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(レポ&写真) [パンクラス] 3.6 横文:郷野、驚愕のクロスカウンター

パンクラス "SEGA SAMMY Presents PANCRASE 2005 SPIRAL TOUR"
2005年3月6日(日) 神奈川・横浜文化体育館

  レポート&写真:井田英登 【→カード紹介記事】 【→掲示板スレッド】


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第9試合 メインイベント 全日本キック公式試合 ヘビー級 3分5R
×郷野聡寛(パンクラスGRABAKA/王者)
○桜木裕司(掣圏会館/4位)
2R 1'17" KO (スタンドパンチ)


 事前のマスコミを通したコメントでも、渡邊久江とのデートを種にしたり、全日本のベルトの権威をないがしろにするような発言をするなど、おちゃらけた「無気力」ぶりを強調して来た郷野。入場も、ベルトを肩に下げながら、テーマを口ずさみ体を揺らすリラックスぶりを強調。ベルトを取って、さらにプロ意識に磨きがかかった感がある。

 一方、死地に赴くようなテンパった表情で、首には寄せ書きされた国旗、小脇には日本刀を携え、まるで特攻隊を思わせる入場を見せた桜木。両者の試合に臨む表情には、あまりにも大きな落差があった。試合後、郷野が放ってきた“マスコミ辞令”の数々を「ああ、こんな風に言うんだ。プロっぽくなって来たなあ」と人ごとのように振り返った桜木だが、やはり雑魚あつかいされて内心穏やかではなかったはずだ。

 だが、試合は力量の差を背景に、手数は少なく余裕たっぷりの動きで、郷野がリードする。ムキになってパンチを振る桜木を受け流し、時折早い出入りからパンチを叩き込んで下がる、予告通りの“省力ファイト”を展開。

 1Rにはショートフックで既にダウンを先取していた事もあり、マイペースで試合を進めていたが、2R序盤、桜木が後ろ回し蹴り、踵落としとトリッキーな動きを見せたに対し、「それはこうやるんだ!」と言わんばかりに、さらにスピードの乗った後ろ回し蹴りを披露。

 ここで郷野は気分的に上向きになったのか、格の差を見せつけようと言う“魔が差した”のか。ギミックのノラクラファイトからギヤをチェンジして、一気に勝負をつける勢いで、桜木との打ち合いに応じてしまった。だが、実はこれが桜木の作戦。早い郷野の連打をかいくぐって、クロスカウンターとなるストレートを放つ。これを浴びて、郷野はまさかのダウン。カウント8で立ち上がりはしたが、足下がふらつき、視線が定まらなかったため、レフェリーが試合をストップ。王者初戦を慢心で失った形に。
 
 これで桜木は謙吾戦に続く2戦連続の逆転劇。試合後も今回の一戦のために全面的に桜木をバックアップした、全日本キックの小林聡を横に置いてのコメントとなった。その小林は「作戦はいくつかあったけど、その中の一つがばっちりハマったと言う感じ」とのべた。勝利がまだ信じられないといった表情の桜木は「作戦というのもありますけど、なにより信じられる人が居た事が、折れないって事なのかなと思います。背負うものがあるから諦めない気持ちになれたと。今まで掣圏道のほうではどうしても下をまとめなきゃいけないという責任があったけれど、藤原(敏男)先生、小林さん、前田(尚紀)君たちが一緒に練習してくれて、新しい仲間が出来て、ホントによかったと思います」と勝因はあくまで精神にありという、らしいコメントで締めくくった。
(※郷野は試合後はノーコメントだったが、試合4日後の記者会見で敗因分析を語っている)
 

第8試合 GRABAKA vs BRAZILIAN 3×3 大将戦 ミドル級 5分3R
○三崎和雄(パンクラスGRABAKA/2位)
×フラービオ・モウラ(ブラジル/グレイシー・バッハ・コンバットチーム)
2R 2'13" 変形スリーパーホールド


すでに対抗戦はGRABAKAの二敗と言う形で決着してしまった後の大将戦。モチベーションを高める事がむずかしいところだが、三崎はいつも通り気迫のみなぎった表情を見せてリングイン。

