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[PRIDE武士道] 5.22 有コロ:第1試合登場・前田吉朗にインタビュー

DSE "PRIDE武士道 -其の七-" 2005年5月22日(日) 有明コロシアム 【→カード&チケット情報】 【→掲示板】


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(5/19 up) PRIDE武士道に初参戦するパンクラスの前田吉朗と、師匠の稲垣克臣氏のインタビューをFLASHインタビューのコーナーにアップしました。パンクラス、そして稲垣組の一員として、PRIDEに上がる吉朗の心境。心配される体重差問題。さらにはプロ意識に関する考え等、前から吉朗を見ている人、PRIDEで今回初めて吉朗を見る人にも興味深く読んでいただける話が満載です。 [→GO]

五味、川尻らの発言に「ナメるな」

(5/19 up) 五味隆典と長南亮が18日、東京・麻布十番のBCGで公開練習を行った。ライト級(73kg)エース・五味は、川尻達也ら続々PRIDE参戦するライバルたちに「簡単に戦いたいと言わせない試合をする」ことを宣言した。

「雑誌とかでみんな俺とやれば勝てるとか発言しているけど、ムカツいてきた」
「ナメてますね。リスペクトが足りない」

 追い込みの練習を先週で終わらせ、この日は対戦相手・ルイス・アゼレードが得意とする腕十字の対処法をゆっくり確かめる程度の動きしか見せなかった五味。囲み取材でも最初は静かな口調だったが、川尻の名前が出た途端顔色を変え、他のライト級戦士たちに対する怒りの言葉を吐き出す。川尻個人に関しても「修斗との二股は無理」と言い切り、「やるときはやってやりますよ。二度と立てないぐらいにします」と日本人対決も辞さない姿勢を示した。9日の川尻の参戦発表記者会見で高田延彦PRIDE統括本部長は「彼が出る事で、五味選手らに精神的な刺激を与えるのではないか」と発言したが、早くもその効果が出始めたようだ。
 アゼレードとの戦い、他の日本人選手との試合内容での戦い。さらに自分との戦いも意識する五味。「1年目は勝ち進んだけど、周りからは『何かあるなら今回』と言われている。2年目のジンクスにならないよう気を付ける」と今年スタートの一戦に向け気を引き締める。「魔裟斗選手もそうだけど、団体を引っ張る選手は勝負どころを落とさない」とK-1 MAXを意識した発言もし、最後はKOまたは一本で格の違いを見せつけることを約束した。

 一方のウェルター級(83kg)エース・長南も強豪相手の連勝に気を抜かない。「たまたま結果が出てるだけ。そこまで自分は強くない。練習仲間でも強い奴がいっぱいいる」と謙虚に語る。先週までの追い込みの後、軽く風邪をひいてしまったが、睡眠をしっかり取り回復。公開練習では実戦に近いスピードとパワーあふれる動きで、飛びつきの腕十字やアキレス、寝たまま足を絡めてのテイクダウン、インサイドガードからのパウンド等を披露し、好調ぶりを見せつけた。今回の相手、ニーノ・エルビス・シェンブリと戦ったことのある寝業師・高瀬大樹から、関節技の防御法を徹底して習ったといい、ニーノが実は足関も得意だという情報も仕入れ、準備は万端だ。「PRIDEルールの1R目10分の攻めどころ、力の抜きどころがわかってきた」といい、「武士道に上がって1年間の成長を見せる」と宣言した。(井原芳徳)

