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(レポ&写真) [修斗] 8.10 横文:五味&大石王座陥落!ハンセン&松根が新王者に

サステイン "Crymson Presents プロフェッショナル修斗公式戦 世界三大チャンピオンシップ"
2003年8月10日(日) 神奈川・横浜文化体育館  【→大会前のカード紹介記事】 [→掲示板・修斗スレッド]

  レポート:石動龍 (第7,4,3,2試合),古谷わか (6,5,1)  写真:ひっとまん大場。

第7試合 ISC世界ウェルター級チャンピオンシップ 5分3R
×五味隆典(木口道場レスリング教室/王者)
○ヨアキム・ハンセン(ノルウェー/チーム・スカンジナビア/4位)
判定0-2 (28-29,28-29,28-28)

※ハンセンが新王者に

五味、プロ修斗初黒星。王座を失い、逆に身軽に…?

 開始直後、五味がパンチの連打で前に出ると、ハンセンは組み付いて引き込む。上からパンチを落とそうとする五味だが、ハンセンは足を使ってスペースを作り顔面を打たせない。立ち上がった五味は、猪木アリ状態からローを蹴る。ハンセンは寝転んだまま五味の顔と膝を蹴りかえす。スタンドに戻ったあとハンセンが引き込みから腕十字を仕掛け、五味が逃れたところで1R終了。

 2R開始のゴングと同時にハンセンがタックルを仕掛ける。五味はこらえ、倒せないとみたハンセンは引き込みへ。五味が立ち猪木アリ状態になるが膠着してブレイク。再開後、組み付いてから再び引き込もうとするハンセンは、倒れ際にバックを奪取。五味の胴にがっちりと4の字で足を組む。振り落とそうとする五味だがハンセンはバランスよくポジションを保ち、パンチを落としスリーパー。無敗の王者の危機に会場から悲鳴が上がる。なんとか逃れた五味は続くハンセンの腕十字も逃れ、2R終了。

 3Rはパンチの打ち合いからからハンセンが引き込む。五味は上になるも顔面を打てず、ハンセンのガードを崩せない。ブレイク後にハンセンが引き込み、立ち上がった五味の顔面を蹴り上げたところで試合終了。ゴングと同時にハンセンがガッツポーズを見せる。

 上から攻め続けたが有効打を打てなかった五味と、2Rにキャッチを奪うもジャッジの心証が悪い下からの戦いを続けたハンセン。判定は微妙なものとなるも、2Rのキャッチが評価されたか、ハンセンに軍配が上がった。

 ポイントがコールされた瞬間、五味は驚きの表情を隠さず、試合後のインタビューでは「結果は受け入れるが、自分の中に負けたという感覚は無い」と悔しさをこらえた様子で話した。
 さらに五味は「これまでは修斗に依存しすぎていた」「自分のリズムや考え方を変える時かもしれない」と、新たな可能性を示唆。再戦については「コテンパンにやられたわけじゃないんで…」と言葉を濁し、インタビューを切り上げた。

「少し休んで這い上がることを考えたい。またゼロからでもいいし…」こう言い残した前・修斗王者の次戦のリングはどこになるのだろうか? かねてから参戦を希望していたUFCやWFAといった海外のオクタゴンか? かつてのライバル・三島☆ド根性ノ助が主戦場とするDEEPか? あるいは再び修斗の頂点を目指すのか? ベルトを失い、王者のプレッシャーから解放されたことで身軽になる可能性もある。「チャレンジの気持ちを忘れてはいけない」そう話す五味だからこそ、再び戦いの場に登場するのも遠い未来ではないだろう。

