K-1 12.9 エディオンアリーナ大阪:和島大海、武林風王者とのダブル王座戦を提案。松倉信太郎、ハッサン・トイのミドル級王座挑戦。黒田斗真×石井一成、1年前の決勝以来の再戦。菅原美優は9戦全勝の豪州人と。金子・軍司・レオナ・大和哲也も出場
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K-1 WORLD GP 2023 ~ K-1 ReBIRTH.2 ~(12月9日(土) エディオンアリーナ大阪)の第1弾決定カード発表記者会見が10月11日、東京で行われた。3階級のタイトルマッチ、1王者のノンタイトル戦が早速発表されたほか、4人の王者の出場も発表され、年内最後のK-1は盛りだくさんなマッチメイクとなりそうだ。
プロデューサー復帰の宮田氏「選手と密にコミュニケーション」とアピール。さっそく王者8人の出場決定。菊田Pは異色マッチメイクを示唆
K-1では7月に中村拓己氏からカルロス菊田氏にプロデューサーが交代し、8月からは宮田充氏がKrushのプロデューサーに復帰し、9月10日に横浜アリーナで新体制での初のK-1の大会「ReBOOT ~ K-1 ReBIRTH ~」が開催された。新体制のK-1ではミドル級(75kg)以下をK-1 WORLD MAX、クルーザー級よりも上をK-1 WORLD GPと区分し、横浜大会はWORLD GP部門となる無差別級トーナメントが主体の編成だった。
12月の大阪大会の名称は「K-1 WORLD GP 2023 ~ K-1 ReBIRTH.2 ~」。“ReBIRTH”した体制を引き続きアピールしつつ、前体制時代と同じ「K-1 WORLD GP」の大会名が戻った。だが今回はMAX部門の試合主体で、トーナメントは行わず、ワンマッチオンリーとなる。宮田氏はKrushだけでなくMAX部門のマッチメイクも任されており、Krushでは10月大会から、K-1では12月の大阪大会から、本格的にその手腕が発揮される。
第1弾カード発表会見では、スーパー・ウェルター級王者・和島大海、ミドル級王者・ハッサン・トイ、バンタム級王者・黒田斗真の防衛戦、女子アトム級王者・菅原美優のノンタイトル戦が発表された。和島と菅原は初来日の海外勢との試合だが、トイに挑戦するのは松倉信太郎、黒田に挑戦するのは石井一成で、ここ1年以内の王座決定トーナメント決勝の再戦という、わかりやすいテーマになっている。
さらに宮田氏は、スーパー・バンタム級・金子晃大、フェザー級・軍司泰斗、スーパー・フェザー級・レオナ・ペタス、スーパー・ライト級・大和哲也の4人のK-1王者の出場も、今回の会見で発表した。金子・軍司は9月大会からの連続出場。レオナと哲也はK-1側から新体制の説明が乏しいことをX(旧Twitter)上で批判していた。宮田氏は今回の会見の冒頭「新機軸を進める中で、一部のジムさんやファイターとコミュニケーション不足になってしまい、ファンの皆さんにご心配をおかけしましたことをお詫び申し上げます。その後、密にコミュニケーションを取り、ファンの皆さんに期待していただけるK-1の流れになりつつあります」と謝罪・説明しており、両選手らとの雪解けは進んでいるようだ。
他の選手のカードについて、宮田氏は「それ以外のチャンピオンクラスのファイターも、スタンバイできるか、怪我で休むファイターだったり、海外で試合が決まるかもしれないチャンピオンもいます」「大阪に出たい選手が70~80選手ぐらいいます。50試合とか組めないので、編成に難儀しています」「僕、長い興行苦手で、K-1は長いと言われますが、多くなりそうです」とマッチメイクの状況について説明した。会見で言及されなかったが、宮田氏は1週間前のXでRISEの伊藤隆代表と会ったことを明かしている。RISEも12月16日に両国国技館でのビッグイベントを控えるため、12月の2大会での交流戦第3弾の可能性もあるだろう。
また、菊田氏も「プロデューサー就任以降、度々“開国”という言葉を使っていますが、国内・海外の他団体と交流するだけではありません。MMA、ムエタイ等の他競技の選手がK-1ルールの戦いに挑戦したり、格闘技と関係の無いスポーツ選手がK-1ルールに挑戦したり、K-1の選手がMMAに挑戦したり、そのような広がりのある世界を作っていきたい。これが開国の深い意味です。大阪大会開催までには、開国を意識したマッチメイクを順次発表できると思っています」と説明した。第1弾カードは中村体制から残る色合いが濃かったが、菊田体制ならではの異なったカラーが今後の発表カードで反映される可能性を示唆した。
