修斗 7.15 後楽園ホール:佐藤将光&高橋遼伍、ONEからの凱旋試合はKO勝ち。リオン武、ヘルフォートに完敗。黒部三奈、修斗初戦は白星
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サステイン主催「プロフェッショナル修斗公式戦 SHOOTO 30th ANNIVERSARY TOUR 第6戦 Supported by ONE Championship」
2019年7月15日(月/祝)後楽園ホール
レポート&写真:井原芳徳
第11試合 メインイベント フェザー級 5分3R
×リオン武(ライジングサン/世界3位・元世界王者、環太平洋1位/65.8kg)
○デュアン・ヴァン・ヘルフォート(オランダ/グレイシーバッハ・ネーデルランド/65.6kg)
判定0-3 (横山27-29/豊永27-29/福田27-29)
ヘルフォートは5月のプロ修斗30周年記念大会で初来日し、宇野薫を柔術ベースの寝技で苦しめ判定勝ちした。リオンは昨年9月に当時フェザー級世界1位のTOMAに判定勝ちして以来の修斗参戦。大晦日のRIZIN やれんのか!で朝倉未来にKO負けして以来の試合となる。プロキャリア16年、39歳のリオンは、今回の前日計量で「明日は佐藤ルミナの背中を見ていた世代の代表して 宇野薫の敵を取りたいと思います」と宣言していたが、ヘルフォートに圧倒されることに。
開始前、ヘルフォートは整髪料を塗布していたことが判明し、減点1からスタートする。1R、ヘルフォートが圧力をかけ、首相撲からの膝をヒットし主導権を握る。柔道がベースのリオンは一度、足を掛けて華麗に倒したが、すぐスタンドに戻され、ヘルフォートの膝、アッパー、前蹴り、肘等をもらい続け、苦しい展開に。鼻柱をカットして出血する。
2Rもヘルフォートが圧力をかけてパンチと蹴りを当て続け、主導権を維持する。リオンは耐え、時折右フック、右ローを当ててひるませ、場内は歓声に包まれるが、流れはすぐ引き戻される。
3Rも変わらずヘルフォートが圧力をかけ、打撃を当て続け、主導権を維持する。ヘルフォートは前回と打って変わって打撃オンリー。リオンは最後に右ストレートを一発当てるが、流れは変わらず、ヘルフォートの完勝に終わった。
第10試合 セミファイナル バンタム級(ノンタイトル戦) 5分3R
○佐藤将光(坂口道場/FIGHT BASE都立大/世界王者/61.1kg)
×ファン・チャンファン(韓国/TEAM FINISH・ROAD FC/61.0kg)
1R 4’23” KO (レフェリーストップ:グラウンドパンチ)
佐藤は昨年11月、一度判定負けした相手・齊藤曜に4R KO勝ちでリベンジし、世界バンタム級王座の2度目の防衛に成功。今年5月10日のONE Championshipバンコク大会でONEに初参戦すると、マーク・フェアテックス・アベラルドをパウンドで仕留め、今回、修斗のケージに凱旋した。対するファンはキック30勝6敗、MMAは5戦の23歳だ。
1R、長身のストライカー、チャンファンが右ロー、右ストレート、左ストレートを立て続けに当てて佐藤をダウンさせ先手を取る。佐藤はすぐ立ち、組み付いて足を掛けて倒して、トップキープしながら回復する。そして佐藤はサイドに移り、トップと行き来しながら、パウンドを当て続けてじわじわダメージを与え、最後は連打をまとめたところでレフェリーがストップした。
佐藤は「実力差を見せたかったんですけど、一発もらいました」と話して苦笑し、「10月におそらくONEの日本大会(10月13日の両国国技館大会)の出場が決まっていて、しばらくベルトを防衛できません。俺がランカーなら返上しろと思うので、修斗を盛り上げるためにも、一旦返上したほうがいいか相談したいです」と自分の考えを語り、さらに「バンタム級が凄く面白くなっているので、来年、1dayトーナメントやらないですか? (SNSで) #修斗バンタム級トーナメント で皆さん盛り上げてください」と異例の提案をした。サステインの北森広報は「要相談ってことで」と回答を保留したが、佐藤のONEだけでなく修斗を盛り上げようという心意気の伝わるアピールだった。
第9試合 フェザー級 5分3R
○高橋遼伍(KRAZY BEE/元環太平洋王者/65.8kg)
×高橋孝徳(リバーサルジム新宿Me,we/環太平洋8位/65.7kg)
2R 2’13” TKO (レフェリーストップ:右ローキック)
