Krush 10.25 後楽園ホール(レポ):朝久泰央、1年半ぶり復帰戦は龍華に僅差の判定勝ち。黒川瑛斗、白幡裕星に判定勝ちしバンタム級王者に
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Krush.166
2024年10月25日(金)後楽園ホール
レポート&写真:井原芳徳
朝久泰央、1年半ぶり復帰戦は龍華に僅差の判定勝ち
第8試合 セミファイナル ライト級(62.5kg) 3分3R(延長1R)
○朝久泰央[たいおう](朝久道場/元K-1ライト級王者)
×龍華(ザウルスプロモーション/K-1甲子園2019&2020 -65kg優勝)
判定2-0 (箱崎30-29/西村30-30/中野30-29)
朝久兄弟の弟・泰央は27戦18勝(4KO)9敗の26歳。21年7月、地元・K-1福岡大会でゴンナパーに延長判定で勝利し、第5代K-1ライト級王者となる。ここまで7連勝だったが、22年2月の与座優貴とのノンタイトル戦で延長判定負け。この試合での怪我で1年休養し、昨年3月の与座とのベルトを懸けての再戦でも判定負けした。さらに1年半のブランクを経て、19年11月の西元也史戦以来5年ぶりのKrushのリングから再始動する。
龍華は14戦10勝(6KO)4敗の22歳。19・20年のK-1甲子園を連覇し、19~21年はK-1 GROUPのプロで8連勝。昨年は7月に篠原悠人に判定負けしたが、11月に岩﨑悠斗をKO。3月のRISEで対抗戦には新鋭対決枠に選ばれ、陽勇[ひゅう]に判定負け。今年は6月のKrushで歩夢に判定勝ちしたところ、前K-1王者の泰央との試合というビッグチャンスが舞い込んできた。
1R、泰央は中央に立ち、スイッチを度々しながら、左右のローを当てる。龍華はサウスポー固定で距離を取り、随所で左ローを当てる。お互いパンチも当てるが、まだ相手をひるませるほどにはならない。記者採点はイーブン。
2Rも同様の構図で、龍華は左ミドル等を随所でしっかり当て、元K-1王者相手に健闘する。とはいえなかなか均衡は崩れず。終盤、龍華が偶発的なバッティングでダメージを負い、しっかり休んで再開したが、まだダメージが残っていたか?泰央が龍華を左フックでひるませて終える。記者採点はイーブンとしたが泰央につく可能性はある。
3R、龍華はダメージを引きずらず、泰央と互角の攻防を繰り広げる。泰央は終盤、バックハンドブロー等の大技を絡めるが、なかなか捕まえられないまま終了する。記者採点はイーブン。ジャッジ1者はイーブンとしたが、2者はおそらく2Rの泰央につけ、泰央が僅差ながらも判定勝ちした。
マイクを持った泰央は「判定という形ですけどなんとか戻れたと思います」と話し、セコンドにもついた家族らに感謝の言葉を述べ、「Krush、K-1、朝久泰央、馬鹿にする奴は全員ぶち殺す、じゃなく、ぶちのめす」と強気に語った。
黒川瑛斗、白幡裕星に判定勝ちしバンタム級王者に
第9試合 メインイベント 第9代Krushバンタム級(53kg)王座決定トーナメント・決勝戦 3分3R(延長1R)
○黒川瑛斗(K-1 GYM SAGAMI-ONO KREST)
×白幡裕星(K-1ジム総本部チームペガサス/元KNOCK OUT-RED&ムエタイオープン・スーパーフライ級王者)
判定3-0 (岡田30-28/豊永30-28/梅木30-28)
池田幸司が階級アップのため返上したKrushバンタム級王座を懸けたトーナメント。4選手が参加し、7月の後楽園大会で準決勝が行われ、今大会での決勝で王者が決まる。
黒川は8戦6勝(2KO)1敗1分の20歳、構えはサウスポー。3月のKrushで鵜澤悠也に2R KO勝ち。7月のトーナメント一回戦では林佑哉と対戦し、下馬評を覆し1R KO勝ちした。
白幡は22戦16勝(1KO)5敗1分の21歳。構えはサウスポー。肘有り・首相撲制限無しのルールで2団体で王者になり、昨年からK-1 GROUPに参戦。2戦目で壬生狼一輝に判定負けしたが、それ以外4試合は勝利。昨年12月には元プロボクシング日本王者の小浦翼に判定勝ち。7月のトーナメント一回戦は峯大樹の計量失格により不戦勝となっていた。
1R、両者サウスポーで構え、左ミドル等の蹴り主体の攻防が続くが、まだお互い強打や攻撃をまとめて相手を追い詰めるほどにはならない。記者採点はイーブン。