和島大海、3度目の防衛戦は武林風王者と。K-1&武林風ダブル王座戦を提案
K-1 WORLD GPスーパー・ウェルター級(70kg)タイトルマッチ 3分3R(延長1R)
和島大海[ひろみ](月心会チーム侍/王者)※3度目の防衛戦
オウヤン・フェン[Ouyan Feng](中国/天津阿福ファイトクラブ/CFP/挑戦者、WLF武林風 -70kg級世界王者)
和島は21年12月に木村“フィリップ”ミノルをKOし第4代K-1スーパー・ウェルター級王者になる。昨年6月のTHE MATCHではRISEのブラックパンサー・ベイノアに判定勝ち。9月のK-1ではメレティス・カコウバヴァスをKOし、今年3月のK’FESTA.6ではジョムトーンをローキックで攻略し延長TKO勝ちし王座初防衛。7月の両国大会ではジョーダン・ピケオーを2R KOし2度目の防衛を果たし、8連勝(7KO)と快進撃を続けている。
3度目の防衛戦の相手となるオウヤンは22戦20勝(6KO)2敗の26歳。3月の武林風でGLORYの元ランカーのクリスチャン・バヤに判定勝ち。7月にアナトリー・モイセーエフをKOし武林風の70kg級の王者となったばかりで、宮田氏も「中国70kg最強」と評す。これまで武林風勢ではライト級でウェイ・ルイがK-1王者となり、9月のK-1での無差別級トーナメントではウェイの後輩のリュウ・ツァーが優勝しており、オウヤンも彼らに続く存在となるか注目される。
和島は会見冒頭「カルロスさん、先日は“意見交換会”お疲れ様でした。次回は是非僕も」と話し、菊田氏は「このタイトルマッチで勝ったら、大阪で“意見交換会”しましょう」と答えた。菊田氏は2日のXに「今日はK-1ガールズたちと世界進出に関する意見交換会を開催しました」と投稿し、K-1ガールズ8名と並んでの写真を添えて投稿したところ、選手やファンからは、選手とのコミュニケーション不足を嘆く声が殺到していた。和島もXで菊田氏を茶化し、会見でもネタにした流れだ。
続けて和島は本題のオウヤン戦の話に進み「オウヤン選手からは2~3年前に対戦要求があって、調べてみたらいい戦績だったので注目していました あれから2~3年で僕もオウヤン選手もベルトを取ったので、お互い負けられない試合です」と話した。さらに和島が「ベルト2本、懸けたりできないんですか?」と話すと、宮田氏は「チャンピオンの発言なんで預からせてもらいます。難しいとは思うんですけど、言うだけ言います」と回答した。
オウヤンの印象について聞かれると「手数が多くて凄い練習しているイメージです。そこに付き合うというより、1Rで倒してしまおうと思います」と答え、「僕も1回中国で試合しているので、中国の選手のレベルが高いのは知っていますし、オウヤンのフィジカルが強そうです」と評した。
来年2024年からK-1の海外進出路線が本格化する模様で、和島も「(オウヤンは)アジアで一番強いと思うので、まずはアジアをクリアして、そこから次はヨーロッパにお願いします」「日本だけじゃなく世界のリングで戦って、K-1が強いと証明していきたいんで、どんどん世界でやっていきたいです。旅行がてらパリとかイタリアとか行きたいです」と海外進出に意欲を示した。一方でピケオー戦後に対戦を希望した海人についても「いつかできたらいいなと思っています。日本人の中では強いと思っているので、戦いたい相手です」と改めてコメントしている。
なお、和島は8月のONEルンピニー大会でのチンギス・アラゾフとマラット・グレゴリアンの元K-1王者対決を現地で観戦しており、そこで刺激を受けたか聞かれると「レベルも凄い高かったですし、会場の雰囲気も凄かったです。何よりもボーナスも凄かったんで、あれはやる気が出ると思います」と隣の菊田氏を見ながら笑顔で話し、ボーナスをおねだりした。
その話に続いて菊田氏には、最近のONEのチャトリ・シットヨートンCEOによるK-1との選手層・人気の差を誇示する発言や、UFCのデイナ・ホワイト代表のキックボクシング批判についての感想を聞く質問が飛んだ。菊田氏は「反論は無いですが、私たちが開国またはReBIRTHといったコミュニケーション戦略を取って来たことが彼らに届いて、うれしく思っています。戦略が成功していると思います。どんどん反応が欲しいです」とポジティブにコメントしている。
松倉信太郎、ハッサン・トイのミドル級王座挑戦「勝ち以外に生き残る道は無い」
K-1 WORLD GPミドル級(75kg)タイトルマッチ 3分3R(延長1R)
ハッサン・トイ(トルコ/チーム・トイ/王者、元WLF武林風 -65kg級王者、元WFCA欧州-68kg級王者)※初防衛戦
