RWS 10.10 ラジャダムナン(レポ):中村寛、ロシアのベクレフを左三日月蹴りで2R KOしラジャダムナン認定ライト級王者に。大﨑孔稀、正規王者ペッシラーに判定負けしバンタム級王座統一ならず
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Rajadamnern World Series「RWS KNOCKTOBER FEST」
2026年10月10日(土/現地時間)タイ・バンコク:ラジャダムナンスタジアム
レポート:井原芳徳 写真提供:RISEクリエーション
第5試合 ラジャダムナンスタジアム認定ライト級(61.23kg)タイトルマッチ 3分5R(インターバル2分)
×イゴール・ベクレフ[Egor Bikrev](ロシア/王者、元IFMAロシア・ライト級(60kg)王者)※初防衛戦
○中村 寛[かん](BK GYM/6位、RISE WORLD SERIES 2025 -61.5kg優勝、元RISEライト級(63kg)王者、元DEEP☆KICK -60kg王者)
2R 2’39” KO (左三日月蹴り)
※中村が王者に
中村は29歳。構えはサウスポー。昨年のRISE WORLD SERIES 2025 -61.5kgトーナメントでは3月の一回戦でチャンヒョンに判定勝ちし、6月の準決勝では笠原友希を延長R左ハイでKOし、11月の両国での決勝ではペンジェーと再戦し延長判定勝ちし優勝賞金1千万円を獲得した。今年1月、RISEライト級王座を返上。今年に入りRWS推薦のタイ人と連戦し、3月、ペットエジアを1R左フックでKOし、5月、元ラジャダムナン認定スーパーフェザー級暫定王者のガイパーを2R左膝蹴りでKO。今回、RWS初戦でいきなりタイトルに挑むことになった。なお、中村はプロ4戦目の18年8月のNJKF大阪大会で、NJKFランカーの大樹と肘有り・首相撲制限無しのルールで対戦し、わずか45秒、膝蹴りでKOしている。
ベクレフは23歳。構えはオードソックス。24年11月と12月、ONEフライデーファイツに参戦し、ムエタイルールでタイ人選手にいずれもKO勝ち。昨年5月のK-1でスーパー・フェザー級(60kg)王座決定トーナメント一回戦では横山朋哉に2Rボディへの右前蹴りをもらいダウンを喫し、3Rに右の飛び蹴りでダウンを奪い返し延長に持ち込むが、左ボディをもらいKO負けした。だが今年4月のRWSではサウスポーのセンマニーを1R右三日月蹴りでKOしラジャダムナン認定ライト級王座を獲得し、ロシア人初のラジャダムナン王者となる。8月29日にはノンタイトル戦でペットサムイと対戦し、スイッチングを駆使する中、2R回転肘でKOしたばかりだ。
1R、長身のベクレフがサウスポーの中村に対し、開始すぐからプレッシャーをかける。互いなかなか攻撃が出ないと、中盤に入り、レフェリーは両者に攻撃を促す。ベクレフは随所で右ミドル、ローを当て、右ハイ、左肘、左ローを絡める。中村は左ローを時折出し、踏み込んでノーモーションで右フックを放つ場面もあるが、なかなか攻撃が出ず印象が悪い。記者採点はベクレフ。ジャッジ3者もベクレフを支持する。RWSの採点はラウンドマストでオープンスコアリングシステムが採用されている。
2R、中村が左ボディストレート、フックを随所で当てる。ベクレフは少し嫌そうな様子を見せるが大崩れはしない。ベクレフも右ミドル、ローを返すが、1Rよりヒットが減る。すると終盤、ベクレフが右のインローを当てた後、中村が前に出て、真っすぐ下がったベクレフのボディに、左の三日月蹴りをクリーンヒットする。ベクレフは腹を押えてダウンする。ベクレフはうずくまったまま立てず、中村のKO勝ちとなり、中村がラジャダムナン王座を獲得した。中村は100万バーツ(約470万円)のボーナスも獲得している。
ラジャダムナン王者のベルトを巻いた中村は勝利者インタビューで、1Rはスローペースだったことを聞かれると、英語で「試合を楽しみたかったからです」と答えて「楽しんでもらえましたか」と観客に呼び掛け、三日月蹴りでKOするつもりだったと聞かれ「もちろんです。彼もやっていたので教えてあげました」と説明した。その後も引き続き、たどたどしいながらも英語でRISEをアピールした。その後は観戦に訪れたRISEの伊藤隆代表らと共に記念撮影した。
大﨑孔稀、ペッシラーに判定負けしバンタム級王座統一ならず
第6試合 ラジャダムナンスタジアム認定バンタム級王座統一戦 3分5R(インターバル2分)
○ペッシラー・ウォーウラチャー[Petchsila Wor.Auracha](タイ/王者、WMO世界スーパーバンタム級王者)