郷野、「一夜漬け」練習で必勝宣言

(5/17 up) 郷野聡寛(写真左)が16日、所属のGRABAKAジムでの練習をマスコミに公開した。GRABAKAがパンクラスから独立して以降初の公開練習は、普段通りのプロ練習をそのまま公開するようなスタイル。郷野の横で他の選手も一緒に汗を流す。月曜は立ち技の日ということで、郷野はキックボクシングのスパーを3分3R、素手での首相撲のスパーを6分2R披露。コンビネーションからの右ハイ、パンチで追いつめてからの飛び膝等のスムーズな動きを見せた。GRABAKAのボス・菊田早苗(写真右)とも1Rのスパーを行い、素早いパンチの応酬も見られた。
 3月の桜木戦の敗戦後、ずっと休養していた郷野。本格始動は8日の会見の後から。普段の練習をしている時に急に試合が決まることはあったが、ゼロの状態から短い時間で準備するのは初めてだという。1月の試合から86kg前後で試合をしていたため、85kg契約の減量は問題ないが、「普段の練習量がキツいと感じる」ほどの体調。「まだ勝つイメージが浮かばない」と珍しく弱気だ。
 しかも総合の試合は昨年11月のパンクラスNK大会以来約半年ぶり。その間、全日本キックの試合をしていたため、寝技の練習は「忘れない程度」にやっていただけだという。本格的な寝技練習は半年ぶり。練習も「試験前に一夜漬けでヤマをはって勉強している感じ」で、「穴を埋めるより、相手より強いところで勝負する」という考えだ。
 郷野と言えば「判定上等」。今回も「15分間立って終わる」と宣言する。特に3月の敗戦の教訓から「色気を出すよりも判定上等がいい」という考えが、確信にまで昇華した。PRIDEの主催者は特に一本・KO決着を望むが、郷野は「自分は倒しにいこうとすると逆に肩に力が入ってしまう。判定上等の方が力が抜ける。結果的に一本・KOを取る一番の近道になる」と独自の理論を展開する。
 PRIDEウェルター級(83kg)GPに関しては、「勝ってからじゃないと発言権はない。好きな事を言うためにも勝ちたい」と発言。自分の考えをしっかり話す姿勢は変わらないが、ビッグマウスだけは勝つまで封印だ。
 なお、ボス・菊田は「チームのことをあまり意識せず、個人として頑張って欲しい」と郷野にエール。ウェルター級GPに三崎和雄と郷野の両方を送り込みたい考えを示した。自身の試合の予定について聞かれると、「そう言って下さることが多いんですが、近々出てると思うんですけど」と発言。早期復帰に意欲的だった。(井原芳徳)

フジテレビ中継は大会2週間後

 大会の模様がフジテレビで6月5日(日)24:15〜25:45に放映される事が決まっている。

川尻・小見川の相手決定。全カード揃う

(5/16 up) 川尻達也 vs. キム・インソク、小見川道大(おみがわ・みちひろ) vs. アーロン・ライリーの2試合が決まり、全カードが揃った。試合順は下記。
 インソクは韓国のチームKPW CHANWONファイトファクトリー所属の24歳。レスリングをベースとし、アマ総合大会から勝ち上がり、初代韓国KPW王者となっている。公式発表の体重は68kgとやや軽め。小見川は5/1に吉田道場に入団を発表した柔道家。01年講道館杯準優勝、 02年日本国際優勝、03年トレトリ国際優勝等の実績を残している。今回が総合プロデビュー戦。ライリーはUFC出場経験もある23歳。プロ修斗米大陸ウェルター級2位。AMCパンクレイションからアメリカン・トップチームに移籍し、オールラウンドぶりに磨きをかけている。

 (10) 五味隆典 vs. ルイス・アゼレード
 (9) 美濃輪育久 vs. フィル・バローニ
 (8) 長南 亮 vs. ニーノ・“エルビス”・シェンブリ
 (7) 川尻達也 vs. キム・インソク
    〜休憩〜
 (6) 郷野聡寛 vs. クラウスレイ・グレイシー
 (5) 桜井“マッハ”速人 vs. ミルトン・ヴィエイラ
 (4) 小見川道大 vs. アーロン・ライリー
 (3) 三島☆ド根性ノ助 vs. イーブス・エドワーズ
 (2) TAISHO vs. ジェンス・バルバー
 (1) 前田吉朗 vs. チャールズ・“クレイジーホース”・ベネット

ブスカペ&上山欠場。マッハの相手変更

(5/12 up) ルイス・ブスカペが肺炎のため、上山龍紀が左膝蜂窩織炎(ひだりひざほうかしきえん)のため、それぞれドクターストップがかかり欠場となった。このため両選手との対戦を予定していた桜井“マッハ”速人 vs. ミルトン・ヴィエイラの対戦が決定した。

