UFC 12.9 ラスベガス(レポ):平良達郎、2R TKO勝ちで水垣偉弥と並ぶUFC日本人最多5連勝。同じく5連勝中のランカー・モカエフに対戦要求
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UFC Fight Night: Song vs. Gutiérrez
2023年12月9日(土/現地時間)米国ネバダ州ラスベガス:UFC APEX
レポート:井原芳徳
第2試合 フライ級 5分3R
○平良達郎(Theパラエストラ沖縄/元修斗フライ級世界王者)
×カルロス・ヘルナンデス
2R 0’55” TKO (レフェリーストップ:グラウンドパンチ)
UFCは当初、中国の上海で12月9日(現地時間)にFight Nightを開催すると11月1日に発表していたが、中旬に中止が明らかになり、ラスベガスのUFC APEXで代わりの大会を開催した。上海で予定されていた東アジアの選手の試合の大半がラスベガスにスライドし、平良もその一人となった。ROAD TO UFCトーナメント決勝は延期され、まだ日程は発表されていない。
平良はMMA 14戦14勝(3KO/6一本) 、UFC 4戦4勝(2一本)の23歳。沖縄出身・在住で、18年8月に修斗でプロデビューし、21年7月に福田龍彌を1Rで下し修斗世界フライ級王者となる。昨年UFCと契約し、5月の初戦ではカルロス・カンデラリオに判定勝ちし、10月の2戦目ではC.J.ベルガラに2R腕十字で一本勝ち。今年2月にはヘスス・アギラーに1R終盤に腕ひしぎ三角固めで勝利。2連続でパフォーマンス・オブ・ザ・ナイトの5万ドルの賞金を獲得した。6月に対戦予定だったクレイドソン・ホドリゲスが計量オーバーしたため、平良は対戦を拒否。2週間後のUFC 290ラスベガス大会で急きょ試合が組まれ、エドガー・チャイレスに判定勝ちした。10月14日(現地時間)のUFC APEXでのFight Nightでダビッド・ドボジャーク(UFCフライ級15位)と戦うことになったが、ドボジャーク側の事情により中止となり、2か月延びてノーランカーとの試合が用意された。
ヘルナンデスはMMA戦績11戦9勝(4一本)2敗の30歳。シカゴ出身で米国のローカル大会で勝利を重ねた後、21年10月、UFCのデイナ・ホワイト代表が主催するトライアウト企画「コンテンダー・シリーズ」で勝利し、UFCと契約した。昨年2月の初戦では勝利したが、今年1月の2戦目ではアラン・ナシメントに1R裸絞めで一本負け。6月のデニス・ボンダー戦は負傷判定勝ちしている。
平良は金髪に染めて登場。試合は下馬評通り平良の圧勝に。1R、平良が右の前蹴りを放つと、スリップしてしまうが、ヘルナンデスが押さえに来ると、平良はタックルで対応してバックを狙う。ヘルナンデスは対応し、立ち上がって平良を金網に押し込む。だが中盤、ヘルナンデスの投げを潰して、平良がテイクダウンを奪うと、中央付近でサイドポジションを奪う。平良はハーフに戻りながらもマウントを狙うプレッシャーをかけ、時折左肘も当てる。平良はマウントを奪い、パウンドを落とす。暴れるヘルナンデスに対し、平良はバックマウントとマウントを行き来してパウンドを当て続ける。裸絞めも狙うような動きもあったが、フィニッシュには至らない。記者採点は平良。
平良達郎のノックアウトシーンをプレイバック#平良達郎 @tatsurotaira#UFCVegas83 pic.twitter.com/Db6CeJqh90
— UFC Japan (@ufc_jp) December 10, 2023
2R、ヘルナンデスは打撃勝負で活路を見出したいところだったが、平良は序盤、離れた間合いから伸びのある右ストレートを当ててヘルナンデスをひるませ、さらにパンチをまとめてヘルナンデスをダウンさせる。平良は上から押さえパウンドを当て続け、最後はサイドバックから右のパウンドを連打し、ヘルナンデスの動きが止まったところでレフェリーがストップした。