◆五味「(判定の)判断は皆さんに任せます。自分の中では負けた気は無いです。やる事はやっているんで。(思ったとおりの試合展開?)ハンセンは体格も闘志もあったけど、スタンドでは自分がパンチを効かせていたし、ハンセンはスタミナが切れていました。テイクダウンを全て自分が取ったので楽をしてしまったなあ。結果については1R、3Rのジャッジを見てみないとわからないですけど…。
 自分の中でリズムを変える時かもしれないです。今までは修斗に依存しすぎていました。考え方を変えていかなければならない年齢ですし。守りながら勝とうとしたのが良くなかったかもしれないですね。まあチャンピオンだから本当は守ればいいんですけど。やっぱりチャレンジの気持ちを忘れたらダメですね。結果については受け入れます。

(再戦は?)コテンパンにやられたわけじゃないんで。デビュー3戦目のヤツにベルトを取られたんだから、全部自分のせいですね。少し休んで切り替えます。逃げるわけではないです。最高の形で試合を組んでもらったんですが…。半年のブランクで甘えがでてしまったのかもしれないですね。三島戦ほどの気持ちになれなかったです。巧くこなそうとしすぎましたね。何を言っても言い訳になるんで。受け入れます。
(今後は?)チャンピオンでも勝ち続けない限りチャンスを貰えない厳しい世界ですから。またゼロから出直してもいいし。少し休んで、這い上がることを考えたいです」

◆ハンセン「うれしいけどまだ実感が無い。明日になればわかるかもしれない。(五味の印象)とてもハードな選手だった。ただ、ビデオではリラックスして戦ってるように見えたのが、今日は汗が多くて息も荒く疲れている印象だった。自分も大変疲れた。五味はグレートなファイターなので尊敬している。自分がノルウェーにベルトを持ち帰ることで、歴史が作ることができて良かった。
(判定について)勝ったとは思ったが、相手のホームなのでどうなるかわからないと思っていた。
(今後について)今は戦いたい選手も考えられない。今考えているのはビールを飲んでゆっくり休むことだけ。このベルトを一月前に事故で亡くなった私の友人、ユスィー・ヘルパイネンに捧げたい。」



第6試合 ISC世界ライト級チャンピオンシップ 5分3R
△アレッシャンドリ・フランカ・ノゲイラ(ブラジル/ワールド・ファイト・センター/王者)
△ステファン・パーリング(米国/ジーザス・イズ・ロード/1位)
判定1-1 (29-28,28-28,28-29)

※ノゲイラが5度目の防衛

ジーザス vs. ジーザス 神の裁定はドロー。ベルトは動かず

 前人未到の5度目の防衛をかけた“ペケーニョ”ことノゲイラ。一方、登り調子の“ボーゾー”ことパーリング。文句なし、満を持してのチャンピオンシップである。ペケーニョのギロチンの切れ味は今更説明するに及ばない。対するボーゾーのパンチは「神の拳」の異名を誇る破壊力だ。ここ数回の戦歴でパンチへの防御の甘さが明らかになってしまった王者ペケーニョ。神をも味方につけたかのボーゾーの拳にどう対処し、2年前の対決と同じく、電光石火のギロチンを極めるのか?

 ボーゾーが自らの所属ジム名「JESUS IS LORD」の文字が大きくプリントされたシャツを着てリングインすれば、ホログラムに輝く大きな「JESUS」のステッカーを自身のTシャツにあしらい入場するチャンピオン、ペケーニョ。そう、この一戦は敬虔なクリスチャン同士の闘いでもあるのだ。国歌斉唱中、ボーゾーはセコンドに首〜肩をマッサージされてリラックスに努めている様子。ペケーニョの童顔にたくわえられたヒゲには少し違和感を覚える。

 1R開始のゴング。スタンドでの攻防で幕を開けた。ボーゾーはオープンでの構え、警戒するペケーニョは固めのガード。案の定ボーゾーがパンチを狙って行く。するどいキックも見せる。ボーゾーを中心にペケーニョが時計回りにぐるぐると動き続ける。なんとも言えない緊張感が会場を包む。打ち込むボーゾー、ガードするペケーニョ。
 2分過ぎ、今度は反時計回りに周り始めるペケーニョ。時折両者パンチを試みるものの一定の間合いを保ったまま、形勢に大きな動きは無い。一発を狙うボーゾーと見切りながらまたしても時計回りに動くペケーニョ。静まり返った会場。異様な雰囲気のまま1R終了のゴングを迎える。これは王者の作戦なのか? 不気味な感じさえする。

