BoutReview
記事検索 by Google

(レポ&写真) [DEEP] 2.12 後楽園:長南KO勝ち。前田×今成ドロー

DEEP事務局 "Kohno Yujiro Group Presents DEEP 18th IMPACT"
2005年2月12日(土) 東京・後楽園ホール

  レポート&写真:井原芳徳  コメント編集:永田遼太郎  【→カード紹介記事】 【→掲示板スレッド】

第10試合 メインイベント 82kg契約 5分3R
○長南 亮(フリー)
×ホアン・ジュカオン・カルネイロ(ブラジル/ブラジリアン・トップチーム)
3R 2'15" TKO (レフェリーストップ:飛び膝蹴りによる右まぶたのカット)


 ジュカオンが弾丸タックルとアブダビ・ブラジル予選を突破した高度なグラップリングテクニックで長南を圧倒。DEEPのリングがPRIDEより1回り近く小さいことも災いし、長南はあっさり追いつめられ倒されてしまう。1Rのマウントは腕をかかえてのブリッジで跳ね返すことができたが、2R終盤のマウントは、ロープの外に頭を出した状態でつかまってしまったため逃げ道がなく、パンチの連打を浴びてしまう不利な展開に。
 3Rもジュカオンのタックルに手を焼く長南。このまま攻め手がないまま敗れるのではないかというムードが会場に漂い始める。しかし長南はスタンドで右フックをクリーンヒット。ジュカオンはグラウンドに持ち込むが、ロープにもつれ膠着したためブレイクがかかると、長南は必殺の飛び膝蹴り一撃。これが見事ジュカオンの右目にクリーンヒットし、まぶたがパックリと割れ大出血。そのまま長南が上からおおいかぶさりパンチを連打したところで野口レフェリーが試合をストップした。

◆長南「相手はテイクダウンが凄いし、パウンドもうまい。タックルも始めは対応出来なくて、さすがアブダビのブラジル代表って思いました。強い選手です。今まで戦った外国人にひけをとらない選手。PRIDEに出てもおかしくないです。
 最後の飛び膝は狙ってました。結構冷静だったんで。最近PRIDEの試合ばかりだったので、DEEPのリングが狭く感じました。途中このまま行ったら判定でやられるって思ったので、最後は勝負に出ました」

第9試合 DEEPライト級(70kg)初代王者決定戦 5分3R
○三島☆ド根性ノ助(総合格闘技道場コブラ会)
×TAISHO(Team Barbosa Japan)
判定3-0

※三島が王者に

 70kgの契約体重は三島の修斗時代のウェルター級と同じだが、普段三島は85kg近くあるという。対するTAISHOのベストウェイトは65kg。試合はそのパワー差が歴然と出る内容となる。三島は毎ラウンド開始早々テイクダウンを奪うと、パウンドをコツコツ落とし続け攻勢をキープ。TAISHOが下から腕を狙ってもきっちり防御し、ほとんど攻めさせない。3R終盤はマウントパンチを連打。トリッキーなスタイルを封印して勝ちに徹し、プロ生活初のベルトを腰に巻いた。

◆三島「やっと手に入りました。三度目の正直で。二度あることは三度あるって思ったんですけど、ジンクスが破れて良かったです。大阪でベルト巻いて街の中歩いて『それ何?』って聞かれたら『チャンピオンなりました』って言います(笑)。
 今回は調整不足だったので、技術・キャリアの差で何とかなったかな。走り込み不足ですね。まぁ今日は修斗の初期の頃みたく、手堅くいっちゃいました。(TAISHOの下からの腕十字は?)取られる気がしないです。慌てた場面もないですね。(TAISHOは柔術が得意だが?)道衣着てればまた違ってくると思いますけど、裸やし怖いとは思わなかった。
(今後は)今はホンマ嬉しいだけですね。これから(ベルトの意義が)重くなってくると思います。(五味とは)やらせてくれるならやりたいですね。今回試合が半年ぶりだったので、今年は節制してコンスタントに試合に出たいです」

◆TAISHO「疲れました。他のルールなら膠着してつまらない試合になってしまったかもしれません。0点ですね。ベルトに興味があまりなかったので、その分差が出たかな。向こうは手堅かったです。三島さんにリベンジしたいと言うより、さらに強い人に勝ってそれを帳消しにしようと考える方なので。いろんな話(オファー)がありますけど、今はしばらく試合を休みたいです」
 

第8試合 65kg契約 5分3R
△前田吉朗(パンクラス稲垣組)
△今成正和(チームROKEN)
判定0-1


 独特の構えで距離を取る今成に対し、得意の打撃が出せない前田。お見合いのまま10秒近く両者の動きがピタリと止まる場面もあったが、1R中盤過ぎ、今成がタックルから引き込むと腕十時で速攻。何度か極まりかけるも、前田は必死で体勢を入れ替え、辛うじて脱出する。
 その後もスタンドのお見合いと接近戦の繰り返し。接近すると前田は打撃を狙い、今成は引き込みを狙うが、互いになかなか思い通りの展開にはさせない。時間としてはお見合いの時間が長く、こう着状態に陥ってはいるのだが、互いに積極的に一本・KOを狙っており、そのスピードも非常に早い。二人の微妙な駆け引きも面白く、激しい緩急差がまるでジェットコースターのようにスリリングで、観客を飽きさせない。
 その間も互いに何度か打撃を当てるが単発に終わり、結局決め手のないまま試合終了。前田のプロデビューからの連勝記録(総合シングル戦)は12でストップした。