川尻、豪快で確信に満ちた武士道参戦宣言

(5/9 up) 修斗世界ウェルター級(70kg)王者・川尻達也が9日、都内のDSE事務所でPRIDE武士道参戦を表明する記者会見を行った。初戦の相手は未定。

「修斗の川尻達也です。まず、修斗のウェルター級チャンピオンとして、世界最高峰のPRIDE武士道の舞台に上がれることを誇りに思います」

 会見冒頭の川尻の挨拶はシンプルだったが、この内容の持つ意義は深い。これまでPRIDEには修斗の元王者であるエンセン井上、桜井“マッハ”速人、五味隆典らをはじめ、修斗のトップファイターが数多く参戦したが、現役のトップシューターの地位を維持したままPRIDEに参戦した例は無い。ミドル級王者のままPRIDEに参戦したアンデウソン・シウバも、事実上修斗を引退した状態だった。桜井隆多、阿部裕幸は修斗と並行しながらPRIDEにも上がっているが、どちらもチャンピオンではなかった。
 川尻は現役チャンピオンというだけではない。修斗恒例の12月のビッグイベントの昨年の大会でメインイベンターを務め勝利した、いわばエース中のエースだ。山本“KID”徳郁のK-1転向を含め、これまで“人材流出”ばかりの続いた修斗だが、今回ばかりは異なる。川尻は修斗のタイトル戦とPRIDEの試合が重なった場合、タイトル戦を優先する考えを示している(防衛期限は原則1年)。川尻の話によると、修斗の最大プロモーター、サステインの坂本一弘代表も「とにかく胸を張ってチャンピオンらしく戦って来い」と川尻を快く送り出したという。坂本氏自身も雑誌のインタビュー等で、防衛期限さえ守れば他のイベントに出ることは自由との考えを示している。

 修斗現役チャンピオンの参戦は「PRIDEの悲願」だったと語るDSEの榊原信行代表は、それまでの経緯をこう説明する。
「修斗さんとはPRIDEの創設以来、選手を参戦させてもらえないかと話をしてきました。ポリシーを持って競技性を突き詰めている彼らからは、上がってふさわしい舞台かどうか、僕らはずっと効果測定されていたと思うんですね。PRIDEに出たことで修斗の目指す方向性と変わってしまうんじゃないかと懸念されていた部分もあったと思いますが、ようやく認めてもらえたのかな、ということと、修斗を広めるためにPRIDEのリングを活かそうというチャンピオンが現れたということが、今回の参戦に動いた経緯だと思います」
 榊原代表は他の王者クラスの選手にオファーすることにも前向きな姿勢。さらに「逆に武士道で活躍する選手が修斗さんに上がることになってもいいと思いますね。それは修斗さんに限らずできればいいと思っています」と語り、これまであまり行わなかった他団体との選手交流を促進する考えを示している。

 川尻は昨年12月に王座奪取後、修斗普及のために他のリングに上がることを宣言。HERO'Sも7月大会で-70kgトーナメントを計画しているが、PRIDEを選んだ理由について川尻は「自分が目指しているのはリアル。僕が格闘技に求めているのは本当の強さなので、武士道のリングの五味君なり長南さんなり、全ての選手がそういうものを求めて戦っていると思うんで、このリングを選びました」と説明する。
 4/23の修斗福岡大会の試合で右拳を痛め、「試合直後は腫れて痛かった」といい、一時は出場が危ぶまれた。しかし「1週間ぐらい様子を見て、牛乳をたっぷり飲んでカルシウムたっぷり取ったら、これだったら殴れるかなという感じになった」と自然児の彼らしい回復法で克服。1ヶ月間隔の連戦についても「新人時代は3ヶ月連続で試合をしていましたし、元々そのつもり(=PRIDEとの連戦のつもり)で調整してきたので問題ないと思います」と話した。
 対戦相手は未定のため、契約体重に関してはこれから調整される。ルールの違いについても「元々ルールなんか無ければ無いほうがいいと思ってたんで。むしろ肘とか頭突きとかあってくれたほうが自分には戦いやすいんで、あんまり気にしてないです」と余裕の構えだ。

 この日印象的だったのは、川尻のストレートで豪快な言葉の数々。武士道にこれまで上がった選手の中でも、川尻の言葉が、その内容、声の通り、どちらにおいても“力強さ”では抜きん出ていた。

「修斗も武士道も両方上がるからといって、中途半端なことはやりたくない。武士道のリングでもトップを取って、エースになって引っ張って行きたいです」
「武士道GPでベルトができるんであれば、修斗の以外にも二冠なり三冠なり取って、自分が世界で一番強いというのを証明できたらなと思っています」
「こいつとだったら凄い試合できるだろうな、って思うのは、やっぱり武士道を背負って戦っている五味選手。元々同じ修斗出身なんで、ぜひ戦いたいですね」
「試合内容でも他の選手に負けるつもりはない。一番目立ちたいですね」
「僕が武士道のビッグバンになって、リングを爆発させて盛り上げていきます」

