Krush 4.28 後楽園ホール:4対4綱引きマッチ出場選手インタビュー(1/2)。ゴンナパー「4人の対策はしていません」、林健太「誰に負けてもキャリアが危ない」、稲垣柊「一番強いゴンナパーとやりたい」、寺島輝「俺とやる人は絶対やりづらいと思う」
MARTIAL WORLD PRESENTS GYM VILLAGE
センチャイムエタイジム錦糸町
最強のムエタイで最高の“美Body”を目指す!初心者の方、女性の方、大歓迎。見学無料!
Krush.160(4月28日(日)後楽園ホール)で行われる「K-1vsKrush・4対4 スーパー・ライト級」の出場8選手のうち、ゴンナパー・ウィラサクレック、林健太、稲垣柊、寺島輝の4選手のインタビューがK-1 GROUPから届いた。(佐々木大蔵、ジン・シジュン、塚本拓真、FUMIYAのインタビューは別記事に掲載)
大和哲也が3月にK-1スーパー・ライト級(65kg)王座を返上し、K-1では9月以降の年内に、王座決定トーナメントの開催を計画している。その出場者の査定試合として、Krush.160では同級の4試合が行われる。題して「K-1vsKrush スーパー・ライト級」。だが対戦カードは未定。赤コーナー側にはK-1を主戦場にしている4選手、青コーナー側にはKrushを主戦場としている4選手、計8選手の出場だけが決まっており、対戦カードは試合当日の本戦第1試合開始前の18時からの綱引きによる公開抽選で決められる。(赤コーナー側はジン・シジュン、佐々木大蔵、林健太、ゴンナパーの順に試合をすることが決定している。)
Krushの宮田充プロデューサーは3月12日の記者会見で「格闘技をやっていると、修羅場や不測の事態や急きょ相手変更があったりしますが、それの究極の形だと思います。以前に全日本キックでやったことがあります。実際、100%・200%力を発揮する選手、ナーバスになって70%・50%ぐらいしか力を出せない選手がいます」「勝ちイコール、トーナメント決定ではないです。素晴らしい戦いが繰り広げられた場合は、敗者でもトーナメントに入るという可能性も全然あります」と説明。アクシデントがつきものの1DAYトーナメントを見据え、特殊なシチュエーションでの選手の総合力を査定するという狙いを説明していた。
◆赤コーナー K-1
ゴンナパー・ウィラサクレック(タイ/ウィラサクレック・フェアテックスジム/元K-1&Krushライト級王者、元WPMF世界スーパーライト級王者)
林 健太(FLYSKY GYM/Tmile Gym/元K-1ライト級王者、元Bigbangスーパーライト級王者)※FLYSKY GYMから所属変更
佐々木大蔵(K-1 GYM SAGAMI-ONO KREST/元Krushスーパー・ライト級&ライト級王者)
ジン・シジュン[Jin Sijun](韓国/KTKアジア ウェルター級王者、大韓キックボクシングCKSミドル級王者)
ゴンナパーは31歳。20年6月、篠原悠人に判定勝ちしてKrush王座3度目の防衛を果たして以来以来4年ぶりとなるKrush出場。K-1でKO負けした相手・篠原にリベンジすると、同年12月、林健太を下しK-1王者になる。21年7月の初防衛戦で朝久泰央に敗れ王座陥落したが、その後は4連勝。22年6月のTHE MATCHではRISEの白鳥大珠を、8月のK-1では岩崎悠斗をKOしたが、以降はブランクが続いていた。宮田氏の話によると、ゴンナパーはタイに戻り、練習を休んでいたが、今年1月、ウィラサクレック会長がジムを作る準備でタイに帰った際、ゴンナパーが復帰の意志を伝え、今回の復帰の場を用意したという。
林は29歳。20年12月にゴンナパーに敗れてK-1ライト級王座から陥落して以降、勝ち負けを繰り返し、22年に小嶋瑠久、不可思に連勝し、昨年3月のK’FESTAで大和哲也のK-1王座に挑戦したが判定負けに終わった。試合はそれから1年ぶりとなる。
