RISE 11.4 後楽園ホール:スーパーフライ級戦線は政所仁&風音の関西勢が勝利。秀樹が2連勝。野辺広大、復帰戦白星
MARTIAL WORLD PRESENTS GYM VILLAGE
格闘技医学会
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RISE 135
2019年11月4日(月/祝) 後楽園ホール
レポート&写真:井原芳徳
第9試合 メインイベント 64kg契約 3分3R(延長1R)
○秀樹(新宿レフティージム/RISEライト級(63kg)1位、K-1 REVOLUTION FINAL -65kg級世界王者)
×川島史也(Battle Nation/RISEライト級9位)
判定3-0 (佐藤30-27/長瀬30-27/大澤30-27)
秀樹は2月の白鳥大珠とのライト級タイトルマッチで、左足のスネをカットしTKO負け。9月の幕張大会の稲石竜弥戦で戦列復帰し判定勝ちした。川島は昨年11月から6月の実方拓海戦まで3連敗中だ。
1R、秀樹がサウスポーに構え、圧力をかけ、お互いロー主体の攻防が続く。秀樹の蹴り数が少し上で、カーフキック、左ミドルも織り交ぜるが、川島もまだ崩れない。
2Rは秀樹が右フック、左ハイのヒットを増やす。川島はまだ崩れる場面は無いものの、攻撃がほとんど返せない。
3Rも秀樹ペースで、序盤から左フック、左ハイを当て好印象。川島はインローを返すが、秀樹は崩れない。終盤には秀樹が左ハイを効かせ、ダメージの残る左ストレートを押すように当てて倒すと、スリップ気味ではあるが小川レフェリーはダウンを宣告する。最後も秀樹が左ハイ、左ストレートで川島を追い詰め終了。3ポイント差をつけ完勝した。
秀樹は「(白鳥との)タイトルマッチと(来年開催予定の)63kgのWORLD SERIES(トーナメント)に出たいです。海外選手にフィジカルで勝てるのは僕しかいないと思います」とアピールした。
第8試合 セミファイナル スーパーフライ級(53kg) 3分3R(延長1R)
○政所 仁(魁塾/RISE 1位、J-NETWORKフライ級王者)
×大﨑孔稀(OISHI GYM/WMC日本&J-NETWORKスーパーフライ級王者)
判定3-0 (小川29-28/長瀬29-28/佐藤29-28)
政所は5月に田丸辰のスーパーフライ級王座に挑戦したが判定負け。9月の地元大阪でのDEEP☆KICKでは滉大に判定負けしている。大﨑兄弟の次男・孔稀は10月のKNOCK OUTで濱田巧に判定勝ちし、8月から3カ月連続で勝利しており、勢いに乗りRISEに初参戦する。
1R、孔稀が圧力をかけ、右ローを当てつつパンチを狙う。政所はロープを背負う時間が長いが、クリーンヒットはもらわず、パンチや膝を随所で返す。
2Rも孔稀が圧をかけるが、政所は左ジャブを返す。中盤、孔稀が左フックを当てるが、再び左フックを振るうと、政所のカウンターの左フックが炸裂し、孔稀はダウンしてしまう。
3R、孔稀は逆転を狙い、片手でつかんでからの左の膝蹴りを効かせると、政所は少し苦しむ。以降も孔稀がパンチ、膝を当て続け、必死にダウンを狙うが、政所が耐えきり判定勝ちした。
第7試合 スーパーフライ級(53kg) 3分3R(延長1R)
×松谷 桐(VALLELY KICKBOXING TEAM/NJKFフライ級王者)
○風音(TEAM TEPPEN/RISEスーパーフライ級4位)
4R 判定0-3 (小川9-10/佐藤8-10/秋谷8-10)
3R 判定0-1 (佐藤28-28/小川28-29/秋谷29-29)
9月の後楽園で元新日本キック王者の麗也をKOし名前を上げた風音が連続参戦。松谷は7月のNJKFに仲山大雅にKO負けし、プロ10戦目で初黒星を喫し、今回がRISE初参戦だ。
1R、サウスポーの松谷に対し、風音が圧力をかけ続け、ボディと顔面にパンチを当てる。松谷は押され気味の状況が続くが、まだひるまず、終盤に左のスーパーマンパンチをクリーンヒットし、悪印象をぬぐう。