 K-1 MAXでも、無名だった魔裟斗やKIDが確信に満ちた言葉を発することでマスコミをリードし、世間一般の話題の渦を増幅させていった。今、武士道に足りないものの一つはこの言葉のパワーだと筆者は思うが、川尻はこの日の会見たった一回で、彼のことを知らないスポーツ紙記者たちを惹き付けていた。会見に同席した高田延彦PRIDE統括本部長も、「今のコメントを聞いてて、みなさんの期待に答えるような、確信のど真ん中を突く言葉が次々と出て来て、ますます期待させてくれます。彼が出る事で、五味選手や長南選手やマッハ選手らに精神的な刺激を与えるのではないか」と川尻に賛辞を送った。

 川尻はマッハにあこがれ格闘家を志し、00年4月にプロ修斗デビュー。その時は中山巧(現・タクミ)にチョークで敗れ、2戦目も鈴木洋平と引き分けたが、3戦目に鈴木にリベンジをしてから、連勝街道をばく進。その時期に今のパウンダースタイルを確立し、02年10月にはウェルター級新人王トーナメントを制覇。その直後の12月、強豪ビトー・シャオリン・ヒベイルに敗れたが、翌03年5月の復帰戦ではタクミにリベンジ。以降、イーブス・エドワーズ雷暗暴を撃破し一気に注目度を上げた。昨年3月には元修斗ウェルター級王者・宇野薫と歴史に残る激闘を繰り広げドロー。12月には修斗ウェルター級王者だったシャオリンに挑戦し、TKO勝利で見事リベンジ&王座奪取に成功している。
 通算戦績17戦13勝2敗2分。節目となる試合で、以前勝てなかった相手にリベンジしてきたのが、川尻の修斗人生だった。78年5月8日生まれ。会見前日に27歳となったばかり。川尻の修斗人生ドラマは、武士道のリングでも途切れることなく続いて行く。(井原芳徳)

郷野、GRABAKA独立後初試合。川尻参戦

(5/8 up) DSEは8日、郷野聡寛(GRABAKA) vs. クラウスレイ・グレイシー(ブラジル)、三島☆ド根性ノ助(総合格闘技道場コブラ会) vs. イーブス・エドワーズ(アメリカ)、上山龍紀(U-FILE CAMP) vs. ミルトン・ヴィエイラ(ブラジリアン・トップチーム)、TAISHO(チーム・バルボーザ・ジャパン) vs. ジェンス・バルバー(アメリカ)の4試合を追加発表した。さらに修斗世界ウェルター級(70kg)王者・川尻達也(チームTOPS)の参戦も決定。川尻は9日会見し意気込みを語る。

 郷野の所属するGRABAKAは2日にパンクラスから独立したばかり。その直後にDSEはパンクラスの了解を得て、GRABAKAにオファーをかけたという。郷野の武士道参戦は昨年2月の其の弐でマウリシオ・ショーグンに敗れて以来。その間、全日本キックのヘビー級タイトルを奪取したが、3月のノンタイトル戦で桜木裕司にまさかのKO負けを喫する。その後休養していたが、「格闘技は試合間隔が長いので、一度負けたら何ヶ月も敗者のままでいなければいけない。早く勝者になりたい」という気持ちから、わずか約2週間の準備期間ながらも試合のオファーを受諾した。
 「今回は大口を叩けません」「GRABAKA独立一発目ということで負けるわけにはいかない」「俺の過去40戦近くの中で一番注目されると思いますが、チームのことを考える余裕すらありません」と珍しく弱気な郷野。しかし「久江酔い運転」で敗れた桜木戦の教訓からか、「余裕をコイている時よりも、プレッシャーのある時のほうが力を出せる」といい、逆境を力に変えることに自信を示した。
 将来的には武士道ウェルター級(83kg)トーナメント参戦も視野に入れるが、今回は準備期間が短いため、85kg契約で出場する。対グレイシーに関しては「思い入れはないけど、勝てば勲章になる」と語り、クラウスレイについては「寝技は奴の方が上だけど、立ち技なら俺が上。ある程度打撃ができる選手だから、逆に俺のフェイントに引っかかりやすいんじゃないか?」と分析する。「トランクスに刺繍した『LIGHTS OUT』の言葉どおり、相手の光を消すファイトで勝利したい」と話す郷野。そのとおりの試合を繰り広げられれば、逆に新生GRABAKAのスタートに明るい光を照らすことになるだろう。

