RISE 2.23 後楽園ホール:ベイノア、Hidekiに判定勝ち「2020年の最後の日にやりたいことがある」。53kg戦線は大﨑一貴・政所仁・松谷桐が完勝
MARTIAL WORLD PRESENTS GYM VILLAGE
OGUNI-GYM(オグニジム)
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RISE 137
2020年2月23日(日)後楽園ホール
レポート&写真:井原芳徳
第10試合 メインイベント RISEウェルター級(67.5kg)タイトルマッチ 3分5R(無制限延長R)
○“ブラックパンサー”ベイノア(極真会館/王者)
×Hideki(RISE/team gloria/RISE 1位)
判定3-0 (長瀬49-47/大澤50-47/豊永50-47)
※ベイノアが初防衛
ベイノアは昨年3月、タップロン・ハーデスワークアウト相手にKO負けし、キックボクシングでの初黒星を喫したが、9月の幕張大会でリベンジ。12月にはシュートボクシングで海人に判定負けしている。
Hidekiは17年1月に裕樹のスーパーライト級王座に挑む予定だったが、計量クリア後にインフルエンザを発症して試合を欠場し、RISEから無期限出場停止の処分を受けていた。地元神戸のABWや、RISE推薦で上がったRIZINの試合を経て、昨年9月の後楽園大会でRISEに復帰し、ウェルター級王座挑戦者決定戦で中島将志に判定勝ちした。
1R、お互い慎重で、Hidekiが時折大振りのフックを出すが、ベイノアはかわし続ける。ベイノアも蹴りを出すが、まだヒットは乏しい。記者採点はイーブン。
2R、ベイノアは右ローにヴァレリーキックも絡め、組んでの膝も増やす。Hidekiはローのカウンターで左フックを当てる場面もあるが、手数では劣る。だがまだはっきしした差はない。記者採点はイーブン。
3Rもベイノアが同じようにローなどを当て、少しHidekiの動きが落ちたが、中盤過ぎ、右の飛び膝、右ストレートをまとめ、ベイノアを下がらせる。しかし終盤はベイノアも持ち直す。記者採点はイーブン。
4Rもベイノアはしぶとく右ロー、左インローを当て続ける。Hidekiはダメージが溜まり、時折バランスを崩し印象を悪くする。それでもパンチを出すが、3Rまでのように当てられない。記者採点はベイノア。
5Rもベイノアはローを当てつつ、右ハイもヒット。中盤以降は空手の試合のように頭を近づけた状態で、ベイノアが左右のローを当て続け、膝蹴りも絡め、主導権を維持する。記者採点は50-48でベイノア。ジャッジ3者も順当にベイノアを支持し、ベイノアが初防衛に成功した。
ベイノアは「相手がHideki選手でしたが、僕の先生が相見秀樹という名前で『秀樹の上に秀樹なし』で負けられませんでした。今年は全勝して野望があります。2020年の最後の日にやりたいことがあるので、そこまで突っ走ります。もし年末、営業呼ばれたら、Hideki選手、改名しなくていいんで、代わりに出てください」とアピールした。
- “ブラックパンサー”ベイノア
バックステージでは年末の大晦日について聞かれると「ケツバット(=日テレの「ガキの使いやあらへんで」)じゃなく、(RISEの)白いグローブじゃなく、緑のオープンフィンガー、つけちゃうよ」と、RIZINでのMMA挑戦に意欲を示したが「まあ、そう言える内容じゃなかったんで」と謙虚な言葉も付け加えた。
第9試合 セミファイナル スーパーライト級(65kg)(ノンタイトル戦) 3分3R(延長1R)
○山田洸誓(正道会館KCIEL/RISEスーパーライト級王者)
×中野椋太(誠至会/NJKFウェルター級王者、S1ジャパン65kg級王者)
判定3-0 (小川30-29/長瀬30-29/佐藤30-28)
山田は昨年、RISEスーパーライト級王座決定トーナメントに出場し、7月の大阪大会でタップロン、9月の後楽園で山口侑馬を破りRISE王者になった。対する中野は7月の大阪大会でDEEP☆KICK王者の憂也に1R KOちし、RISEには2度目の参戦となる。
1R、中野が圧をかけ続けるが、山田は回ってかわし続け、随所で右のカーフキックを当てる。途中サウスポーにスイッチし左の三日月蹴りも当てる。だが両者まだ攻撃が少なめで差は乏しい。
2R、中野は右ミドルのヒットを増やし、山田も右ロー、カーフを当てるが、まだ均衡は崩れない。ここまで記者採点はイーブン。
3R、お互いパンチの数を増やし、ようやくアグレッシブに。中野が中盤、右ミドルも増やし、やや優位になるが、終盤、山田が圧を強め、パンチを増やし、やや優位に。とはいえヒット自体は乏しいため、記者採点はイーブン。合計30-30のイーブン。ジャッジは3者とも3Rの山田を支持した模様で、山田の勝利となった。