佐々木は33歳。22年9月のK-1で大和哲也のK-1王座に挑戦し判定負けし、連勝が10でストップすると、昨年3月のRISEでは白鳥大珠に判定負けし、6月のK-1でもパコーンに延長判定1-2で惜敗し、上位勢との戦いで苦戦が続いている。
シジュンは33歳。30戦20勝(10KO)8敗2分。昨年7月のK-1両国大会でK-1に初参戦し、不可思と対戦したが、バッティングによる負傷判定でドローで終わっていた。今回の「K-1vsKrush」が3月に発表された後、シジュンは参戦を志願し、メンバーに加えられた。
◆青コーナー Krush
稲垣 柊[しゅう](K-1ジム大宮チームレオン/Krushスーパー・ライト級王者)
寺島 輝[ひかる](TANG TANG FIGHT CLUB)
塚本拓真(K-1ジム三軒茶屋シルバーウルフ)
FUMIYA(E×F)
稲垣は24歳。22年、佐々木がK-1の王座獲得に専念することを理由にKrushスーパー・ライト級王座を返上し、23年年1月から王座決定トーナメントが行われ、稲垣は東本央貴、寺島輝、塚本拓真をKOし新王者となる。昨年11月の初防衛戦では小嶋瑠久に判定勝ちしている。
寺島は26歳。昨年のKrushスーパー・ライト級王座決定トーナメントでは初戦で蓮實光に判定勝ちしたが、4月の準決勝で優勝者の稲垣柊にKO負けした。昨年11月の再起戦ではFUMIYAをKOしている。
塚本は26歳。昨年4月のKrushスーパー・ライト級王座決定トーナメント準決勝で小嶋瑠久に判定負けしたが、小嶋が怪我で決勝に進めず、リザーブマッチ勝者の佑悟も反則勝ちでダウンした際のダメージがあり、塚本が決勝に上がることとなり、稲垣柊に1R TKO負けした。異例の2試合でのダメージをしっかり抜き、今年1月の再起戦では近藤魁成から2度のダウンを奪って判定勝ちしている。
FUMIYAは29歳。24戦11勝(11KO)13敗と負け越しているが、勝った試合は全てKO勝ち。昨年8月に近藤魁成に1R KO勝ちしたが、11月には寺島輝から先制ダウンを奪いながらも1R KO負けした。当初、この「K-1vsKrush」に入っていなかったが、K-1陣営のシジュンの追加参戦により、FUMIYAに声がかかり、FUMIYAも快諾した。
ゴンナパー・ウィラサクレック「4人の対策はしていません」
―― 2022年8月(岩崎悠斗戦)以来久しぶりの試合ですが、最後の試合の後はどう過ごしていたんですか?
ゴンナパー しばらくタイに帰ったりしていました。身体の調子が悪かったので、それを整えるための調整をしてました。
―― また試合をしようと思ったきっかけは何だったんですか?
ゴンナパー 私はまだ若いので、家族のために再び戦うため、戻ってきました。
―― 試合から離れていた間に、どんなことを考えましたか?
ゴンナパー 身体の調子が良くなかったので、体を強くして、戻ってきてまた戦いたいとずっと思ってました。
―― 戻るにあたっての目標は?
ゴンナパー 私は戻ってきました、再び全力で戦い、再び王座を獲得することを決めています。
―― 今回は当日に相手が決まる「綱引きマッチ」ですが、この形式と聞いた時はどう思いましたか?
ゴンナパー これは面白いですね。いつもの試合とは違って、とてもエキサイティングだと思います。
―― 4人の中で誰と当たるか分からないですが、どういう準備をしてきましたか?
ゴンナパー 私のスタイルで練習をしていました。誰と戦っても問題ないと思っているので、相手側4人の分析とか対策とかは特にしていません。
―― 4人の中で、特に気になる相手はいますか?
ゴンナパー この4人ならば、全員と問題なく戦えると思うので、特に誰というのはありません。誰でもいいです。
―― 当日、相手が決まった後、試合までの時間はどう過ごしますか?
ゴンナパー 私は常に準備ができているので、試合の準備をしながらリラックスして過ごしたいと思います。相手が決まったからといってやることは変わらないので、ここで特に何かをするということはないです。
―― 当日はどういう試合をしたいと思っていますか?