 イーブス・エドワーズはPRIDE初参戦。ここ3年の戦績は10勝2敗で、敗れた相手は宇野薫(02年5月UFC 37)、川尻(03年8月修斗)のみ。現在6連勝中で、UFCでも宇野戦以降は6連勝している。UFCを主催するズッファのダナ・ホワイト社長は、エドワーズを空位のUFCライト級チャンピオンと同等の実力者とみなし、エドワーズが五味・三島をKOすると意気込んでいる。
 迎え撃つ三島は2月のDEEPでTAISHOを下しDEEPライト級(70kg)王者となったことで気持ちの面で充実してきており、今回の試合で掲げるテーマも「マイペンライ」(タイ語で「気にしない」「問題ない」という意味)。以前は萎縮することも多かったが、いい具合に開き直る術を身につけるようになり、強豪エドワーズ戦をきっかけに武士道ライト級(73kg)トーナメントで花を咲かせたい考えだ。

 ミルトン・ヴィエイラは1978年10月10日生まれの26歳。ルタ・リーブリ15年・黒帯、柔術茶帯の寝業師で、総合では4勝2敗。5年ほど前からノゲイラの必殺技・スピニング・チョークを使いこなし、昨年6月のメッカFCではシュートボクセのジャドソン・コスタをその技で下している。対する上山は「73kgならほとんど普段のままの体重なので、トップを取れる自信がある」と語ったが、いきなり試練の一番を迎える。

 TAISHOはPRIDE初参戦。柔術黒帯でDEEP生え抜きの選手。「準備期間は短いですけど、仲間の選手の練習に付き合っていて、ずっと練習は続けてきました」といい、五味とも壮絶な打撃戦を繰り広げたパルバーとも「全体の流れの中で、殴り合いにも応じる」構えを示した。

 残りは川尻戦を含め2〜3試合を予定。ミドル級、ヘビー級の試合は組まれない。全11〜12試合となるため、試合開始時刻は当初発表の17:00から16:00に繰り上がっている。

 ややマニアックな顔ぶれとなる今回の武士道だが、榊原信行DSE代表は「彼らはダイヤの原石。これから磨けば、しっかりしたプロになる」と語り、武士道GPを含めた長期的な成功のきっかけにしたい考え。4日のK-1 WORLD MAXのテレビ視聴率が平均20.4%(首都圏)と好成績を残したことにも言及し、「魔裟斗選手の六本木ヴェルファーレのウルフレボリューションからスタートし、選手とプロモーターの努力の積み重ねで人気コンテンツに成長した。武士道のいい刺激材料にしたい」と語った。(井原芳徳)

五味・マッハ・美濃輪の相手決定

(4/26 up) DSEは26日、五味隆典 vs. ルイス・アゼレード、桜井“マッハ”速人 vs. ルイス・ブスカペ、美濃輪育久 vs. フィル・バローニの3試合を発表した。

 アゼレードはシュートボクセ所属。ブスカペとは3月の其の六で対戦し、両者ともハイレベルな攻防を見せ、アゼレードが判定勝ちしている。元はゴドイ・マカコ柔術所属の選手。修斗では00年8月に、五味のウェルター級(70kg)より6kg重いミドル級でマッハと戦っており(結果は黒星)、体格でも五味を上回る。佐伯繁広報は「秋のGP前に危険すぎる相手ですが、あえてキツいカードを組みました」とこのカードを説明。だが五味は「シュートボクセの割に下からの寝技が上手い。でも印象はそれぐらいで、別に何か危険な技を持っているわけじゃない。ウォーミングアップですね」と佐伯広報の不安を一蹴した。今回もメインイベンターを務める予定で、本人が掲げる試合のテーマはテーマは「ロック」。「コンサート会場のようにドカンと盛り上げたい」と意気込んだ。

 マッハはPRIDEライト級(73kg)に落としての初戦。約3ヵ月間のシアトルのAMCパンクレイションでの特訓で絞り込み、会見後も再渡米し同所で調整する。ブスカペについては「試合は見たことあると思うけど」と語る程度で印象はあまり無い様子。「言いたいことはリングで言います」と語り、試合で全てを証明する考えだ。

