ROAD TO UFC 決勝 2.3 ラスベガス(レポ):「負けを知りてえ」鶴屋怜、1R TKO勝ちし9戦全勝でUFCとの契約獲得。原口伸、タックル切られ打撃に苦しみ3R一本負け
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ROAD TO UFC Season 2 finals
2024年2月3日(土/現地時間)米国ネバダ州ラスベガス・UFC APEX
レポート:井原芳徳
UFCとの出場契約を争うトライアウト「ROAD TO UFC(RTU)シーズン2」は4階級に各8選手が参加したトーナメント。5月27日・28日に中国・上海で一回戦、8月27日にシンガポールで準決勝が行われた。12月9日のUFC FIGHT NIGHT上海大会で決勝を予定していたが、大会が中止となった。結局、翌年2月まで持ち越され、UFCの本拠地・ラスベガスでのUFC Fight Nightの終了後に行われた。
日本の選手はバンタム級の野瀬翔平、フェザー級のSASUKE(佐須啓祐)、ライト級の丸山数馬が一回戦で、バンタム級の上久保周哉、フェザー級の神田コウヤが準決勝で敗退し、決勝にはフライ級の鶴屋怜、ライト級の原口伸の2人が残った。なお、22年度の第1弾(シーズン1)では、バンタム級優勝の中村倫也、準優勝の風間敏臣がUFCと契約していた。
「負けを知りてえ」鶴屋怜、1R TKO勝ちし9戦全勝でUFCとの契約獲得
第1試合 ROAD TO UFCフライ級決勝 5分3R
○鶴屋 怜(パラエストラ松戸/パンクラス・フライ級王者)
×ジーニウシュイエ[Jiniushiyue](中国)
1R 4’59” TKO (レフェリーストップ:グラウンドパンチ)
※鶴屋が優勝
鶴屋は8戦8勝(3KO/4一本)の21歳。松根良太、扇久保博正、浅倉カンナ、内藤のび太らを育てた鶴屋浩・パラエストラ千葉ネットワーク代表の次男。レスリングで高校時代にジュニアオリンピック2位、全国大会2位に入賞。長年MMAも並行し21年にプロデビュー。DEEPで3連勝した後、22年4月にパンクラスに初参戦し2連勝後、12月にフライ級王者・猿飛流を下しベルトを巻く。
5月のRTUシーズン2一回戦ではロナル・シアハーン(インドネシア)を2R Vクロスアームロックで撃破。準決勝ではマーク・クリマコ(米国)に判定勝ちした。
決勝の相手・ジーニウシュイエは15戦13勝2敗の23歳。一回戦でインドネシアの選手、準決勝で韓国の選手を下し決勝に進んだ。
Huge left hand from Jiniushiyue!
Will he earn himself a UFC contract tonight? #RTU2 pic.twitter.com/QqX7bt3LZO
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試合は鶴屋が一発もらったものの、完勝と言っていい内容に。1R、両者サウスポーで構え、鶴屋がプレッシャーをかけると、ジーニウシュイエが右ジャブを放ったタイミングで胴タックルを仕掛け、金網に押し込む。鶴屋は左脇を差しつつ、右の肩パンチ、ショートフック、膝を当てる。中盤、ジーニウシュイエは離れると、中央で構え、鶴屋の左ローのタイミングで左ストレートを当てる。
They take it to the ground
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だが鶴屋が左フックを放ち、かわしたジーニウシュイエがフラつくと、鶴屋は組み付き、首投げを狙いつつ足を掛けて倒し、そのまま袈裟固めで押さえる。鶴屋は肩固めを狙いつつマウントを奪い、もがくジーニウシュイエに合わせてバックを奪う。鶴屋はパウンドを当てジーニウシュイエを削る。ジーニウシュイエは正面を向こうとするが、鶴屋はツイスターを狙う。残り10秒を切り、鶴屋はバックに戻り、ジーニウシュイエをうつぶせにさせて、パウンドを連打すると、終了ギリギリでレフェリーがストップした。
Welcome to the UFC Tsuruya!!! 🇯🇵
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プロ9戦全勝でUFCとの契約を勝ち取った鶴屋は、勝利者インタビューで最初に「負けを知りてえ」と叫び「とりあえず勝てて良かったです。決勝なので、相手もかなり強いと思って、判定になっちゃうと思ったんですけど、想像よりも早くフィニッシュできて良かったです」と話した。バックステージに戻ると、セコンドについていた父の浩氏と抱き合って涙を流した。