 続く第2ラウンド。1Rと同様に周るペケーニョ。パンチを入れるボーゾー。時折見舞うキックでペケーニョの左モモは赤くなっている。2分過ぎ、ボーゾーのコンビネーションが決まりかける。ペケーニョの表情が硬い。打撃を恐れているように見受けられる。徐々に距離をつめ、一緒に周りはじめるボーゾー、中に入って行きたいところだが、ここでゴング。
 ここまでスリップすらなく、スタンド、しかも数発のバンチ&キックのみでくるくると二人の外国人がリングを周り続けるという異様な展開。しかしその緊張感が伝わっているのか、会場からブーイングは発生しない。

 見当が付かないまま迎えた第3ラウンド。いよいよお互いが勝負に出た。仕掛けたのはペケーニョだ。片足タックルからボーゾーのバランスを崩し、がぶってから電光石火のフトントチョーク。もうダメか、と思ったところ脱出してみせるボーゾー。会場からはため息が漏れる。しかし粘るペケーニョはボーゾーの片足を離さず、テイクダウン。中腰状態から上手くバランスを保ち、ジャンプでパスしサイドについてみせる。さらに腕をとりアームロック、今度は肩固めを狙うも振り切るボーゾー。激しいポジション取りが続く中、下のボーゾーに対してギロチンを敢行。しかしこれも不発に終り上四方から立ち上がる。スタンドの状態からお返しにフロントチョークを狙うボーゾーを、ペケーニョは粘り腰で持ち上げ〜叩きつけ〜転がし、再びマウントポジションになり上からギロチンを喰いこませるも、ここでゴング。ジャッジ裁定を待つことに・・・。

 29-28、パーリング(会場どよめく)、29-28、ノゲイラ(会場さらにどよめく)、そして・・・28-28、ドロー。前人未到の記録をまた一つ伸ばして、ペケーニョの防衛だ。一瞬の静寂のあと会場から拍手が送られる。おそらく両選手にたいして・・・。正直「辛くも防衛」という表現を使わずにはいられない一戦だった。今夜、神は二人に等しく勝ちを与えた。ペケーニョの打撃対策とボーゾーの寝技対策、そこに今後のカギが隠されているに違いない。

◆ノゲイラ「非常に厳しい試合だった。前回とは比べ物にならないくらいに。コンディションは精神的にも肉体的にも問題は無かったんだけれど。チャンスを狙っていたのだが、1Rでパンチが目に入って視界が悪くなり、2Rまで自分のスタイルに持ち込むことができなかった。2年前に比べてパーリング選手はパンチ力、ディフェンス力ともに上手くなっていた。3Rに入って、ここで勝負に出ないとと思ったので(視界も回復したので)仕掛けていったのだが、パーリング選手のグラウンドでのディフェンスが協力だったので極めることができなかった。
(ドローという裁定については?)真摯に受け止めている。自分としては満足している。
(5回目の防衛だが、試合内容については?)回を追うごとに、自分自身のプレッシャーも強くなるし、相手選手は研究や対策を重ねてくるので試合内容は厳しくなるのは仕方が無い。また今回は8ヶ月ぶりの試合だったのでカンを取り戻すのも大変だった。
(次の試合は?ホーキやルミナは?)日本での試合回数をもっと増やして行きたい。ホーキ選手はとても良いと思う。ルミナ選手は日本だけでなくブラジルやアメリカでも対戦を熱望する選手が沢山いるトップコンテンダーなので、自分もチャンスがあれば戦ってみたい。いずれにしても対戦相手についてはコミッションが決めることなので。全て神が私に与えてくれた運命だと思っています。」
 
