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(レポ&写真) [修斗] 5.30 北沢:川尻、宿敵タクミをスタンドパンチで粉砕!

ガッツマン・プロモーション "Shootor's Dream II" 2003年5月30日(金) 東京・北沢タウンホール

  レポート:石動龍  写真:井原芳徳  【→大会前のカード紹介記事】 [→掲示板・修斗スレッド]

第7試合 ウェルター級 5分3R
○川尻達也(総合格闘技TOPS/7位)
×タクミ(パレストラ大阪/9位)
1R 4'11" TKO (レフェリーストップ:パンチでダウン後)


 2000年4月12日、ここ同じ北沢タウンホール。共にデビュー戦として相まみえて以来、3年ぶりの対戦となる川尻達也とタクミ。前回一本負けを喫した川尻は、タクミよりランキングで上回った最近でも、事あるごとにタクミへのリベンジを口にしていた。しかし勝った側のタクミも昨夏頃から再戦をアピールしており、いわば“相思相愛”の状況でこの再戦が実現した。タクミにとってはパレストラ大阪をオープン後初の試合となり、道場主の立場としても負けは許されないところだろう。
 リングに上がった両者は猛烈な視殺戦を展開。双方まったく目をそらさずに試合開始のゴングが打ち鳴らされる。
 開始から前に出るのは川尻。ストライカーのイメージは薄い川尻だが、試合後に「殴ることしか考えていなかった」と語ったように、カウンターをもらいながらも一歩も引かず、積極的に打撃を出していく。さらにタクミをコーナーに追い詰め、開始1分、左ストレートで先制のダウンを奪う。フラッシュ気味に倒れ、ダメージはないかに思われたタクミだが、カウント9まで立ち上がれず、ダメージの大きさを伺わせる。
 再開後も川尻が攻める。コーナーで差し合いになる場面もあったが、川尻はタクミを突き放して打撃戦を望む。コーナー付近でタクミも打ち合いに応じるが、川尻の右ストレートがカウンターでクリーンヒット。タクミは腰から崩れ、二度目のダウンとなる。

 なんとか立ち上がったタクミだが、足がふらつきダメージの色が濃い。再開後、距離を取ろうとするタクミを川尻が追い詰め、豪快な右ストレートを顔面に叩き込む。タクミは前のめりに崩れ落ち、レフェリーが試合を止めた。
 試合終了のゴングと同時に川尻はガッツポーズ。3年間胸に秘めた思いを爆発させた。一方のタクミは川尻の勝利インタビューが始まっても立ち上がれない。号泣しながらマットを叩き、力無くリングを後にした。
 試合は川尻の圧勝であり、タクミが道場運営のために練習不足であったことを差し引いても、大きな力の差を感じさせた。無傷で満面の笑みを浮かべ、シャオリン、ヨアキム・ハンセンら外国人狩りを高らかに宣言した勝者と、マットに寝転んで涙を見せる敗者。デビュー戦とは正反対の立場で、明暗がはっきり分かれる結果となった。
 二人のコントラストが再び逆転する日は来るのだろうか。

◆川尻
「今日は一本取る気は無くて、殴ることしか考えてませんでした。組んで(相手に)力が無いのはわかったんですけど、もつれて万が一にも下になるのは嫌でした。今まではどうしても勝たなければならない試合が多すぎて、打撃戦を避けて戦ってたんですけど、本当は打撃の方が好きですから。
 あの試合(デビュー戦)に負けたから今の自分がいます。もし勝ってたら格闘技自体をやってなかったかもしれないです。昔と今の自分は違います。前はアマチュアの気持ちのままでリングに上がっていたけど、今は甘えはありません。俺の方が強い、絶対に勝つ、その気持ちだけです。仲間と妥協しない練習ができているおかげなので、みんなに感謝しています。
 今のウェルター級は日本人がナメられているので、これからは外人を一人ずつ潰して行きたいです。『日本は天国だ』なんて言う奴もいるらしいので。
パルヴァーとやりたかったけど、連続KO負けしたので興味が無くなりました。次は昇り調子のハンセンとやりたいですね。
(チャンピオンベルトは狙わない?)日本のウェルターは五味さん一人が背負ってる状態なので、五味さんに認められてから考えたいです。今は僕なんて眼中に無いと思いますから。
(にらみあいについて)あれに乗ってくれたので『絶対倒す』という気持になれました。今まで会場で会ったときもその気持ちを忘れたことは無かったです。ランキングは関係無くて、今日だって青コーナーから入場したいくらいでしたから。」

第6試合 03年度新人王トーナメント ウェルター級2回戦 5分2R
○帯谷信弘(GUTSMAN・修斗道場)
×橋本平馬(パレストラ東京)
判定3-0 (20-18,20-18,20-18)