ゴンナパー いつもの私のスタイルで戦い、チャンスがあればKOします。ただ、久しぶりの試合なので少しスタイルを変えてみようかとも思ってます。そこは当日のお楽しみにしていてください。
―― 後楽園ホールでの試合も久しぶりだと思いますが、思うことは?
ゴンナパー はい、後楽園ホールに戻ってきてまた戦えることに少し興奮していますし、うれしいです。後楽園ホールはとても好きな会場なので。
―― 最後に、この試合に向けての“決意”を教えていただけますか?
ゴンナパー 私の試合を待ってくださっていた格闘技ファンの皆様、お待たせしました。また皆様の前で試合できることがとてもうれしいですし、以前よりも面白い試合ができるようにたくさん練習しています。応援よろしくお願いします!
林健太「誰に負けてもキャリアが危ない」
―― まず、今回の「綱引きマッチ」という形式を聞いた時はどう思いましたか?
林 いや、俺マジで何とも思わなかったっすね。基本的に、誰でもいいと思ってるんで。「ああ、当日まで相手が分からへんのやー」ぐらいですね。
―― いいとかイヤとかもなく?
林 はい、何もないです。
―― 相手が当日まで分からなくても平気なんですか。
林 そうっすね、あんまりそういうのを考えれるほど賢いタイプではないですし、「用意、ドン!」で大丈夫ですね、誰でも。
―― なるほど。では普段の、相手が決まっている試合の時も、そんなに対策とかはしないんですか?
林 そうですね。今までやったらキヨ(トレーナーのキヨソンセン・FLYSKY GYM)に「映像見といて」って言って、「ケンタ、こういうのがいいと思う」っていう技とかを練習するぐらいですかね。「この技がホンマに入るんかな?」って確認がてらに映像を見ることはありますけど、基本的に僕はあんまり見て確認するタイプじゃなくて、トレーナーに任せてますね。
―― ただ、今回はそれもないわけじゃないですか。
林 トレーナーが相手の映像を見て「これというのがなかったから、いつも通りやろう」って言われたら「OK!」って言っていつもの練習を頑張ってできるタイプなので。だからホントに、立場的に1回世界王座を獲ってるので、はい。誰に負けてもキャリアが危ないし、負けたらアカンっていうのも当たり前で、客観的に見て負けれないので、誰でもいいですね。
―― カード発表会見の時も、「立場的に負けられない」と繰り返し言ってましたが、今回の試合は、その気持ちが一番強い?
林 そうっすね、負けれない、負けたらヤバいっていうプレッシャーは、たぶんK-1側は全員思ってるんじゃないですかね。
―― 林選手は昨年3月の大和哲也戦以来、これが久々の試合になりますが、そこでこれというのはなかなか大変なんじゃないですか?
林 大変って言ったら大変かも分かんないですけど、試合ってなったらいつも大変なので、今回が特別大変とかそういうのは思ったことないですね。
―― ここまで試合に出られなかった期間で、一番重点を置いてきたところというと?
林 前回の自分の試合を見直して、もっとこういう風にしたら伸びしろがあるなっていうところ、相手がどうとかよりも自分をもっとよくしていくというのを、1年かけてやってきた感じですかね。例えば構えでニュートラルの重心がもうちょっと後ろの方がいいのかとか、もう本当に構えとフォームを、1年間ずっと修正してました。休んでたのは目の手術を2回やったからなんですけど、やっとお医者さんのGOサインも出たので、試合に出られることになりました。
―― では相手が誰になるにせよ、どういう試合にしたいですか?
林 それはもう、毎試合心がけてることですけど、見てる人が興奮するような熱い試合ですね。それは絶対にするっていつも決めてるので。その上で勝ちたいです。
―― それは、リスクも取るということですか? 危なげない試合をするよりはと。
林 そうっすね、僕の頭の中ではそういう感じです。デビューからずーっと思ってることなので。
―― さらに今回の試合にはK-1王座決定トーナメントへの出場権も懸けられています。そこについては?