 バローニはUFCからの派遣選手。「ニューヨーク・バッド・アス」の異名で親しまれ、UFCミドル級(84kg)で活躍。02年はアマール・スロエフ、デイブ・メネーに連勝。03年からはマット・リンドランド、エヴァン・タナー(2戦)、ピート・セルに4連敗と結果を残せていないが、実力的には申し分ない選手だ。エンセン井上と仲良しで、PUREBRED大宮で特訓していた時期もある。佐伯広報は「美濃輪選手はスーパースターの素質はありますが、実力的にはまだまだ分からないところがあります。UFCで戦っていた本当に強い選手に勝って、実力を証明して欲しい」と話した。美濃輪は「アイブル戦でいい春を迎えられた」ことから、今回掲げるテーマは「Go to summer!」。熱く燃えるような試合を見せるつもりのようだ。

長南×ニーノ、前田×クレイジーホース決定

(4/11 up) DSEは11日、都内事務所で会見を開き、次の2カードを発表した。

 長南 亮 vs. ニーノ・エルビス・シェンブリ(ブラジル)
 前田吉朗 vs. チャ−ルズ・“クレイジーホース”・ベネット(アメリカ)

 ニーノは1年前のPRIDE GP 2回戦大会の桜庭和志戦以来のPRIDEマット登場。その時はグレイシーバッハからシュートボクセに移籍してまだ4ヶ月だったが、あれから1年を経て、欠点だった打撃もかなり成長していると思われる。また体重に関しても、桜庭戦の後、「私は本来は78kgで、体重上げるのは大変だ。今回は86kgに上げたが、そこまで上げるのには努力が必要だった」とコメントしていたが、今回はベストに近い83kg級。長南も「そこが一番のポイント。本来の体重なので、相手も初めて力を発揮できると思う」と警戒する。
 「負ける可能性もある」と口にする長南だが、敵はニーノではなくむしろ自分自身だ。昨年10月の武士道其の参でニュートン、大みそかの男祭りでアンデウソン、2月のDEEPでジュカオンと、世界トップクラスを次々と撃破。メディアの扱いや周囲の期待も次第に大きくなっているが、「感謝はしているけど、勘違いはしたくない。タレントや有名人になるつもりはない。調子に乗っちゃいけない」と気を引き締める。実際その3試合とも、途中までは劣勢を強いられての逆転勝ち。「1試合1試合が崖っぷちだと思っている」という言葉にも重みがある。「試合前に『絶対勝てる』と言っても、別に盛り上がるわけじゃない」と、リップサービスにも否定的。「ヒーローになりたいんじゃない。強い男になりたい」とも話し、一本気のままの長南亮で対戦相手ともファンとも勝負する姿勢を示した。

 吉朗の相手、ベネットは、武士道其の参のメインで五味隆典に敗れた選手。だがそのクレイジーホースの異名どおり豪快なファイトが持ち味の選手で、ゴングが鳴るとコーナーポストによじ登ってしまう等の奇行を繰り広げ、ファンを驚かせた。だが吉朗はベネットがコーナーに登ったとしても「下からドロップキックをぶち込む」と豪語。さらには「そういうことをする余裕の無いぐらいに追い込む」と話し、完勝を約束した。前日のパンクラス大阪大会では吉朗を筆頭に稲垣組の選手が大活躍したが、「パンクラスの軽量級を知らない人に、うちらのレベルの高さを見せたい」とも発言。「今までで最高の試合をする」ことで、PRIDEファンのハートをわし掴みにする考えだ。
 なお、心配される体重差に関しては、「そういう(重い)相手と戦ったことないので、やりながら考える。重い方が強いとは思っていない。自分で行けると思った体重でやる」と発言。今回の試合は73kg級で戦えるかの試運転にもなりそうだ。(井原芳徳)
 

榊原社長&高田本部長「勝負は1年」。武士道を-83kg、-73kgに特化

(4/7 up) DSEは6日、都内で「PRIDE武士道・新生発表記者会見」を行い、「其の七」からウェルター級(-83kg)、ライト級(-73kg)に特化したイベントにリニューアルすると発表した。ヘビー級(無差別)・ミドル級(-93kg)の試合も数試合組み込まれるが、ヒョードル、ミルコ、シウバらトップ勢の出場は無くなる。秋からは8名ずつの「ウェルター級GP」「ライト級GP」の並行開催を計画。「其の七」と7月開催予定の「其の八」はGPに向けてのプレ大会となる。

