Krush 12.8 後楽園ホール(レポ):横山朋哉、松山勇汰を3R KOしスーパー・フェザー級王座初防衛「来年、群馬大会、もうええでしょう」。ライト級戦線は児玉兼慎・西京佑馬が判定勝ち
MARTIAL WORLD PRESENTS GYM VILLAGE
中野トイカツ道場
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Krush.169
2024年12月8日(日)後楽園ホール
レポート:井原芳徳 写真提供:(C)K-1
横山朋哉、松山勇汰を3R KOしスーパー・フェザー級王座初防衛「来年、群馬大会、もうええでしょう」
第11試合 メインイベント Krushスーパー・フェザー級(60kg)タイトルマッチ 3分3R(延長1R)
○横山朋哉(リーブルロア/王者)
×松山勇汰(ALONZA ABLAZE/挑戦者、K-1甲子園2020 -60kg優勝)
3R 0’37” KO (左ボディフック)
※横山が初防衛
Krush.169が年内最後のKrushの大会となるため、このタイトルマッチが年内最後のKrushの試合に。勢いに乗る両者のぶつかり合いは、2024年のKrushを締めくくるのにふさわしい好勝負となりそうだ。
横山は22戦18勝(8KO)4敗の24歳。昨年2月以降、ペットサムイ・シムラ、大岩龍矢、江川優生を下し、今年2月のKrushで髙橋直輝に判定勝ちし第12代Krushスーパー・フェザー級王者となる。7月のK-1ではカベロ・モンテイロ(ブラジル/WGPライト級(60kg)王者)を1R左三日月蹴りでKOし、K-1同級王者・レオナ・ペタスへの挑戦を希望していた。
松山は10戦9勝(7KO) 1敗の21歳。21年12月に寺田匠にKO負けしたが、以降は7連勝。3月のK-1でのRISE勢との対抗戦では原口アンドレイに判定勝ち。その後、レオナのいるTEAM TOP ZEROS/LARA TOKYOを離れ、卜部功也代表のALONZA ABLAZEに移籍。7月のK-1では山本直樹を2R KOすると、「この後、横山選手が出るんですけど、次、Krushのタイトルしかないと思っているんで」とアピールし、今回王座に初挑戦する。
1R、両者サウスポーで構え、長身の松山がプレッシャーをかけ、右膝やパンチを振うが、ヒットは少ない。横山もなかなか攻撃が出ない状態が続くが、終盤、右フック、左ロー、右ボディ、左フック、左ローを立て続けに当て、高いスキルを印象付ける。だが松山がプレッシャーをかけ続ける状態は変わらず、終了間際には横山をコーナーに詰め、右テンカオ、左ボディ、左ストレートを連続で当て、いい形で終える。記者採点はイーブン。
2R、松山が前に出るが、横山は左フック、ストレートを立て続けに当てる。それでも松山は前に出続け、左テンカオ、左右のボディを当てる。横山はコーナーに詰められる場面が増え、攻撃も減り印象が悪い。だが終盤、松山が左テンカオを放つと、横山は左フックを合わせて倒しダウンを奪う。松山はダメージは小さい様子で、再開後、すぐに前に出るが、横山は落ち着いてかわして左ストレートを当てて終える。記者採点は10-8で横山。
3R、松山はまたも前に出て来たが、横山が左ボディを立て続けに当てると、松山は動きが止まり、その隙を逃さず横山は右フックを当てて下がらせ、右と左のフックの連打でダウンを奪う。松山は立ったが、これまでのように前には出られず、横山が再び左ボディを当てると腹を押さえて倒れ、亀になってうずくまり、すぐさま箱崎レフェリーがストップし、横山のKO勝ちとなった。
マイクを持った横山は「会場に来てくれた200人ちょいの皆さん、ありがとうございます。60kg、終わってないですよ。まだ僕いるんで。これからスーパー・フェザー級は僕に任せてください。世界取るんで。そして宮田さん、来年、群馬大会、もういいでしょ、もうええでしょう、やりましょ」と、新語・流行語大賞にノミネートした「もうええでしょう」のフレーズを使って、改めて群馬大会開催を宮田充プロデューサーにアピールした。宮田氏も大会後の総括で「群馬大会、確定でいいんじゃないですかね。会場押さえに入りたいです」とコメントしている。
児玉兼慎、元王者・伊藤健人に判定勝ち
第10試合 セミファイナル ライト級(62.5kg) 3分3R(延長1R)
×伊藤健人(K-1ジム蒲田チームアスラ/元Krush同級王者)
○児玉兼慎(K-1ジム三軒茶屋シルバーウルフ)
判定0-3 (梅木28-29/西村28-29/箱崎28-30)
伊藤は31歳。昨年9月のK-1でKrushライト級王者の里見柚己をKO勝ちすると、今年2月に里見が王座を懸けてのリマッチで38秒右フックでKO勝ちし、Krush参戦10年にして初めて王座を獲得した。だが7月の初防衛戦で、Krush参戦9年半の大岩龍矢に判定負けし、ベルトを失った。