2Rも風音が詰め、パンチを連打し、右ミドル等も絡めるが、松谷は耐え、打ち合いで左フック、左テンカオを当て返し、はっきりした差はつけさせない。
3Rも打ち合いが続くが、両者ホールディングが増え、風音がイエロー累積2枚で先にレッドカード減点1に。松谷も終盤にイエロー2枚でレッドカードとなり減点1となってしまう。
記者採点は3Rとも10-10で、減点を合わせ合計29-29。結局本戦では決着がつかず延長へ。激しい打ち合いが続き、松谷が左ストレートを中盤にクリーンヒットする。だが松谷は終盤のクリンチで大澤レフェリーから再びレッドカード減点1をもらってしまう。RISEは延長Rもマスト判定では無いが、ジャッジ2者は風音を支持し、8-10とつけ、風音の判定勝ちとなった。記者採点は減点を合わせ9-10で風音。松谷は敗れたものの、十分印象を残すファイトで、RISE関係者の評価も高かった。
勝った風音は「(政所)仁、俺がつないだから勝てよ。その先は現チャンピオン田丸、俺とやろうや」とアピールした。
なお、この後の試合で勝った政所は、バックステージでのインタビューで、風音について「同じ関西出身で(※風音は京都出身)一緒に練習したこともあるので、やりたくないですけど、組まれたら切り替えてやります。ボコボコにしてやります」と話した。
風音も「大﨑選手は僕に勝っていて強いのはわかっていたけど、仁が勝つと思っていました。仁とやったら盛り上がると思う。関西なめんなよ。関西は強い」と豪語した。
第6試合 62kg契約 3分3R(延長1R)
○野辺広大(BRING IT ONパラエストラAKK/元RISEスーパーフェザー級(60kg)王者)※RISE ON/INSPIRITから所属変更
×石月祐作(KAGAYAKI/2018年RISING ROOKIES CUPスーパーフェザー級優勝)
判定3-0 (小川30-29/秋谷30-28/大澤30-28)
野辺は昨年6月の幕張大会での裕樹戦で延長KO負けして以来の試合。診療放射線技師の資格を取るため練習を休み、試験後の3月から練習を再開した。試験は合格したという。所属を変え、階級を上げ再スタートを切る。対する石月は6連勝中だ。
1R、前に出てくる石月に対し、野辺はステップでかわしつつ、左ボディ、右ストレート、右前蹴り等を随所で当てる。石月もパンチとローを当て、まだ五分だ。
2R、お互い右ロー、左ボディを当て、一歩も譲らぬ展開。野辺のヒット数が上だが、石月もしっかり返し、ダメージを与えている。終盤、野辺は町田光ばりの居合ポーズからの左フックもヒットし、場内を沸かせるが、その後に石月も左ボディを返し好印象を残す。
3R、野辺ははっきりと差をつけるべく、左ミドル、左膝、左ボディ、右前蹴り、右ハイのヒットを増やし優位に。石月は必死に前に出るが、攻撃はあまり返せず終了。結局、野辺の3Rが決め手となり、地力の差を見せつけ野辺が勝利した。
第5試合 61kg契約 3分3R(延長1R)
○前口太尊(TEAM TEPPEN/元J-NETWORKライト級王者)
×氏原文男(フリー/元WBCムエタイ日本統一フェザー級王者)
判定3-0 (長瀬30-29/小川30-29/大澤30-27)
氏原はNJKFで「心・センチャイジム」のリングネームで活躍し、10年7月にアヌワットにKO負け後、プロボクシングに転向したが、9年ぶりにキックに復帰する(復帰の経緯についてはインタビュー記事参照)。前口は7月のRISEで直樹にKO負けして以来の試合だ。
氏原はかつてと同じ長渕剛の曲、空手着で入場。1R、前口が開始すぐから右ローを連打し、バックスピンキックも当てて先手。氏原はスピードが遅く、スリップ、クリンチも多く苦戦。終盤には前口が右アッパー等のパンチも増やす。
2Rも前口がパンチを多く当て主導権を維持する。3Rも前口が優位に攻めるが、クリンチで氏原が下になって倒された際、バッティングでダメージを負い一時中断する。氏原は立ってコーナーの椅子に戻ろうとする際もフラついており、続行は危険なようにも見えたが、ドクターチェックの後、5分ほど経過し再開する。その後も前口がパンチを随所で当てて優位を維持し完勝した。