◆パーリング「(ドローという裁定については?)1,2Rは自分、3Rは負けたと思った。正直、どちらが勝っても良かった。お互い敬虔なクリスチャンであるし、神様が両方を勝者としてくれたのだと思う。
(思ったとおりの試合ができたか?)1,2Rは計画通りスタンドで行けた。3Rで、振りの大きいパンチを出してしまったのでバランスを崩してそこを狙われてしまった。しかしグラウンドの攻防では前回の試合よりも関節技に対するディフェンスが的確に行えたと思う。ギロチンからの抜け方はレイ・クーパーの特訓を受けた。キツかったけれどその特訓を思い出して諦めずに脱出することができた。
(あと一歩のところだったが?)彼はチヤンピオンだし、そう簡単には勝てないと思っている。
(再戦は?)ぜひ行いたい。次回は3R全てスタンドで戦い通したいのでもっともっと練習してテイクダウンをさせない技術を身につけたい。」


第5試合 ISC世界フェザー級チャンピオンシップ 5分3R
×大石真丈(SHOOTO GYM K'z FACTORY/王者)
○松根良太(パレストラ松戸/1位)
判定0-3 (27-30,28-29,28-29)

※松根が新王者に

年齢差?実力差?とにかくベルトは動いた!

 試合前のコメントで「年齢?そんなものは関係無い。」と言い切ったチャンピオン“ジャッカル”大石。御年34歳。対する松根はデビューから3年足らずの21歳。その年の差、実に13歳。さらに11ヶ月ぶりに試合に臨むチャンピオン大石と、破竹の勢いでフェザー級サバイバートーナメントの頂点に駆け上がったばかりの松根。条件だけを並べてみれば大石不利は否めない。しかし追い込まれるほどに燃え上がるというジャッカル魂。世代交代の声も聞かれる中、どのような戦いを見せるのか・・・。

 ゴングが鳴ると、いつもの試合と同じく、ゴングとともに「オシャーッ!」と叫び自分に喝を入れる松根。それに対して積極的に前に出てくるのは大石だ。パンチの見合いから松根がタックルを敢行すると、大石は組み付いて引き込み下になる。グラウンドでのポジションの取り合いに。両者コツコツとパンチを入れつつ、2分半過ぎに松根がガードを突破。ハーフガードの状態で大石の左腕〜肩を固めに入る。それをこらえた大石は上からのパンチを浴びつつも松根の腕を狙いながら、なんとか形勢逆転。今度は上から松根の腕をしとめに行こうとしたところでゴング。

 2R、ここでも積極的に前へ出て行くのは大石だ。組み付きスタンドでの差し合い。倒したい、倒されたくない。小さなケリ、キック、足の払い、両者の意地が交錯する。3分半過ぎ、ほどけたところを松根が足を払ってテイクダウンに成功。大石が下、松根が上に。大石の後頭部にコツコツとパンチを入れて行く松根。しかし大きな動きが見られずブレイク。スタンドでの再開へ。今度は松根が打って出る。激しいパンチの応酬だ。意地でも倒れない大石はキックを見せる。投げに行きたい松根は組み付いてヒザを入れて行く。差し合いからほどけたところへ松根がタックル、再びテイクダウンに成功。下から仕掛けようとする大石だがここでゴング。

 3R。またも前に出て行くのは大石。ジャッカルの眼は燃えている。組み付いたところを松根が豪快に払ってテイクダウンするも瞬時に下からアームロック、さらに三角絞めを狙う大石。絡めた両足は徐々に徐々に上へと上がって行き、松根の上半身を捕らえようとする。嫌がる松根は上からパンチを落とす。ここでブレイク。スタンドでの再開から松根は胴タックル〜テイクダウン。下からパンチを入れて行く大石、対して松根も拳を落として行く。大石のパンチが入り始めたところでブレイク。見れば松根は鼻から出血している。残り時間は僅か。スタンドでの再開から組み付きヒザを入れる大石。ここでゴング。ベルトの行方はジャッジの手にゆだねられた・・・。