児玉は22歳。昨年6月に大谷翔司に判定負けし連勝が3で止まったが、1月大会で瓦田脩二をKOし、約1年ぶりの試合となる。
1R、蹴りの応酬の後、児玉が左ジャブを放ち、そのまま左フックにつなげる。頭を巻き込む形で後頭部に当たったが、伊藤が倒れると、レフェリーは反則とみなさずダウンを宣告する。児玉はプレッシャーをかけ続け、左ジャブ、ボディストレート、右カーフ等を積極的に出して当てて主導権を維持する。伊藤はガードを固め続けるが、自分の攻撃がほとんど出せず守勢が続く。8-10で児玉がポイントを取る。
2R、児玉は変わらず左ジャブを当てるが、伊藤はガードを固め続けつつ、1Rよりはパンチや膝を積極的に出すように。中盤過ぎから伊藤が右カーフのヒットを増やすと、児玉は少し下がるが、負けじと右カーフを返す。記者採点はイーブン。
3R、伊藤は右カーフを執拗に当てつつ、パンチや右膝を絡めて逆転を狙う。児玉も右カーフを時折返し、終盤はステップやガードで伊藤の反撃を封じて終える。記者採点は伊藤。合計28-29で児玉。ジャッジ3者も児玉を支持し、児玉が判定勝ちした。
西京佑馬、復帰2戦目は新鋭・古宮晴を撃破
第9試合 ライト級(62.5kg) 3分3R(延長1R)
○西京佑馬(K-1 GYM SAGAMI-ONO KREST/元Krushスーパー・フェザー級(60kg)王者、K-1甲子園2016 -60kg優勝)
×古宮 晴(昇龍會/元DEEP☆KICK -63kg王者、K-1甲子園2021 -65kg優勝)
判定3-0 (箱崎30-27/山根30-28/中野30-27)
西京兄弟の弟・佑馬は24歳。22年8月のK-1福岡大会で里見柚己に判定負けした後、モチベーションの低下により引退も考えていたが、KRESTの先輩の活躍に刺激を受け練習を再開し、今年8月の復帰戦では加藤港を2R KOした。
古宮は21歳。地元大阪でのDEEP☆KICKでの-63kg王者挑戦者決定トーナメントを勝ち上がり、6月に王者の足利也真登に挑戦し1R KO勝ち。10月のK-1大阪大会では篠原悠人にカーフキックを効かせ2R KO勝ちした。試合後のマイクでは「11月末(23日)の名古屋Krush、僕は怪我もないので、大岩(龍矢)選手(Krushの)ベルト懸けてやりましょう」とマイクアピールした。大岩戦は実現しなかったが、大岩と同門で元Krush王者の佑馬との一戦が用意された。
試合は佑馬が高いスキルで新鋭を退けることに。1R、お互い右のローや左ミドルといった蹴り技主体の攻防を繰り広げる。佑馬の右ローの鋭さが印象的で、早くも古宮の左ももが赤くなる。終盤、古宮も左ボディ等のパンチを絡めだすが、右のパンチを振うと、佑馬は右のテンカオを合わせて古宮の胸元に当て、危険なムードを残して終える。記者採点は佑馬だがまだイーブンもありうる。
2R、佑馬は右ローを執拗に当てつつ、左インロー、左右の前蹴り、右ストレートも絡める。だが古宮はまだ崩れず、右カーフ、フックを随所で返し、はっきりした差はつけさせない。記者採点はイーブンだが佑馬についても不思議ではない。
3Rも佑馬が右ロー、古宮が右カーフを当てる。中盤から距離が詰まってパンチの比重が上がる。すると古宮の右フックのタイミングで、佑馬が右のテンカオを合わせてアゴに当てて倒し、ダウンを奪う。1Rも出した攻撃が見事ハマることに。終盤、古宮はダメージは小さい様子で、前に出てパンチを振うが、佑馬は左ボディを当てつつ、古宮のパンチをかわし続け終了する。佑馬が10-8で差をつける。記者採点合計30-27で佑馬。ジャッジ3者とも佑馬を支持し、佑馬が判定勝ちした。
晃貴、大鹿統毅からダウン奪い判定勝ち
第8試合 スーパー・バンタム級(55kg) 3分3R(延長1R)
○晃貴(K-1 GYM SAGAMI-ONO KREST/元Krushバンタム級(53kg)王者)
×大鹿統毅(K-1ジム総本部チームペガサス/元Krushフライ級(51kg)王者、K-1甲子園2022 -55kg優勝)
判定2-0 (三浦28-28/山根29-28/中野29-28)
晃貴は26歳。昨年7月に岩尾力に敗れ、今年3月のKrushでは健介にKO勝ちしたが、7月のK-1では池田幸司にKO負けし、勝ち負けを繰り返す状態が続いている。
大鹿は19歳。昨年10月に悠斗にKO負けし、元Krushバンタム級王座から陥落。9月の再起戦ではスーパー・バンタム級(55kg)に階級を上げ、山浦力也から累計3度のダウンを奪い判定勝ちしている。