2R、黒川がプレッシャーをかけ、パンチの比重を上げる。白幡は距離を取り、変わらずミドル、ロー等蹴り主体で攻める。どちらもヒットはあるが、均衡を崩すほどの攻撃が出せない。記者採点はイーブン。
すると3R、黒川はプレッシャーを強め、パンチの手数を上げる。中盤過ぎ、左ストレートで白幡をひるませ、さらに左ストレートを当ててダウンを奪う。その後も黒川が前に出てパンチを振るい、主導権を維持し終了する。10-8で黒川がポイントを取る。記者採点合計30-28で黒川。ジャッジ3者も同じ採点で、黒川が判定勝ちでバンタム級王者となった。
ベルトを巻いてマイクを持った黒川は「試合前にKrushのメインイベントを見せるとか、守りに入る奴は弱いみたいに散々言ったんですけど、結局こんな試合をしてしまって、こんなチャンピオンじゃダメなんで、出直してきます」と、内容を反省し、チームメイトと両親に感謝の言葉を述べた。
長野翔、安尾瑠輝に判定勝ちしフライ級王者・大夢に対戦要求
第7試合 フライ級(51kg) 3分3R(延長1R)
○長野 翔[かける](K-1ジム三軒茶屋シルバーウルフ)
×安尾瑠輝[りゅうき](K-1ジム心斎橋チームレパード/DEEP☆KICK -51kg王者)
判定3-0 (30-28/30-28/29-28)
長野は20歳。K-1アマチュア チャレンジAクラスで3度優勝し22年8月にプロデビューした生え抜き。プロ唯一の黒星は昨年5月の現Krushフライ級王者・大夢戦でプロ7戦6勝1敗。現在3連勝中で、1月大会では西林翔平に判定勝ちし、4月大会では小浦翼に判定勝ちしている。
安尾は8戦6勝(4KO)2敗の20歳。昨年、大阪でのDEEP☆KICKの-51kg王者決定トーナメントで龍太郎とKING陸斗を下しベルトを奪取。今年3月のKrushでは矢島直弥を3R右ローでKOし、7月には悠斗に3R左ボディでKO勝ちした。長野も安尾も前戦で元プロボクシング日本王者をパンチで攻略した点で共通する。
1R、安尾が積極的にパンチと蹴りを出すが、空振りも多く、まだ相手にダメージを与えきれない。長野も左ボディを強打する場面もあったが、手数が少ないまま終わる。記者採点はイーブン。
2Rも安尾が積極的に攻めていたが、少し攻撃が途切れたところで、長野の右ストレートがクリーンヒットし、安尾はダウンする。
3R、安尾が手数多く攻めるも、長野も右ローを連打して安尾の反撃を封じ判定勝ちした。
マイクを持った長野は「大夢選手、こんな内容ですけどリング上がってもらえないですか」と話すと、フライ級王者の大夢がリングに入る。長野は「フライ級チャンピオン以外、倒したんですけど、微妙な感じですよね」と自虐的に語りつつも「来年までもっと強くなるんで来年挑戦を受けてください」と呼びかけた。大夢は「この階級、層が薄くて盛り上がっていないんで、僕もチャンピオンなって満足してないんで、もっと戦ってフライ級の層を厚くするんで(プロデューサーの)宮田さん、ぜひタイトルマッチお願いします。時期は長野選手にお任せします」と答え、長野の挑戦を承諾した。
林佑哉、心直を3R KO
第6試合 バンタム級(53kg) 3分3R(延長1R)
×心直[しんた](REON Fighting Sports GYM/元KNOCK OUT-REDスーパーフライ級王者)
○林 佑哉(K-1ジム大宮チームレオン/ジャパンカップキックボクシング&RKSバンタム級王者)
3R 0’34” KO (右ストレート)
心直は昨年9月の池田幸司戦、11月の壬生狼一輝戦と、K-1 GROUP参戦後2連続KO負けを喫したが、7月のKrushでは矢島直弥を1R KOした。最近では修斗の2階級王者・新井丈にX上で喧嘩を売り、新井のいる和術慧舟會HEARTSに道場破りに行き、新井にボコボコにされたものの、実際に殴り込む度胸がキックファン以外にも高く評価されいた。
林は山本優弥や寺戸伸近を輩出した広島の空修会館出身。かつてはDEEP☆KICKやNJKF岡山大会等の西日本の大会で活躍。K-1ジム大宮に移籍し、今年からK-1 GROUPに参戦し、1月に坂本寿希を圧倒し判定勝ちし、6月に白幡太陽を1R90秒左フックで沈めた。7月のKrushバンタム級王
