Krush 9.28 後楽園ホール(レポ):PODの石田龍大、橋本雷汰との延長戦制しフェザー級王座獲得「軍司選手と戦いたい」。計量オーバーのゴンナパー、上野空大を圧倒TKO勝ち
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Krush.165
2024年9月28日(土)後楽園ホール
レポート&写真:井原芳徳
石田龍大、橋本雷汰との延長戦制しフェザー級王者に「軍司選手と戦いたい」
第9試合 メインイベント 第9代Krushフェザー級(57.5kg)王座決定トーナメント・決勝戦 3分3R(延長1R)
○石田龍大[りょうた](POWER OF DREAM/K-1甲子園2019 -60kg優勝)
×橋本雷汰(ALONZA ABLAZE/K-1甲子園2022 -60kg優勝)
4R 判定2-1 (梅木9-10/西村10-9/岡田10-9)
3R 判定0-0 (梅木29-29/西村30-30/岡田30-30)
※石田が王者に
篠塚辰樹が3月にK-1 GROUPを離れ返上したKrushフェザー級王座を懸け、4選手参加のトーナメントが6月大会で開幕し、今回は決勝が行われる。
石田は9戦8勝(4KO)1敗の21歳。プロ2戦目で髙橋直輝に判定負けしたが以降は7連勝で、2月大会では5冠王の竹内将生を2R右フックでKO。6月のフェザー級王座決定トーナメント準決勝では“狂拳”迅を1R右フックでKO。PODの先輩の江川優生の巻いていたベルトまであと1勝となった。
橋本は22年のK-1甲子園で優勝し、同年末にデビュー以来9戦7勝(3KO)2分負けなしの18歳。昨年10月にYU-KI、今年1月に水津空良を相手に2連続KO勝ち。今年春高校を卒業し、三重から上京して卜部功也率いるALONZAに移籍。6月のトーナメント準決勝では優勝候補と目されていた稲垣澪から2度ダウンを奪って判定勝ちしている。石田も橋本も構えはサウスポーだ。
1R、両者サウスポーで構え、序盤は見合う状態が続いたが、中盤から少しずつお互いパンチの手数が上がり、左のストレートやフックを当てる。石田は右アッパーも絡める。だがお互いひるまず、手数も大差ない均衡状態が続く。
2Rも互角な状態が続いていたが、中盤、石田が左ミドルを効かせると、左ストレートでひるませ、やや優位に。だが終盤、橋本も持ち直し、左ストレートを返し、ほぼ五分に戻る。
3R、両者少し蹴るが、パンチ主体の攻防は変わらず。お互いヒットがあるが強打は持ち込めず、接戦が続く。記者採点は30-30。ジャッジは3者ともイーブンでマスト判定の延長へ。
延長R、石田は序盤から右ジャブ、アッパー、左ストレートを的確に当てる。石田のセコンドからは「ボクシング行くよ」の声が飛び、パンチに特化した試合運びに。その後も石田が的確にパンチを当て続ける。終盤、橋本のパンチで少し石田がバランスを崩すが、押すような形となる。記者採点は石田。ジャッジは割れたが、2者が石田を支持し、石田が判定勝ちした。
石田は橋本を称え、関係者に感謝を述べつつ「明日K-1でフェザー級タイトルマッチがありますけど、チャンピオンが勝っても負けても軍司(泰斗)選手と戦いたいです」とアピールした。
ゴンナパー、計量オーバーも上野空大を圧倒TKO勝ち
第8試合 セミファイナル ライト級(62.5kg) 3分3R(延長1R)
○ゴンナパー・ウィラサクレック(タイ/ウィラサクレック・フェアテックスジム/元K-1&Krushライト級王者、元WPMF世界スーパーライト級王者)
×上野空大[くうと](kickboxing gym SHINYUUKI+)
3R 0’19” TKO (コーナーストップ:右フック)
※ゴンナパーは前日公式計量で1.65kgオーバー。1R減点2、上野8オンス・ゴンナパー10オンスのグローブハンデ。ゴンナパーのファイトマネーの30%を上野に譲渡
ゴンナパーは31歳。16年からK-1 GROUPに参戦し、山崎秀晃、卜部功也、佐々木大蔵、安保瑠輝也らに勝利。20年12月、林健太を下しK-1ライト級王座を獲得。21年7月の初防衛戦で朝久泰央に敗れ王座陥落したが、その後は5連勝。22年6月のTHE MATCHではRISEの白鳥大珠を、8月のK-1では岩崎悠斗をKOした。以降はタイに戻り休養していたが、4月のKrushで復帰し、塚本拓真に判定勝ち。だが7月のK-1ではK-1ライト級王者の与座優貴に圧倒され1R KO負けしている。復帰戦の塚本戦は65kg、前回の与座戦は63.5kg、今回は本来の62.5kgのライト級での試合だったが、計量オーバーしてしまった。