 序盤から打ち合いを避けて、胴タックルでのテイクダウンを狙って行きたモウラ。コーナーで釣り上げられるようにして落とされるが、下のポジションは密着で凌いでブレイクを勝ち取る三崎。

 スタンドに戻ると、今度はパンチ主体に切り込んでくるモウラだったが、三崎は総じてそのパンチを見切って、連打を避けまくる。「イメージしてた相手と違う感じで、パンチが遅いんですよね(笑)あれ?って言う感じで、相手が前より強くなってるはずだって思い込みすぎてて、まだ固かったですね」とこの段階での心理を振り返る。しかし、きっちり組んでのヒザや、飛び込んでの右と有効打を重ねて、ペースを握る。

 2Rに入っても打撃面での三崎優勢は動かず、苦し紛れに引き込み気味のフロントチョークを仕掛けたモウラだが、三崎の背筋の張りに負けて締めきれず、ロープに登るという失態を犯し、注意をうける。心理的にもすでに優勢に立っていたのだろう。それに乗じてか、三崎は飛びヒザを二発連続で叩き込み、一気に勝負を決めにかかる。組んで凌ごうとしたモウラをガブってつぶし、そのまま亀にならずにべったりグラウンドに引き倒し、フロントチョークを決める。

「練習ではいつもやってるんですけど、極めどころがむずかしくて、試合ではだせなかったんですけど」というこのオリジナルホールドでのフィニッシュで、しっかりタップを奪ってしまった。

第7試合 GRABAKA vs BRAZILIAN 3×3 中堅戦 ライトヘビー級 5分3R
×佐々木有生(パンクラスGRABAKA/8位)
○グスタボ・シム(ブラジル/グレイシー・バッハ・コンバット・チーム/9位)
判定0-2 (和田29-30/梅木30-30/岡本29-30)

 佐々木との打撃戦を僅差で制したシムは、試合後マイクを取り、近藤の持つライトヘビー王座への挑戦を表明した。

第6試合 GRABAKA vs BRAZILIAN 3×3 先鋒戦 ライトヘビー級 5分3R
×山宮恵一郎(パンクラスGRABAKA/10位)
○ニルソン・デ・カストロ(ブラジル/シュート・ボクセ・アカデミー/3位)
判定0-3 (梅木29-30/和田28-30/岡本29-30)
                         
第5試合 第2代ウェルター級王者決定4人トーナメント準決勝(2) 5分3R
×長谷川秀彦(SKアブソリュート/1位)
○北岡 悟(パンクラスism/7位)
判定1-2 (廣戸30-30 北岡優勢/梅木30-30 北岡優勢/和田30-30 長谷川優勢)
※トーナメントのため必ずどちらかを勝者とする裁定

第4試合 ヘビー級 5分3R
×セハク(和術慧舟會RJW/1位)
○野地竜太(パンクラスMEGATON)
1R 4'25" KO (スタンドでのボディへの膝蹴り)

第3試合 ウェルター級 5分2R
△和田拓也(SKアブソリュート/9位)
△長岡弘樹(総合格闘技道場DOBUITA)
判定1-0 (廣戸20-19/岡本19-19/梅木19-19)

第2試合 スーパーヘビー級 5分2R
×折橋 謙(チームPOD)
○山岸正裕(YMC長野)
1R 0'17" TKO (レフェリーストップ:グラウンドパンチ)

第1試合 アテナ特別ルール 49kg未満契約 3分5R
○渡邊久江(AJジム)
×大室奈緒子(和術慧舟會東京本部)
判定3-0 (廣戸49-48/岡本50-47/和田49-44)
※一方がグラウンド状態での顔面・頭部への蹴りは禁止

パンクラスゲート ウェルター級 5分2R
△小池秀信(GRABAKAジム)
△高本裕和(アンプラグド国分寺)
時間切れ

パンクラスゲート ウェルター級 5分2R
△本田朝樹(P'sLAB横浜)
△高屋祐規(SKアブソリュート)
時間切れ

Last Update : 03/12 02:04

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