1R、序盤から心直がサウスポーからの左ミドルを林の腕とボディに度々ヒットし主導権を握る。林はまだひるむほどではないが、中盤に右ストレートを当てた以外、目立った攻撃が返せず、印象が悪い。記者採点は心直。
2Rも序盤こそ心直が左ミドルを当てていたが、林の右ストレート、ボディストレートをもらううち、心直は苦しそうな様子を見せ、中盤に林が右ストレートでダウンを奪う。その後も林がパンチ主体で心直を追い詰める。8-10で林がポイントを取る。
すると3R、林が序盤から左右のパンチを当ててダウンを奪う。心直は立とうとしたがフラつき、箱崎レフェリーがストップした。
マイクを持った林は「前回の試合、1週間前にお母さんが脳出血で倒れちゃって、パワーを与えようと思ったんですけど負けちゃって、今日、しっかり出て少しでもパワーを与えられたかなと思います。勝ったんで、バンタム級次期挑戦者としてお願いします」と話した。
第5試合 ライト級(62.5kg) 3分3R(延長1R)
○昇也(士魂村上塾/元Bigbang&MA日本スーパーライト級王者)
×竜義[りゅうぎ](VAINQUEUR GYM/元Dream Gateウェルター級王者)
判定3-0 (30-26/30-26/30-27)
1R、昇也がサウスポーで構えて前に出続けパンチと蹴りを当て続け、中盤に左ハイでダウンを奪う。その後も昇也が前に出続けるが、竜義も随所で右ストレートを返す。2Rも昇也が前に出続けて手数で上回るが時折パンチをもらってしまう。3R、昇也が長時間、竜義をコーナーに詰めてパンチと蹴りを当て続けて圧倒する。竜義は最後まで倒れず、終盤には右ストレートや左フックを立て続けに当てて反撃し、見せ場を作ったが、逆転ならず、昇也が判定勝ちした。
第4試合 スーパー・バンタム級(55kg) 3分3R(延長1R)
○健介(Jay’s Box)
×蘭丸(team AKATSUKI)
4R 判定3-0 (西村10-9/豊永10-9/梅木10-9)
3R 判定0-0 (西村28-28/豊永28-28/梅木28-28)
1R終盤、蘭丸が右フックでダウンを奪う。だが2R以降、健介がサウスポーからの左ストレート等で攻め続けてポイントを取り返し延長へ。引き続き健介が左膝蹴り主体で攻め続け判定勝ちした。
第3試合 フェザー級(57.5kg) 3分3R(延長1R)
○水津空良[そら](team NOVA)※優弥道場から所属変更
×寺島 想[こころ](AX GYM/K-1カレッジ2020 -60kg優勝)
判定2-0 (三浦30-30/岡田30-29/豊永30-29)
第2試合 バンタム級(53kg) 3分3R(延長1R)
×保井広輝(WARRIOR OSAKA)
○白幡太陽(FLYSKY GYM/Tmile Gym)
判定0-3 (岡田28-30/山根28-30/梅田28-30)
メインイベンターの白幡裕星の兄・太陽は、保井の左ジャブをもらい、大量の鼻血を出したが、2R終盤、右ストレートでダウンを奪い、これで点差をつけ判定勝ちした。
第1試合 フライ級(51kg) 3分3R(延長1R)
○上遠野寧吾[かとうの ねいご](POWER OF DREAM)
×大平 龍(K-1ジム三軒茶屋シルバーウルフ)※KICK SPARKから所属変更
2R 1’16” KO (右アッパー)
POD期待の新鋭・上遠野は3戦3勝(2KO)の18歳。2R、大平に右フック、左ミドルを効かせて追い詰めてから、右アッパー一撃でKOすると「Krush 2戦目なんですけど、来年ベルトを狙うで応援よろしくお願いします」とアピールした。
プレリミナリーファイト第3試合 スーパー・バンタム級(55kg) 3分3R
×渚(K-1ジム五反田チームキングス)
○龍生[りゅうき](ALONZA ABLAZE)
3R 2’43” KO (左フック)
プレリミナリーファイト第2試合 ミドル級(75kg) 3分3R
○戦熊[たくま](team ALL-WIN/ジャパンカップキックボクシング・ミドル級王者)※森拓馬 改め
×山根武夫(K-1ジム川口TEAM SIRIUS)
判定3-0 (30-29/30-29/30-28)
プレリミナリーファイト第1試合 スーパー・バンタム級(55kg) 3分3R
×小島卓也(優弥道場)
○太田 黎[れい](真闘会/K-1カレッジ2022 -55kg優勝)
判定0-2 (30-30/29-30/28-30)