上野はプロ4戦4勝(2KO)の20歳。フルコンタクト空手をベースに、K-1アマチュアで16戦全勝し、昨年3月のデビューから今年7月まで、4連続でK-1のプレリミナリーで勝利を重ね、今回初のKrushと後楽園での試合で、元王者との一戦に抜てきされた。
1R、開始すぐこそ上野が右ストレートを当てていたが、ゴンナパーがサウスポーからの左ストレートを当てていると効き目を発揮し、左ストレートでダウンを奪う。その後もゴンナパーが左のパンチ主体で上野を苦しめる。
2R、上野が右ストレートを当てる場面もあったが、ゴンナパーがパンチを当て続け、終盤、右ボディを効かせると、左ストレートの連打でダウンを奪う。その後もパンチを当て続け、上野をKO寸前まで追い詰める。止めてもいいような状態で、パンチをもらった上野はのけぞるが、梅木レフェリーは躊躇しつつも続行する。
すると3R、ゴンナパーが序盤から左フックを効かせつつ、右フックでダウンを奪うと、上野陣営がタオルを投入し、ゴンナパーのTKO勝ちとなった。
マイクを持ったゴンナパーは「計量でミスしてしまい、上野選手、申し訳ありませんでした。しっかり練習して、機会があればまた試合をしたいです」と謙虚にコメントした。
弘輝、41歳で2年半ぶり復帰の“狂拳”竹内裕二を3R KO
第7試合 ライト級(62.5kg) 3分3R(延長1R)
ד狂拳”竹内裕二(GORI GYM/元WMAF世界&MA日本スーパーフェザー級王者)※菅原道場から所属変更
○弘輝(WORLD TREE GYM)
3R 0’40” KO (左ストレート)
竹内は41歳。Krush草創期の60kg戦線で活躍し、山本真弘や野杁正明にもKO勝ち。16年9月のK-1で林健太にKOされてからリングを離れ、22年4月のK-1で5年半ぶりに復帰し、SATORUにKO勝ち。それからさらに2年半を経て復帰する。今回から自身の経営するGORI GYM所属となり、菅原道場ではなく自身の練習チームで仕上げる。今回のセコンドには芦澤竜誠がつく。
弘輝は27歳。中学生時代に竹内の試合を見て、Krushに憧れたという。20年からKrushに上がり、22年9月、後にKrushライト級王者となる伊藤健人に判定勝ち。今年2月には後にその伊藤に勝利して王者となる大岩龍矢と対戦したが、計量で950gオーバーし判定負けしている。今回も引き続きライト級で出場する。
1R、弘輝がサウスポーで構えて前に出て、竹内はガードを低めに脱力した状態でかわし続ける展開に。弘輝は時折パンチを当て、竹内はスリップを繰り返す。竹内はパンチに反応できておらず、ダメージが溜まる。終了間際、弘輝が左フックをクリーンヒットしてダウンを奪う。
2Rも弘輝がパンチやミドルを当て続け圧倒する。竹内は強気に笑顔を浮かべる場面もあるが、ほとんど攻撃を返せない。
3R、竹内は開始すぐに前に出るが、弘輝は左のパンチを合わせてダウンを奪う。最後は弘輝がパンチを連打し、左ストレートで棒立ちにさせたところで、箱崎レフェリーがストップした。
マイクを持った弘輝は「強すぎるわ狂拳。前の試合で体重オーバーして辞めようかと思ったけど、狂拳のおかげで体作れました。Krushのリング大好きです。宮ちゃん(=宮田プロデューサー)頑張ってるからみんなで盛り上げてください」とアピールした。
第7代Krushフェザー級王者 森坂陸 引退記念セレモニー
両親から花束を渡されると涙を流した森坂は「プロを9年間やって、K-1 GROUPで7年やらせてもらえました。ムエタイでは知名度がなかったですが、宮田さんが僕のキャラを買ってくれたおかげです。アンチが多く、本物にはなれなかったかもしれないですけど、結果は残せたと思います。両親に反対されてここまで来れたんで、好きなことをやることの大切さを表現できたと思います。今、自分でお店を開いて順調です。これからも一人の人間として応援してもらえるとうれしいです。明治神宮前でシーシャバー・ブルーバタフライをやっています。シーシャに興味ない方もぜひ飲みに来てもらえればうれしいです」と話し、10カウントゴングを聞いた。
第6試合 スーパー・バンタム級(55kg) 3分3R(延長1R)
○大鹿統毅(K-1ジム総本部チームペガサス/元Krushフライ級(51kg)王者、K-1甲子園2022 -55kg優勝)
×山浦力也(北斗会館/K-1甲子園2018 -60kg優勝)
判定3-0 (岡田30-24/伊藤30-24/中尾30-25)
1R、序盤に大鹿が山浦をロープに詰めてパンチラッシュで追い詰めようとしたが、山浦はブロックして耐え抜き、中盤以降は五分の状態を維持する。
2R、お互いミドル等の蹴り主体の攻防が続く中で、中盤過ぎ、大鹿が山浦のスリップ際に左ハイをかすめるように当てて倒すと、西村レフェリーはダウンとみなす。