1R、晃貴がプレッシャーをかけ、パンチを振うが空振りが多い。中盤、大鹿が左右のボディ、ミドルのヒットを増やす。だが終盤、晃貴も右フックをクリーンヒット。最後、大鹿も左インローを連打し、どちらも譲らぬ展開に。記者採点はイーブン。ジャッジは2者がイーブンだが1者が大鹿につける。
2R、大鹿は回って晃貴の圧力をかわしつつ、左ジャブ、左右のボディ、左テンカオ、ミドルを的確に当て続ける。だが中盤、大鹿が右ハイを放つと、晃貴が左腕でブロックしてから前に出て、大鹿を真っすぐ下がらせてロープ際まで詰め、右フックをアゴに当てる。大鹿は倒れ、すぐに立ったが島村レフェリーはダウンを宣告する。大鹿はダメージは小さい様子で、下がりつつ左膝を放つとローブローとなってしまい、晃貴のほうがダメージを負う。回復を待って再開し、お互い攻撃を当て、均衡状態が続くが、ダウンを奪った晃貴がポイントを取るラウンドに。
3R、大鹿は変わらず晃貴をかわしつつ、自分の左ミドル、左右のボディ、顔面へのパンチを当て続ける。終盤、大鹿は晃貴をコーナーに詰めパンチを連打し印象を作る。だが最後は晃貴も右のバックハンドブローや顔面へのパンチを返し、反撃を封じて終える。記者採点は大鹿。合計29-28で晃貴。ジャッジは1者がイーブンだったが、2者が晃貴を支持し、晃貴が判定勝ちした。晃貴は今回もセコンドの武尊と記念撮影した。
橋本実生、2年ぶり復帰戦は啓斗に判定負け
第7試合 フェザー級(57.5kg) 3分3R(延長1R)
×橋本実生[まお](KRAFT GYM)※K-1 GYM SAGAMI-ONO KRESTから所属変更
○啓斗(team ALL-WIN/DEEP☆KICK -57.5kg王者)
判定0-2 (箱崎29-30/三浦30-30/島村29-30)
橋本は25歳。21年12月のKrushで野田蒼に敗れて以来3年ぶりのK-1 GROUP出場で、22年9月のBigbangで鈴木太尊と引き分けて以来2年ぶりの試合。当時より2階級上げて戦う。現在は福井県駿河市のKRAFT GYMで指導し、同地でKYOSHINという大会も開催している。
啓斗は26歳。23年2月のKrush-EXでの安晟太戦でKO勝ちして以来2年ぶりとなるK-1 GROUP出場。今年4月からDEEP☆KICKに参戦し、9月までに岩KING、松山瞬、佑典相手に3連続KO勝ちし、DEEP☆KICK -57.5kg王座を獲得した。
1R、橋本がサウスポーで構え、ボディ打ちを絡めつつ左フックを当て、啓斗はオーソドックスからの左ジャブを当てつつ、右ストレートにつなげる。お互い積極的に攻めるが、まだ均衡は崩れない。
2R、序盤は橋本のパンチの積極性が上回るが、中盤から啓斗もパンチを当て返して巻き返す。終盤はクリンチも増え、お互い攻撃が減る。
3Rも中盤から啓斗がパンチやミドルのヒットを増やすと、橋本は疲れが見え始め、クリンチが増え、中野レフェリーから繰り返し注意され警告となる。終盤、橋本はガムシャラにパンチを振うが、啓斗が的確にパンチを当て続けて終える。記者採点は3Rは啓斗につけ合計29-30で啓斗。ジャッジは1者がイーブンとしたが、2者が1点差で啓斗を支持し、啓斗が判定勝ちした。
第6試合 スーパー・フェザー級(60kg) 3分3R(延長1R)
×山本直樹(K-1ジム五反田チームキングス)
○立基[りき](K-1ジム目黒TEAM TIGER)
判定0-3 (28-30/28-30/29-30)
第5試合 スーパー・バンタム級(55kg) 3分3R(延長1R)
○齊藤龍之介(ドージョー☆シャカリキ)
×龍翔[りゅうしょう](EX ARES/ジャパンカップキック・スーパーバンタム級王者)
不戦勝 (齊藤が計量クリア。龍翔が脱水症状でドクターストップがかかり計量欠席)
第4試合 バンタム級(53kg) 3分3R(延長1R)
○藤田和希(K-1ジム目黒TEAM TIGER)
×坂本寿希(リーブルロア/元KROSS×OVERスーパーバンタム級王者)
判定3-0 (30-28/30-28/30-28)
第3試合 ライト級(62.5kg) 3分3R(延長1R)
○友尊(TEAM K/BLUE DOG GYM/元NJKFスーパーフェザー級王者)
×山浦迅也(北斗会館)
2R 1’57” KO (3ダウン:右フック)
第2試合 女子フライ級(52kg) 3分3R(延長1R)
―真優(月心会チーム侍)
―Yuka☆(SHINE沖縄/ミネルヴァ・ライトフライ級王者)
1R 無効試合 (転倒時の真優の頭部の負傷)
第1試合 女子アトム級(45kg) 3分3R(延長1R)
○末松 晄[あき](K.I.K team BLADE)
×大西日和(K-1ジム福岡チームbeginning)
判定3-0 (30-27/30-27/30-28)