No words to better describe the feeling
🇯🇵@MMA_Rei shares a heartwarming moment with his family after winning the #RoadToUFC Season 2 flyweight tournament! pic.twitter.com/4T52xco2mH
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原口伸、タックル切られ打撃に苦しみ3R一本負け
第3試合 ライト級決勝 5分3R
×原口 伸[しん](BRAVE/GRACHANライト級王者)
○ロン・チュー[Rong zhu](中国)
3R 3’06” 裸絞め
原口伸はRIZINに参戦している原口央の弟で25歳。8戦7勝(5KO/4一本)1無効試合。国士舘大学時代の19年、レスリング天皇杯フリー70kg級で優勝。21年にMMAデビューし、22年5月のGRACHANで植田豊に判定勝ちしGRACHANライト級暫定王者となると、山本琢也が正規王座を返上し、8月に原口が正規王者に。昨年2月に小谷直之に1R TKO勝ちして初防衛した。
5月のRTUシーズン2一回戦ではウィンドリ・パティリマ(インドネシア)を圧倒し2R TKO勝ち。だが準決勝で戦う予定だったバテボラティ・バハテボラ(中国)が前日計量で5ポンド(2.27kg)オーバーしたため失格となった。原口は試合を希望したことから、トーナメント以外の試合を予定していたパク・ジェヒョン(韓国)と戦い判定勝ちした。
決勝の相手・ロン・チュー29戦24勝5敗の23歳。21~22年にUFCで3戦1勝2敗と負け越し、再契約を目指しRTUに参戦し、韓国の選手に2連勝した。
1R、序盤、原口は2度目のタックルで倒す。原口は金網際で背後に回ろうとしたが、ロンは対処し立ち上がる。原口は金網に押し込み、またもタックルで倒そうとするが、ロンは脱出する。サウスポーの原口に対し、ロンは右ミドルを当てる。またも原口はタックルを仕掛けて倒すが、すぐにロンは立つ。終盤、ロンはワンツーでの右ストレートを当てる。すぐに原口はタックルを仕掛け、抱え上げて倒し、サイドポジションを奪うことに成功する。原口はサイドキープして右肘を一発当てる。だがこれもロンが脱出すると、またもワンツーで右ストレートを当て、原口は少し腰が落ちてしまう。記者採点は僅差だがロン。ロンがスタンドで的確にパンチを当てダメージを与えたことを評価した。
2Rはより差がはっきるする展開に。ロンが右ミドルを当て、原口はタックルを仕掛けるが、ロンは右膝蹴りを顔面に当てる。原口はそれでも変わらずしがみつき、金網に押し込む。中盤過ぎに離れ、ロンは右ミドル、テンカオを的確にヒット。原口は鼻血を出しており、タックルに行くが力が弱まり、ロンはあっさりと突き放すように。終盤も原口はタックルを切られ、ロンが右ストレート、左ジャブ、右ミドルを的確に当て、着実にダメージを与える。記者採点はロン。
Back to the Octagon!
China's Rong Zhu submits Shin Haraguchi to cap off his DOMINANT performance at the #RoadToUFC Season 2 finale! pic.twitter.com/QHqJycg5kK
— UFC_Asia (@UFC_Asia) February 4, 2024
3R、ロンは開始すぐに飛び膝で前に出て、強気の姿勢を示す。原口も打ち合いで活路を見出そうとするが、ロンはかわす。原口はダメージが溜まり、口が開き、ロンが中央で構え余裕を見せるようにステップする。中盤、ロンが右ストレートを当てると、原口はマウスピースを吐き出す。原口のタックルをロンが切ったタイミングで、ハーブ・ディーン・レフェリーがブレイクし、原口にマウスピースを装着させる。だが原口はひざまづいて休んでしまい、レフェリーが止めようか一瞬躊躇する。原口は立って続行したが余力は無く、タックルを仕掛けるがロンにあっさり潰される。ロンは立った状態から鉄槌を落とし、原口のバックに回ると、パウンドを連打してから裸絞めを極めタップを奪った。
第2試合 ROAD TO UFCフェザー級決勝 5分3R
×リー・カイウェン[Li Kaiwen](中国)
○イー・ジャー[Yi zha](中国)
1R 3’03” 腕ひしぎ十字固め
※リーは計量3.5ポンドオーバー。イーにファイトマネーの20%を譲渡
※イーが優勝
ROAD TO UFCバンタム級決勝 5分3R
―シャオ・ロン(中国)
―イ・チャンホ(韓国)
延期 (シャオの負傷)