 結果は2−0で松根の勝利。瞬間、パレストラの仲間達がリングへ雪崩れ込む。涙が止まらない新王者:松根。ベルト授与の間も会場中に聞こえる程の大きな嗚咽を止められない。無理も無い。今日の闘いを「人生で一番大切な日」と豪語し、肉体的にも精神的にも厳しい鍛錬を重ねてきたのだろう。デビューからわずか3年の21歳の若者には想像を絶する重圧との闘いだったのではないだろうか。人目をはばからず慟哭するその姿が物語っている。その向こうで仕事を終えたジャッカルは静かにリングを後にした。若い松根が持っているもの、ベテラン大石が持っているもの。ベルトが動いた理由、それは今後の二人、それぞれの闘いが証明してくれることだろう。

◆松根のマイクアピール「ありがとうございます(泣)。言葉になりません。今、幸せです・・・。チャンピオンになることがずっと夢で、今こうしてなることができました。つまんない戦い方かもしれませんがこれが真剣勝負です。これが修斗です。これからもよろしくお願いいたします。」

◆松根のコメント「幸せです。大石さんはやっぱり強かったですね。大石さんには失礼なんですけど、大石さんが相手というより、チャンピオンシップということで大きなプレッシャーを感じていました。
(試合展開は思うとおりに進められたか?)勝つことだけを考えていたので、そういう意味では思うようにできました。今回の試合に向けて、今までで一番きつい練習をしてきました。いつも試合前は緊張するんですけど、今日は自分が世界で一番緊張してるんじゃないか、って思うほどでした。気が狂いそうになってました。
(ベルトを持ってみてどう思うか?)まだわからないですね。ライバル(今泉)に勝って、チャンピオンに勝って、一番いい形でベルトがとれてよかったです」



第4試合 ミドル級 5分3R
○ジェイク・シールズ(米国/シーザー・グレイシー・アカデミー/2位)
×菊地 昭(SHOOTO GYM K'z FACTORY/6位)
判定3-0 (29-28,30-28,29-28)


「究極の寝技対決」と銘打たれた一戦。日本では二戦目となるシールズ、昨年12月のデビュー戦は相手のマッハが本調子でなかったこともあり、今試合で真価を問われるだろう。一方の菊地は過去6戦を圧勝しており、シールズを破って一気に頂点を目指したいところだ。
 開始直後のタックルで菊地がテイクダウン。パスガードを狙うがシールズも下からギロチンやアームロックで反撃し、足を越えさせない。シールズが片足タックルで立ち上がると、菊地は柔道仕込みの腰投げで再びグラウンドへ。バックからの腕十字を狙うも振り落とされ、上になったシールズがパンチを落としたところで1R終了。
 2Rも菊地がテイクダウンし、バックからの腕十字を狙うが、振り落としたシールズが上を取る。シールズは積極的にパスガードを狙わず、ボディと顔面にパンチを連打し堅実に攻める。シールズがパンチを落とし続け、2R終了。
 3R、ゴングと同時のタックルで一度は上になった菊地だが、シールズは突き放して立ち上がり、コーナーに詰めてのタックルで菊地を倒し、上になる。シールズは上になると抜群の安定感を発揮。菊地のスイープをつぶし、立ち上がるチャンスも与えない。そこからコツコツと弱いパンチを連打し、菊地を押さえ込んだまま試合終了。シールズが堅実なポジショニングで判定勝ちを収めた。

◆シールズ「菊地はとてもレベルの高い選手だった。これまで戦った選手の中でベストの技術を持っていたかもしれない。(世界タイトルを狙うか?)チャンスがあれば次の試合にでもタイトルマッチをやりたい。一度敗れたレイ・クーパーとの争いになるかもしれないね」

第3試合 ウェルター級 5分3R
○川尻達也(TEAM TOPS/5位)
×イーブス・エドワーズ(米国/サード・コラム)
判定3-0 (30-27,30-27,30-28)