松倉信太郎(team VASILEUS/挑戦者、WPMF世界スーパーミドル級王者、元KNOCK OUT-BLACK同級王者、Krush YOUTH GP 2012 -70kg優勝、K-1甲子園2009 -70kg優勝)
6月の横浜武道館大会では初代ミドル級王座決定トーナメントが行われ、松倉信太郎は初戦でヴィニシウス・ディオニツィオを1R KOしたものの、準決勝のムスタファ・ハイダ戦での3Rの戦いで消耗し、決勝のハッサン・トイ戦ではわずか42秒、左フックでKO負けし、トイが初代王者となった(下動画)。K-1では来年3月の初防衛戦を計画していたが、トイがプライベートの都合により来年初頭から夏ぐらいまで試合ができないとK-1側に伝えたという。宮田氏は「松倉君はもうすぐ32歳なので、あと5年ぐらい続けると思っていた」というが、松倉が近い時期の引退も考え始めていることを知り、早速半年間隔ながら両者のダイレクトリマッチを組んだ。
◆松倉
KNOCK OUTに参戦させていただいていた2年前、K-1の大阪大会を見に行って、K-1にやっぱり戻りたい、最後K-1のベルトを取りたいと思い、昨年4月に戻ってきました。宮田さんは「あと5年ぐらい」と話していますけど、体がぶっ壊れてきています。毎試合死ぬのかなって状態が続いています。もともと倒れなかったんですけど、この間も気づいたら倒れていました。(旧体制の)K-1 WORLD MAXにも出て、Krushの創世期にも出ていて、自分の格闘家人生を(K-1で王者になって)完結させたいです。
(前回ハッサンと戦った感想)重い階級だと技術的に劣るところが多いんですけど、パンチの打ち方とか当て方とかが上手かったです。階級を上げたことでパワーもついて、滅茶苦茶やりにくかったです。ハッサン選手がサウスポーにスイッチした時に、僕が無意識に右ミドルを蹴ったら、ハッサン選手はわかってて、カットして攻撃を返してきたので、蹴らされたなあ、上手いなあと思いました。最後のパンチは覚えていなくて、そこに至る攻防が上手かった記憶が残っています。
(リベンジへの自信は?)もちろん強いのはわかっていますけど(友人の)武尊がTHE MATCHを開催させたように、欲しいものを言って、そこを真剣に目指せば道は開けると思います。普通だったら今回の試合も決まらないですけど、色んなタイミングが重なって決まったと思うので、気持ちが全部引き寄せるものだと思っています。次負けて、また列の一番後ろに並んで、また続けますという状況じゃ無いと思います。次はトーナメントじゃないので言い訳もできません。負けたら引退とまでは言わないですけど、勝ち以外に生き残る道は無いと思います。
(階級を上げたハッサンの強さについて)今の階級のほうが5倍ぐらい強いと思いますね。体つきと、何があったのか知らないですけど、パワーも凄いですし、デカいですし、75がベストだと感じました。パンチを打った時も頭を一個ずらしてよけられて、重い階級だとあんまり経験したことが無かったので、そういうところは元々軽い階級でやっていた選手なんだろうなと思います。
黒田斗真×石井一成、1年前の決勝以来の再戦。石井は10.28 RWSにも出場
K-1 WORLD GPバンタム級(53kg)タイトルマッチ 3分3R(延長1R)
黒田斗真(K-1ジム心斎橋チームレパード/王者、K-1 WORLD GP 2021 K-1バンタム級日本最強決定トーナメント優勝)※初防衛戦
石井一成(ウォーワンチャイ・プロモーション/BOM・WBCムエタイ・WPMF世界スーパーフライ級王者、IBFムエタイ世界フライ級王者、元WPMF世界・True4U・KNOCK OUT同級王者、元プンパンムアン・ミニフライ級王者)
黒田と石井は昨年12月の大阪大会での初代バンタム級王者決定トーナメント決勝で対戦し、黒田が延長判定2-1の僅差で勝利しベルトを巻いた。石井はこの日9R目、黒田は11R目と、消耗しきった状態での延長戦だったため、両者のワンマッチでの完全決着を望む声も多かった。その後、黒田は6月の横浜大会でラマダン・オンダッシュに判定勝ち。石井は3月のK’FESTAでヨーシラーと戦ったものの、2R開始早々のダウン裁定の誤審の影響で、石井の判定負けからドローに裁定が変わっていた。K-1での試合はそれ以降していないものの、7月と9月のラジャダムナン・ワールド・シリーズ(RWS)で2連続KO勝ちし、9月の試合では元ラジャダムナン認定バンタム級王者の実力者をマットに沈めた実績も評価され、今回黒田とのリマッチ&王座戦が組まれた。
◆黒田