林 もう絶対にそこに行くために準備してきたので、トーナメントに出えへんっていう選択肢は、自分の中にないですね。絶対に掴む試合をします。
―― 後楽園ホールの試合は5年8ヶ月ぶりになります。そこはいかがですか?
林 水町浩戦以来ですよね。後楽園で試合するのがどういう感じやったかって、もうあんまり覚えてないんですけど(笑)、逆に応援団がより近くで見れるチャンスなので、後楽園もアリなのかなって思ってます。今回から所属に自分のジムも入れて、「FLYSKY GYM/Tmile Gym」になったというのもあるので。
―― そうなんですね。
林 昨年の9月から自分のジムを始めて、キッズの子たちとか大人の会員さんも増えてきて初めての試合なので。ただただ、「よう喋る関西人」と思われてるので、格闘家やぞっていうところを見せるチャンスですね。ただ「ごっつ喋る人」やと思われてるんで。
―― よけいに負けられないですね。会見でも林選手からは一番「立場的に負けられない」という気持ちが伝わってきてました。あと、「ゴンナパー選手とやりたい」という気持ちも(笑)。
林 いや、マジでやりたいですね。ゴンナパーとは。運命やと思いましたから。階級を上げて、もうやることはないやろなと思ったらゴンナパーも階級を上げて、ここでもう1回戦えるって思うたら、俺からしたら運命やなと思ったんで、できたら王座決定トーナメントの決勝で戦いたいですけどね。最後にリベンジを果たしてチャンピオンっていう、一番いい筋書きでやりたいですね。
―― それはいいですね。では、もちろん今回は当たれないですけど、2人して勝ってトーナメントに出るのが一番の理想だと。
林 そうですね。まあ、ゴンナパーも一緒に勝ち上がって、なんて考える余裕はなくて、ホンマに自分のことしか考えてはないですけどね(笑)。
―― 久々の試合で、ジムからの応援団もたくさん来られると思うんですけど、その他にも久しぶりに林選手の試合を見るお客さんも多いわけで、一番見せたいのはどういうところですか?
林 「やっぱり林の試合はオモロいな」っていうところを見せたいですね。「久しぶりに見たらやっぱ林の試合は外れがないな」って改めて思ってもらえたらと思います。
―― では最後に、今回の試合への“決意”を、改めて教えていただけますか?
林 簡単ですよ。マジで意識飛ぶまで諦めないっす。意識飛ぶまで止まらへんって決めてるんで。どうなっても、結局勝てばいいですから。今回もそうやし、トーナメントも1回戦、準決勝、決勝と、どんだけ危なかったとしても、最後に勝ちゃいいと思ってるんで。
―― 分かりました、ありがとうございました!
稲垣柊「一番強いゴンナパーとやりたい」
―― 今回、「綱引きマッチ」という形式を最初に聞いた時はどう思いましたか?
稲垣 うーん……考えもしなかったことだったので。プロレス好きの方には「綱引きマッチ」って知られてるみたいですけど、僕は知らなかったんですよ。
―― まあ、もともとは昭和の時代の話ですからね。
稲垣 そうなんですね。正直、ホントにビックリしましたね。
―― だからカード発表会見の時に、唯一「やる側からしたらとんでもない」という発言をされていました。あれは本音ということですよね?
稲垣 そうですね(笑)。普段は決まった相手の分析をして、対策を練って試合に臨むわけですけど、それが4人分になるので。
―― 4人分、均等に対策してるんですか?
稲垣 1人がサウスポーで3人がオーソドックスなので、1人1人の特徴とかを意識しながら全員分やってるという感じです。普段の試合と比べると考えることが多いですね。まあでも、他の試合同様、何も怠りなくやっているので、早く試合がしたいという感じです。
―― 誰が来てもバッチリ?
稲垣 はい、そうです。
―― 現時点で、改めて「もし可能ならこの相手とやりたい」という選手は?
稲垣 一番強いと思っているゴンナパー選手とやりたいです。
―― ただ、戦うにはそれを引き当てないといけません。クジ運はどうですか?