山田は「チャンピオンになって一発目の試合で、ちょっと堅くなって、焦ったんですけど、とりあえず勝てて良かったです。リング上で前回、結婚報告して、(妻が)臨月に入って、今生まれてもおかしくない状態ですけど、いつも支えてくれてありがとう。次はKOで勝てるよう精進したいです」とアピールした。
第8試合 75kg契約 3分3R(延長1R)
○松倉信太郎(TRY HARD GYM/RISEミドル級(70kg)2位)
×西村清吾(TEAM-KOK/NKBミドル級王者)
判定3-0 (小川30-29/秋谷29-28/佐藤30-28)
松倉は昨年7月の後楽園大会のイ・ソンヒョンとのRISEミドル級王座決定戦で判定負けして以来の試合。10月のRIZIN大阪大会に出る予定だったが、目の病気でドクターストップがかかっていた。西村はRISE初参戦だ。
1R、両者サウスポーに構え、体格で勝る西村が圧力をかけ続け、随所で左ストレートを強打するが、松倉は連打をもらわず、右ボディ、左ロー、パンチを着実に返し続け、手数では勝る。西村は鼻血を出す。記者採点は松倉。
2Rも西村が圧力をかけ続け、左ストレートを当てていると、次第に松倉も苦しそうな表情を浮かべるように。松倉も膝蹴り、前蹴りなどを返すが、西村の勢いは止まらない。記者採点は西村。
3R、お互いダメージと疲労が溜まり、クリンチが次第に増えるが、西村が随所でパンチをまとめる。松倉も蹴りを返すが、主導権は握れないまま終える。記者採点はイーブン。合計29-29でイーブン。ジャッジは3者とも西村を支持し、西村の勝利となった。
松倉は「今回、75kgで組んでもらいましたけど、西村選手、強かったです。応援団の声援も大きく、人間としての強さを感じました。ありがとうございました」と西村を称え「世界で一番強くならないと格闘技を辞められません。この階級で世界を取ろうと思います。RISEのスーパーミドル級のベルトを持って世界に行きたいです。この試合じゃ大きいことを言えないですけど、これからも応援してください」とアピールした。
第7試合 スーパーフライ級(53kg) 3分3R(延長1R)
○大﨑一貴(OISHI GYM/WMC日本&LPNJフライ級王者)
×風音(TEAM TEPPEN/RISE 4位)
判定3-0 (大澤29-27/小川29-27/秋谷30-27)
風音は昨年11月の後楽園大会で松谷桐に延長戦の末に判定勝ちしRISE 4連勝。大﨑兄弟の兄・一貴はRISE初参戦で、KNOCK OUTでフライ級王座決定トーナメント決勝に進み、昨年はRIZINで瀧谷渉太、ホーストカップで滉大に勝利している。
1R、一貴が圧力をかけ続け、右ローを着実に当て続る。終盤、風音もパンチを増やし巻き返すが、一貴もパンチを返しつつ、右ローも強打し、主導権を譲らない。
2Rも一貴が圧力をかけ続け、バックスピンキック、左ボディも当て、優勢ムードを作る。中盤、ロープに詰めると、お互いパンチを振るい、右フックの相打ちに。一貴の腰も落ちるが、風音が尻餅をつきダウンする。終盤にも一貴がダメージの残る風音に右フックを当てて2ダウン目を奪う。
3R、風音は挽回を狙ってパンチと右ミドルのコンビネーションを主体に攻撃を増やす。一貴は時折被弾しつつも、多くはブロックしたりかわしたりしつつ、左ボディ、左右のフック、右ローを返し続け、反撃を封じ終了し、判定勝ちした。
一貴は「風音選手、勢いのある選手ですけど、凄い大きいRISEという大会に出させていただいて、継続参戦したいので、勝たないといけないと思いました。動きは良くなかったんですけど、2Rにダウンを取って、判定ですけど勝ててうれしいです。またRISEに参戦させていただきたいので、試合に出るときは応援お願いします」とアピールした。
第6試合 スーパーフライ級(53kg) 3分3R(延長1R)
○政所 仁(魁塾/RISE 1位)
×京介(TOP DIAMOND/RISE 3位)
1R 2’39” KO (右ストレート)
政所は昨年11月の後楽園大会で大﨑孔稀相手に左フックでダウンを奪い判定勝ちしている。京介は昨年3戦全勝と好調だが、政所が格の違いを見せつける。
1R、政所が右ロー、左ボディを効かせ、じわじわと京介を下がらせると、コーナーに詰めてから右ストレートをクリーンヒットする。ダウンした京介は立ち上がれず、政所のKO勝ちとなった。
マイクを持った政所は「やっとRISEでKOで倒せたんで、そろそろ僕も大阪のビッグマッチに出してもらいたいです」とアピールした。
第5試合 スーパーフライ級(53kg) 3分3R(延長1R)
○松谷 桐(VALLELY KICKBOXING TEAM/NJKFフライ級王者、RISE 5位)
×遠山翔太(MONSTAR GYM/RISE 9位)
2R 2’27” TKO (レフェリーストップ:右フックでダウン後)
