UFC 6.15 ラスベガス(レポ):平良達郎、フライ級5位のアレックス・ペレスの負傷で2R TKO勝ちしUFC 6連勝。「パントージャ、レッツゴー、タイトルショット」「フライウェイトファイター、俺の前に一列に並べ」
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UFC Fight Night: Perez vs Taira,
2024年6月15日(土/現地時間)米国ネバダ州ラスベガス:UFC APEX
レポート:井原芳徳
第11試合 メインイベント フライ級 5分5R
×アレックス・ペレス(米国/5位)
○平良達郎(THE BLACKBELT JAPAN/セカンドキャリア/13位、元修斗世界王者)※Theパラエストラ沖縄から所属先名称変更
2R 2’59” TKO (レフェリーストップ:右足の負傷)
平良はMMA 15戦15勝(4KO/6一本) 、UFC 5戦5勝(1KO/2一本)の24歳。沖縄出身・在住で、18年8月に修斗でプロデビューし、21年7月に福田龍彌を1Rで下し修斗世界フライ級王者となる。22年にUFCと契約し、5月の初戦ではカルロス・カンデラリオに判定勝ちし、10月の2戦目ではC.J.ベルガラに2R腕十字で一本勝ち。昨年2月にはヘスス・アギラーに1R腕ひしぎ三角固めで勝利し、2連続でパフォーマンス・オブ・ザ・ナイトの5万ドルの賞金を獲得した。7月にエドガー・チャイレスに判定勝ち。12月にカルロス・ヘルナンデスに2R TKO勝ちし、水垣偉弥と並ぶUFC参戦日本人選手最多の5連勝を達成した。UFCフライ級でも歴代3位タイで、元王者のデイブソン・フィゲイレード、ムハンマド・モカエフと並ぶ。
ペレスはカリフォルニア出身でチーム・オーヤマに所属する32歳。レスリングをベースとし、11年にMMAデビューし、17年からUFCに上がり、UFC戦績は11戦7勝(3KO/2一本)4敗。20年11月にデイブソン・フィゲイレードのフライ級王座に挑戦したが1Rフロントチョークで一本負け。その後、現同級王者のアレッシャンドリ・パントージャ(パントーハ)、ムハンマド・モカエフといった強豪に連敗し、8位まで下がったが、4月27日(現地時間)のAPEX大会でのメインイベントでは当時5位のマテウス・ニコラウを2R右フックでKOし、パフォーマンス・オブ・ザ・ナイトに選ばれた。
平良のUFC 6戦目は当初、5月18日(現地時間)APEXでの9位・ティム・エリオット戦が予定され、6月1日(現地時間)ニュージャージーでのジョシュア・ヴァンとの試合に変わることが4月末に発表されていた。一方のペレスも、6月15日のAPEXでタギール・ウランベコフ(12位)との試合が組まれていたが、ペレス×ウランベコフ、平良×ヴァンがシャッフルされ、ペレス×平良、ウランベコフ×ヴァンに変わった。なお、ウランベコフは前日計量で3.5ポンドオーバーし、試合も中止となっている。
試合は平良がペレスを追い詰める中、意外な形で終わることに。1R、中央付近で両者構え、右カーフを蹴り合った後、平良が組みに行くが、ぺレスが金網に押し込む。ぺレスが膝を当てるが、平良も膝を返して突き放す。その後も組んでの膝の攻防に。中盤、離れての攻防が続き、ぺレスがややプレッシャーをかけ、右ストレート、アッパーを時折当てるが、平良も下がり過ぎず中央付近での攻防を維持し、組んで顔面に膝を当て返し、僅差の状態をキープする。終盤、ぺレスが前に出て右ストレートを当てるが、平良が前に出返すと、左手を前に出した際に指がペレスの右目に入り、一時中断する。再開後、平良がテンカオで詰めたが、ぺレスは崩して倒して上になる。すぐスタンドに戻るが、印象の悪い攻防に。記者採点は積極性で上回りテイクダウンを奪ったぺレス。
2R、ぺレスが前に出ると、平良が突き離そうとした際にまたも左手の指がペレスの右目に入り、一時中断する。再開後、平良が右カーフ、ストレートを当てれば、ぺレスはしっかり同じ攻撃を返し続ける。スタンドの攻防が続いていたが、すると中盤、平良は突如、両足タックルを仕掛け、片足タックルに移行しテイクダウンを奪う。ぺレスの立つ動きに合わせて平良は背後に回り、オンブになって裸絞めを狙う。和田竜光が得意とする「おたつロック」と呼ばれる、足先を相手の足に引っかける、ぺレスが動きにくい状態にして、平良はオンブをキープする。ぺレスは前に平良を落とそうとしたが、ぺレスから後ろに倒れ、平良も一緒に落ちると、ぺレスは突如悲鳴を上げてタップする。ぺレスは倒れ際に右膝を痛めたようで、すぐさまレフェリーがストップし、平良のTKO勝ちとなった。
アクシデントの要素はあったとはいえ、相手の足に負担をかけ、相手を裸絞め狙いで追い詰め、平良が自ら勝利を引き寄せたのは確かだ。平良はこれで自身が持つUFC参戦日本人選手の最多連勝記録を6に伸ばした。
勝利者インタビューで平良は「アイムハッピーセンキュー」と恒例のシャウトをした後、アナウンサーに「次はタイトルマッチでもいいと思います」と振られると「パントージャ、レッツゴー、タイトルショット」と叫んだ。試合内容については「ボクシングとか取り組んで来たことができましたけど、改善しないといけないことがあると思いました」と謙虚に話しつつ、ペレスに怪我を負わせた展開については「対レスラー用の必殺技です」とアピールした。最後は「フライウェイトファイター、俺の前に一列に並べ」と叫んだ。
平良はパフォーマンス・オブ・ザ・ナイトに選ばれ、5万ドルの賞金を獲得している。
第10試合 コーメインイベント バンタム級 5分3R
×ダグラス・シウバ・ジ・アンドラージ
○マイルズ・ジョーンズ
判定0-3 (27-30/27-30/28-29)
第9試合 フェザー級 5分3R
×ティミー・クアンバ
○ルーカス・アウメイダ
判定0-3 (28-29/28-29/28-29)
第8試合 バンタム級 5分3R
○ブレイディ・ヒースタンド
×ギャレット・アームフィールド
3R 1’52” 裸絞め
第7試合 フライ級 5分3R
○アスー・アルマバイエフ
×ホゼ・ジョンソン
判定3-0 (30–27/30–27/30–27)
第6試合 ウェルター級 5分3R
×ジョシュ・クインラン
○アダム・フューギット
判定1-2 (29–28/28–29/28-29)
第5試合 フライ級 5分3R
×ジミー・フリック
○ネイト・マネス
判定0-3 (27-30/27-30/28-29)
第4試合 女子フライ級 5分3R
×カーリ・ジュディス
○ガブリエラ・フェルナンデス
判定1-2 (29–28/28–29/28-29)
第3試合 フェザー級 5分3R
×ジェカ・サラギ
○ウェスティン・ウィルソン
1R 1’49” 腕ひしぎ三角固め
第2試合 フェザー級 5分3R
○メルキザエル・コスタ
×シャイラン・ヌアダンビク
3R 1’50” フェイスロック
第1試合 女子ストロー級 5分3R
○ヨセフィン・ノットソン
×ジュリア・ポラストリ
判定3-0 (29–28/29–28/29–28)