稲垣 うーん……ただ、綱は自分で選べるわけじゃないですか。だから誰と当たっても自分で選んだ道ということになるので、そこはもう変わらずに、誰であろうが自分で得た相手を倒すだけという感じですね。
―― 「K-1側」の4人は、「Krush側」より上という位置付けになっています。実力の面で、底への意識というのは?
稲垣 自分の中では、実力で自分が下とは思ってないんですけど、世間一般から見たり戦績を見たりすると、格下であることは変わりないので、実力ではどうかということを分からせられるのが今回の格上との試合ということになると思います。誰と当たっても、自分の実力を世間に示せるなって思ってますね。
―― では当日は、どんな試合をしたいですか?
稲垣 「稲垣柊はもうK-1だな」と思われるような試合をしたいですね。そこが一番です。そしてもちろん倒します。
―― 18時に綱引きで相手と試合順が決まって、そこから少し時間があります。その時間はどう使いますか?
稲垣 もう準備自体は終わってるので、その相手だけを考えるフェーズに入るだけですね。綱引きまでは4人全員のことを考えないといけないですけど、相手が決まったら1人のことだけを考えられるので、そこに全集中です。
―― この4試合から何人かが、K-1の王座決定トーナメントに出場できることが決まっています。そこについては?
稲垣 僕がそこに行かないと、スーパー・ライト級は盛り上がっていかないと、ホントに思ってます。世代交代じゃないけど、僕が引っ張っていかないといけないので、必ずそこに進みますよ。
―― その意味では、思ったより早くチャンスが巡ってきた?
稲垣 そうですね。まだ僕はK-1で一戦もできてないんですけど、タイトルマッチまでは少なくとも3~4戦かかるじゃないですか。でも今回は1試合でトーナメントへの出場権が得られるので、僕としてはうれしいですね。
―― もう、自分はK-1スーパー・ライト級でタイトルが獲れるレベルにいるという認識ということですね。
稲垣 はい。一戦一戦重ねるごとに経験を積んで自信になりましたし、K-1での同じ階級の試合を見ていても、いけるなというのは思いました。
―― あとは当日、それを示すだけと。
稲垣 そうですね。やっぱり口で何と言っていても、試合で示さなければファンも運営も納得しないと思うので、だからこそ早く試合をしたいです。
―― では最後に、この試合への“決意”を改めて教えていただけますか?
稲垣 僕が目指しているのは「世界最強」で、その証明がK-1のベルトなので、その証明を掴めるようにその第一歩として4月28日、しっかり分かりやすい試合をして見せたいと思います。試合が行われる4月28日は僕がベルトを獲ってちょうど1年の日で、そこも含めて僕は持ってるなと思っているんですね。ベルトを獲って1年後にしっかり格上を倒して、実力を証明したいと思います。
―― 分かりました。ありがとうございました!
寺島輝「俺とやる人は絶対やりづらいと思う」
―― 今回、綱引きマッチという形式について聞いた時にはどう思いましたか?
寺島 「盛り上がるな」と思いましたね。客観的に見て。
―― ただ、自分は当日まで相手が分からないわけじゃないですか。そこは平気なんですか?
寺島 いやまあ、よくはないっすよね(笑)。でも、相手が決まってないっていうことに対しては、そこまでネガティブに捉えてなかったかなって感じですね。もともと、あんまり相手の映像を自分で見てというタイプじゃないので。
―― それよりも対戦相手のK-1側に魅力があった?
寺島 そうですね、「弱い相手じゃなくてよかったな」って感じですかね。弱い相手と試合するために減量したくないし、戦いたくないので。相手がすごいメンツだからというのは、すごくありますよね。
―― では、試合に向けての準備は、それぞれを分析してそれぞれを対策してというわけではない?
寺島 はい。自分のストロングポイントをすごく伸ばす練習をしてきました。普段はトレーナーが映像を見てくれて対策を練ってくれてという感じでやっていて、俺自身は、対策をやり込んで型にハマりすぎるとあんまりよくないタイプだと思ってるんですよ。だからトレーナーが映像を見て対策をやりつつ、俺は試合前に相手の映像をチョコチョコとは見るけど……ってぐらいで。でも今回は完全に俺のスタイルにアジャストして、それだけの練習をしてきたという感じですね。
―― その中では、例えばどういうところに重点を置いてきたんですか?