遼伍は17年10月、青井人を下し6連勝中だったが、骨折等で長期欠場。5月3日のONEインドネシア大会で急きょ復帰し、ケアヌ・スッパを得意の右ローで追い詰め1R TKO勝ちした。今回は「療養中に助けてくれた人達に感謝の気持ちを返すため」に修斗に帰ってきた。対する同じ高橋姓の孝徳は最近6戦で4勝2分の好戦績を残し、和術慧舟會AKZAからMe,weに移籍しての初戦となった6月8日の新宿大会では昨年の新人王・須貝 THE YAMANBAを1Rで下している。
1R、遼伍がプレッシャーをかけ続け、得意の右ローをカーフキック(ふくらはぎ狙いの蹴り)も織り交ぜて着実に当て続け、後半には度々スリップさせるように。右ローからの左フックの連打も決め、じわじわと戦前の予告通り「解体ショー」を繰り広げる。
2Rも遼伍が右のローを度々当てて、孝徳を何度もスリップさせる。孝徳が戦意喪失状態になると、福田レフェリーがストップした。
遼伍は「去年、病気に怪我に色々ありましたけど、手助けしてくれた方には、感謝やありがとうといったチャチな一言じゃ伝えきれないです。格闘技人生、いい事も悪い事もフルコースで味わって、自分の男としての魂のランクが少しでも上にいけばいいと思っています。ONEの日本大会に出たいので、アンディ(ONE日本支社)社長、お願いします」とアピールした。
第8試合 女子48kg契約 5分3R
○黒部三奈(マスタージャパン/元DEEP JEWELSアトム級(47.6kg)王者/47.9kg)
×イ・イェジ(韓国/TEAM J/47.9kg)
2R 4’48” 裸絞め
DEEP JEWELSで富松恵美、石岡沙織、スギロックを、SARAMIら実力者を破り、RIZINでは敗れるも浜崎朱加とも戦った黒部が、「初代修斗女子王者」の称号を目指し、修斗に初参戦。対するイェジはWSOF-GC日本大会で渡辺久江と戦い、韓国のROAD FCではしなしさとこに勝利し、前澤には2年前に判定負けしている選手だ。
1R、イェジがスタンドの打撃戦で右フックを随所で当て続け、黒部に押し込まれてからも、スタンドのままでギロチンを仕掛け、黒部はピンチに陥る。後半、黒部は再三押し込み、倒してパウンドを時折落とすが、前半の悪印象を拭うほどの攻撃にはならない。記者採点はイェジ。
2Rは黒部が序盤から手堅くテイクダウンを奪って押さえ込みつつ、パウンドを当て続け、ハーフ、サイド、バックと移行すると、裸絞めを仕掛ける。最後はイェジの動きが止まったのを見てレフェリーがストップした(公式記録はテクニカル一本勝ち)。黒部は「修斗で女子のベルトを作るという噂がチラホラ聞こえているんで、それに向かって頑張りたいです」とアピールした。
第7試合 バンタム級 5分3R
×平川智也(マスタージャパン/世界6位、環太平洋4位/60.9kg)
○倉本一真(修斗GYM東京/61.0kg)
1R 0’35” KO (右フック)
ジャーマン4連発でお馴染みとなりつつある倉本一真がプロ5戦目にして世界ランカーと初対決。1R、倉本が頭を振ってじわじわと距離を詰め、片足タックルを仕掛けて左手で平川の右足をつかんで倒すと思いきや、そのまま右のオーバーハンドフックを頭にクリーンヒット。倒れた平川に、倉本が追い打ちのパウンドを一発叩き込んだところで、すぐさまレフェリーがストップした。平川はしばらく倒れたままで、意識は戻ったものの、安全のため担架で搬送された。
倉本は「初めてランカーの平川選手との試合で、たまたま当たったんで、なんとも言えないですけど、これからもジャーマンだったりで、誰よりも強い倉本一真を見せられるよう頑張るんで応援お願いします」と謙虚にアピールした。
第6試合 バンタム級 5分3R
○田丸 匠(NASCER DO SOL/フライ級世界2位/61.0kg)
×一條貴洋(ブレイブハート/2016年新人王/61.1kg)
1R 3’39” 腕ひしぎ十字固め
田丸が昨年11月のオニボウズ戦の前の計量失格から8か月を経て、階級を上げて復帰戦。体つきを見る限りバンタムならかなり余裕がありそうだ。一條も1年ぶりの久々の試合となる。
1R、開始すぐから田丸が飛び膝を仕掛けて、押し込んで倒し、パウンドを当て、ハーフからマウントに移行する余裕の試合運び。右肘をクリーンヒットして背中を向けさせると、最後は腕十字を極めタップを奪い完勝した。
マイクを渡された田丸は「去年11月、計量で失敗してしまい、オニボウズ選手、関係者の皆様、申し訳ありませんでした。総合格闘技が好きで、ここに戻って来ました。またカード組んでもらえれば、ここに戻って来ますので、遊びに来てください」と話した。
第5試合 フェザー級 5分3R
○仲山貴志(総合格闘技津田沼道場/世界6位、環太平洋2位/65.7kg)
×稲葉 聡(秋本道場JungleJunction/環太平洋10位/65.7kg)