平良はこれで水垣偉弥と並ぶUFC参戦日本人選手最多の5連勝を達成。UFCフライ級でも歴代3位タイで、元王者のデイブソン・フィゲイレード、現在9位でダゲスタン系英国人のムハンマド・モカエフと並ぶ。
勝利者インタビューで平良は「柔術のスキルとか…」と話し出した後、突然思い出したように「アイムハッピーサンキュー」と、これまでの試合同様の決め台詞を叫んだ。続けて「ずっとランキングの選手とやりたいと思っていて 次こそランキングの選手と戦いたいです。Where is モカエフ?」と話し、次戦の時期を聞かれると「2月か3月にすぐ戦いたいです」と話した。
モカエフはMMA 12戦11勝1無効試合で、昨年3月のUFC参戦後5連勝、4一本勝ちで、10月のアブダビ大会では当時10位のティム・エリオットを3R肩固めで下している。モカエフは平良の勝利の1時間後のXで早速リアクションし「(7位のアレックス・)ペレスがダメになったら、平良よ、代わりに出られるように準備しておけよ。ランキングが下の相手とやりたがらない他のトップ10ファイターと違って、俺はチャンスをやるぜ」と、平良戦に前向きな姿勢を示している。
プラン通りの試合ができたと振り返る平良達郎
日本人UFCファイターとして最多タイとなる5連勝#水垣偉弥に並ぶ @takeya_miz#平良達郎 @tatsurotaira#UFCVegas83 pic.twitter.com/plVMiZ2i4s— UFC Japan (@ufc_jp) December 10, 2023
バックステージでのインタビューで平良は「最初はスリップしたりとか色々あったんですけど、だんだん試合に入り込めて、セコンドの声も聞こえて、プラン通りに試合できたと思います」と試合を振り返った。UFC初のKO勝ちについては「KO勝ちしようとか考えていなかったんですけど、自分のブラジリアン柔術のベースを、今のダメージ優先のMMAに、進化型というか、いかに落とし込めるかなと思って練習してきたので、その結果が出たと思います」と話した。今後については「今はランキングに入っていないんですけど、ずっとベルトを取るって言っているんで、ランキング戦をして、『次の挑戦者は平良じゃない?』と言われるぐらいに行きたいです。2024年は勝負の年にします」と宣言した。
第11試合 メインイベント バンタム級 5分5R
○ソン・ヤドン(7位)
×クリス・グティエレス(14位)
判定3-0 (50–44/50–45/50–45)
第10試合 コーメインイベント ライトヘビー級 5分3R
×アンソニー・スミス(8位)
○カリル・ラウントリーJr.(11位)
3R 0’56” TKO
第9試合 ライト級 5分3R
○ナスラット・ハクパラスト
×ジェイミー・ムラーキー
1R 1’44” TKO
第8試合 バンタム級 5分3R
○ティム・エリオット(フライ級11位)
×スムダルジ(フライ級12位)
1R 4’02” 肩固め
第7試合 ミドル級 5分3R
×パク・ジョンヨン
○アンドレ・ムニス
判定1-2 (29–28/28–29/28-29)
第6試合 ウェルター級 5分3R
×ソン・ケナン
○ケビン・ジュセ
判定0-3 (27-30/27-30/27-30)
第5試合 フライ級 5分3R
○パク・ヒョンソン
×シャノン・ロス
2R 3’59” TKO
第4試合 ライト級 5分3R
○スティーブ・ガルシア
×メルキザエル・コスタ
2R 1’01” KO
第3試合 女子バンタム級 5分3R
○ルアナ・サントス
×ステファニー・エッガー
判定3-0 (30–27/29–28/29–28)
※サントスが計量3ポンドオーバー。エッガーにファイトマネーの20%を譲渡
第1試合 女子ストロー級 5分3R
×ハヤネ・アマンダ
○タリタ・アレンカー
判定1-2 (29–28/28–29/28-29)