寺島 俺は、スピードでは一番誰にも負けないと思ってるので、そこを伸ばしたりとか、逆に「この攻撃はもらいやすいよね」とか「この攻撃を食らっちゃったら」とかっていうウィークポイントを埋める作業だったりとか、本当に自分にフォーカスして練習してきた感じです。
―― 最終的に4vs4になりましたが、できればこの選手とやりたいというのはありますか?
寺島 タイプ的な問題で言うと、林健太選手が一番やりやすいのかなって思うし、個人的に一番やりたい選手は佐々木大蔵選手ですね。過去に1回負けているので。まあでも、本当に一番やりたいのは佐々木選手ですね。
―― この機会にリベンジしたいと。その佐々木選手を引き当てるにあたって、普段、クジ運とかはどうですか?
寺島 クジ運は気にしたことないですね。記者会見の時、(塚本)拓真がおみくじの話をしてましたけど、そういうのも気にしたことがないんですよね。新年の最初におみくじを引いたりもしないんで。だから誰とやりたいかというか、俺は誰と練習した時もそうなんですけど、「やりづらい」って言われるんですよ。そこはすごく自信に思ってて。だからたぶん、初見で俺とやる人は絶対やりづらいと思うんですね。俺としては、相手が誰になっても別に対応できるかなって思ってます。
―― なるほど。では逆に、誰になったとしてもどういう試合にしたいですか?
寺島 相手が決まってから、試合まで2時間ぐらいありますよね? 18時に綱引き抽選をやって、だいたい8時から9時ぐらいに試合ですよね。もうチョロチョロっとは、誰だったらこう、誰だったらこう、というのは軽く話してるんですよ。たぶん他の選手たちって、「誰が出ても自分を貫きます」「誰が出ても僕のやるべきことは変わらないです」みたいなことを言うと思うんですけど、俺はそうじゃなくて、たぶん誰になっても対応できるんですよ。だからクジ運がどうとか、誰になるかなは関係ないですね。メンタル的に、誰を引きたいとかっていうのはあんまなくなってて、自分の全力、練習でやってきたことが出せたらいいなって思ってます。本当に、全力を出せれば絶対負けないし、そこだけにフォーカスしてる感じでいます。
―― 今回はK-1スーパー・ライト級王座決定トーナメントへの出場権が懸かっていますが、そこはいかがですか?
寺島 もちろん気にしてますよ。俺って、基本的にダウンが起こらない試合ってほぼほぼないんですよ。だから、俺は倒す試合をやってるんだなって思うし、そこは全開で行くんで、「王座決定トーナメント査定試合って言われてるからやってやろう」というんじゃなくて、普通に練習通り思いっきりやれば、勝手に選ばれるよねって思ってます。もちろん気にしてはいますけど、これがあるからとかっていうのじゃなくて、やっぱり毎回お客さんを喜ばせたいとか、「面白い試合だった」って思われるような試合をしたいと心がけてるんで、練習通り、それがリングで出せれば勝手に選ばれるかなって思ってます。
―― そうなるとKrush王座を飛び越えてK-1王座のチャンスが出てくるわけですが、Krush王座決定トーナメントからは1年が経ちます。この間の成長とか進歩しているなという点は?
寺島 自分で感じられる点もあるんですけど、周りのトレーナーだったりとかが見て、「変わったよね」みたいに言ってもらえることが多くなった1年でしたね。前回の試合(昨年11月、FUMIYA戦)も自分の中で変化を感じられた試合だったんですけど、練習の時点から周りの人が変化を感じて、口にしてもらうことが増えた1年でした。
―― 例えばどういう点ですか?
寺島 スパーでも倒せる技が増えたり、試合で倒されてから倒し返してそのままKOしたりとか、あとは新しくフィジカルトレーニングとかをガッツリ始めたっていうのもあるんですけど、変わったって言ってもらうことが多くなって、すごく自分の自信にも繋がってますね。
―― では、成長して伸びてきたところで、今回はいいタイミングだったんですか。
寺島 そうですね。去年のトーナメントで負けている時点で本当はよくないんですけど(笑)、「これぐらい変わってるかな」とか自分で思ってても、あんまり変わってないというか、思い込みだったってこともけっこうあると思うんですよね。でも他の人から言われると、それがすごい自信になるし、それを自己催眠じゃないですけど、ちょっとかけてやれたら面白いなって思います。
―― では最後に、改めてこの試合への“決意”を教えていただけますか?