判定3-0 (田澤29-28/長瀬29-28/豊永29-28)
1R、仲山が金網に押し込む状況、倒しから稲葉に立たせた直後の状況で、背後から裸絞めを狙う展開を繰り返す。稲葉は防御し続けるが、自分のペースに持ち込めない。
2R、序盤こそ仲山が同じように金網際で上になるが、中盤は稲葉が脱出して上を奪い返す。終盤、スタンドに戻り、仲山が飛び膝を放つと、着地直後に右ストレートを当てて、稲葉をダウンさせる。最後は稲葉が上になるが、仲山がこのラウンドも取る。
3R、稲葉がバックから裸絞めを狙いフィニッシュに近づくが、稲葉は防御し中盤からは押し込み返す展開に持ち込む。終了間際はトップキープして時折パウンドを当てて好印象を残す。記者採点は3Rのみ稲葉につけ29-28で仲山。仲山は判定勝ちしたものの、一本勝ちしたい試合内容だった。
第4試合 フェザー級 5分3R
×青井 人(BLOWS/世界7位、環太平洋7位/65.7kg)
○内藤太尊(roots/世界10位、環太平洋6位/65.6kg)
2R 3’21” KO (レフェリーストップ:グラウンドパンチ)
1R、青井が序盤からテイクダウンを繰り返し、腕十字、裸絞め等で再三チャンスを作る。中盤、スタンドに戻ってからも、青井が右フックを随所で当てて攻勢。だが内藤も左ハイ、胴廻し回転蹴りを出し、必死に応戦し、観客を沸かせる。記者採点は青井。
2R、青井は飛び膝を仕掛け、着地するとそのまま足関を仕掛けるが、下になった状況で内藤のパウンドを浴びると失速してしまう。内藤は立ってからも左右のフックを当てて青井を追い詰め、上になってからパウンドを当て続け、最後は青井の動きが止まったところでレフェリーストップ。内藤が見事逆転勝ちした。
第3試合 バンタム級 5分3R
×加藤ケンジ(K.O.SHOOTO GYM/61.0kg)
○小野島恒太(Combat Workout Diamonds/環太平洋10位/61.1kg)
判定0-3 (福田28-29/横山28-30/田澤27-30)
1R、小野島が序盤からテイクダウンを奪い、トップキープする等主導権。終盤、パンチの打ち合いで、小野島が前のめりでスリップすると、小野島の額に大きなコブができている。ダメージを考えれば、加藤がポイントを取ったか。
インターバルに小野島にドクターチェックが入るが再開する。2R、小野島はよりアグレッシブさを増し、度々押し込み、テイクダウンを繰り返す。小野島がポイントを取る。
3R、小野島は少し勢いが落ち、加藤が左ミドルのヒットを増やすが、小野島も終盤に左ミドルを連打し、組み付いては2度抱え上げて倒し攻勢を印象づける。
記者採点は2Rと3Rに小野島につけ、28-29で小野島。ジャッジは小野島のコブの評価のせいかバラついたが、3者とも小野島を支持し、小野島が復帰後2連勝とした。
第2試合 ライト級 5分3R
○AB(和術慧舟會駿河道場/世界7位、環太平洋6位/70.2kg)
×泉 彰洋(BLOWS/69.9kg)
1R 4’25” 腕ひしぎ十字固め
開始すぐからABが押し込んで倒すと、マウント、バックマウントと行き来し、パウンド、裸絞めで追い詰め、終盤に腕十字を極めて完勝した。
第1試合 バンタム級 5分2R
○石井逸人[はやと](TRIBE TOKYO M.M.A/フライ級世界3位/61.1kg)※覇彌斗 改め。総合格闘技道場BURSTから所属変更
×ガッツ天斗[たかと](パラエストラ綾瀬/2018年度新人王&技能賞/61.0kg)
判定3-0 (片岡20-18/横山20-18/福田20-17)
石井が移籍後初戦。1R、石井が距離を取ってステップしつつ、右のパンチを随所で的確に当て、中盤からはテイクダウンも繰り返し、パウンドも時折当てて攻勢を維持する。
2Rも石井が中盤にタックルで倒すと、グラウンドでコントロールを続け、裸絞め、腕十字を狙いつつ、パウンドを当て続け圧倒。まずは完勝で幸先良い再スタートを切った。
オープニングファイト第2試合 ライト級 5分2R
×鈴木淑徳(オフィス淑徳軍/70.1kg)
○SASUKE(マスタージャパン/69.8kg)
1R 4’30” TKO (レフェリーストップ:左フックによる右まぶたの負傷)
オープニングファイト第1試合 ストロー級 5分2R
×新井 丈(キングダム立川コロッセオ/52.0kg)
○内田タケル(パラエストラ松戸/52.0kg)
2R 1’52” 裸絞め
キッズ修斗6 41kg契約 3分1R ※休憩中に実施
×高本哲至(高本道場/小学5年生)
○野澤エディ(野澤道場/小学5年生)
判定0-3