3R、大鹿が左ミドル、ボディフックを効かせると、左ストレート、右ストレートを立て続けに当てて、今度は完璧な形でダウンを奪う。さらに大鹿はパンチの連打で2ダウン目を奪う。山浦も打ち合いで右フックを返し、底力を見せて観客を沸かせたが、逆転には繋げられず、大鹿も3ダウン目は奪えず、大鹿の判定勝ちとなった。
第5試合 スーパー・フェザー級(60kg) 3分3R(延長1R)
×斎藤祐斗(JK TRIBE)
○目黒翔大(優弥道場/Bigbangライト級王者)
4R 判定1-2 (豊永10-9/岡田9-10/中尾9-10)
3R 判定0-1 (豊永29-30/岡田30-30/中尾30-30)
1R、斎藤がサウスポーの目黒の右ミドルを当て続けるが、その先になかなかつなげられない。目黒も接近戦になるとパンチを振るうが、強打は乏しい。2R、お互いパンチ、膝を出すが、組み付きが多く、強打も乏しい。3R、接近戦で目黒の右フックで斎藤がフラつくが、齋藤も終盤にパンチを当て返し、はっきりした差をつけさせない。
試合は延長へ。相変わらずクリンチが多いが、その中で目黒の右フックの的確さがやや上回る印象。とはいえお互い決定打が出ず僅差のため、判定は割れたが、目黒が2者から支持され判定勝ちした。
第4試合 スーパー・ライト級(65kg) 3分3R(延長1R)
○岩﨑悠斗(サイガジム/元J-NETWORKスーパーライト級王者、元S-BATTLE KICKライト級王者)※ARROWS GYMから所属変更
×蓮實 光(パラエストラ栃木)
2R 1’51” KO (左ジャブ)
1R、岩﨑が左ジャブを当てつつ、右ストレート、右ハイも当て続け、主導権を握る。2Rもパンチと蹴りを当て続け圧倒すると、中盤過ぎにカウンターの左ジャブをクリーンヒットしダウンを奪う。蓮實のダメージが大きくレフェリーがすぐストップした。
マイクを持った岩﨑は「全然危なげなかったでしょ?新天地のサイガジムで強くなったところが見せられたと思います。サイガジムの才賀紀左衛門君と一緒にK-1とKrushを盛り上げます。すぐ試合できるんで、いつでも行けます」とアピールした。
第3試合 68kg契約 3分3R(延長1R)
×哲志(K-1ジム五反田チームキングス)
○KO-TA BRAVELY(BRAVELY GYM/KPKBウェルター級王者)
3R 1’18” KO (左フック)
1R、哲志がサウスポーからの右ジャブ、左ミドル、奥ロー等を当て続け主導権を握っていたが、終了間際にKO-TAが右ストレートを立て続けに当てて哲志を少しひるませる。2Rも同様に哲志が優勢だが、最後にKO-TAが右フックで哲志をひるませ、一発で流れを変える強さを印象付ける。
すると3R、KO-TAが右ボディストレートを効かせて哲志を下がらせると、右ストレートでダウンを奪う。KO-TAは再び右ボディを効かせて下がらせ、右と左のフックを連打しマットに沈めた。
マイクを持ったKO-TAは「九州のBRAVELY GYMのKO-TA BRAVELYです。もっと面白い試合をします。すぐにでもまた呼んでください」とアピールした。
第2試合 女子55kg契約 3分3R(延長1R)
○麻央(K-1ジム心斎橋チームレパード)
×小澤聡子(K-1 GYM SAGAMI-ONO KREST/元KPKB女子バンタム級王者)
判定3-0 (30-28/30-28/30-27)
1R、前進する小澤に対し、麻央が左ミドル、左右のボディ、右ストレート等を何発も当てて圧倒する。2Rも麻央が主導権を維持し、中盤には右バックハンドブローをクリーンヒットし印象を作る。3Rも麻央が攻勢を維持し判定勝ちした。
第1試合 バンタム級(53kg) 3分3R(延長1R)
△板橋武留(健成會/Bigbangバンタム級王者)
△坂本寿希(リーブルロア/元KROSS×OVERスーパーバンタム級王者)
3R テクニカル判定0-0 (豊永30-30/箱崎30-30/三浦30-30)
※当初は判定3-0 (30-28/30-28/30-28)で板橋の勝利だったが、審議の結果、3Rに板橋の奪ったダウンは無効と判断され、ダウン宣告がなされた時点までの攻防をジャッジ3者が改めて採点を行い、ドローに裁定に変更となった。(詳細)
プレリミナリーファイト第2試合 フライ級(51kg) 3分3R
×西林翔平(K-1ジム福岡チームbeginning/元KPKBバンタム級王者)
○菊地海斗(K-1 GYM SAGAMI-ONO KREST)
判定0-3 (26-29/26-30/25-30)
プレリミナリーファイト第1試合 女子アトム級(45kg) 2分3R
×加藤りこ(K-1ジム五反田チームキングス)
○末松 晄[あき](K.I.K team BLADE) ※Weed GYMから所属変更
判定0-3 (28-30/28-30/28-30)