 この日は武士道の会見の1時間後から、K-1も4/30ラスベガス大会の会見を実施。榊原信行DSE社長は冒頭の挨拶から「各紙ではK-1の記事の方が大きくなり、うちは文字だけかもしれないが、1年後にはK-1よりも大きくなる」とライバル意識をむき出しにし、「むしろ大きくならなければ、1年後には潔く止めることも考える。ここ1年が勝負です」と、“短期決着”を宣言した。
 K-1陣営は総合イベントのROMANEXをHERO'Sにリニューアル。前田日明氏が中心となり、-70kgと-85kgの2階級の世界一を決める「HERO'S MEGA BATTLE TOURNAMENT」の開催を目指す。武士道のこのタイミングでリニューアルし、1年というリミットを定めたことからは、選手層のかぶるHERO'Sへの対抗意識の強さが感じられる。

 高田延彦PRIDE統括本部長も「燃料は1年分」と明言。さらに「先日の武士道はプロのイベントからはほど遠い。彼ら(武士道の若手日本人)は私の現役時代のレベルを超えているが、今には今のレベルがある。ヒョードルら一流選手は常にファンの目を意識している。頑張っているだけでは少年野球やアマチュアと同じ」と厳しい評価を下した。佐伯繁PRIDE広報も「正直、今はヘビー級・ミドル級のほうが間違いなく面白い。『武士道に出たい』という気持ちでは通用しない。『武士道でトップになる』というぐらいの気持ちを持って欲しい」と選手たちにハッパをかけた。

 選手たちの中でも、特に両階級のエースである五味隆典と長南亮の危機意識は強い。ライト級の五味は「他のリングに負けないクオリティの試合をしたい」、ウェルター級の長南は「最近いろんな格闘技イベントをテレビでやっているが、色物みたいな奴が多い。あんなのが格闘技だと思われたら迷惑なので、本物の格闘技を見せたい」「ろくに練習していない奴がパッと出て来て負けるのは腹がたつ」と厳しく言い放った。

 会見には他にも日本人選手が多数出席した。彼らの階級区分は次のようになる模様だ。

【ウェルター級 (83kg)】長南亮、桜井隆多、滑川康仁、高瀬大樹、滝本誠
【ライト級 (73kg)】五味隆典、桜井“マッハ”速人、中尾受太郎、中村大介、三島★ド根性ノ助、今成正和

 マッハと受太郎は修斗ミドル級の76kgよりも軽い体重に落とすことになる。受太郎は「73kgでトップを取る自信がある」と話し、シアトル修行中のマッハも「70kg台に戻す。トーナメントで優勝することしか考えていない」とコメントを発表した。ミドル級だった滑川は「86kgぐらいの中途半端な体重でやっていましたが、83kgに落とします。そのほうが自分のスキルを出せる」とウェルター級転向を表明した。滝本はミドル級GP大会のワンマッチでの再始動を予定しているため、会見を欠席した。
 今のところ動向が不明なのは、上山龍紀、美濃輪育久と、武士道参戦が新たに決まったパンクラスの前田吉朗。上山はマッハとほぼ同体格だが、落とすか増やすかで迷っているという。美濃輪は先日の武士道のアイブル戦で「リアルプロレスラーには体重差が関係ないことを証明できた」と自信を深めており、83kgに落とすかは不明。前田が主戦場とするパンクラスのフェザー級は64kg未満のため、73kgだと体格差で苦しみそうだ。
 追われる立場となる五味だが「結果を残してくれればやってもいい。KID選手や須藤元気選手との対戦を望む声が大きいと思うけど、ヴァンダレイ・シウバが78kgまで落とせるなら、シウバと戦いたい」と冗談めかして語り、同階級の日本人は眼中に無い様子。長南も「日本人は楽。負ける気がしない」と自信たっぷりだった。