松谷は風音戦以来2度目のRISE参戦。1R、お互いまだ慎重だが、サウスポーの松谷に対し、オーソドックスで長身の遠山が、終盤に右ストレートのヒットを増やし、若干好印象を残す。
2R、松谷は開始すぐから圧力を強めて、距離を潰し、パンチを当て続けて攻勢に。すると終盤、ロープに詰めると、左ボディからの右フックの連打でダウンを奪う。遠山は立ち上がるがダメージが大きくレフェリーがストップした。
マイクを持った松谷は「KOで勝ててダメージもないので、4月のRISEに石井(一成)選手が出るということで、自分空いているんで、よろしくお願いします」と、対戦を志願した。
第4試合 58.5kg契約 3分3R(延長1R)
○篠塚辰樹(TARGET SHIBUYA/RISEフェザー級(57.5kg)5位)※TEAM TEPPENから所属変更
×平野凌我(MTS/2019英雄伝説アジアトーナメント3位)
1R 1’50” KO (右膝蹴り)
篠塚は昨年5月の森本“狂犬”義久戦以来8か月ぶりの試合。TARGET SHIBUYAへの移籍初戦となる。平野は岡山出身でRISEには初参戦の20歳で戦績7戦5勝1敗1分。
1R、開始すぐから篠塚が飛び膝から距離を詰める。平野も前蹴りで篠塚を吹き飛ばす場面もあったが、篠塚の勢いは止まらず、左ボディを効かせてからの左フックでダウンを奪う。パンチの打ち合い被弾しつつも、篠塚は引き続き左ボディ、左フックを何発も当てて追い詰め、最後は組んでの顔面への右膝蹴りでダウンさせたところで、レフェリーがストップした。
第3試合 フェザー級(57.5kg) 3分3R(延長1R)
×山川賢誠(Kickboxing Academy Sapporo/RISE 7位)
○門口佳佑(EX ARES/RISE 9位、AbemaTV那須川天心挑戦者決定トーナメント優勝)
判定0-3 (佐藤まさゆき27-30/豊永27-30/佐藤しんいち27-30)
門口は昨年11月大会で堀尾竜司に判定勝ちしている。1R、両者サウスポーに構え、パンチと蹴りを当てるが、まだ大差はない状態。2Rも接戦が続くが、終盤、門口が左の近距離からの飛び膝をきっかけに、パンチのヒットを増やしてやや優位になる。
3R、山川が序盤から圧を強め、パンチを連打して反撃する。だが門口は少しずつ右フックのヒットを増やし、じわじわ挽回すると、終盤、打ち合いで左フックを当ててダウンを奪う。これで点差を広げ判定勝ちし、デビュー以来の無敗を8に伸ばした。
第2試合 スーパーライト級(65kg) 3分3R
○実方拓海(TSK Japan/WMC日本・LPNJ・J-NETWORKスーパーライト級王者、LPNJスーパーウェルター級王者)
×杉本卓也(ウィラサクレック・フェアテックス/元J-NETWORKスーパーライト級王者)
判定3-0 (佐藤まさゆき29-28/佐藤しんいち30-28/小川30-28)
実方はRISE 2戦目、杉本はRISE初戦。両者ムエタイがベースで、16年10月にJ-NETWORKで対戦し、杉本が3R判定2-0で勝利している。
1R、実方がサウスポーからの左ミドルとロー主体でやや積極的に攻めるが、杉本も随所で返し、まだ大差は無い。2R、お互い手数が少し上がり出すと、パンチの打ち合いで実方のヒット数が上回り、やや好印象。3Rもパンチ主体の攻防で、杉本も右ボディを絡めつつ、ヒット数でほぼ五分で渡り合うが、鼻血を出し少し印象が悪い。接戦ではあったが、実方が判定勝ちした。
第1試合 ヘビー級 3分3R
○三上大智(ボスジム)
×石川利輝(TEAM TEPPEN)
1R 1’32” KO (右フック)
三上は剣道で2016年に全日本学生剣道選手権大会3位の実績を残す。3年前にキックに転向。昨年6月にシュートボクシングでプロデビューし、小澤和樹と内田ノボルをKOしている。石川は昨年9月に41歳でプロデビューし(現在42歳)のRISEでチャンにKO勝ちしている。
試合は三上が素質の高さを印象付ける内容に。1R、三上がサウスポーに構え、時折左の蹴りを当てる。中盤、石川が右のインロー、ミドルを連打し、少し手応えを得た様子だったが、コーナーを背にした三上に対し、右のパンチを振りながら飛び込むと、三上が右フックで迎撃しクリーンヒット。これ一発でKOし、場内をどよめかせた。
オープニングファイト第2試合 スーパーフライ級(53kg) 3分3R
△黒田直也(ハーデスワークアウトジム)
△寺山遼冴(TEAM TEPPEN/2018年KAMINARIMON全日本ジュニア-55kg級優勝)
判定0-1 (秋谷29-29/大澤29-30/小川30-30)
オープニングファイト第1試合 69kg契約 3分3R
×真弓勇気(LEOジム/2018年KAMINARIMON全日本大会-75kg級優勝)
○稲井良弥(TARGET/JAPAN CUP 2019 -70kg級優勝)
3R 2’39” TKO (レフェリーストップ:左ストレートでダウン後)