1年前の決勝はどちらに勝敗が転んでもおかしくない試合で 正直勝ち逃げしたかったですけど 差を見せて勝って、僕も来年から海外に挑戦したいです。
(去年の石井との決勝を振り返って)トーナメントはダメージを負わないことが第一で、ダメージを負わなかったのが勝因です。(準決勝までに左腕を骨折していたと思うが?)滅茶苦茶痛かったんですけど、そこはなんとか気合で行けました。頭のダメージは無かったです。
(前回は僅差だったが、今回は?)全局面で圧倒したいです。
◆石井
格闘技を始めた時の目標がK-1のチャンピオンで、去年12月は果たせなかったんですけど、今回は必ず勝ちます。
(去年の黒田との決勝を振り返って)僕は圧をかけて、相手をへばらせる戦い方が好きですけど、K-1では倒すまでの距離感や誘い込み方といったテクニックも必要だと感じました。決勝はダメージは無かったんですけど、ベルトへの思いが強すぎて、前に前にというだけになっていました。
(K-1とムエタイの二刀流のメリットは?)ムエタイだと気を付けないといけないことが多いですけど、K-1だとキャッチも肘も首相撲も無く、ゼロ距離でも打ち合えるので、より僕の攻撃力が活きます。10月28日のRWSでもラジャダムナンの現王者と(ノンタイトル戦で)戦うことが決まっているので、黒田戦も見据えながらラジャの王者に挑みたいです。
(連戦はリスキーだと思うが?)何日か前にK-1のタイトルマッチが決まったんですけど、9月のRWSが終わってからすぐ、次のRWSでのラジャのチャンピオンとの試合のお話をいただいていました。ムエタイペースなら月1試合でいけるので大丈夫です。
(前回の黒田戦は僅差だったが、今回は?)KOで決着をつけたいです。
菅原美優、WBCムエタイ豪州王者と対戦「今は経験を積んでいるところ」
女子アトム級(45kg)(ノンタイトル戦) 3分3R(延長1R)
菅原美優(K-1ジム三軒茶屋シルバーウルフ/K-1女子アトム級王者、元Krush同級王者)
ルシール・デッドマン[Lucille Deadman](オーストラリア/デイラーメイド・ムエタイ/WBCムエタイ豪州女子ミニフライ級王者)
菅原は3月のK’FESTA.6でパヤーフォンと接戦の末にリベンジし悲願のK-1王座獲得に成功。7月17日の両国大会ではディミトラ・アガサゲリドゥに判定勝ちし、9月の横浜大会でもマリア・ネラに判定勝ちし、ギリシャの選手に2連勝した。今年4戦目の相手・デットマンは9戦9勝(1KO)の24歳のオーストラリア人で、WBCムエタイ豪州女子ミニフライ級王座を保持する。
◆菅原
今年4試合目、また大きい舞台で試合ができることはうれしく思います。しっかり成長した姿を見せて、あわよくばKOできるよう、精一杯頑張ります。
(デッドマンの印象)試合を見た時はめっちゃ強いと思って、結構びびっちゃって。試合をする選手がレベルアップしていることにうれしくも思い、これも与えられた試練だと思います。蹴りが上手で、ローキックが嫌だなあと見ています。前蹴りも使うので、自分とかぶるところがあります。ムエタイの選手ですけど、組みもそんなに多くないので、K-1に適した選手だと思います。
(髪を短く切った理由)勤めているヘアサロンの先輩が退職する前に、できるだけ短く切ってもらい、しばらく切らなくていいようにしました。滅茶苦茶練習しやすいですし、髪の毛もすぐ乾くので生きやすいです。
(今回勝った先の展望)2024年はもっと広い世界を見たいですし、色んな国の人とやりたいです。海外だけじゃなく国内の他団体の選手とも交わっていければいいと思うので、そこを見据えて今は経験を積んでいるところです。海外でも試合したいです。
概要
大会名 K-1 WORLD GP 2023 ~ K-1 ReBIRTH.2 ~
日時 2023年12月9日(日) 開場・未定 開始・未定
会場 エディオンアリーナ大阪(大阪府立体育会館)第1競技場 [HP]
中継 ABEMA(生放送|無料)、U-NEXT(生放送|2,189円/月)
チケット料金 ロイヤル 100,000円 アリーナSRS 60,000円 アリーナRS 35,000円 アリーナS 18,000円 スタンドS 18,000円 アリーナA 10,000円 スタンドA 10,000円 スタンドB 7,000円 ※当日500円増し ※小学生からチケットが必要
チケット販売 チケットぴあ イープラス ローソンチケット K-1.SHOP グッドルーザー K-1ジム各店舗 出場選手・所属ジム
お問い合わせ グッドルーザー 03-6450-5470 https://www.k-1.co.jp/contact/