第4試合 フェザー級(57.5kg) 3分3R(延長1R)
×堀尾竜司(TRY HARD GYM/RISEバンタム級(55kg)3位、元Krushスーパー・バンタム級(55kg)王者)
○門口佳佑(EX ARES/RISEフェザー級9位、AbemaTV那須川天心挑戦者決定トーナメント優勝)
判定0-3 (豊永27-30/長瀬27-30/小川27-30)
RIZINで国崇、桜井宇宙に連勝した堀尾は階級アップしての試合。門口はプロ6戦無敗。1R、堀尾はスピーディーに動いて飛び膝等も絡め蹴り主体で攻めようとする。門口はサウスポーからの左ストレート、左ハイキック等を返す。まだ攻撃は少ないが、一発の重みでは上だ。
2Rも接戦が続いたが、終盤、門口が堀尾をロープに詰め、左テンカオ、左ボディフックを当て続けて堀尾を追い詰める。堀尾はひるまず耐えるが印象が悪い。
3R、堀尾は反撃を狙って距離を詰め、パンチを振るい続けるが、浅い当たりが続く。すると勢いが落ちたところで、門口は突き放し、左ミドルを効かせると、堀尾は顔をしかめる。門口はコーナーに詰めてのパンチと膝のラッシュでダウン寸前まで堀尾を追い詰め、このラウンドもポイントを取り完勝した。
第3試合 61.5kg契約 3分3R(延長1R)
×竹内皇貴(チームドラゴン/RISEスーパーフェザー級(60kg)8位)
○キム・ウスン[Kim Wooseung](韓国/仁川ムビジム/2018年MKF YOUTH TOURNAMENT優勝)
判定0-2 (長瀬28-30/豊永29-29/和田28-29)
竹内は5月に一馬にKO負けして以来の試合。ウスンはイ・ソンヒョン、イ・チャンヒョンを育てた仁川ムビジムのキム会長の息子で19歳。7月の韓国の試合ではWPMF日本王者の長谷川健をKOしており、13戦全勝(10KO)の戦績だ。
1R、ウスンが細かくフェイントをかけて動きながら、ガードを固める竹内に対し、ガードもお構いなしでストレートを当て、ボディにもパンチを散らし、手数多く攻め続ける。終盤、耐え抜いた竹内も蹴りを少しずつ増やすが、攻撃数の差は大きい。2Rも同様の展開で、竹内は終盤に盛り返すが攻撃数は変わらず開きがある。3R、竹内が当て続けていたインローが効き目を発揮し、終盤には左右のテンカオ、左ハイも当たり出し、ポイントを取り返すが、逆転ならなかった。
第2試合 スーパーライト級(65kg) 3分3R(延長1R)
×森香津眞(チームドラゴン/RISE 3位、2018年RISING ROOKIES CUP同級優勝)
○伊藤澄哉(戦ジム)
判定0-3 (27-29/27-29/27-30)
森は7月に山口侑馬にKO負けし、プロデビュー以来の連勝が4でストップ。伊藤は伊藤紗弥の兄でキックではプロデビュー戦。1R、森が左右のミドル主体で主導権を握る。2R、伊藤がスイッチで森をかく乱させつつ、森の蹴り足をつかんでからの右フックで終盤にひるませ挽回する。3R、ダメージの残る森から、伊藤が中盤に左ストレートでダウンを奪って点差を広げ判定勝ちした。
第1試合 64kg契約 3分3R
○KENTA(HAYATO GYM/新空手JAPAN CUP 2016 -65kg級優勝)
×廣野孝文(KING LEO)
2R 2’57” TKO (レフェリーストップ:右ストレートで2ダウン後)
オープニングファイト第2試合 バンタム級(55kg) 3分3R
○池田進人(トイカツ道場/2016年RISING ROOKIES CUPバンタム級準優勝)
×渡辺 武(Booch Beat)
判定2-0 (29-29/29-28/29-28)
オープニングファイト第1試合 バンタム級(55kg) 3分3R
×宮川 凌(KASHIMA DOJO)
○寺山遼冴(TEAM TEPPEN/2018年KAMINARIMON全日本ジュニア−55kg級優勝)
判定0-3 (27-30/27-30/27-30)