※帯谷が決勝進出。鹿又智成(武蔵村山道場)と対戦

 ゴング前に両者は額を付け合っての激しい睨み合いをみせる。
 開始と同時に帯谷が猛然とダッシュ。右ストレートを橋本の顔面めがけて放ち、その勢いのままで橋本をコーナーに押し付ける。距離が離れると帯谷はハイキックやワンツーなど、積極的に打撃を出し、橋本が下がったところにタックルを仕掛けてテイクダウンに成功。
 上を取った帯谷は強烈なパウンドを見せるが、橋本も足を利かせて決定打は許さない。帯谷がパンチを落とし続ける中で1R終了。2Rも帯谷が積極的に前に出る。組み付くと豪快なフロントスープレックスで橋本をテイクダウン。1Rと同様パンチを落とす。橋本も下からの鉄槌で反撃するが、帯谷はひるまずにパンチを連打。試合終了間際にはマウントを奪取し、腕十字を極めかけたところで試合終了。
 結局終始攻め続けた帯谷が判定勝ち。アマチュア時代から通算して3度目の対戦(帯谷の1勝1分け)となる、鹿又との新人王トーナメント決勝戦に駒を進めた。

第5試合 03年度新人王トーナメント ミドル級2回戦 5分2R
×中山 徹(インプレス)
○大場隆光(和術慧舟會長崎総本部)
2R 0'12" TKO (ドクターストップ:出血による)

※大場が準決勝進出。岡田廣明(PUREBRED大宮)と対戦


 開始直後、タックルで中山がテイクダウンし、重いパンチを落とし続ける。大場の下からの攻めを完封し、パンチを何発もヒットさせていく。ラウンド中盤に大場がグラウンド状態の中山の顔面を蹴り、減点1が課されたこともあり、中山が圧倒的優位の中で1R終了。
 2R開始直後、再び中山がタックルを仕掛けるが、大場の膝がカウンターで中山の顔面にクリーンヒット。ダウン気味に倒れた中山は額から大量出血し、無念のドクターストップ。大場が大逆転勝利を収めた。

第4試合 03年度新人王リーグ戦 フライ級 5分2R
×タイガー石井(パレストラ吉祥寺)
○春崎武裕(直心会格闘技道場)
判定0-3 (17-20,18-20,17-20)


 春崎は昨年度のアマチュア修斗全日本選手権バンタム級3位、タイガーは昨年度のアマチュア修斗全日本選手権フライ級の準優勝者であり、MAキックで8戦のキャリアを持つ。共に今回がデビュー戦となる。春崎は同じ格好をした双子の兄弟と入場し、場内の笑いを誘う。
 試合はリーチで勝るタイガーがローでプレッシャーをかけていくが、一瞬の隙をついて飛び込んだ春崎の左フックがタイガーの顔面にクリーンヒット。春崎が先制のダウンを奪う。再開後、タイガーはノーモーションのハイキックなどで反撃するが、春崎はきっちりガード。組み付いての反り投げでタイガーをテイクダウンし、パンチを落とす。
 2Rも春崎が反り投げでテイクダウンする。ポイントでリードされたタイガーだが、下から攻められないまま試合終了。春崎が判定勝ちを収めた。

第3試合 03年度新人王リーグ戦 フライ級 5分2R
×豊島孝尚(総合格闘技STF)
○鶴見一生(RJW G2)
2R 0'46" TKO (ドクターストップ:膝蹴りでダウン後)


 鶴見は昨年度のアマチュア修斗全日本選手権フライ級優勝者。デビュー戦となるこの試合がプロ修斗公式戦初のフライ級の試合となる。
 開始直後に豊島が片足タックル。こらえた鶴見は豊島の後頭部にパンチを落とす。豊島はパンチを受けながらもしつこくテイクダウン狙い。だが鶴見は倒れず、後頭部にパンチを落とし続けて1R終了。
 2Rの開始早々鶴見の右ハイキックがクリーンヒットし、豊島はダウン。なんとか立ち上がるも、再開後、今度は顔面への膝をもらい二度目のダウンを喫してしまう。ダウン後に豊島の目の腫れがひどくなり、ドクターストップとなった。

第2試合 ライト級 5分2R
×碓氷早矢手[うすい・はやて](RJWセントラル)
○リオン武(シューティングジム横浜)
判定0-3 (18-20,17-20,18-20)


 リオン武は昨年度のアマチュア修斗全日本選手権ライト級で3位となった選手。今回がデビュー戦となる。
 開始のゴングと同時にリオンが猛ダッシュ。碓氷が構える前に左ストレートをヒットさせ、先制のダウンを奪う。
 ダウンを奪われた碓氷だが、ノーガードで舌を出してリオンを挑発するなど余裕十分。テイクダウンされても動き続け、スピーディーな動きを見せるがリオンが攻め続け防戦一方となる。
 2Rは碓氷が打撃のプレッシャーをかけるが、大きなダメージは与えられず。逆に終了直前にリオンのカウンターの右ストレートをもらってしまう場面も。1Rのダウンが決め手となり、リオンが判定勝ちを収めた。

第1試合 ウェルター級 5分2R
○天突頑丈[てんつく・がんじょう](PUREBRED大宮)
×飛田拓人(インプレス)
1R 4'11" TKO (レフェリーストップ:グラウンドパンチ)


 天突は昨年度のアマチュア修斗全日本選手権ウェルター級で3位となった選手。今回がデビュー戦となる。緊張した面持ちで入場した天突は開始直後は動きが固いが、外掛けでテイクダウンすると豪快なパウンドを連発。グラウンドパンチによるTKOで、見事デビュー戦を飾った。

Last Update : 06/10

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