◆前田「(今成は)強いか弱いかわからないけど寝技のプレッシャーは相変わらず凄いですかね。良い感じの緊張感っていうか、一つミスしたら極められる、一つ当てれば倒れるって感じで面白かったです。珍しく心理戦みたいな戦い方でしたけど。
(足関は)足に触らせましたっけ?足はやばい所なかったでしょ。(三角絞めの方が)やばかったんじゃないですか。思ったより簡単に逃げさせてくれるし、想像より寝技のレベルは低かったです。」

◆今成「疲れました。(前田は)言うほど強くないです。もの凄く噛み合わなくて、試合終わってから『もう(再戦は)ないね』って話しました。(前田の印象)誘い出す感じ。今まで戦った人の気持ちがわかったっていうか、打撃でいっちゃいけないんだけど打撃でいっちゃうみたいな。(寝技をやめて立ってしまったのは)蹴られて足が痛かったので(笑)。寝技してくれれば嬉しいなとは思いましたけど、互いに頑固なので(笑)。向こうはやりたくないって言ってるんですか? 僕もやりたくないですね。お互いにやりたいことさせてくれないし。噛み合ってれば別ですけど(笑)」
 

第7試合 47s契約 5分2R
△しなしさとこ(フリー)
△金子真理(禅道会)
判定0-0


 しなしがいつものように速攻を仕掛けるが、先にチャンスをつかんだのは金子。しなしがポジションを移動した隙を突き、腕十字の体勢に入る。何度か腕が伸びそうになるが、しなしは辛うじて脱出。しかし今度はタックルに行ったところをギロチンに捕まってしまう。これはロープにもつれブレイクがかかったが、終了間際にも金子の腕十字に捕まりそうになり、1Rはまさかの防戦一方の展開に終わる。
 だが2Rはしなしが反撃を開始。テイクダウンを奪うと腕十時を狙う攻撃を繰り返し、終了間際にもヒールホールドで金子を追いつめる。2Rの追い上げが実り、なんとかドローに持ち込むことに成功したが、02年8月の吉住戦以来続いた連勝記録(総合シングル戦)は13でストップしてしまった。

第6試合 契約体重無し 5分2R
×石井 淳(超人クラブ)
○太子郎(パンクラスMEGATON)
1R 0'56" KO (右フック)


 開始しばらくの打撃戦で太子郎の右フックがクリーンヒットし石井はマットに崩れた。

第5試合 83s契約 5分2R
×藤沼弘秀(荒武者総合格闘術)
○三浦広光(パンクラスTOKIN)
判定0-3


 三浦がスタンドのレスリングとパンチで藤沼の体力を奪い、2Rもグラウンドで腕十字を狙うなどチャンスを作り続け完勝した。

第4試合 85s契約 5分2R
×佐藤隆平(R-GYM)
○白井祐矢(アンプラグド国分寺) 
判定0-3


 互いにマウントを奪い合う一進一退の好勝負に。白井が1Rにアームロックで、2Rにバックマウントでチャンスを作ったことが評価され勝利したが、佐藤の粘りも光った。

第3試合 フューチャーキングトーナメント-70s級決勝 5分2R
○井上裕貴(和術慧舟會RJW)
×五十里祐一(P's LAB東京)
判定3-0

※井上が優勝

 グレコローマンレスリングのようなスタンドでの攻防で、互いにパンチと膝を当てる展開が続く。互いに決定打に欠いたが、クリーンヒットで勝った井上が優勝を勝ち取った。

第2試合 82s契約 5分2R
×佐藤豪則(高田道場)
○梅田恒介(R-GYM)
1R 0'35" TKO (レフェリーストップ:スタンドパンチ)


 ロープにもたれかかった梅田のこめかみに佐藤がパンチを数発放ったところで、佐藤がまさかの失神状態に。前代未聞のフィニッシュだった。

第1試合 76s契約 5分2R
×宮本優太朗(ビバリーヒルズ柔術クラブ)
○帯谷信弘(木口道場レスリング教室)
1R 4'48" TKO (レフェリーストップ:グラウンドパンチ)


 帯谷は今回から正式に木口道場所属に。五味隆典が帯谷のセコンドにつき、五味が“兄弟”と呼ぶ須藤元気が宮本のセコンドにつく。試合は終止帯谷のペース。左右のフックで宮本を苦しめ、さば折りから豪快にテイクダウンを奪うと、マウント、バックマウントからパンチを雨を降らす。宮本が鼻血を出したためドクターチェックが入りブレイクがかかってしまうが、その後も帯谷は宮本のタックルを切ると、右フックで宮本をダウン状態にし圧倒。最後はパウンドを連打したところでレフェリーが試合をストップ。帯谷が第1試合に出しておくには勿体なさ過ぎる圧倒的な破壊力を見せつけた。
 

フューチャーキングトーナメント-70s級準決勝 5分2R
○五十里祐一(P's LAB東京)
×LUIZ(禅道会)
2R 1'20" TKO (レフェリーストップ:グラウンドパンチ)

フューチャーキングトーナメント-70s級準決勝 5分2R
×高橋基希(高田道場)
○井上裕貴(和術慧舟會RJW)
1R 4'13" チョークスリーパー
 

Last Update : 02/16 00:40

[ Back (前の画面に戻る)]



TOPPAGE | REPORT | CALENDAR | REVIEW | XX | EXpress | BBS | POLL | TOP10 | SHOP | STAFF

Copyright(c) 1997-2005 MuscleBrain's. All right reserved
BoutReviewに掲載の記事・写真・図表などの無断転載を禁止します。
著作権はマッスルブレインズに属します。