園ホール:笠原友希「しっかり倒して大晦日での梅野源治戦をアピールしたい」、MISAKI「菅原美優選手を納得させるような試合をしないといけない」
対戦カード
第8試合 70kg契約 3分3R(無制限延長R)
海人(TEAM F.O.D/SB世界&KNOCK OUT-BLACKスーパーウェルター級(70kg)王者、RISEミドル級(70kg)王者、GLORYライト級(70kg)4位、元SB日本スーパーライト級(65kg)王者)
マサロ・グランダー(オランダ/マイクスジム/元King of Kings -65kg級王者)
第7試合 オープンフィンガーグローブマッチ 64kg契約 3分3R(無制限延長R)
笠原弘希(シーザージム/SB日本ライト級(62.5kg)王者、元同スーパーフェザー級(60kg)&フェザー級(57.5kg)王者)
スーパーボール・ティーデ99[Superball Tded99](タイ/元プロムエタイ協会スーパーバンタム級王者)
第6試合 61kg契約 3分3R(無制限延長R)
笠原友希(シーザージム/SB日本スーパーフェザー級(60kg)王者・元フェザー級(57.5kg)王者)
スナイ・ミフター(マケドニア/マイクスジム/MKFライト級王者)
第5試合 58kg契約 3分3R(無制限延長R)
山田虎矢太[こやた](シーザージム/SB日本スーパーバンタム級(55kg)王者)
テーパプット・シンコウムエタイ(タイ/新興ムエタイジム/元タイBBTVスーパーフェザー級王者)
第4試合 58kg契約 3分3R(無制限延長R)
山田彪太朗[こたろう](シーザージム/SB日本フェザー級(57.5kg)王者)
ヨードタノン・オーサンスック(タイ/MAXムエタイ・フェザー級トーナメント優勝)
第3試合 オープンフィンガーグローブマッチ 53kg契約 3分3R(無制限延長R)
佐藤執斗(グラップリングシュートボクサーズ名古屋/SB日本バンタム級(52.5kg)王者)
翼(TARGET/RISEスーパーフライ級(53kg)5位、元ジャパンキック・バンタム級王者)
第2試合 オープンフィンガーグローブマッチ(肘有り) ヘビー級 3分3R(無制限延長R)
坂本優起(シーザージム/SB日本ヘビー級2位、元同スーパーウェルター級(70kg)王者)
関根“シュレック”秀樹(ボンサイ柔術)
第1試合 女子46.5kg契約 3分3R(無制限延長R)
MISAKI(TEAM FOREST/SB日本女子アトム級(46kg)王者、元J-GIRLSミニフライ級王者)
チャン・リー(K-1ジム五反田チームキングス)
概要
大会名 SHOOT BOXING 2023 シリーズFinal – Start towards 40th anniversary –
日時 2023年11月14日(火)開場・17:00 開始・18:00(※17:30から変更)
会場 後楽園ホール
中継 U-NEXT(2,189円/月)
チケット料金 SRS席15,000円 RS席10,000円 S席7,000円 小中学生シート2,000円(当日販売のみ/要身分証明書) ※当日券は各500円UP
チケット販売 チケットぴあ イープラス 後楽園ホール シュートボクシング協会 SB公式ネットショップ 出場選手・所属ジム
お問い合わせ シュートボクシング協会 03-3843-1212 http://www.shootboxing.org/