「修斗で頂点を目指したい」「UFCにも興味がある」と公言する川尻にとって、UFCの常連であり宇野やルミナとの対戦経験があるエドワースは負けるわけにはいかない相手だろう。「倒せればこっちのもの」と試合前に話した川尻だが、パンチとヒザを主武器とするエドワースは昨年九月にレスラータイプのウェルター級ランカー・八隅孝平をKOしており、容易にテイクダウンは許してくれそうにない。
 川尻は打撃を警戒し、間合いを取りながら左ジャブを打っていく。エドワースがローから左ハイを打ち、ガードした川尻はタックルへ。そこからコーナーに押し付け、外掛けでテイクダウンに成功。川尻がパンチを落とし続け、1R終了。
 2Rも川尻がタックルでエドワースをテイクダウンし、パンチを落とす。反撃を許さず、ラウンド終盤にはマウントを奪うが、エドワースも下からしがみついて有効打を打たせない。
 3R、やや息が荒くなった様子の川尻だが、エドワースのハイをかわしてタックルを仕掛け上になる。エドワースのガードは崩せないものの、下からの攻めを完封して上を取ったまま試合終了。川尻が堅実に勝利し、タイトル争いとUFCライト級戦線に名乗りを挙げた。

◆川尻「(インタビュースペースに入るなり)ダメだぁ〜。すいません。つまらない試合をしてしまってお客さんにも申し訳なかったです。8月にフルラウンド戦うのが初めてだったので、スタミナ配分が上手く行かずバテバテでした。
(エドワーズ選手の印象は?)スタンドでは自分の方が勝っていたと思います。エドワーズ選手はガードが隙間だらけだったので。テイクダウンも完璧に取れたと思います。グラウンドでは距離の取り方は上手いなぁと思いましたが恐さを感じませんでした。
(今後は?)つまらない試合をしてしまいましたが、シャオリン戦のように負けではなく、勝ちは勝ちなので自信に繋がったし、世界の一流どころと戦っていけるかなと。ハンセン選手?雷暗選手?とにかく上位ランカーと戦いたい。ランクを上げてベルトを取りたいので。つまんなかったですよね? すいません。」
※だめだぁ〜、はぁ〜、と笑いながらため息で廊下に消えていった川尻。世界の強豪との戦いを終えた安堵感と、判定とはいえ勝ち星を得た喜びと、試合内容に対するふがいなさが入り混じった様子だった。

第2試合 バンタム級 5分2R
×吉岡広明(パレストラ東京/5位)
○生駒純司(直心会格闘技道場)
2R 3'46" テクニカル一本 (スリーパーホールド)


 開始直後吉岡が生駒をコーナーに押し付け、腰投げでテイクダウン。極めの強い生駒は下から腕十字を仕掛け、逃れた吉岡がパンチを落とすところを蹴り上げ、スタンドに。吉岡が再びトップを取り、パンチを落としたところで1R終了。
 2R中盤、コーナーに押し付けられた生駒だが、吉岡の脇をくぐってバックにつき、飛びついてそのままスリーパーホールドを仕掛ける。吉岡は立ったまま耐えたが、マットに崩れ落ちたところでレフェリーが試合を止めた。
 クラスBの生駒が世界ランク5位の吉岡を破る金星を挙げた。

第1試合 バンタム級 5分2R
○阿部マサトシ(AACC)
×高橋大児(SHOOTO GYM K'z FACTORY)
判定3-0 (20-18,20-18,20-18)


 1R、パンチを交えながらのスタンド勝負でスタート。お互いテイクダウンを狙い差し合いが続く。後半、パンチの応酬から片足タックルをしかけた高橋、それを阿部が引き込んで下から三角を狙うもここでゴング。
 2R、高橋がフロントチョークを狙いかけるも離れ際に金的にヒザを入れてしまい、タイムストップ。阿部の回復を待って再開。お互いパンチやヒザを入れながらの組み付き〜差し合い〜離れるの動きが繰り返される。後半、阿部のコンビネーションが決まり始め、2R戦い抜いた結果、有効なパンチと手数で上回った阿部が勝利を収めた。

Last Update : 08/14

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