×大﨑孔稀(OISHI GYM/暫定王者、RISE世界バンタム級(55kg)王者、元RISE同級王者、元BOMバンタム級王者、元WMC日本&J-NETWORKスーパーフライ級王者)
判定3-0 (49-46/50-45/49-46)
※ペッシラーが初防衛
大﨑兄弟の弟・孔稀は27歳。3月のRISE両国国技館大会では、3年半前に延長判定負けした相手である志朗と対戦し、3Rに左フックでダウンを奪い5R判定勝ちし、11連勝でRISE世界バンタム級(55kg)王座を獲得した。試合後、孔稀は「(RISEの)伊藤代表、RWSに挑戦させてください。お兄ちゃん(=一貴)が挑戦して取れなかったベルト、僕にリベンジの機会をお願いします」とアピールした。6月のRWSではペッシラーの持つラジャダムナン認定スーパーバンタム級王座に挑戦する予定だったが、ペッシラーが病気を理由に欠場し、ペッシラーの同門で同級8位のチャイトーンと同級暫定王座を争うことが、試合1週間前に発表された。試合は1R、チャイトーンが左の縦肘で孔稀の額を切り裂くが、終盤、孔稀は右ボディストレートを効かせると、右ストレートでKOし、暫定王者となる。今回、正規王者のペッシラーと王座統一戦を行う。
ペッシラーは22歳。構えはサウスポー。24年7月のRISE WORLD SERIES 2023 -54kgトーナメント一回戦で田丸辰に1R左テンカオでKO負け。その後もラジャダムナンのトップ選手として活躍しつつ、昨年6月にはロンドンでライアン・シーハンを2R左フックでKOしWMO世界スーパーバンタム級王座を獲得。9月にペッサマンを2R左フックでKOしラジャダムナン同級王座を獲得。12月、クンスックノーイに判定負けし王座防衛に失敗。その後、空位となった同王座を懸け、4月にまたもペッサマンと対戦し、2R左膝蹴りでKO勝ちし、王座に返り咲いた。試合はそれから半年ぶりとなる。
試合はペッシラーがムエタイ式の巧みな試合運びで孔稀を翻弄することに。1R、サウスポーのペッシラーに対し、孔稀は最初サウスポーで構えるが、1分ほどでいつものオーソドックスに戻る。中盤、孔稀がプレッシャーをかけるが、ペッシラーが回って距離を取り、左ミドルを随所で当て、主導権を握る。孔稀も時折右ストレート、インローを返す。終盤、孔稀が手数を上げたが、ペッシラーは首相撲の展開で膝と肘を当て、持ち直して終える。記者採点は僅差だがペッシラー。ジャッジ3者もペッシラーを支持する。RWSの採点はラウンドマストでオープンスコアリングシステムが採用されている。
2R、孔稀が前に出て右ボディストレートを当てると、ペッシラーは少し嫌そうな様子を見せる。ペッシラーは相手に攻めさせないよう、左ミドルのヒットを増やすが、中盤過ぎにも孔稀が右ボディストレートを2発当て、ペッシラーを苦しめる。終盤、ペッシラーも左ミドル、膝を返し、全体的なヒット数では上の状態をキープする。記者採点はペッシラー。ジャッジ3者もペッシラーを支持する。RISEの価値基準なら孔稀についている可能性もあるが、イーブンの可能性も高い。
3R、孔稀は右ボディストレートを当てつつ、左ジャブからの右ストレートも当てるように。ペッシラーは左ミドルを返しつつ、首相撲で捕まえて膝を当てる場面が増える。終盤、孔稀はパンチの空振りが続き、印象が悪い。このラウンドもペッシラーが蹴り数の差でジャッジに好印象を与える。2Rまでよりは差をつける内容に。記者採点はペッシラー。ジャッジ3者もペッシラーを支持する。
4R、圧を強める孔稀に対し、ペッシラーの逃げ足も早まる。ペッシラーは左ミドル、テンカオを当て続け、主導権を維持する。孔稀も右ボディを返すが、ヒットが少ない状態は変わらない。記者採点はペッシラー。ジャッジ3者もペッシラーを支持する。
5R、後の無い孔稀はガードの上からでもパンチを連打するが、変わらずペッシラーは距離を取ってミドルを当て続ける。中盤過ぎ、孔稀の右の顔面狙いの膝が当たるが、その先に繋げられない。終盤はペッシラーが距離を取り続け、隙を見せず終わる。記者採点はペッシラー。ペッシラーは4Rと戦い方は差はないが、消極的に見える場面もあったため、ジャッジは2者がペッシラー、1者は孔稀を支持と割れる。記者採点合計50-45でペッシラー。ジャッジ3者もペッシラーを支持しペッシラーが判定勝ちし、バンタム級王座統一を果たした。
試合後のリング上でのインタビューで、ペッシラーは階級を上げることを表明した。敗れた孔稀は「日本の皆さんすみませんでした。勝てなかったです。ペッシラー選手強かったです」と泣きながらコメントした。なお、ペッシラーには50万バーツ(240万円)、敗れた孔稀にも25万バーツ(120万円)のボーナスが授与された。