寺島 査定試合だからとかそういうのは別にして、いつも通りガッツリ全開で倒しに行くっていう、それだけです。勝手に査定してくださいって感じです。
―― 分かりました。ありがとうございました!
対戦カード
第8試合 K-1×Krushスーパー・ライト級(65kg)4対4マッチ(4) 3分3R(延長1R)
ゴンナパー・ウィラサクレック(タイ/ウィラサクレック・フェアテックスジム/元K-1&Krushライト級王者、元WPMF世界スーパーライト級王者)
Krush選抜選手(18:00からの綱引き抽選により決定)
第7試合 K-1×Krushスーパー・ライト級(65kg)4対4マッチ(3) 3分3R(延長1R)
林 健太(FLYSKY GYM/Tmile Gym/元K-1ライト級王者、元Bigbangスーパーライト級王者)※FLYSKY GYMから所属変更
Krush選抜選手(18:00からの綱引き抽選により決定)
第6試合 K-1×Krushスーパー・ライト級(65kg)4対4マッチ(2) 3分3R(延長1R)
佐々木大蔵(K-1 GYM SAGAMI-ONO KREST/元Krushスーパー・ライト級&ライト級王者)
Krush選抜選手(18:00からの綱引き抽選により決定)
第5試合 K-1×Krushスーパー・ライト級(65kg)4対4マッチ(1) 3分3R(延長1R)
ジン・シジュン[Jin Sijun](韓国/KTKアジア ウェルター級王者、大韓キックボクシングCKSミドル級王者)
Krush選抜選手(18:00からの綱引き抽選により決定)
・Krush選抜選手
稲垣 柊[しゅう](K-1ジム大宮チームレオン/Krushスーパー・ライト級王者)
寺島 輝[ひかる](TANG TANG FIGHT CLUB)
塚本拓真(K-1ジム三軒茶屋シルバーウルフ)
FUMIYA(E×F)
~休憩~
第4試合 スーパー・フェザー級(60kg) 3分3R(延長1R)
岡嶋形徒(K-1 GYM SAGAMI-ONO KREST)
松本涼雅(月心会チーム侍)
第3試合 フライ級(51kg) 3分3R(延長1R)
長野 翔[かける](K-1ジム三軒茶屋シルバーウルフ)
小浦 翼(K-1 GYM横浜infinity/元プロボクシングOPBF東洋太平洋ミニマム級王者・元日本同級1位)
第2試合 バンタム級(53kg) 3分3R(延長1R)
坂本寿希(リーブルロア/元KROSS×OVERスーパーバンタム級王者)
鈴木太尊(谷山ジム小田原道場)
第1試合 スーパー・フェザー級(60kg) 3分3R(延長1R)
立基[りき](K-1ジム目黒TEAM TIGER)
天野颯大[そうた](キング・ムエ/K-1甲子園2021 -60kg優勝)
・18:00~ K-1×Krushスーパー・ライト級4対4マッチ綱引き抽選
・17:50~ Krushガールズ紹介(今回より新メンバーとなります)
プレリミナリーファイト スーパー・フェザー級(60kg) 3分3R
上垣内[うえがいと]一成(月心会ラスカルジム)
茶圓吏久[ちゃえん りく](K-1ジム蒲田チームアスラ)
概要
大会名 Krush.160
日時 2024年4月28日(日) 開場・17:00 プレリミナリーファイト開始・17:30 本戦開始・18:00
会場 後楽園ホール
チケット料金 SRS席 20,000円 RS席 15,000円 S席 10,000円 A席 7,000円 ※当日券500円アップ ※小学生からチケットが必要
チケット販売 K-1.CLUB グッドルーザー 出場選手・所属ジム
お問い合わせ グッドルーザー 03-6450-5470 https://www.k-1.co.jp/krush/