 選手の頑張りはもちろん大事だが、主催者側の努力も武士道の“1カ年計画”の行方に大きな影響を与える。榊原代表は「日本人のライバルになる、シウバ、ヒョードルのような外国人のスター発掘が急務」と語り、さっそく5/22の「其の七」にUFC選手やロシアから初来日の強豪を参戦させることを明かした。そしてマッチメイクについても「早く組んで、選手・ファンに早く伝えるよう改善する」と明言。佐伯広報によると、上記日本人のうち「其の七」で試合する選手は内定。既に数試合は決まり、さっそく来週から発表していくといい、スピードアップが期待できる。さらに榊原代表は「大会をこなして、ルーティーンで正しいと思い込んでいる部分も見直さないといけない」と語り、スタッフの意識改革の必要性も述べた。

 将来的には日本人によるGP開催も視野。階級制について榊原代表は「個人的にはあまり体重差を考えずにやりたいですが、軽い体重の選手にとって10kg差は負担が大きい。今年はひとまずウェルターとライトに分けますが、将来は一階級に統一するか、あるいは、もう少し細分化するかもしれません」と述べ、女子部門については「今は視野に入れていない」と話していた。(井原芳徳)

 

ドリームステージエンターテインメント "PRIDE武士道 -其の七-""
2005年5月22日(日) 東京・有明コロシアム
開場・15:00 開始・16:00(スカイパーフェクTV! Ch.180 PPV完全独占生中継)


第10試合
五味隆典(日本/木口道場レスリング教室)
ルイス・アゼレード(ブラジル/シュートボクセ・アカデミー)

第9試合
美濃輪育久(日本/フリー)
フィル・バローニ(アメリカ/ハンマーハウス)

第8試合
長南 亮(日本/フリー)
ニーノ・エルビス・シェンブリ(ブラジル/シュートボクセ・アカデミー)

第7試合
川尻達也(日本/チームTOPS/修斗世界ウェルター級王者)
キム・インソク(韓国/チームKPW CHANWONファイト・ファクトリー)

 〜休憩〜

第6試合
郷野聡寛(日本/GRABAKA/全日本キック・ヘビー級王者)
クラウスレイ・グレイシー(ブラジル/ハウフ・グレイシー柔術アカデミー)

第5試合
桜井“マッハ”速人(日本/マッハ道場)
ミルトン・ヴィエイラ(ブラジル/ブラジリアン・トップチーム)

第4試合
小見川道大(日本/吉田道場)
アーロン・ライリー(アメリカ/アメリカン・トップチーム)

第3試合
三島☆ド根性ノ助(日本/総合格闘技道場コブラ会/DEEPライト級王者)
イーブス・エドワーズ(アメリカ/サード・コラム)

第2試合
TAISHO(日本/チーム・バルボーザ・ジャパン)
ジェンス・バルバー(アメリカ/チーム・エクストリーム)

第1試合
前田吉朗(日本/パンクラス稲垣組)
チャールズ・“クレイジーホース”・ベネット(アメリカ/フリー)


◆入場料金(全席指定・消費税込み)
VIP(ビップ 専用入場ゲート、グッズ付き)50,000円
RRS(ロイヤルリングサイド)23,000円
スタンドS 13,000円
スタンドA 6,000円

◆チケット発売日程
特別先行電話予約 4月10日(日)10:00〜18:00
一斉発売 4月24日(日)〜

◆チケット発売所
ドリームステージエンターテインメント 03-5464-1531  
PRIDE オフィシャルサイト / 携帯端末オフィシャルサイト
イープラス eee.eplus.co.jp
チケットぴあ 0570-02-9999 0570-02-9966 (Pコード=594-700) スポーツ専用:0570-02-9977
ローソンチケット 0570-06-3003 (Lコード=33819) 0570-00-0403
CNプレイガイド 03-5802-9999  
楽天チケット
サンクス    
グレート・アントニオ 03-3219-9550  
レッスル池袋店 03-3989-0056  
書泉ブックマート 03-3294-0011  
フィットネスショップ格闘技 03-3265-4646  
チケット&トラベルT-1 03-5275-2778  
後楽園ホール 03-5800-9999
BCG 03-3560-7911
相鉄ジョイナスプレイガイド 045-319-2456  
横浜アリーナ 045-474-4000
公武堂 052-241-2511
バックドロップ 03-3255-8701
バトルロイヤル 03-3556-3223
新日本プロモーション
ときめきドットコム

◆お問い合わせ:ドリームステージエンターテインメント TEL:03-5464-1531

Last Update : 05/19 23:44

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